“お久しぶりユーザー“は、何をきっかけに再訪してくれたのか? Googleアナリティクスで突き止めよう(第47回)
久しぶりのお客さんが再訪してくれたきっかけを探ることで、集客施策に活かしたい。
メディアサイトやeコマースサイトなどでは、いったんユーザーに覚えてもらったら定期的にサイトを訪問してもらえれば集客は効率的になる。だが現実はなかなかそういったことにはならず、「一見(いちげん)さん」で終わる可能性も高い。一方で、前回訪問からしばらく経ったある日突然、思い出したように再訪問してくるユーザーもいるだろう。
そういった「お久しぶり」再訪問ユーザーの行動をうまく活用して、集客のためのヒントが導き出せないだろうか。今回はそのような訪問からヒントを得ようという趣旨だ。今回は次のセグメントを紹介しよう。
- セッションの間隔が45日以上のセッション
このセグメント条件の「45日」というのは、各自サイトの事情に応じて適切に変更していただくのがよいだろう。eコマースサイトで月に1回くらいの頻度で購入するような商品の多いサイトなのか、連載記事が2週間おきに更新されるメディアサイトなのか、などに応じてそれぞれの「お久しぶり」の定義は違ってくるはずだからだ。
「セッションの間隔が45日以上のセッション」セグメントの作り方
標準に用意されているセグメントには今回紹介するセグメントは存在しないので、新しいセグメントを作成していく必要がある。
まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。
「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示されるので、左上にある「+新しいセグメント」(図2赤枠部分)をクリックして新規セグメントを作成していこう。
新しいセグメントを作成する初期画面では「ユーザー属性」(図3赤枠部分)が選択されているが、今回作成するセグメントでは「条件」(図3青枠部分)を選択しよう。図3はその「条件」を選択した画面だ。
今回のセグメントの条件設定は、図3緑枠部分で行う。「セッションの間隔が45日以上のセッション」は、図4のように条件指定しよう。
今回はセッションベースのセグメントなので、
- 「フィルタ」は、「セッション」「含める」(図4赤枠部分)
を選択する。その下の条件は
- 「セッションの間隔」「≥(以上)」「45」
とする(図4青枠部分)。「セッションの間隔」とは前回と今回のセッションの日数ベースの間隔なので、このように指定すれば前回から45日以上経ってからの訪問という意味になる。
これでセグメントの名前を「セッションの間隔が45日以上のセッション」とでも名付けて、「保存」ボタン(図3黒枠部分)をクリックする。これで新規セグメント作成作業は終了だ。
補足:「行動」分類の「セッションの間隔」を使わないように注意!
気を付けていただきたいのは、「行動」の分類(図5赤枠部分)の中にある「セッションの間隔」(図5青枠部分)だ。ここにも同じディメンション名である「セッションの間隔」が存在している。しかしここで「セッションの間隔」「以上」「45」と設定(図5青枠部分)しても、図4の設定内容と同じにはならない。
「行動」の分類は、薄い文字で記載されている(図5緑枠部分)ように、基本的に「ユーザー」ベースのセグメントだ。今回は「セッション」ベースの指定が必要なので、「条件」分類の「セッションの間隔」(図4)を使うのが正しい(ちなみに、図4の「条件」分類の設定画面で「行動」分類と同等の設定を行うには「フィルタ」を「ユーザー」「含める」と指定しなければならない)。
「お久しぶりユーザー」がどれぐらいいるか確認するには?
