PR TIMESが実施したカスタマーサポート調査によると、問い合わせをした人の51%が1時間以内の返信を想定していることがわかった。
不満が残る対応、65%が利用頻度が減少と回答
問い合わせをした経験がある20~59歳の男女ビジネスパーソン1万2000人に、問い合わせ返信の期待やその後のサービス利用における継続傾向について調査。問い合わせ後の返信の想定時間として、「1時間以内」は51%、「24時間以内」は82%だった。
対応の満足度による継続傾向への影響を聞いた質問では、問い合わせの対応に満足度が高かった場合、サービスの利用頻度があがったと回答したのは30.7%。一方で、対応品質の満足度が低かった場合に「利用頻度が下がった」もしくは「利用しなくなった」と回答したユーザーは65.9%となった。
PR TIMEは、「問い合わせ対応は、満足度を高める品質の高い対応と同時にスピーディーな対応が求められる」と分析している。
Q. どれぐらいの時間で返信が返ってくることを想定していますか?
問い合わせに対する返信時間について
対応品質と継続率について
ユーザーの声が経営層まで届くケースは14%のみ
カスタマーサポートや問い合わせ業務に従事する300人に調査を行ったところ、VoC(ユーザーの声を生かす活動)を実施しているカスタマーサポート従事者は53.1%。また、VoCで得たデータの活用や社内共有において、32.4%は定常的なフィードバックが行えておらず、経営層まで届いているケースは14.2%にとどまった。
VoCの実施状況
VoCで得たデータの活用について
“対応する側”は、顧客満足度よりも効率重視?
カスタマーサポート従事者のKPIは「1位:満足度(36.1%)」と「2位:問題解決率(34.8%)」と問い合わせ対応における品質を重視した項目が上位に。「3位:メール着信数(29.3%)」「4位:メール作成時間(25.5%)」「5位:1次返信時間(25.2%)」と業務工数や効率を気にする項目が続いた。
一方で、カスタマーサポート従事者が抱える課題では「1位:業務の効率化(44%)」「2位:対応品質(43.3%)」「3位:対応速度(37.5%)」。対応品質よりも効率化がわずかに上回っている。
PR TIMESはこのことから、「問い合わせにおいて、対応品質を重視しながらも業務効率における課題を抱えていることがわかった」と解説している。
顧客ロイヤリティをはかる手法として重要とされる「NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤリティをはかる手法)」をKPIとしているユーザーは17.7%。KPIと課題のギャップが示すように、問い合わせへの対応品質は効率化よりも手前の状況にあるようだ。
KPIに設定する指標について。CESはCustomer Effort Scoreの略で、顧客がサービス利用時にどの程度努力したかを意味する
部署の課題
システム投資は増加傾向
課題にもあった業務の効率化を推進する手段となり得るシステム投資は増額傾向にあるようだ。47%が「増額」、20%が「減額」という回答になった。具体的な投資先計画では「1位:フォーム作成(46.6%)」「2位:チャット(27.4%)」「3位:FAQシステム(26.2%)」。
システムへの投資計画
導入を検討しているITサービス
調査概要
- 調査内容:カスタマーサポート調査
- 集計対象①:20~59歳の男女で問い合わせ経験のあるビジネスパーソン1万2000人
- 集計対象②:カスタマーサポートあるいは問い合わせ対応業務に従事する300人(※①は②の回答者を含む)
- 調査期間:2022年12月9日〜同年12月11日
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オリジナル記事:【カスタマーサポート調査】51%が“1時間以内の回答”を期待。満足度が高い対応で「利用頻度が上がった」が3割
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