PRIZMAが実施した「2025年最新版 SNS広告の購買行動調査」によると、購買につながるSNS広告の形式は「動画広告」がトップだった。また、Z世代、Y世代、X世代の全世代で約7割が「購入予定がなかった商品をSNS広告をきっかけに購入した」と回答しており、SNS広告が新たな購買行動のきっかけになっていることがわかった。
調査対象は、SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の各世代約200人ずつ、計621人。調査期間は2025年5月15~16日。
よく閲覧するSNS1位はInstagram
よく閲覧するSNSを聞いたところ、全体で最も多かったのは「Instagram」で62.0%(2024年の同調査比0.04ポイント増)、続いて「YouTube」が59.6%(同2.7ポイント減)、「X(旧Twitter)」が52.0%(同横ばい)だった。

よく閲覧するSNS
過半数がインフルエンサーや有名人の投稿を閲覧
普段SNSで最もよく閲覧するコンテンツを聞いたところ、最多が「インフルエンサーや有名人の投稿」で51.7%(同1.3ポイント減)、続いて「動画や音楽」が49.4%(同1.0ポイント減)とエンタメ性の高いコンテンツが選ばれている。
一方、Z世代では「ファッション・美容」が47.3%(同11.9ポイント増)となり、2024年調査時よりも大幅に増加。Z世代では「トレンド情報への感度が高まっている傾向」とPRIZMAは解説している。
「料理・レシピ」は全年代で2024年調査時よりも微増。特にX世代では39.5%(同4.7ポイント増)となっている。PRIZMAは「娯楽性の維持と並行して、SNSは実用メディアとしての役割も強めていることが見て取れる」と考察している。

普段、SNSで最もよく閲覧するコンテンツ(複数回答可)
つい見てしまうのは6割超が「動画広告」
つい見てしまう広告の形式について聞いたところ、全体では「動画広告」が最多で60.7%だった。
X世代では「動画広告」の回答割合が特に高く70.7%(同4.5ポイント増)。PRIZMAは「『視覚で理解できる』広告の有効性が一段と高まっている点にも注目が必要」と指摘している。
また、全世代で「ストーリー形式の広告」が39.0%(同12.9ポイント増)で2024年調査時よりも増加。「より“物語性”や“瞬時の引き込み”が求められていると考えられる」(PRIZMA)

つい見てしまう広告の形式
SNS広告からの購入ルートは約半数が動画
SNS広告経由で商品購入する場合、どの広告形式からの購入が多いかを聞いたところ、最多は「動画広告」で52.5%(同2.7ポイント減)、続いて「ストーリー形式の広告」が32.9%(同6.7ポイント増)、「直接購入リンクが付いているショッピング広告」が24.6%(同3.0ポイント減)だった。
PRIZMAは「『動画広告』は安定した効果を示しており、見てすぐ理解できる訴求力が購買に直結する形式として定着している。『ストーリー形式の広告』は前年から6ポイント以上上昇しており、物語性や“続きが気になる”構造の広告が購買導線として機能し始めている」と分析しつつ、「今後は、動画を基軸にしながらも、ストーリー的要素を掛け合わせたハイブリッド型広告への移行が進む」と予測している。
Z世代では「ストーリー形式」は32.7%(同2.6ポイント増)が2024年調査時よりもやや増加した一方、「漫画広告」は22.4%(同9.2ポイント減)は減少。「年齢層によって“信頼できる伝え方”の形式が異なるため、広告のバリエーションは一層戦略的に設計する必要がある」(PRIZMA)
「関心はあるが検討段階」の層を広告が後押し
購入した商品はSNS広告で見る前から買う予定があったかを聞いたところ、全体では最多が「商品に興味はあるが買う予定はなかった」で46.9%、続いて「買う予定があった」が28.0%、「買う予定はなかった」が25.1%だった。「商品に関心はあるが検討段階だった層を、広告が後押ししている様子がうかがえる」(PRIZMA)
X世代では「買う予定はなかった」が29.8%(同3.5ポイント減)が減少、代わりに「商品に興味はあるが買う予定はなかった」が43.9%(同7.8ポイント減)となり減少している。PRIZMA「購入の決め手として広告がより強く作用していると推測される」と見ている。

購入した商品はSNS広告で見る前から買う予定があったか
印象に残る広告はPR商品の「魅力」と「関心」
最近“いいな”と思ったSNS広告で、印象に残っている点について聞いたところ、全体を通して最多は「商品・サービスそのものに魅力があった」で48.3%、続いて「自分の趣味・関心に合っていた」が27.7%、「広告のデザインや世界観が良かった」が26.4%だった。
一方、「インフルエンサーの登場に好感をもった」が15.0%、「広告のストーリー性に共感した」は12.6%だった。「広告の“演出面”は限定的で、商品+伝え方のバランスが問われている結果となった」(PRIZMA)
PRIZMAは「広告で伝えるべきは“感動”よりも“納得と関心”。過剰演出ではなく、商品の本質的価値を魅力的に届けることが、最も信頼されるコミュニケーションになっているといえる」と考察している。

最近“いいな”と思ったSNS広告で、印象に残っている点(複数回答可)
調査概要
- 調査期間:2025年5月15日~16日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方621人(各世代約200人ずつ)
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ
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オリジナル記事:購買につながるSNS広告の形式は「動画広告」がトップ。閲覧はInstagramが6割超【購買行動調査】
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