フードロス削減に向けたECサイト「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシが実施した「物価高騰の影響によるライフスタイルの変化に関する調査」によると、昨今相次いでいる食品の値上げを受け、少しでもお得に購入するためにECで購入する人が増加していることがわかった。
2022年はさまざまな要因で原価高騰やそれに伴う価格転嫁が続いた。食品は2万品目以上で価格が上昇。2023年1月から4月で値上げが決定している食品は7000品目にのぼる。
こうした環境を受け、ECで購入する機会が「とても増えた」または「まあ増えた」と回答した人は半数近くにのぼっている。
調査結果のポイント
- 食品の中で特に値上げされていると感じるものは「卵・乳製品」が最も多く38.4%
- 値上げが理由で購入を控えるようになった食品は「パン」が最も多く19.2%
- お酒の値上げに対して「より安く購入できる場所を探す」と回答した人が36.4%
- 自宅でお酒を飲む頻度は「週に5日以上」が最も多く26.4%、次いで「全く飲まない」が20.3%
- ガス代や電気代の値上げを受けて、冷凍食品等の利用頻度が増えたと回答した人は12.7%
- 食品の値上げを受けて、セカンド冷凍庫や冷蔵庫を購入したと回答した人は12.6%
回答者の約2人に1人が「ECで食品を買う機会が増えた」
「昨今の食品の値上げを受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」という質問に、12.3%が「とても増えた」、38.4%が「まあ増えた」と答えた。
「昨今の食品の値上げを受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」という質問の回答
「日頃、食品を購入する際に意識していること何か」という質問では、「より価格の安いものを購入すること」が58.5%で最多。「できるだけ国産の商品を購入すること」が40.3%で続いた。その他を除いて最も少なかった回答は「有名なメーカーの商品を購入すること」で6.6%。次いで「オンラインではなく実店舗で自分の目で見て商品を選ぶこと」で6.8%だった。
「日頃、食品を購入する際に意識していること何か」という質問への回答(回答者が3つまで選択)
88%が「値上げは家計に影響」
「昨今の食品の値上げは、家計にどの程度の影響があるか」という質問の回答は、「とても影響がある」が41.0%、「やや影響がある」が46.9%。回答者全体の87.9%が家計への影響を感じている。
「昨今の食品の値上げは、家計にどの程度の影響があるか」という質問の回答
「昨今の食品の値上げを受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」聞いたところ、「とても思う」が67.9%、「まあ思う」が29.5%だった。回答者全体の97.4%がよりお得に食品を購入したいと考えている。
「昨今の食品の値上げを受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」という質問の回答
食生活は“よりお得”を求める消費者傾向に
「昨今の食品の値上げを受けて、食生活はどのように変化したか」という質問では、「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」との回答が60.7%で最多。「明らかに価格が高騰した食材を購入する頻度を減らした」が51.3%、「節約できる食材を使った料理を作る頻度が増えた」が33.3%で続いた。
「昨今の食品の値上げを受けて、食生活はどのように変化したか」という質問の回答
「食品の中で特に値上げされていると感じるものは何か」という質問では、特に値上げされていると感じる食品で「卵・乳製品」が最多の38.4%。「パン」で38.3%、「肉・肉加工品」が36.3%で続いた。
「食品の中で特に値上げされていると感じるものは何か」という質問への回答(回答者が3つまで選択)
“購入控え”は年代が上がるほど増加
「値上げされたことが理由で購入を控えるようになった食品は何か」という質問では、「購入を控えるようになったものはない」という回答が最多の39.7%。「パン」や「お菓子」、「インスタント・レトルト食品」は20%弱が購入を控えるようになったようだ。
「値上げされたことが理由で購入を控えるようになった食品は何か」という質問への回答
年代別では、「購入を控えるようになったものはない」と回答した割合は、20歳~29歳では29.0%、60歳~69歳では45.5%。年代が上がると割合が増加する傾向がある。
値上げが理由で購入を控えるようになった食品についての年代別回答