次にこのセグメントの活用方法を見ていこう。まずは[ユーザー]>[サマリー]レポートに該当のセグメントを追加(図6赤枠部分)しよう。該当セグメントを掛けた結果が全体に対してどの程度の割合を占めているのか(図6青枠部分)と、それぞれの「ページ/セッション」や「平均セッション時間」、「直帰率」の指標(図6緑枠部分)を見較べておこう。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
- メニューが開くので、[サマリー]をクリックする
- 「セッションの間隔が45日以上のセッション」セグメントを「適用」する(図6赤枠部分)
この例では、該当セグメントを掛けたセッションの割合が2.4%(=167÷6,864)と非常に少ない(図6青枠部分)。このようにあまりにも少ない割合のデータからは、有効なヒントが出てくるとは思えないので、「45日」という条件が相応しかったのかといったところに立ち戻るのがよいだろう。たとえば、もう少し短めの間隔に設定し直す、というのもありだ。
この例の「ページ/セッション」や「平均セッション時間」、「直帰率」の指標を見ると、該当セグメントを掛けた値と全体のそれとではそれほど大きな違いがなかった(図6緑枠部分)。つまり該当セグメントの訪問の質に関しては、可もなく不可もないので、それほど大きな期待はできないかもしれない、などとあらかじめ想定しておくことができる。
「お久しぶりユーザー」がどのチャネルからやってきたのかを確認するには?
次にチェックするのは、このお久しぶりな訪問を誘導してくれたチャネルを確認しておく。集客の代表的なレポートである[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートに追加で該当セグメントを掛けよう(図7赤枠部分)。該当セグメントの多い順に並んでいる方が特徴は理解しやすいので、先に該当セグメントを掛けるようにしよう。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[集客]をクリックする
- メニューが開くので、[すべてのトラフィック][参照元/メディア]を順にクリックする
- 「セッションの間隔が45日以上のセッション」セグメントを「適用」する(図7赤枠部分)
- 次に「すべてのセッション」セグメントを「適用」する
もし、「すべてのセッション」セグメントを先に掛けてしまった場合は、該当セグメント(図8赤枠部分)をクリックしてドラッグアンドドロップで「すべてのセッション」の位置(図8青枠部分)の方に移動させれば、順序が逆になるので、このひと手間を掛けよう。
[参照元/メディア]レポートでは、
- 該当セグメントにおけるシェアの高い「参照元/メディア」の組み合わせがどれか
- それが有望な集客元になっているのか
を確認しよう。具体的には、セッションの指標の各「参照元/メディア」のシェア(図7青枠部分)を見る。図7の例では、「google / organic」がどちらのセグメントでも過半数を占め、掛けたセグメントデータの特徴があまり顕在化しなかった。
強いて言えば、2位の参照元/メディアが該当セグメントを掛けた時の割合が高かった。そこで、この「参照元/メディア」の「直帰率」「ページ/セッション」「平均セッション時間」と、コンバージョン系の指標(図7緑枠部分)を見ていく。シェアの高い集客チャネルは質の高い訪問あるいは成果に結びつきやすい訪問だっただろうか。また、集客施策で広告などをやっていれば、そういった施策が休眠ユーザーの掘り起こしに役立っていないだろうか。
「お久しぶりユーザー」が、よく見ているコンテンツは何か、分析するには?
次にチェックするのは、このお久しぶりな訪問者が見ているコンテンツだ。行動の代表的なレポートである[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに追加で該当セグメントを掛けよう(図9赤枠部分)。先ほどと同様、こちらも該当セグメントを先に掛けるようにしよう。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[行動]をクリックする
- メニューが開くので、[サイト コンテンツ][すべてのページ]を順にクリックする
- 「セッションの間隔が45日以上のセッション」セグメントを「適用」する(図9赤枠部分)
- 次に「すべてのセッション」セグメントを「適用」する
[すべてのページ]レポートでも該当セグメントにおけるシェアの高いページがどれか、そしてそのコンテンツ閲覧の質や成果が高いのかを確認しよう。
具体的には、ページ別の「ページビュー数」の指標のシェア(図9青枠部分)を見る。図9の例ではシェアの高いページや、全体と比較してシェアの多いページはそれほど発見できなかったが、そういったページがあれば、それぞれの「平均ページ滞在時間」「閲覧開始数」「直帰率」「ページの価値」などの指標(図9緑枠部分)を見よう。お久しぶりユーザーの関心事とその興味の度合いや成果に結びついたのかを理解できるだろう。
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