LINEヤフーはこのほど、「Yahoo!ショッピング」での安全・安心への取り組みと実績をまとめた2024年上半期(1月~6月)版の「安全・安心への取り組みレポート」を発表した。国内ではEC市場が拡大する一方でトラブルが増加、安全・安心への取り組みはEC事業者にとって急務となっている。
「Yahoo!ショッピング」が実施している取り組みとその実績は次の通り。
- 信頼できるストアの厳選
- 一部のブランドで直営店や正規代理店の商品などへの「ブランド公式商品アイコン」の表示
- 発送や顧客対応などにおいて一定の条件を満たすストアを「優良ストア」として認定する制度
- 出店段階の審査をさらに強化するため、適切な運営かを確認する「在庫証明審査」を実施(個人事業主は2024年1月、法人は2024年5月から)
- 2024年4月以降には携帯電話やフリーメールアドレスを利用した出店の申し込みを禁止
- 2024年上半期における出店時の審査合格率は2023年上半期の25.2%から14.0ポイント減の11.2%となっており、不正が疑われるストアの出店を抑制している
ストアの出店審査を厳格化している
- 不適切なストアや商品の排除
- 2023年7月からは、出店者の本人確認のため、オンライン上で本人確認を完結できる技術eKYCを導入
- アクセスログなどをもとに不正が疑われるストアをリスト化し、途上審査を定常的に実施
- パトロールにより、2024年上半期の休店ストア数は、2023年上半期の506ストアから50.0%減の253ストアに改善。2024年上半期の退店ストアも、2023年上半期の1159ストアから41.0%減の684ストアとなり、売り場における悪質なストアは減少傾向
- 商材の取り扱い審査では、対象とする商材およびブランドの拡大や仕入れ書類の提出必須化などを通じて審査を強化。2024年上半期のブランド審査の合格率は、2023年上半期の89.0%から14.7ポイント減の74.3%に減少
- 2024年上半期のブランド未審査ストアの商品削除数は2023年上半期の1750件から31.0%増の2292件となった
安全な売り場作りをめざしてブランド未審査ストアの商品削除などを進めている
- 不正行為の防止
- やらせレビューなどの不正なレビュー対策として、2023年10月以降、過去の投稿からやらせレビューの疑いがあるユーザーの傾向を分析し、やらせレビューの可能性が高い投稿の削除を実施。2024年9月現在までに3150ストアを対象に59万7234件のレビューを削除
- 年々増加しているクレジットカードの不正利用被害への対策について、2024年4月以降、自社開発の不正検知システムの判定精度を改善。この結果、2024年上半期の不正決済の被害金額は、2023年上半期と比較して82.9%減となり、被害の抑制につながった。
決済の不正検知を追求し被害金額の抑制につなげている
メディア向けの説明会に登壇した、LINEヤフー 執行役員 コマースカンパニーショッピング統括本部長の畑中基氏は、次のように語った。と説明している。
今後は「審査商材の拡大」「やらせレビューへの対策」「パトロールにおけるAIの導入」をさらに強化していく。不正行為の防止においては、2027年までにストアとユーザー間のトラブルゼロをめざす。
LINEヤフー 執行役員 コマースカンパニーショッピング統括本部長の畑中基氏
新たな取り組みとして「LINEヤフーグループ内での連携強化」「無在庫転売ご意見受付フォームの開設」「クレームを繰り返し発生させるストアへのペナルティ強化」なども進める。
既存の取り組みと新たな取り組みで2027年までに取引トラブルゼロをめざす
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:LINEヤフー「Yahoo!ショッピング」の安全・安心への取り組みまとめ。「無在庫転売対策」「クレーム頻発ストアへのペナルティ強化」なども進める方針
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.