経済産業省が5月16日に発表した2018年の「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」では、2018年における日本の消費者向け物販EC市場規模は前年比8.12%増の9兆2992億円だった。
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BtoC-EC市場各分野の市場規模と構成比率(画像は経産省の資料から編集部がキャプチャ)
物販系BtoC-EC市場の伸び率は2016年の10.6%から2017年は7.5%に鈍化。2018年も1ケタ台の伸び率にとどまったことを踏まえ、報告書はその要因の1つとして「EC業界における価格競争の可能性」について考察している。
日本を含む10か国において、ネットと実店舗における価格比較を行った調査結果によると、日本は“ネットの方が安い”率が45%で最も高い。米国は22%。英国、中国はそれぞれ7%、6%。
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ネットと実店舗の価格差(単位は%)(画像は経産省の資料から編集部がキャプチャ)
この結果を踏まえ、報告書では次のように推測した。
価格比較サイトも充実しており、インターネット上では同一商品、類似商品の価格比較が容易である。したがって45%の商品が“ネットの方が安い”と言う結果は、我が国の場合、実店舗vsインターネットのみならず、インターネット内即ちBtoC-EC同士での価格競争も生じやすいと推測できる。
この推測が正しいと仮定した場合、「BtoC-ECの利用拡大によりトランザクション数は増加するものの、価格競争によって金額ベースでの市場規模の増加率は必ずしもそれと比例して増加するとは限らないと説明付けることができる」と説明。加えて、「取引回数は増えているとしても、結果として金額ベースでの市場規模の拡大はその増加率と同等ではない事象が発生している可能性が考えられる」としている。
また、2年連続1ケタ成長の要因として、「実店舗の充実」「チャネルの議論の変遷と『消費の最適化・合理化』の可能性もあげている。
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オリジナル記事:2年連続で1ケタ成長の物販系EC市場、伸び率鈍化の要因は「価格競争」の可能性
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