トランスコスモスは3月3日、世界のオンラインショッピングの利用状況を探る調査「世界8都市オンラインショッピング利用調査2022」を発表した。
「サスティナブル消費」というワードの現地語を提示した上で、言葉の認知、日頃から意識して買い物をしているかについて4段階でたずねたところ、ムンバイと上海では理解度が80%、実践度が60%を上回った。
「環境保護に積極的に取り組むブランドを選んでいる」(8都市平均41%)「メンテナンスや修理サービスを提供しているブランドを選んでいる」(同28%)など、ブランドを意識した項目が上位に。アジアの都市では「省エネの商品を選んでいる」との回答も多かった。
一方で、東京は「言葉も聞いたことがない」との回答が36%を占め、「サステナブル消費」を実践しているのは10%、理解度を含めて36%にとどまっている。ほかの7都市に比べると認知も実践も大きく遅れている実態が浮き彫りになった。
サスティナブル消費の理解・実践度
オンラインショッピングに対する意識を聞いたところ、上海・ムンバイ・バンコク・ジャカルタのアジア都市は、さまざまな手段を積極的に活用することで良い買い物をしたいというこだわりが強い。ソーシャルメディアやショップ側とのコミュニケーションへのニーズが高く、推奨されるための個人情報提供も60%以上が容認している。
ニューヨーク、ロンドンでは、「ブランドを意識する」との回答が80%を超えた。店舗受け取りも60%前後で重視されている。ソウルはほかのアジア都市より、ニューヨークとロンドンに近い傾向が見られる。
東京は新しい技術や手法に対して消極的であり、2021年までの調査と同様の傾向が続いている。チャット、ライブコマース、アバター活用など、新しい販売手法やコミュニケーションへの関心も低い水準にとどまっている。
オンラインショッピング意識(各項目について「はい」と答えた人の比率)
越境ECサイトの利用率と日本ブランドの購入意向については、アジア、欧米各都市における国外のECサイト(越境EC)利用率はいずれも50~70%台。すでにグローバルレベルで定着している。
日本のECサイト利用率は上海(33%)が最も多く、バンコク(27%)、ジャカルタ(20%)が続いているが、ニューヨークとロンドンは10%未満。一方、越境ECによる日本ブランドの商品購入意向は各都市とも高く、ニューヨークとロンドンでも60%を超えている。
越境ECサイトの利用率と日本ブランドの購入意向
「世界8都市オンラインショッピング利用動向調査2022」は、トランスコスモスが2018年から毎年実施してきた「アジア10都市オンラインショッピング利用調査」の設問を継承し、調査対象都市から5都市を残した上で、新たにソウル(韓国)、ニューヨーク(米国)、ロンドン(英国)を加えた世界8都市のショッピング利用者を対象とした。
また、環境を意識した「サスティナブル消費」(Sustainable Consumption)のほか、注目を集める「ライブコマース」(Live Streaming E-commerce)や「越境EC」(Cross Border E-Commerce)などの利用実態も取り上げ、グローバル視点でのオンラインショッピングの実態を明らかにしている。
調査概要
- 調査手法:グローバルパネルを利用したオンライン調査、現地語によるアンケート
- 調査地域:東京(日本)、ソウル(韓国)、上海(中国)、ムンバイ(インド)、バンコク(タイ)、ジャカルタ(インドネシア)、ニューヨーク(米国)、ロンドン(英国)
- 調査対象者:10~49歳の男女、直近1年以内のオンラインショッピング利用(購入)経験者
- 回収サンプル:320× 8都市、計2560サンプル
- 調査期間:2022年1月17日~24日
- 調査委託機関:クロス・マーケティング
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オリジナル記事:海外で進むサステナブル消費、東京は海外7都市比で認知も実践も大きく遅れ【世界8都市のEC利用動向調査】
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