「購入を控えるようになった」と回答した割合が20%を超えた食品のカテゴリー、それにひもづく年代は次の通り。
- 20歳~29歳:「卵・乳製品」
- 40歳~49歳:「インスタント・レトルト食品」
- 50歳~59歳:「パン」
- 70歳以上:「肉・肉加工品」「水産物・水産加工品」
酒は値上げも、飲む量や頻度は減らさない人多い結果に
2023年2月には約1400品目にわたる酒・飲料の値上げが決まっている。こ「酒・飲料の値上げに際して、どのように対応しようと思うか」を聞いたところ、「より安く購入できる場所を探す」が最多で36.4%。次いで「よく飲むお酒・飲料を値上げ前に買いだめする」が22.2%で続いた。
一方、「1回あたりの飲む量を減らす」が12.5%、「自宅でお酒を飲む頻度を減らす」は11.0%にとどまった。クラダシは「飲む量や頻度を減らすことなく、工夫してお酒を楽しもうという方が多いことが読み取れる」と分析している。
「酒・飲料の値上げに際して、どのように対応しようと思うか」という質問への回答
年代別では、20歳~29歳では「特に何もしない」という回答が26.1%で最も多かったが、他の年代では「より安く購入できる場所を探す」が最多となった。
酒・飲料の値上げへの対応について、年代別の回答
年代が上がるほど飲酒する人が多い傾向に
「普段自宅でお酒をどのくらいの頻度で飲むか」を聞いたところ、26.4%が「週に5日以上」と回答。一方、「全く飲まない」は20.3%、「ほぼ飲まない」は17.0%だった。
「普段自宅でお酒をどのくらいの頻度で飲むか」という質問への回答
年代別の結果では、19歳以下とその他を除くと、「週に5日以上」の割合は、70歳以上が最も多く31.2%。年代が下がると割合は減少し、20歳~29歳が最も少なく4.3%となった。20歳~29歳で「ほぼ飲まない」と回答したのは31.9%。他の年代と10ポイント以上の差があることから、若者の酒離れが進んでいると見られる。
自宅でお酒を飲む頻度の年代別回答
冷凍食品やインスタント食品の利用頻度は「変わらない」
「ガス代や電気代の値上げを受けて、値上げ以前と比べて冷凍食品やインスタント食品の利用頻度は増えたか」を聞いたところ、「変わらない」が最も多く82.3%だった。「増えた」は12.7%、「減った」は5.0%だった。
「ガス代や電気代の値上げを受けて、値上げ以前と比べて冷凍食品やインスタント食品の利用頻度は増えたか」という質問への回答
年代別の結果では、70歳以上で「増えた」が19.4%で、他の世代と比較するとやや多い。
冷凍食品やインスタント食品の利用頻度は増えたかという質問への年代別回答
セカンド冷凍庫/冷蔵庫は30%が“必要性を感じている”
「昨今の食品の値上げを受けて、食品を保管するためのセカンド冷凍庫や冷蔵庫を新たに購入したか」という質問では、「購入していないし、購入する予定もない」が71.9%で多数を占めた。
その一方で、「購入した」は12.6%、「購入していないが、今後購入しようと思っている」は15.5%。回答者全体の約30%はセカンド冷凍庫や冷蔵庫の必要性を感じていることがわかった。
「昨今の食品の値上げを受けて、食品を保管するためのセカンド冷凍庫や冷蔵庫を新たに購入したか」という質問への回答
年代別では、「購入した」「購入していないが、今後購入しようと思っている」を合計した割合が最も多いのは30歳~39歳で32.5%。19歳以下を除いて「購入した」「購入していないが、今後購入しようと思っている」を合計した割合が20%を下回ったのは20歳~29歳だった。
調査概要
- 調査名:「物価高騰の影響によるライフスタイルの変化」に関するアンケート
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:「Kuradashi」利用者5705人
- 調査期間:2023年1月9日(月)~2023年1月15日(日)
- アンケート回答者の属性
- 年齢:19歳以下 0.0%、20歳~29歳 1.2%、30歳~39歳 6.7%、40歳~49歳 23.8%、50歳~59歳 37.6%、60歳~69歳 22.5%、70歳以上 8.0%、その他 0.1%
- 性別:男性 31.3%、女性:68.1%、その他 0.6%
※百分率(%)は小数第二位で四捨五入し、小数点第一位までを算出。百分率の合計値が100%とならない場合がある。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:約半数が「値上げの影響を受け、ECで食品を買うことが増えた」。“お得に買いたい”ニーズの上昇でECの引き合い増加
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