新型コロナの影響で化粧品業界にも広がる応援・支援型消費、50.8%が経験
株式会社アイスタイル
~「自分の好きなもの、自分にとって大事なものを守る」ために経済を回す~
株式会社アイスタイル(以下 アイスタイル)ではこのほど、運営するサービス@cosmeのプロデュースメンバーである、15~59歳の女性1655名を対象に、コロナ禍における「応援・支援型消費」の化粧品分野における調査(以下、ユーザーアンケート)を実施しました。
結果、回答者の半数以上が、今までに「応援・支援型消費の経験がある」と回答し、特にコロナ禍以降に増加している傾向がみられました。コロナ禍で化粧品の購入頻度が減少している中、「応援・支援型の化粧品購入」の傾向や動機はどのようなものであったのか、調査結果をお知らせいたします。
■調査結果概要
1.新型コロナウイルスの影響により、化粧品購入頻度は減少
2.半数以上が「応援・支援型の化粧品購入経験あり」
3.応援・支援型の化粧品購入は、緊急事態宣言発令の4月より増加傾向
4.「未婚・有職者」の応援・支援型化粧品購入が最も多い
5.「自分の好きなもの、自分にとって大事なものを守る」ために経済を回す
6.応援・支援型化粧品購入は今後も継続の流れ
■調査結果詳細
1. 新型コロナウイルスの影響により、化粧品購入頻度は減少
新型コロナウイルスは、化粧品業界にも大きな影響を与えました。経済産業省生産動態統計の2020年6月度 の結果でも化粧品は昨年より出荷額が減少しています。また、ユーザーアンケートの「新型コロナウイルスの感染拡大によって、化粧品を購入する頻度に変化はありましたか?」という質問に対しては、特にメイクアップ化粧品において、「減った」「とても減った」という回答が半数を超え、50.6%となりました。
<グラフ1>
外出自粛やマスクの着用によりリップメイクを控えたり、マスクによるメイク崩れを気にしてベースメイクが薄くなる傾向にあることから、メイクアップの方が顕著に結果にあらわれています。
本アンケートの対象である、@cosmeプロデュースメンバーという比較的、美容意識の高い女性セグメントにおける結果でさえ、このような状況であることからも、化粧品業界もコロナの影響を強く受けており厳しい状況であるといえるでしょう。
※コロナ禍によるメイクアップ商品への関心の変化については、2020年6月に発表した下記リリース内においても発表しています。是非ご覧ください。
https://www.istyle.co.jp/news/press/2020/06/0611-bc.html
2. 半数以上が「応援・支援型の化粧品購入経験あり」
1.のようにコロナ禍で化粧品業界も厳しい状況に置かれている中で、「人や商品・企業やお店など、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入することはありますか?」という質問に対し、「ある」という回答が半数以上の50.8%となりました。
<グラフ2>
3.応援・支援型の化粧品購入は、緊急事態宣言発令の4月より増加傾向
「応援・支援型の化粧品購入経験がある」と回答した人に対し、『いつ、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入しましたか?」と聞いたところ、「今年の1~3月」よりも「今年の4~5月」「今年の6~8月」と回答した人が多く、緊急事態宣言が発令された4月以降増加傾向にあることがわかります。
<グラフ3>
これにより、新型コロナウイルスの影響で化粧品業界でも経済的打撃が顕在化したことで、応援・支援型の化粧品購入を行う人が増えていったということがいえるでしょう。
【資料:@cosmeのクチコミデータからみえる応援・支援型消費】
@cosme内のクチコミでも新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、応援・支援型消費が促進されたといえる特徴がみえました。@cosmeに出現するワードのうち、「応援」「応援する」「支援」「支援する」(※スポーツ応援、女性を応援といった意味で使用されているクチコミは除く)というワードが増加しました。
<クチコミ抜粋>
「こんな時代なのだから欲しいものは買えるうちに(自分に収入があり、販売ルートが開かれているうちに)買っておこう!カウンター行って何アイテムか買い揃えよう!と決心してすぐカウンターへ。
