セブン&アイ・ホールディングスとファンケル化粧品は、スキンケア化粧品を共同開発し、11月からセブン&アイのプライベートブランド(PB)として販売する。セブン&アイが本格的にPB化粧品を発売するのは初めて。年間20億円の売り上げを目指す。
新ブランド「ボタニカルフォース」は、ファンケル化粧品の持つ「無添加処方」にアルガンオイル、ローズヒップなど植物由来の美容成分による「ボタニカル処方」を加えたもの。20~40代の女性をターゲットに、文房具など日用品を扱うセブン&アイのPB「セブンライフスタイル」から発売する。
ラインアップは、美容オイルクレンジング、美容クリーム洗顔料、美容化粧液、美容乳液、美容エイジングケアクリーム、美容エイジングケアマスク、スキンケアトライアルセットの7アイテム。価格帯は、378円から1836円(税込)。
セブン&アイでは、セブン-イレブン全店(8月末時点・1万7013店舗)やイトーヨーカドー157店舗、百貨店のそごう、西武5店舗(一部対面販売)などグループ6社の約1万7250店舗で販売する。
セブン-イレブン・ジャパンの鎌田靖常務執行役員(右)とファンケル化粧品の山岡万佑子社長
流通戦略強化で新しい接点創出
化粧品の売場が変化する中、ファンケル化粧品では流通戦略強化の一環でセブン&アイとの商品共同開発を決めた。
セブン&アイによると、従来、若年層男性が中心だったコンビニの客層が変化しており、過去5年間で女性客の割合は約41%から約49%に増加。シチュエーションにより、コンビニやGMS、百貨店を使い分ける消費行動の傾向がみられるという。
ファンケル化粧品では新たな売場に顧客との接点を見出す狙い。「化粧品のマーケットが変化する中、(セブン&アイの)強い販売力で無添加の良さを知ってもらえる良い機会。そうした機会を創出していくのが課題であり、実行している戦略」(山岡社長)とする。
ファンケルの前期(14年3月期)の化粧品卸売上高は17億4100万円。一部に関連会社のOEM事業を含むが、その大半は化粧品卸になる。今年4月からローソンにおける売り場面積の拡大や新商品展開、ドラッグストア約6000店への卸販売も始めており、今期は前期比約58%増となる27億5000円を見込む。この計画にセブン&アイに対する卸販売の影響は含まれていない。
流通2強、化粧品PBで攻勢
一方、セブン&アイの発表に先立つ今年9月、イオンもPBのスキンケア「GLAMATICAL(グラマティカル)」の販売を始めている。
9月25日の商品発表会でセブン&アイは「グラマティカル」との違いについて、コールセンター運営時間など顧客対応の充実、製造者の明記(イオンは、「イオントップバリュ」と表示)を挙げ、"安心・安全"ニーズに応えるとする。一方で、ファンケル化粧品のブランド力を活かし、商品の上質感に加え、値ごろ感を打ち出す狙いもあるとみられる。
セブン&アイ・ホールディングスとファンケル化粧品が共同開発したPB化粧品ブランド「ボタニカルフォース」
「ボタニカルフォース」は、ファンケル化粧品がナショナルブランドで展開するスキンケアとは"無添加"の基準が異なり、「クレンジングや洗顔料でさまざまな処方を持ち、今回の自然派コスメとは消費者から見た嗜好性も異なるため競合しない」(山岡社長)とする。
流通2強によるPB化粧品の攻勢が激化する中、その動静に注目する必要がありそうだ。
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オリジナル記事:セブン&アイがファンケル化粧品とPB化粧品を共同開発、年間20億円の売り上げ目指す | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
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