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2010年のGWに読んだ本たち」 からご覧ください。
今年のGWは、何冊か本も読みました。下記にご紹介。
● 『次世代広告進化論』(須田伸著・SoftBank Creative)
ご存知、スダシンさんの本です。これはGW前に読み終わってました。日経ビジネスオンライン「Web2.0(笑)の広告学」での連載を大幅に加筆修正したという本書。
まだ広告で「騙せる」か? マスメディアとネットはなぜ嫌い合うのか? 発言する消費者は脅威か? 広告の成功法則は変わったか? これからの広告は何をすればいいのか? という目次に沿って、スダシンさんの広告論が語られています。
壇れい好きの僕としては、後半にあった、「金麦妻」は男性のファンタジーか?女性蔑視の広告か?という考察が非常に興味深かったです(笑)
また、「事実やデータに基づく選挙戦をやりたい」と言ったオバマ大統領の話や、計測可能な成功を定義し、常にテストを行い、セグメントごとに評価するといった考察(つまり最終的なコンバージョンからさかのぼって計測可能なプロセスに段階を分解していく作業)は、いつのまにか手段が目的化してしまいがちな企画作業の中でハッとさせられました。
「広告のルールが大きく変わった今、企業は小手先の広告表現に頼るのではなく、自分たちの強みを生かしたバリューある商品やサービスをつくりだし、モノを言う消費者やインナー(従業員など)と連携して、彼らとコミュニケーションを緊密にとりながら、生態系の一員として活動していかなければならない」
これは、本書の「おわりに:今こそ、We try harder.」にある一文です。マーケティングコミュニケーションも大切だけど、その前に、いまこそマーケティングそのものの革新が必要なのかもしれない、ということを強く示唆している気がします。
● 『仕事は、かけ算。』(鮒谷周史著・かんき出版』
GW前に、『キズナのマーケティング』のPRでお会いした鮒谷(ふなたに)さんは、購読者数日本一(20万部)を誇るメールマガジン「仕組みと掛け算でビジネスを成功に導く【平成進化論】」の発行者です。
大変失礼ながら鮒谷さんの著書は拝読したことがなかったので、読ませて頂きました。これがまた仕事(というか人生)のTipsが1つ見開き2ページで簡潔にまとまっていて読みやすいのなんの。1時間か1時間半もあれば読めちゃいます。
特に印象的だったフレーズをいくつかご紹介。
- 「自分が本当に望むものは?」と自分自身に問いかけることで、行動を鈍らせるリミッター(制限)が見えてくる。
- 明るい笑顔が絶えない人のところに人は集まるし、友達もできる。そして、結果として幸せもやってくる。
- 「ありがとう」は本当にありがたい言葉。心の中でつぶやくだけで、マイナスの世界がプラスに変わる。
良著でした!
続いて、ヤフトピ本を2冊連続で。
● 『ヤフー・トピックスの作り方』(奥村倫弘著・光文社新書)
大きなPRパワーを有するヤフー・トピックスを手がけるヤフーR&D統括本部長編集本部メディア編集部長 奥村氏による本です。
情報提供契約を結ぶ150の報道機関から送られる1日3500本以上の記事の中からトピックスとして掲載するのは約60本に過ぎない(トップページに掲載されるトピックスはさらにその一部)そうな。スゲー確率だ。
一部の方からは「歯切れが悪い」とか、「結局どうやったらヤフトピに載るかはわからなかった」などという意見もあるようですが、個人的には知っているようでその舞台裏のことは知らなかったという意味でとっても参考になりました。これからヤフトピを見る目がかわりそうです。
で、同日の4月20日に上梓されたのはこちら。
● 『ヤフートピックスを狙え』(菅野夕霧著・新潮新書)
こちらは、タイトルからしてちょっと香ばしいニオイがしたものの、著者は市ヶ谷経済新聞(シブヤ経済新聞のFC)の編集長でもあり、メディア側からの意見としてもバランスのとれたものでした。
前半は、上記「ヤフートピックスの作り方」の著者・奥村さんへのインタビューが中心、後半は過去ヤフトピに掲載された事例の類型化(ケーススタディ)ですが、「載せる側」ではなく「いかに載せてもらえるよう頭を使うか」という載せてもらう側の視点でまとめられているので、せっかくなら2冊一挙に読むことをオススメします。