アイシャドウパレットを軸にチーク、フェイスパウダー、口紅を一気に入手しました。
完全にそのうち入金するはずの給付金をあてにしたお買い物。
だってコスメ業界も百貨店もどちらも頑張ってもらいたいしささやかでも応援したいので。」
ードルチェ&ガッバーナ ビューティ「フェリンアイズ インテンスアイシャドウ クアッド」へのクチコミより
「緊急事態宣言が解除になってもお互いの感染リスクがあるうちは自分は店頭に行く機会がないと思いますが、いち早く、生産ラインで新型コロナの社会貢献を始めたディオールに応援の意味も込めて変わらず通販で購入していきたいと思っています。」
ーディオール「プレステージ ル グラン マスク」へのクチコミより
「わたしを担当してくだったBAさんが素敵な方で、時間もないためバタバタしてしまっていたのですが、素早く的確に商品説明をしてくださり、サンプルもオススメをたくさん用意してくださいました。
そして、空きボトルを持ち込むとカードにスタンプを押してもらえて、ポイントがたまるとプレゼントがいただけるというシステムも、しっかりと環境を考えているブランドとして応援したいと思いました。」
ーKIEHL’S SINCE 1851(キールズ) 「キールズ ハーバル トナー CL アルコールフリー」へのクチコミより
さらに上記ワードの出現率を2010~2020年の10年間で見てみると、東日本大震災の起こった2011年より上記ワードは増加傾向にあったものの、2013年をピークに落ち着きを見せ、また今年の4月に上昇を始めていることから、経済的打撃、あるいは多くの人が同じ危機的な状況を共有している状況で、このような応援・支援型消費のニーズが高まることもみてとれます。
<グラフ4>
4.「未婚・有職者」の応援・支援型化粧品購入が最も多い
緊急事態宣言後、最も応援・支援型化粧品購入を行ったのは「未婚・有職者」で、半数以上の55.3%が応援・支援型化粧品購入の経験があるという結果でした。
<グラフ5>
個人の可処分所得が比較的多い層では、より応援・支援型化粧品購入が積極的になることが推察されます。
5.「自分の好きなもの、自分にとって大事なものを守る」ために経済を回す
では、応援・支援型化粧品購入の動機はどのような意識から起こるのでしょうか?
応援・支援型化粧品購入経験者に対し、「応援・支援への考え・行動について、あてはまるものを教えて下さい」という質問をしたところ、「経済を回す、業界応援・支援のためにも化粧品を購入したいと思う」という回答が、緊急事態宣言前は32.5%であるのに対し、緊急事態宣言後は57.9%であることがわかりました。
これは他の回答よりも緊急事態宣言前からのポイント伸長が大きく、応援・支援型の化粧品購入を行った人たちは、「経済を回す」意識が強いといえるでしょう。
<グラフ6>
また、応援・支援型の化粧品購入を行った人たちに、「直近でとったあなたの行動やその時のお気持ちに、近いと思われるワードをすべて選んでください」と聞いたところ、緊急事態宣言前と後両方で「応援」というワードが最もポイントが高く、「助け合い」というワードが「支援」というワードを抑えて2番目に多い結果となりました。
<グラフ7>
さらに、「助け合い」というワードは緊急事態宣言前から緊急事態宣言後に伸びが大きくなっています。同じく、「援助」「救済」も、緊急事態宣言前から緊急事態宣言後に伸びが大きいワードではありますが、「助け合い」とのポイントの差分の大きさを見ると、応援・支援型化粧品購入は決して、一方的で上の立場からの行動ではなく、「これを機会に今まで助けてもらった感謝を返したい」、という双方向的な気持ちがあるといえるのではないでしょうか。
実際に、この質問に対する自由回答として、そのようなコメントも多く見受けられました。
<自由回答(一部)>
「アルビオン(イグニス)のクレンジング。
いつもだったらクレンジングは他のブランドのものでもよかったけど、スキンケア商品でお世話になっているアルビオンさんで購入して応援したいと思った。(アルビオンのクレンジングを買うのは初めて)
コロナの影響もあると思うので、好きなブランドが今後も存続してもらえるようにと。」
ー今年の6~8月(緊急事態宣言 解除後)・28歳
「Diorのオンラインでコスメを購入しました。
自粛・マスク生活でメイクがあまり出来ない中、大好きなブランドで大好きな商品を購入することで、少しでもそのブランドに売上貢献が出来たら、と思いました。
