製造業分野に特化したインターネットサービスを提供するアペルザは5月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、製造業における購買・営業活動の現状、取引のオンライン化に対する意識の変化を調査するためのアンケートを実施した。
それによると、従来は対面・アナログが中心だったコミュニケーションのオンライン移行が急速に進んでいる状況がわかった。一方、受発注業務におけるFAX利用で“FAX出社”が発生するなど、オンラインへ移行しきれない課題も明らかとなった。
6割以上がオンラインシフトに関心
新型コロナウイルスによる通常業務への影響について質問したところ、全体の72.8%が「すでに影響が出ている」と回答。「影響はない」とした回答は全体の5%未満にとどまり、業種を問わず、多くの現場実務において影響が生じている。
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製造業における購買・営業活動の現状
このような状況下、自身の業務において購買・営業活動をオンラインへシフトしていくことに対する関心を質問したところ、全体の60.3%が「関心がある」(43.9%)または「強く関心がある」(16.4%)と回答した。
業種別では「商社・代理店」、役割別では「営業、販売業務に関わっている」回答者など、売り手の方が関心が高い。自由回答では、見積書や注文書等のやり取りで、「FAXのために出社しないといけない」ことを問題視する声が多く、取引や付随するコミュニケーションのオンライン化を求める声が多く見られた。
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購買・営業活動のオンラインシフトについて
営業活動の“非対面”への移行がさらに進むと考え、Webを活用して営業活動から販売までをオンラインで完結する方法を考えているといった声も見られた。
課題は、買い手「商品の仕様・技術情報の確認」、売り手「価格情報の更新管理」
購買・営業活動のオンライン化について「関心がある」または「強く関心がある」と回答した「買い手」「売り手」に対し、「自身の業務で利用する場合の課題」を聞いた。
それによると、「買い手」においては、「商品の仕様・技術情報の確認」(32.8%)「注文後のアフターサポート」(26.9%)「商品の価格交渉、見積依頼」(25.2%)など、これまで対面で実施していた売り手とのコミュニケーションがあげられた。
自由回答では、「詳細な仕様確認・仕様決め、価格交渉など行いづらい」「購入後のアフターフォローが心配」など、売り手とのコミュニケーションに対する不安の声が多かった一方、新型コロナウイルスをきっかけに実際に使ってみると「意外と交渉が不要なものも多かった」といった声もあった。
「売り手」においては、「価格情報の更新管理」(27.8%)をはじめとした掲載情報のメンテナンスに関するものがあげられた。自由回答では、「ユーザーによって価格が異なるため、価格が開示できない」「商材が多岐にわたり、廃盤や価格改定等の更新が煩雑」「管理できる人材やノウハウがない」など、従来の商慣習に対応できる仕組みや、新たな手法に対応できる社内の体制が整っていないことなどがあった。
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オリジナル記事:コロナ禍でもなくならないBtoB取引の”FAX出社”、購買・営業活動のオンライン化には6割以上が「関心あり」
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