2021年の訪日外国人は前年比94.0%減の24万人。訪日外客数の統計が開始された1964年以来最低の数値となり、依然としてインバウンド誘客は厳しい状況が続いています。
しかし、数年後いつかはインバウンド回復の時がやってきます。それに向けて、早いうちから対策を始めておきたいと考えている方もいるでしょう。
そんな中、インバウンドが利用するサービスの中で、国内外問わず多くの利用者を持つGoogleマップは、訪日外国人に向けて情報を発信するメディアとしても注目の存在になっています。
本記事では、Googleマップがインバウンド対策に重要な理由や対策のポイントを紹介します。
インバウンド対策でGoogleマップが重要なワケ
Googleマップがインバウンド対策に重要な理由を3つ紹介します。
1. 圧倒的なユーザー数
世界のアプリダウンロード数ランキングでは、2021年に旅行系アプリで最も多くダウンロードされたのが「Googleマップ」で、約1億600万ダウンロードという結果になりました。
また、Google検索についても、statcounterが公開している資料によると、2022年1月の世界中におけるGoogle検索の割合は91.9%、日本でも77%のシェアとなっています。
Googleマップは、国内外問わず多くの人が利用しています。
▲Googleマップは旅行・地図アプリの中で圧倒的なユーザー数を誇る:「インバウンド×Googleマップ”集客術」資料より一部抜粋
<データ参照>
Statcounter:Search Engine Market Share Worldwide
Apptopia:The 10 most downloaded Travel apps of 2021
2. 口コミの多言語対応が自動でできる
観光庁の2019年の調査で「出発前に得た情報源で役に立ったもの」を聞いたところ、「SNS」が24.6%、「個人のブログ」が24.4%、「自国の親族・知人」が19.6%、「口コミサイト」が15.5%となりました。
こうしたことから、インバウンド対策には、SNSなどの情報発信に加え、口コミプラットフォームからの情報発信も重要だといえます。
Googleマップには、投稿されるさまざまな言語の口コミを自動で翻訳する機能があり、2021年時点で81の言語に対応しています。Googleマップで多様な口コミを集めることが、そのまま多言語対応になるのです。
▲Googleマップでは、口コミの多言語対応が自動でできる:「インバウンド×Googleマップ”集客術」資料より一部抜粋
3. 国内の集客と同時に取り組める
最初に述べたとおり、水際対策が敷かれるなかでインバウンド集客は厳しい現状となっています(2022年2月時点)。インバウンド対策のみに予算を割くということが難しい企業も多いでしょう。
そんな中で、Googleマップ・Google検索は国内でも広く地図アプリ/検索エンジンとして普及しており、国内向けの情報整備とインバウンド対策を同時に進めることができるというのもメリットの一つです。
▲Googleマップは国内の観光客・インバウンド集客に向けた対策を両立できる:「インバウンド×Googleマップ”集客術」資料より一部抜粋
こういったメリットがある一方で、まだまだ対策できている企業は少ない状態です。
“インバウンド×Googleマップ”集客を早いうちから始めましょう!
Googleマップのインバウンド集客 3つのポイント
インバウンド対策にも有効なGoogleマップですが、正しく情報が伝わるよう整備しなければ、集客ツールとして効果を発揮できません。
ここからは、Googleマップを活用したインバウンド対策のポイントについて紹介します。
1. まずはオーナー登録
Googleマップのビジネス情報を優先的に編集するには、オーナー確認をする必要があります。
オーナー登録とは、掲載されている店舗や施設に、自分が携わっていることをGoogleに証明する手続きのことを指します。手順は、大まかに以下のようになっています。
- Google マップで登録する店舗・施設を表示します。
- 「ビジネスオーナーですか?」を選択します
- 最新情報の受け取りについての質問に回答します。「はい」を選択すると、メールで最新情報が届くようになります。
- オーナーの確認方法を選択します。電話の場合、Googleから電話でコードを聞き取ります。郵送の場合、自宅にコードが書かれたハガキが届けられます。
- それぞれ確認したコードを入力し、オーナー登録が完了します。
2. 店舗・施設名を多言語で設定する
Googleマップでは営業時間や住所、口コミは自動翻訳されますが、基本的にビジネス名(店舗・施設名)、投稿、ビジネスの説明文、商品・メニュー・サービスなどは翻訳されません。
なかでも優先的に多言語で設定すべきなのは店舗名です。店舗名が自分の国の言葉で書かれていなければ、どういった店舗なのかすらわからず、スルーされてしまう可能性が高くなるためです。
そこで、まずは店舗・施設名を多言語で表示されるように設定しましょう。スマートフォン(iOS)で設定する方法は以下の通りです。
- スマートフォンの設定から「一般」をタップし、「言語と地域」をタップします。
- ここで変更したい言語を選択します。「英語」にしたい場合は、使用言語の「英語」をタップします。
- 設定変更後、Googleマップで店舗情報を検索し、「Suggest an edit(情報の修正を提案)」をタップします。
- 「Change name or other details(名前またはその他の情報を変更)」をタップし、「Add name in English」に英語名を入力し、送信します。
▲店舗・施設名を多言語で設定する方法:「インバウンド×Googleマップ”集客術」資料より一部抜粋
3. 多言語の表記によるキーワード対策
あるキーワードで検索された際、Googleマップ上に表示される施設はどのように決まっているのでしょうか。
これは、主に「距離」「知名度」「関連性」の3つの要素が影響しています。
このうち距離はユーザーと施設との距離であり、コントロールできません。また、知名度を上げる施策の中心はGoogleビジネスプロフィールの領域ではないため、 Googleビジネスプロフィールのみでの対策では限界があります。
一方、検索キーワードとの「関連性」は、Googleマップの施設情報内とキーワードとの関連づけの施策を行うことで、高めることができます。
※関連性を高める方法は、“インバウンド×Googleマップ”集客術【基本編】で詳しく解説しています。
▲多言語キーワードとの「関連性」を高めよう:「インバウンド×Googleマップ”集客術」資料より一部抜粋