またそれが少しでも、化粧品業界に良い流れに繋がることが出来ればと思っています。」
ー今年の4~5月(緊急事態宣言 発令期間中)・32歳
「親戚がやってるサロンのフェイスパック。コロナで景気が良く無い中大変だということを知り、少しでも力になれればという思いで購入しました。また、フェイスパックは元々欲しくてどこの会社のを買うか悩んでいたのでわたし自身も助かりました。」
ー今年の6~8月(緊急事態宣言 解除後)・27歳
モノと情報が溢れている現代で、商品購入前の情報量が増えており、過去の調査結果からも約7割が「モノや情報が多すぎて何を選んでいいのか分からない」という回答結果もありました。色々な商品を試してみたいというマインドがありながらも、生活者がなかなか購入の決断に至れない傾向が見受けられます。
そういった中で、「経済的打撃の大きい状況下で自分が購入することによって、少しでも貢献できるのであれば」、という気持ちが買う理由になったり、購入にあたってのひと押しにもなっているのでしょう。
そして購入する商品は、身近に感じているもの、自分が普段から使っていたり、好きなブランド・サロンであることが例示した自由回答に限らず多くの回答に見受けられました。
このことは、購入者に「何か(誰か)を応援したい・支援したいという気持ちで購入した化粧品」について聞いたところ、<グラフ8>のように「もともと好きだったもの」が「もともと特になんとも思っていなかったもの」に比べて緊急事態宣言前後に関わらずポイントが高かったことからも明白です。
<グラフ8>
さらに、「応援・支援したいと思うもので、あてはまるものをすべて選んでください」という質問に対しても、「好きな商品・ブランドが廃盤になる可能性がある」という回答が55.3%でトップを占めました。
<グラフ9>
新型コロナウイルスの感染拡大による自粛や店舗休業の影響によって、連日のようにブランド撤退や閉店、企業の倒産のニュースが流れるような状況にあります。
そのような中で、自分が好きなものに対する恩返しの気持ちと共に、「もしも愛用している、好きなブランドが廃盤になったら自分が困る」という気持ちがあることが、応援・支援型化粧品購入に繋がっているといえるでしょう。
今まで助けてくれた、自分の好きなもの、誰かを守るためにも経済を回したい。まさに「自分と大切な人を守るため」というコロナと戦う思いの根底が、コロナ禍における応援・支援型消費の形と言えるのではないでしょうか。
6.応援・支援型化粧品購入は今後も継続の流れ
「今後、人や商品・企業やお店など、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入することが増えると思いますか?」という質問に対し、「増えると思う」が半数近くの46.3%を占めています。また、その他の回答も「変わらないと思う」が52.7%を占め、「減ると思う」が1.0%にとどまっています。
今後もこうした消費を行うことにポジティブな反応であることから、応援・支援型化粧品購入は続くのではないでしょうか。
<グラフ10>
■調査概要
調査名称:化粧品とライフスタイルに関するアンケート
調査対象:15-59歳の@cosmeプロデュースメンバー 女性
調査地域:全国
調査方法:Web調査
調査時期:2020年8月7日(金)~11日(火)
集計数:1,655サンプル ※下記表の通り、@cosmeの年代構成比に合わせ割付
■調査結果引用時のお願い
本調査結果を転載・ご利用いただく場合は、出典元として下記のような表記をお願いします。
例:「『@cosme』の調査によると」「『@cosme』調べ」など
■@cosmeについて
月間訪問者1,600万人(全デバイス含む)、月間ページビュー数は3.1億PV、国内外3万4,000ブランド・商品数32万点のコスメのデータベースと、クチコミ検索機能や新製品情報などのコンテンツを備えた日本最大の化粧品・美容の総合サイトです。1999年のオープン以来、会員数・クチコミ件数・ページビュー数ともに伸び続け、累計クチコミ数は1,500万件を突破しています。
【株式会社アイスタイル 会社概要】 http://www.istyle.co.jp 東証一部・コード番号3660
▌所在地:〒107-6034 東京都港区赤坂 1-12-32 アーク森ビル 34 階
▌設 立:1999年7月27日
