1人あたり平均収入
1人あたり平均収入
1人あたり平均収入が重要な指標であるのは、ECサイトや広告収入を得ているサイトにとってだけではない。マーケティングサイトでは、コンバージョンを元に価値を見積もり、カスタマーサポートサイトではサポートされたことで生まれた収入を概算することで、マーケティング活動の結果をより理解できる。
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定義
{総収入}÷{総訪問者数}={1人あたり平均収入}
「収入」の算出方法は、業種によって異なる。
- ECサイト ―― 発生した収入は容易に計算できる。
- メディア(コンテンツ)サイト ―― 発生した広告収入を合計する方法、平均CPM(表示1000回あたりの広告料金)と広告の表示回数から計算する方法の2つがある。
- マーケティングサイト ―― リードジェネレーションに特化したマーケティングサイトでは、過去の似たような属性のリードから得られた収益のデータをもとに、収益を見積もることができる。
- サポートサイト ―― カスタマーサポートサイトの場合、そのサイトがサポートする顧客の契約額の総和を使うことが理想的である。たとえば、100人の購入者が100ドルの商品のサポートを受け、50人の購入者が500ドルの商品のサポートを受けたとすれば、総収益は $100×100+$500×50=$1,250 となる。
カスタマーサポートの計算は明らかに人工的ではあるが、サポートした訪問者の価値をみていくことは意義があることだ。
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表現形式
これもドル、円といった金額単位の表記なので、表現としてはきわめて明瞭である。ただし、サポートサイトの場合は、1人あたり平均サポート収入のように、わかりやすく名称を変えることは必要である。
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想定される結果
想像の通り、1人あたり収入は多ければ多いほど良い。この値を改善する戦略は明確で、より価値の高い訪問者をWebサイトにひきつけることである。1人あたり平均収入の値を使って、それぞれの新規訪問者獲得の施策を、必要に応じてセグメンテーションしながら注意深くチェックし、個々の戦略が本当に機能しているかどうかを判断しよう。
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行動
この値が突然下がるか、急激に落ちていれば、即座にマーケティング部に、そしてオペレーショングループに知らせるべきである。よくある状況としては、ターゲット層ではない訪問客の増加、収益を発生させるプロセスにおける不具合(たとえば、ショッピングカートシステムのエラー、サイトの反応が遅くなって、それによる広告表示回数の減少した)などである。
[注意] このKPIは「緊急停止ボタン」を押すリストに含まれる。つまり、何か問題が起こったとき、その問題の原因が明確になるまで、全員が急ブレーキをかける必要がある指標だ。
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この記事の筆者
この記事は、Web Analytics Demystifiedの創設者でありシニアパートナーであるエリック・T・ピーターソン氏による書籍『The Big Book of Key Performance Indicators』の日本語版です。原著作者の許諾を受けて株式会社デジタルフォレストが翻訳し、同社の開催する「Web解析マネジメント実践講座」において参考書としているコンテンツを、Web担当者Forum向けに特別に公開しているものです。
※この日本語訳版に関するお問い合わせは、デジタルフォレストまでお寄せください。
エリック・T・ピーターソン 著
株式会社デジタルフォレスト 手嶋進、入谷聡、清水昌浩 訳
Original Author: Eric T. Peterson, Senior Partner and Founder, Web Analytics Demystified