ECサイトのリニューアルを売り上げが伸びる“魔法の杖”だと思っている皆さん、こんにちは。リニューアルは、実施したからと言って必ずしも売り上げが伸びるものではありません。むしろ落ち込んでしまう事例の方が多いのかも。「売り上げが落ちる」というリスクを下げ、リニューアル後に成果を上げるためには、まず自社について知ることが重要です。制作会社さん、システム会社さんはあなたの会社の商品、何をしたいのかなど細部まで理解していません。必要なことは何か――結局、何をするにもやるべきことはだいたい決まっています。
ECサイトリニューアルでは「どうしたいか」「何かしたいか」「何が必要か」を明確に
ECと切り離せないシステムトラブル サイトの新規立ち上げ・リニューアル時のリスクを最小限に抑えるには | ECzine
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トラブル/失敗の原因は、多くの場合「ここ」にあります。たとえば、要件定義の重要性を理解していなかったり、そもそも作成方法がわからなかったりして、開発側に丸投げするなどです。
「ECサイト/ECシステムはシステムだから、要件定義書は開発側が用意する」と考えるかもしれません。しかし、本来は依頼側(事業者側)の責任で作るものです。
先の 「うちのシステムはひどい。早く乗り換えたい」 の事例も、深くヒアリングすると、そもそも要件定義が十分に作成されていない上に、担当者たちが要件の意味合いを理解していませんでした。
「本来は依頼側(事業者側)の責任で作るもの」冒頭から最重要キーワードが出てきましたが、この部分をあまり理解していないEC事業者さんが多いと感じています。ECサイトリニューアルの理由として、私もよく耳にしたのは「システムがひどい」。この「何がひどいか」を聞いてみると、「なんとなく」「売れなくなったから」などの理由が出てきます。それで「どうしたいのか」「何がしたいのか」「何が必要なのか」この明確な答えを依頼する側が持っていません。
病院に行って、医師から「症状は何ですか?」と聞かれて「とりあえずどこが悪いのかわからないけれど、体調が悪い」とは言わないと思います。「喉が痛い」「耳の奥が痛い」「脇腹に鈍痛が」など、病院に行く理由があるはずです。
そして、理由などがふわっとしていても「依頼があれば制作する」という制作会社さんも多いと思います。ある程度のEC経験があればそれなりのサイトはできあがりますが、それでは何のためにリニューアルしたのかわかりません。そしてどのような場合でも「リニューアル後に売り上げが落ちることがある」ということもしっかり理解しましょう。
BtoC-ECサイトを立ち上げる場合、不特定多数のユーザーに向けて大々的にオープンするのは危険です。実店舗オープン時に関係者を集めて内覧会を行うように、あまり告知をせず関係者にだけURLを共有するなど、いわゆる「ソフトオープン」にしましょう。その後、徐々にユーザーを増やす中で不具合を発見したり、運用方法を整えたりします。そして、運用が安定してきたら積極的な集客へとシフトします。
ECサイトは、新規であればSEOも弱いので、この「ソフトオープン」というやり方は良いかもしれません。サーバは変更せずにサイトだけをリニューアルするのであれば、ゆっくりと部分的に実施することも、失敗しない為の1つの方法でしょう。
完全にサーバを変更するのであれば、システムを移行してからゆっくりサイトをリニューアルするのも良いかもしれません(これはコストがかかり過ぎるかもしれませんが……)。要するに、不具合を確認しながらしっかりサイトを変更した方が安全ということです。
先ほども言いましたが、サイトをリニューアルすると売り上げが落ちることがあります。大事なことなので2回言いました。
まず、企業の都合を優先したリリースは避けましょう。たとえば「記念日に合わせる」「トップのいう期日を死守する」「集客のピークをぶつける」などです。オープンのタイミング選定には「事業活動への影響最小化」と「リスク回避」の2点に配慮しなければなりません。具体的には次のような時期が適切です。
- 売上やトラフィックが少ないとき(≒世の中や自社の繁忙期でないとき)
- 繁忙期までに十分の期間をとれるとき
- 年末年始やGW、お盆など長期休暇以外
(中略)
もちろん時期はある程度重要な部分です。ただし引用にもあるように、最後無理矢理オープンすると失敗するリスクが大幅に増えると私も考えています。「おおよそこのくらい」など、あくまで「ソフトオープン」でしっかり運用をする。そして月末月初、土日祝、個人的には木・金曜日も避けたいところ。土日はもしかしたら制作会社は動いてもらえるかもしれませんが、システム会社は休業日のところが多いです。色々なトラブルが考えられるので、「ソフトオープン」であっても週の頭から中日にオープンすることを考えて下さい。