▌資本金:36億4,700万円
▌代表者:代表取締役社長 兼 CEO 吉松 徹郎
▌事業内容:美容系総合ポータルサイト@cosmeの企画・運営、関連広告サービスの提供
◆お問合せ◆ 株式会社アイスタイル エクスターナルコミュニケーション室
Email: istyle-press@istyle.co.jp
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
~「自分の好きなもの、自分にとって大事なものを守る」ために経済を回す~
株式会社アイスタイル(以下 アイスタイル)ではこのほど、運営するサービス@cosmeのプロデュースメンバーである、15~59歳の女性1655名を対象に、コロナ禍における「応援・支援型消費」の化粧品分野における調査(以下、ユーザーアンケート)を実施しました。
結果、回答者の半数以上が、今までに「応援・支援型消費の経験がある」と回答し、特にコロナ禍以降に増加している傾向がみられました。コロナ禍で化粧品の購入頻度が減少している中、「応援・支援型の化粧品購入」の傾向や動機はどのようなものであったのか、調査結果をお知らせいたします。
■調査結果概要
1.新型コロナウイルスの影響により、化粧品購入頻度は減少
2.半数以上が「応援・支援型の化粧品購入経験あり」
3.応援・支援型の化粧品購入は、緊急事態宣言発令の4月より増加傾向
4.「未婚・有職者」の応援・支援型化粧品購入が最も多い
5.「自分の好きなもの、自分にとって大事なものを守る」ために経済を回す
6.応援・支援型化粧品購入は今後も継続の流れ
■調査結果詳細
1. 新型コロナウイルスの影響により、化粧品購入頻度は減少
新型コロナウイルスは、化粧品業界にも大きな影響を与えました。経済産業省生産動態統計の2020年6月度 の結果でも化粧品は昨年より出荷額が減少しています。また、ユーザーアンケートの「新型コロナウイルスの感染拡大によって、化粧品を購入する頻度に変化はありましたか?」という質問に対しては、特にメイクアップ化粧品において、「減った」「とても減った」という回答が半数を超え、50.6%となりました。
<グラフ1>
外出自粛やマスクの着用によりリップメイクを控えたり、マスクによるメイク崩れを気にしてベースメイクが薄くなる傾向にあることから、メイクアップの方が顕著に結果にあらわれています。
本アンケートの対象である、@cosmeプロデュースメンバーという比較的、美容意識の高い女性セグメントにおける結果でさえ、このような状況であることからも、化粧品業界もコロナの影響を強く受けており厳しい状況であるといえるでしょう。
※コロナ禍によるメイクアップ商品への関心の変化については、2020年6月に発表した下記リリース内においても発表しています。是非ご覧ください。
https://www.istyle.co.jp/news/press/2020/06/0611-bc.html
2. 半数以上が「応援・支援型の化粧品購入経験あり」
1.のようにコロナ禍で化粧品業界も厳しい状況に置かれている中で、「人や商品・企業やお店など、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入することはありますか?」という質問に対し、「ある」という回答が半数以上の50.8%となりました。
<グラフ2>
3.応援・支援型の化粧品購入は、緊急事態宣言発令の4月より増加傾向
「応援・支援型の化粧品購入経験がある」と回答した人に対し、『いつ、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入しましたか?」と聞いたところ、「今年の1~3月」よりも「今年の4~5月」「今年の6~8月」と回答した人が多く、緊急事態宣言が発令された4月以降増加傾向にあることがわかります。
<グラフ3>
これにより、新型コロナウイルスの影響で化粧品業界でも経済的打撃が顕在化したことで、応援・支援型の化粧品購入を行う人が増えていったということがいえるでしょう。
【資料:@cosmeのクチコミデータからみえる応援・支援型消費】
@cosme内のクチコミでも新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、応援・支援型消費が促進されたといえる特徴がみえました。@cosmeに出現するワードのうち、「応援」「応援する」「支援」「支援する」(※スポーツ応援、女性を応援といった意味で使用されているクチコミは除く)というワードが増加しました。
