アシックスの2020年12月期EC売上高は前期比85.8%増の517億円だった。EC売上高は日本、北米、欧州、中華圏といったグローバルでの合算数値。全社売上高は同13.0%減の3780億円で、EC化率は同8.3ポイント増の15.7%。
EC売上高は前期比239億円増加し、特に北米や欧州で大幅に増えた。北米のEC売上高は同111.9%増、欧州は同133.3%増。日本は同61.2%増、中華圏は同39.8%増だった。
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アシックスのチャネル別売上高(画像は決算説明会資料からキャプチャ)
カテゴリー別にECの売り上げ状況を見ると、ランニングシューズを展開する「パフォーマンスランニング」では、EC売上高が前期比106%と倍増。ランニングスタイルに応じてユーザーに最適なシューズをレコメンドする「Shoe Finder」、商品紹介ページの拡充などが貢献した。「オニツカタイガー」は全地域において、EC売上高が前年を上回った。
アシックスは、無料のメンバーシッププログラム「OneASICS」、フィットネス・トラッキング・アプリ「ASICS Runkeeper(アシックスランキーパー)」などを軸にランニングエコシステムを構築、スポーツイベントの集客や商品の販売につなげている。「OneASICS」に登録するとアシックスオンラインストアの送料が無料になる。
「OneASICS」では2020年7月、ポイントプログラム制度を導入。アシックスジャパンが運営する店舗で会員が商品を購入すると、対象店舗でポイントが利用できるようにした。
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アシックスが進めるランニングエコシステム(画像は決算説明会資料からキャプチャ)
アシックスはアプリプラットフォーム、ECデータプラットフォームで収集したデータを活用。ECデータは「どんなもの」を「どのように買った」などを分析し、アプリでは「走る速さ」「走る時間」などを分析してECデータと掛け合わせている。それを、アシックスジャパンなど各国の販売会社と共有し、データに基づいたマーケティングを実行している。
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「OneASICS」を通じたオムニチャネル(画像は決算説明会資料からキャプチャ)
コロナ禍で多くのマラソン大会が中止される状況下、2020年12月期は約1190大会のバーチャルマラソン大会で「ASICS Runkeeper」が活用された。主催したバーチャル駅伝レース「ASICS World Ekiden 2020(アシックスワールドエキデン 2020)」では5万6000人の人が参加。世界最大規模のバーチャルレースになったという。
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オリジナル記事:アシックスのEC売上は86%増の517億円、EC化率は15.7%
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