ミラーレス一眼に学べ! 家庭用ゲーム、生き残りのための動画広告 | VIDEO SQUARE

VIDEO SQUARE - 2016年1月11日(月) 21:00
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様々な機能が手のひらサイズに集約されているスマートフォン。非常に便利で、爆発的に普及しています。

しかし、その陰で、スマートフォンにユーザーを取られて苦しんでいる業界もあります。彼らはユーザーを取られたまま引き下がるしかないのでしょうか?

今回は、スマートフォンに流れてしまったユーザーを奪還するヒントを見ていきます。

スマートフォンに屈したデジタル家電

日々進化しているスマートフォン。普及率も右肩上がりで、20代では90%以上がスマートフォンを利用しているとの調査があります。

そんなスマートフォンの普及とともに、ゲーム業界が大きく変わってきています。

スマートフォンで遊ぶ「ソーシャルゲーム」が爆発的にはやり、家庭用ゲーム機の販売が大きく落ちているのです。

野村総合研究所の見立てでは、2018年に向けて、ゲーム機の年平均成長率は、マイナス12.9%となっています。

野村総合研究所 『2018年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望』

野村総合研究所 『2018年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望』

この傾向は、ゲームに限った話ではありません。

スマートフォンには、電話やインターネットなどの通信機能だけでなく、音楽再生、カメラ機能といった、様々な機能が集約されています。結果、多くのデジタル家電が販売額を落としているのです。

そんな中、カメラ業界が投入したミラーレス一眼に、家庭用ゲーム機生き残りのヒントがありました。

一矢報いたミラーレス一眼、狙いは「ミドルユーザー」

カメラ業界では、スマートフォンに搭載されているカメラの性能が上がったことを受け、コンパクトデジタルカメラ需要が激減しています。ライトユーザーを奪われてしまったのです。

下のグラフからも分かるように、ピークの2010年に比べて出荷台数が30%以下にまで落ちています。一方で、ヘビーユーザーメインの一眼レフは、スマートフォンと競合しないため、需要をキープしています。
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カメラ業界としては、何とか、ヘビーユーザー以外のユーザーを取り戻さなければならない状況でした。

そこで投入されたのがミラーレス一眼です。

ターゲットはミドルユーザー。「たまにはスマホではなくちゃんと写真を撮りたい。でも、一眼レフを持つほどではない」という人たちです。

ミドルユーザーは、ヘビーユーザーほどカメラについての知識や興味が強くありません。

そのため、ミラーレス一眼の訴求ポイントは、細かいスペックではなく「ミドルユーザーにも分かり易いベネフィット」にフォーカスする必要がありました。

SONY『New α 故郷篇&思い出のオルガン篇』

ミラーレス一眼の販売が本格化した2010年ごろの、SONYのTVCMです。

キャッチコピーは「写真も動画も一眼クオリティーを、全ての人に。」でした。

CMの内容は非常にシンプルです。女優の北川景子さんがカメラを持っている映像を通して「一眼レフに比べて、小さくて持ち歩きやすいこと」を表現しています。

また「簡単に背景をぼかして、プロっぽい写真が撮れる」という機能を、画面いっぱいのキャプションと、実際に撮影された写真でアピールしています。

「スマートフォンじゃこんな写真撮れない!」ということと「一眼レフより手軽で簡単!」という2点をシンプルに投げかけ、ミドルユーザーの獲得を狙いました。

その結果が、2010年ごろからレンズ交換式カメラ(一眼レフ、ミラーレス一眼)の出荷台数増に表れています。(前出のグラフ参照)

岐路に立つ家庭用ゲーム機、求められる「シンプルさ」

ゲーム業界も似た状況にあります。隙間時間に暇つぶしとしてゲームをするライトユーザーが、どんどんスマートフォンに吸収されているのです。

スマートフォンに反撃するには、カメラ業界と同じく、ミドルユーザーを獲得する必要があります。

ゲームにおけるミドルユーザーは、「たまにはゆっくりゲームでもやりたいな」という人たちです。そういう人たちに「スマートフォンではなく、家庭用ゲーム機で遊びたい」と思わせなければなりません。

どうすればいいのでしょうか?

家庭用ゲーム機がスマートフォンよりゲーム機として優れている点を、シンプルに伝えるのです。

シンプルさには「内容の理解のしやすさ」と「目に触れやすさ」の両方が必要となります。ここで忘れてはいけないのは、「ミドルユーザーはヘビーユーザーほど、強い関心を持っていない」ということ。

例えば、新作ゲーム発表時にティザーサイトなどを立ち上げて期待感を煽るケースがありますが、普段あまりゲームをしないミドルユーザーが、ティザーサイトにアクセスする可能性は低いでしょう。

ティザーサイトで凝ったキャンペーンを実施しても、ミドルユーザーには届かないのです。

ミドルユーザーを獲得するには、「スマートフォンでは味わえない世界を、動画にして配信する」、くらいシンプルなものがちょうど良いのです。

スクエア・エニックス『FINAL FANTASY VIIフルリメイク作品トレーラー』

この動画は、話題沸騰中のFinal Fantasy VIIリメイク版のトレーラーです。

特別な仕掛けはありませんが、ゲームの美麗な映像やプレイ中の細かな動きなどが、魅力的に伝わります。

ヘビーユーザーは「どんなゲームシステムになっているのか」「シームレスなのか」など、この動画よりも、もっと細かい情報を欲しがるかもしれません。

しかし、ミドルユーザー獲得で重要なのは、シンプルに「このゲームの動画すごいな。これはスマートフォンの画面じゃ物足りないな。」と思わせることなのです。

まとめ

スマートフォンの性能が向上し、様々なデジタル家電の機能が集約されつつあります。

しかし、搭載されている多種多様な機能は、実用レベルではあるものの、必ずしもユーザーの求めるレベルではありません。

そうした「スマートフォンでもいいけど、本当はもう少し性能が欲しい」と感じているミドルユーザーの獲得こそ、デジタル家電の課題なのです。

ヘビーユーザーほど知識やこだわりのないミドルユーザーを獲得するには、シンプルで分かりやすいベネフィット
(=スマートフォンでは体験できないこと)をストレートに訴えなければなりません。

そのためには、表現の幅が広く、分かりやすい動画広告が、重要な役割を果たすのです。
(文:Scott Nomura)

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参考記事

総務省「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
一般社団法人カメラ映像機器工業会『デジタルカメラの総出荷(タイプ別)』
野村総合研究所『2018年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望』

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