「ネッ担まとめ」が2024年3月に終了して、2025年はちょっと違った感じのまとめです。AIを活用して、ECの記事をより多めにピックアップしています。2024年末にかけて大きな動きのあったEC業界を振り返ります。
2024年の展望はどうだった?
2023年のEC業界振り返り&2024年に起きそうなこと【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ | ネットショップ担当者フォーラム
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2024年1月に私が書いた予想というか展望というか「こうなりそう」というのを最初に。
今年は「物流2024年問題」が話題になるのは間違いなさそうです。「人手不足」「物価高」「AI」「リテールメディア」「LINEヤフー」あたりも注目キーワードです。売り上げが上がっても物流の問題で配送できない、人がいなくて対応できない、物価が上がって利益が出ないというのは想像できます。
AIに関しては使わないことには理解できませんので、まずはどんどん使って時代の流れに対応しましょう。「リテールメディア」は小売業者のファーストパーティーデータとあわせて考えましょう。「LINEヤフー」は「Yahoo!ショッピング」ともかかわってきますし、広告ともかかわってきますからね。
AIを使った業務の効率化、自社データ=ファーストパーティーデータの活用、LINEヤフー、Google、Microsoftなどの大企業の動き、この3つがポイントだと思いますので、目先のEC業務以外にも目を向けるようにしましょう。
物流の「2024年問題」は現場レベルではかなり大きな問題になっていますね。長時間働いて稼ぎたい人が稼げなくなるという話もあったり。物価は高くなる一方なのでEC事業者の皆さんは値上げで頭を悩ませた1年だったかも。リテールメディアはかなり広まってきていて、データ量を競っている状況。LINEヤフーはゴタゴタが続いております……。AIに関しては言わずもがな。何かに特化したAIがたくさん出てきたので、使い分けが大切ですね。
【1月】「物流2024年問題」や中国発「Temu」の急成長が注目を集め、配送コストや市場競争の新たな課題が浮き彫りに
物流問題、中国発越境EC、不正対策、大手ECモールの戦略、AI活用といったトピックがEC関連で多く取り上げられた1月。特にトラックドライバー不足による「物流2024年問題」は深刻化が予想され、配送コストの増加につながりましたね。
「Temu」の急成長は、低価格戦略を武器に日本のEC市場にも大きな影響を与え始めています。大手ECモールでは、「楽天市場」が配送品質向上やAI活用を強化する一方、「Yahoo!ショッピング」はLYPとの連携強化による復調をめざす動きが見られました。
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【2月】楽天の新春カンファレンスで「AIの実装」「出店料値上げ」「配送品質向上制度」のスタートが発表される
楽天グループもAIを実装するとの発表がありました。これが12月の「Rakuten AI 2.0」にもつながってきます。出店料はずっと変わっていなかったので仕方なし。「2024年問題」による人手不足や配送遅延を解消するため、配送ルートの最適化、航空便の活用、AIによる需要予測などの導入が進んでいます。
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【3月】ヤフーの「超PayPay祭」、コメ兵の顧客対応が「LINE」を活用してさらに進化
「Yahoo!ショッピング」では「超PayPay祭」が開催されました。「LINE」や「PayPay」との連携強化が始まっていますね。コメ兵は「LINE」を使ったOne to One接客など、顧客との接点強化に取り組んでいます。メルカリは出品の利便性向上をめざした新機能が著作権侵害の懸念からユーザーの反発を招くなど、2024年もちょっとしたごたごたが多かったですね。
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【4月】リクルートが「ポンパレモール」から撤退、「JRE MALL」拡大へ、クレジットカード不正利用対策も新たな課題に
ヤマト運輸が会員向けに「置き配」を導入。日本郵便とヤマト運輸は協業を開始しましたが、12月に配送困難になって訴訟へ。ECモール関連では、リクルートが「ポンパレモール」を終了、JR東日本が運営する「JRE MALL」が拡大、Amazonは模倣品対策を強化しています。EC事業者は「3Dセキュア2.0」の義務化やクレジットカード不正利用対策への対応も迫られています。
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【5月】富士経済の予測では2035年にEC市場は19兆円規模に、楽天やメルカリの越境ECも活発化
富士経済の調査によると2035年にはEC市場規模は19兆円、EC化率は18.9%に達すると予測されています。ECは拡大する一方で、カタログ・テレビ・ラジオなどは長期的には縮小とのこと。Amazonは750円未満商品の販売手数料を引き下げるという発表もありました。メルカリが3言語(英語、繁体字中国語、韓国語)対応のWebページを展開、Shopifyは固定円建て料金の支払いプランを開始、楽天ラクマは「eBay」への出品試験運用を開始するなど、越境EC関連の動きが多い月でもありました。
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【6月】「Shopify」の新機能、「Temu」の急成長とAmazonの低価格モール、「ふるさと納税」でポイント付与禁止
Shopifyが「Shopify Summer’24 Edition」でカスタマイズ性向上などを含むアップデートを発表しました。チェックアウト時に配送が分割可能になる、AIや分析機能の強化が主な内容です。「Temu」はおなじみの低価格戦略で米国市場において急成長しており、Amazonも同様の低価格ストアを準備中だと報じられました。今の「Amazon Haul」ですね。「ふるさと納税」ではポイント付与が禁止される見込みという話題もありました。