また、システム面がしっかり整っていても、回遊やCVが下がってしまったらまったく意味がありません。実店舗と違って、ある程度戻せることもECサイトの利点ではあります。リニューアルのリスクをしっかり考えたうえできちんと運用する。そして、お客さまが気持ちよくお買い物ができるようにサイトを構築して下さい。
なによりも冒頭であげた「『ECサイト/ECシステムはシステムだから、要件定義書は開発側が用意する』と考えるかもしれません。しかし、本来は依頼側(事業者側)の責任で作るものです。」の部分。リニューアルする場合は、まず「何故リニューアルするのか」「何がしたいのか」「何が悪いのか」をしっかり具体的に言語化してみて下さい。
要チェック記事
楽天TDA「エクスパンション」とは?利用する際の注意点も解説 | オーリーズ
https://allis-co.com/allisblog/10178/
一概には言えませんが、まずは「RPP」をしっかり運用し「売り上げのベース」を作ってから「楽天市場」外のお客さまへ、というのが良いと思います。
【Amazonの消費者・企業調査】ECの利点は迅速な配送が約7割。EC開始で売上1.6%上昇、平均労働時間は月1.3時間減少 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13089
このあたりは昔から言われていましたが、やはり「FBA」が強いですね。そこを理解したうえで、Amazonを活用した商品との掛け算。
YouTubeショッピングとは?機能や企業の活用事例をGoogle担当者が詳しく解説【セミナーレポート】 | E-Commerce Magazine by futureshop
https://www.future-shop.jp/magazine/youtube-shopping-seminar
合う・合わないはあると思いますが、そこをしっかりと見極めるのも大事?! とりあえずコンテンツがあればトライしてみるのもあり。
Yahoo!ショッピングで再配達削減キャンペーン、「置き配」など利用でPayPayポイント10円還元 | ケータイ Watch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1638479.html
続々と各社がリリースしていますが、個人的には効果があるといいなぁと。物流がパンクしては元も子もなくなってしまいますからね。
いま大注目のモール型ECサイト「JRE MALL」へ出店してみませんか? | コンサルロケッツ STATION
https://c-rocketz.com/blog/ec/jremall-01/
この連載の最初のころの記事で、少し話題としてとりあげた「JRE MALL」。徐々に拡大はしているみたいですね。
今週の唸った・刺さった・二度見した
「なぜ・何が・具体的に」 | 笹井厚志氏(代々木ゼミナール講師)
https://www.yozemi.ac.jp/koushi/ksilist/1225249_3521.htmll(笹井氏のプロフィールなど参考情報として「代々木ゼミナール」のURLを記載しています)
学生時代、現代文(国語)が非常に苦手でして。浪人生時代に「なぜ・なにが・具体的に」という考え方を教えてもらったことで、現代文の読解ができるようになっただけではなく、私の嗜好のベース・物事の考え方のコアとなりました。今でもお経のようにたまに唱えます(現代文の問題は解きませんが)。
冒頭のリニューアルの事例やその他のニュースも含め、基本的に私の思考のベースとなっていると思います。物事に対して都度「何故だろう?」「何が(誰に対して)?」「具体的に」――19歳から唱え続けている言葉です。もしかしたら同年代で代々木ゼミナールに通っていた人は「知っている!」と思うかもしれませんね。25年間、私の頭の中に深く根付いている、思考の源泉となるキーワードを紹介しました。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ECサイトリニューアルで「何となく」はNG! 理由や改善点を明確にすることが大切【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ
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