TSIホールディングスは7月14日、デイトナ・インターナショナルを買収すると発表した。取得価額は283億円。
デイトナは「FREAK'S STORE」などのリアル店舗、自社ECサイト「DAYTONA PARK」を展開し、カジュアル・スポーツ・アウトドアなど幅広いシーンをカバーした商品・サービスを展開している。
2025年2月期業績は売上高が前期比10.2%増の393億3900万円、営業利益は5億3900万円(前期は1億5000万円の赤字)、経常利益は3億6700万円(同7億2700万円の赤字)、当期純損益は7000万円の赤字(同9億6300万円の赤字)だった。
TSIはデイトナの買収について、ブランドポートフォリオが大きく拡充できることにメリットがあると説明。比較的狭いゾーンにブランド展開が集中しているTSIにとって、カバーしきれていない分野を有効に埋められる強みがあり、成長戦略に合致するとしている。

ブランドポートフォリオが大きく拡充される(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
またデイトナはブランドポートフォリオだけではなく、TSIに不足している領域に多くの強みや特長を持つことから、相互補完関係を期待することができると判断。シナジー効果が期待できるとした。具体的に想定しているシナジー効果は次の通り。
ホワイトスペース強化
マーケット領域として、カジュアル、スポーツ、アウトドアなどTSIにとって空白だった領域を幅広くカバー。また顧客層としては20代を中心とした若年層の取り込みを図る。店舗網として、地方都市のショッピングセンターなどを含め全国をカバーする。
大きな顧客基盤
アクティブユーザー数約80万人のECサイト「Daytona Park」と、TSIの「mix.tokyo」とのシナジーを追求する。
生産調達などオペレーションのスケールメリット
連結仕入高が30%前後のスケールアップを見込み、仕入原価に関する構造改革のスケールメリットを拡大できる可能性があるとした。
DXソリューション事業
DXソリューション事業の成長ポテンシャルに高い期待があり、TSI既存事業での積極的な活用を推進するとしている。

「Daytona Park」と「mix.tokyo」とのシナジーも追求(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
今回の買収ではデイトナの「Daytona Park」と、TSIの「mix.tokyo」とのシナジーを追求するとしているが、ECプラットフォームの動向について注目が集まりそうだ。
デイトナは2022年11月に自社ECサイト「FREAK'S STORE ONLINE SHOP」のコンセプトとデザインをリニューアルし、特定ブランドに偏らないECモール「Daytona Park」として刷新。TSIは2025年2月、30超のブランドのEC基盤を「Shopify」へ統合、公式EC「mix.tokyo」も「Shopify Plus」でリニューアルしている。
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オリジナル記事:TSIホールディングス、デイトナを買収。期待されるシナジー効果は? ECプラットフォームはどうなる?
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