ECというデジタルテクノロジーだからこそできるシステム化と効率化。ビジネスを設計する上で重要な要素ではありますが、過度な効率化はお客さまとの関係構築を阻害する可能性があります。「タマチャンショップ」の田中さん、「ミウラタクヤ商店」の三浦さんが語る「ブランド作り」の秘訣とは?
「問い合わせこそが営業のチャンス」
【タマチャンショップ × ミウラタクヤ商店 対談レポート】大手ECと個人商店EC、異なるビジネスモデルから学ぶショップ運営の秘訣とは? | コマースプラス
https://commerceplus.jp/what-are-different-business-models-of-e-commerce/
Eコマース事業者の方々をサポートする中で、よく「ネットショップは効率化のためのものではないか」や「お客様からの問い合わせを減らしたい」という相談を受けます。しかし、営業活動を過度に効率化すると、かえって売上が下がるケースも多々あります。私の考えでは、問い合わせこそが営業のチャンスなのです。したがって、ネットショップを含むデジタル空間を特別視せず、人間関係を構築する「場」として活用していくことが必要と私は考えています。
購買の効率性だけを追求するなら、お客さまも「Amazon.co.jp」のようなサイトで購入するはずですよね。ただ、Amazonの立ち位置に存在できるのはAmazon1社だけです。中小のEC事業者は「いかにお客さまとの関係を構築するか」を考えなければいけませんよね。その視点からいうと「お客さまから問い合わせがこないネットショップ」は、ある意味問題なのかもしれません。
デジタル環境だからこそ、「土に触れているような質感」を意識したコンセプトページの制作に取り組みました。「田舎くさい」という表現がネガティブな印象に感じる方もいるかもしれませんが、私たちは故郷のような安全性と安心感を持つ「田舎」の強みを活かすことに注力しました。これにより、タマチャンショップの一貫した世界観を構築し、伝えることを目指したんです。
初めて「タマチャンショップ」のコンセプトページを見たとき、ちょっとした衝撃がありました。いわゆる一般的なコンセプトページとは違う、まさに「田舎くさい」雰囲気。ただ、「タマチャンショップ」が持つ特有の「世界観」と考えた場合、自らの個性を多少強調した見せ方でないと意味がないのかもしれません。大切なのは、お客さまに「伝わる」ことですから。
数年前から徐々に商品点数の見直しを行っています。例えば、売れてはいるものの、ロット数が足りない場合は商品を削除する判断もしています。工場在庫を2.5ヶ月以上保有しない仕組みを導入することで、管理工数を削減しています。
また、商品価格設定も類似商品や市場調査を踏まえ、最も高く売れることを目指しています。モールでの販売は手数料も発生するため、会社の利益確保は妥協しません。価格を上げる際は、どこまでの付加価値をつけられるかが重要なので、商品ごとのポテンシャルを探っています。
SNSを活用した情報発信やお客さまへのロイヤリティを保つために、商品作りに一切妥協しないことが「最も高く売れることをめざしています」という言葉に表れていると感じました。より付加価値があり利益にも貢献する商品の受注を増やすため「売上最小化、利益最大化」に向けた商品管理も大切なポイントですね。
要チェック記事
なぜあの人は、提案からの受注率が80%を超えるのか | THE MOLTS
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クライアントと交渉するのではなく、クライアントと同じ方向を向くことが大切なんですよね。
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お正月前の帰省のタイミングがお盆。「年末年始はどうするか?」の話題になるのはここですよね。
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「今の時代はこうだよね」からお店を作る。「今の時代」が変わったらどう変化するのかに注目したい。
「継続は力なり」が脳科学的になかなか難しい根拠 | 東洋経済ONLINE
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ドーパミン・コントロールの方法として、「スモールステップに分ける」が入っているのが見逃せません。
正しい努力、してますか? | note | 山口周
https://note.com/shu_yamaguchi/n/n6218cf4a1c1a
島田紳助さんがとんでもないマーケターだったことがわかります。「わかりやすい努力」ではなく「正しい努力」を。
今週の名言
事業承継を推進するコマースメディアに、ブランディング専門家の河野貴伸氏が参画。日本の課題やめざす未来とは? 井澤代表と河野氏が対談 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12568
今は個人の転職も当たり前であるように、良くも悪くも簡単に辞められる時代になっており、“続ける価値”が作りにくくなってしまっている。
でも私は、「これをやり続けてきた」ということ自体が本当に素晴らしいと思っている。
井澤さんがおっしゃるとおり、良くも悪くも「周り」を見ることができる時代ですよね。「周りの“いい情報”」が簡単に手に入り、簡単に果実が得られるのではないかと錯覚してしまいやすい。
ただ何事も継続しないと成果は出ないわけで、「続ける」ためには自社の努力だけでなく、取引先の支援や第三者からの信用も必要です。たとえまだ大きな成果につながっていなくても、「続ける」ことはそれだけでも十分な「価値」があると思うのです。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:問い合わせがこないネットショップはある意味問題あり!? 効率化だけでなくお客さまとの関係を構築しよう【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ
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