本書の中で紹介されていたヤフー・トピックスの特徴は下記の通り。
- 1日約3500本の中から選ばれたトップニュース
- 見出しは、”見せる” 全角相当13文字で
- 見出しに華美な装飾はなし
- より理解が深まる関連情報サイトのリンクが多数
- 8本の並びには「硬←→軟」のグラデーション
- その選抜は人間によるアナログ作業
- ジャンル別トピックスを経て、トップページへ掲載(1部未掲載なものも)
- 「ユーザーの利益」「中立性」「新しい見せ方」「広く・深く・早く」の4本柱
- これまで埋もれがちだった地方や地域ニュースに「光」を当てる
2冊読むと、なるほどヤフートピックスに取り上げてもらうのではなく、取り上げてもらいやすいニュースの作り方について勉強になると思います(平易に書かれているので、PR業界の方にはちょっと物足りないかもしれません)。
当然ですが、「これさえ読めば誰でも宣伝費ゼロ円で確実にヤフートピックスに掲載してもらえる!」なんて魔法が書いてある本ではありませんので、ご注意を。2冊両方ともに書いてあった「余計な修飾語をなくしてもなおパワーのある情報こそ本当のニュースだ!」というフレーズには大いに納得させられました。
● 『予想通りに不合理』(ダン・アリエリー著・早川書房)
読みたいな、読みたいな、と思いつつずっと読めていなかった行動経済学の第一人者、ダン・アリエリー氏の本です。タイトルだけだと「?」という感じですが、内容は、私たち人間は経済学で定義される完全な情報(選択肢)を持ち、完全に経済合理的な判断をくだす生き物ではなく、多分に不合理な判断の連続の中で生きている、ただしその不合理さにも一定の規則性があり、予想することができる、というものです(本書タイトルのゆえん)。
不合理な意思決定とは、たとえば、会社に無料のコーヒーがあるのにスタバで高いコーヒーをテイクアウトで買ってしまうのか、なぜ1セントのアスピリンにできないことが50セントのアスピリンならできるのか、なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか、なぜ自分の持っているものを過大評価するのか、などなど、著者がMITやハーバードなどで繰り返し行った実験結果をもとに、わかりやすく解説しています。必読です。
関連する本として(特にPR業界では有名な)下記の本があります。
● 『影響力の武器 - ひとはなぜ動かされるのか』(ロバート・B・チャルディーニ著・誠信書房)
アマゾンでは、
「ふとした隙につけこまれ、あれよあれよという間に欲しくもないものを買わされてしまった」「ひっかかるはずのない怪しい〈儲け話〉に乗せられてしまっ た」「人気商品なのに品薄なことが多い・・・・・・」などなど。本書の著者は、街頭や個別の訪問販売、怪しげな宗教の寄付などで苦い思いを味わった経験か ら、セールスマンや広告主の世界に入り込み、人がどのような心理的メカニズムで動かされるのか解明した。
と紹介されています。こちらも必読かと。
また、社会心理学寄りであまりにも有名なこの本も再度読むといいかもしれません>自分
● 『人を動かす』(デールカーネギー著・創元社)
ちなみに、本書のエッセンスは、大柴ひさみさん(ツイッター @hisamioh)のソーシャルメディアマーケティングセミナーのときにも紹介されています。他者への影響力、私たちの不合理な意思決定、その不合理さの法則性、人の心と行動に影響を与えるもの。これらは全てソーシャルウェブうんぬんのずっと以前から大きなテーマだったものです。
世の中がソーシャル化していく中で、再度大きく注目されている領域として、Back to the Basicが一番良いのかもしれません。
最後に、昨日TSUTAYAで見つけたこの本。
● 『影響力 - その効果と威力』(今井芳昭著・光文社新書)
本書は、さっきご紹介した『影響力の武器』の共訳者である今井氏の本です。4月20日に上梓されたばかり。『影響力の武器』はハードカバーでまぁまぁ読み応えがありますので、まずはサラッと派の方はこちらの方から読むと良いかもしれません(僕もまだ途中ですが)。
まだまだ読みたい本が10冊以上たまってますが、まずはここまでがGWの読書記録ということでー。