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【7月】「最強配送バッジ」が開始され、物流問題ではパレット規格の統一検討中。越境ECは返品問題など新たな課題も
「楽天市場」では「最強配送バッジ」が始まりました。今のところ検索結果への影響が軽微なのは助かっているショップが多いのでは。再配達削減のため「置き配」を普及させる動きや、物流問題への対応としてパレットの統一規格導入の検討が進んでいます。越境ECでは日本製品への需要が高く成長の余地が大きい一方で、返品問題や時差の問題など、国内ECとは異なる課題も存在しています。早めに参入して慣れるしかなさそうです。
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【8月】国内EC市場は成長基調だけど、配送を確保するために年末商戦に向けた早期準備も
JADMAの調査でも「国内EC市場は成長」との発表がありました。市場の拡大に伴い「フリル」が「メルカリ」に敗れたように、強者だけが生き残ることにもなっていますので、どこで売るのかは常に気にしておきたいですね。ジャパネットさんが真夏におせちを売り出すなど、年末商戦に向けた販売・配送の動きもこの時期から見られました。
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【9月】国内BtoC-EC市場は24.8兆円、BtoB-ECは465.2兆円
電子商取引に関する市場調査の結果が発表されました。いつもは5、6月には発表されていたので集計に苦労したのでしょうか……。AIと電話を組み合わせた「テレAIカート」というサービスも出てきました。何でもかんでも削減するのではなくて、必要なものは残しておきたいですよね。越境ECでは日本製品の品質は満足でも、届くのが遅いという不満が。そこはなんともなりません。
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【10月】「再配達率削減緊急対策事業」でポイント付与、国内EC市場は踊り場!?
再配達対策として1回で受け取るとポイントを付与するサービスが始まりました。「再配達率削減緊急対策事業」の一環ではあるものの、国の事業としてやることかな……と思いますが。「国内EC市場は踊り場」という有識者の意見もありました。実際の現場でも頭打ち感はあるので、ここをどう打開するのかが今後のポイントになりそうです。
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【11月】「Yahoo!ストア」のフルフィルメント終了やShopifyの「Amazon Pay」利用停止など、EC業界でサービス変更が相次ぐ
「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」終了、Shopifyが「Amazon Pay」を2025年1月6日から利用不可、という大きな動きがありました。いずれも年末年始の繁忙期後のことなので、かなり忙しくなるところもありそうです。8月でも触れたようにモールなどは提供側都合で振り回されますし、サービスもいつ終わるかわかりませんので、依存度が大きいものの代替案は常に考えておきたいですね。Amazonは独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会から調査、「Yahoo!ショッピング」でAIによる類似商品レコメンド機能が追加などの話題もありました。
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【12月】Amazonに公取委の調査&「ふるさと納税」参入、ヤマトと日本郵便の提携にヒビ
Shopifyが「Winter '25 Editions」を発表し、多くの新機能を追加しました。「Shopify」は変化が激しいのでカスタマイズは最低限にしたほうがよさそうですね。Amazonは公取委の調査を受け、カート表示を巡る値下げ要求の疑いが浮上。兵庫県に12年間で1370億円超を投資し、県内事業者支援を促進するほか、「ふるさと納税」サービスに参入し最短翌日配送を実現する動きも。「Qoo10」が「BeReal.」に公式アカウントを開設し、物流ではヤマト運輸が日本郵便に配送委託スケジュール見直しを申し入れるなど、動きが激しい月でした。
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2025年の予測
2025年は、2024年に引き続き「AI」「物流問題」は話題になりそうです。特にAIはサービスが細分化されて進化しているので、タイムリーに追いかけていないとあっという間に迷子になってしまいます。楽天もAIを使うでしょうから遅れないようにしましょう。「ふるさと納税」もAmazonの参入と2025年10月のポイント廃止によって、手数料の値下げ合戦など、大きく動きが変わるのは間違いありません。
ニトリの参入で話題になった「自社マーケットプレイス」は2025年に伸びるかどうかの判断ができそうです。成功する企業が出てくると加速しそう。「リテールメディア」は2024年が準備段階といった感じでしたので、2025年になって本格的に拡大してくるでしょう。
コロナでのECの急速な伸びも落ち着いたところで、米国はトランプ政権に変わり、日本は引き続き物価高の影響を受けています。いずれにせよ、急激な変化が起きそうですので、特定のモールやサービスに依存することのないようにリスク分散をしておきましょう。
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オリジナル記事:EC業界の2024年ニュースの振り返り+2025年に起きそうなこと&気を付けたいこと
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