ニールセンが公表した2016年のPCとスマートフォンの利用実態調査レポート「Digital Trends 2016」によると、2016年第4四半期(10月から12月)におけるスマートフォン(スマホ)からのインターネット利用者数は前年同期比約13%増の5897万人だった。増加率は鈍化したものの、利用者の実数は同約656万人の増加。
スマホ上でのアプリとブラウザの利用状況を見てみると、アプリの利用者数は5812万人、ブラウザは5574万人と大きな差はない。
ただ、1人当たりの利用時間はアプリがブラウザの約5倍、1日当たりの利用回数はアプリがブラウザの2.5倍だった。
「ECで使うアプリは1つだけ」が61%「旅行」「グルメ」「EC」などカテゴリーごとに1つのサービスしか使わないユーザーの割合を見ると、「EC」はアプリが61%、ブラウザは30%。
アプリユーザーは1つのサービスのみを使う傾向が強いことが示された。「新聞社系ニュース」もアプリの数値がブラウザの約2倍に達している。
![ニールセンが公表した2016年のPCとスマートフォンの利用実態調査レポート「Digital Trends 2016」 アプリしか使わないユーザーの割合など](https://netshop.impress.co.jp/sites/default/files/images/news/2017/news-node4093-1.png)
カテゴリーごと1サービスのみの利用者割合(2016年10月)
サービスカテゴリーごとのアプリとブラウザの利用割合は、「オークション・フリマ」「SNS」はアプリの利用時間が長いユーザーの割合が多い。「新聞社系ニュース」「旅行」「グルメ」はブラウザが中心となっている。
「EC」はブラウザのヘビーユーザー(利用時間シェア90%以上)の割合が41%を占めているが、アプリのヘービーユーザーも34%に達している。全体ではブラウザ派とアプリ派はほぼ半々だった。
![ニールセンが公表した2016年のPCとスマートフォンの利用実態調査レポート「Digital Trends 2016」 アプリとブラウザの利用時間の割合](https://netshop.impress.co.jp/sites/default/files/images/news/2017/news-node4093-2.png)
ブラウザ・アプリ利用時間のシェア別利用者割合(2016年10月)
ニールセンのエグゼクティブアナリスト・中村義哉氏のコメント消費者が様々な生活の場面で、スマートフォンをどのように使いこなしているのか、企業がその利用動向をしっかりと理解しなければならないタイミングになったと言えます。例えば、本レポートが明らかにしているように、「カテゴリーによっては、アプリではなくブラウザを中心に利用している人が多い」といった動向を把握することで、最適な形でユーザーに情報を届けることが可能となります。また、アプリが利用されている場合でも、「各カテゴリーで1つのアプリしか使わない人が多い」といったことを理解することで、自社のアプリ戦略を、今後どうするべきか具体的に考えるきっかけとすることができるでしょう。さらには、上記のような基本的な利用動向に加え、例えばグルメ情報であれば、レストランを探す場面で、いつ、どこで、ブラウザからどのように情報取得をしているのか、より具体的な行動に結び付けて理解していくことが、マーケティングの効果を最大化する上で重要な視点であると思います。
調査概要「Digital Trends 2016」は、国内4万人以上のオンライン視聴者パネルからデータを収集して作成されるPC版インターネット視聴率情報「Nielsen NetView」や、国内8000人(iOS、Android各4000人)の調査協力モニターから取得するアクセスログ情報を元に作成さる「Nielsen Mobile NetView」のデータを元に作成されている。
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オリジナル記事:スマホECで買い物する消費者はアプリ派、それともブラウザ派? ニールセン調査
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