<クチコミ抜粋>
「こんな時代なのだから欲しいものは買えるうちに(自分に収入があり、販売ルートが開かれているうちに)買っておこう!カウンター行って何アイテムか買い揃えよう!と決心してすぐカウンターへ。
アイシャドウパレットを軸にチーク、フェイスパウダー、口紅を一気に入手しました。
完全にそのうち入金するはずの給付金をあてにしたお買い物。
だってコスメ業界も百貨店もどちらも頑張ってもらいたいしささやかでも応援したいので。」
ードルチェ&ガッバーナ ビューティ「フェリンアイズ インテンスアイシャドウ クアッド」へのクチコミより
「緊急事態宣言が解除になってもお互いの感染リスクがあるうちは自分は店頭に行く機会がないと思いますが、いち早く、生産ラインで新型コロナの社会貢献を始めたディオールに応援の意味も込めて変わらず通販で購入していきたいと思っています。」
ーディオール「プレステージ ル グラン マスク」へのクチコミより
「わたしを担当してくだったBAさんが素敵な方で、時間もないためバタバタしてしまっていたのですが、素早く的確に商品説明をしてくださり、サンプルもオススメをたくさん用意してくださいました。
そして、空きボトルを持ち込むとカードにスタンプを押してもらえて、ポイントがたまるとプレゼントがいただけるというシステムも、しっかりと環境を考えているブランドとして応援したいと思いました。」
ーKIEHL’S SINCE 1851(キールズ) 「キールズ ハーバル トナー CL アルコールフリー」へのクチコミより
さらに上記ワードの出現率を2010~2020年の10年間で見てみると、東日本大震災の起こった2011年より上記ワードは増加傾向にあったものの、2013年をピークに落ち着きを見せ、また今年の4月に上昇を始めていることから、経済的打撃、あるいは多くの人が同じ危機的な状況を共有している状況で、このような応援・支援型消費のニーズが高まることもみてとれます。
<グラフ4>
4.「未婚・有職者」の応援・支援型化粧品購入が最も多い
緊急事態宣言後、最も応援・支援型化粧品購入を行ったのは「未婚・有職者」で、半数以上の55.3%が応援・支援型化粧品購入の経験があるという結果でした。
<グラフ5>
個人の可処分所得が比較的多い層では、より応援・支援型化粧品購入が積極的になることが推察されます。
5.「自分の好きなもの、自分にとって大事なものを守る」ために経済を回す
では、応援・支援型化粧品購入の動機はどのような意識から起こるのでしょうか?
応援・支援型化粧品購入経験者に対し、「応援・支援への考え・行動について、あてはまるものを教えて下さい」という質問をしたところ、「経済を回す、業界応援・支援のためにも化粧品を購入したいと思う」という回答が、緊急事態宣言前は32.5%であるのに対し、緊急事態宣言後は57.9%であることがわかりました。
これは他の回答よりも緊急事態宣言前からのポイント伸長が大きく、応援・支援型の化粧品購入を行った人たちは、「経済を回す」意識が強いといえるでしょう。
<グラフ6>
また、応援・支援型の化粧品購入を行った人たちに、「直近でとったあなたの行動やその時のお気持ちに、近いと思われるワードをすべて選んでください」と聞いたところ、緊急事態宣言前と後両方で「応援」というワードが最もポイントが高く、「助け合い」というワードが「支援」というワードを抑えて2番目に多い結果となりました。
<グラフ7>
さらに、「助け合い」というワードは緊急事態宣言前から緊急事態宣言後に伸びが大きくなっています。同じく、「援助」「救済」も、緊急事態宣言前から緊急事態宣言後に伸びが大きいワードではありますが、「助け合い」とのポイントの差分の大きさを見ると、応援・支援型化粧品購入は決して、一方的で上の立場からの行動ではなく、「これを機会に今まで助けてもらった感謝を返したい」、という双方向的な気持ちがあるといえるのではないでしょうか。
実際に、この質問に対する自由回答として、そのようなコメントも多く見受けられました。
<自由回答(一部)>
「アルビオン(イグニス)のクレンジング。
いつもだったらクレンジングは他のブランドのものでもよかったけど、スキンケア商品でお世話になっているアルビオンさんで購入して応援したいと思った。(アルビオンのクレンジングを買うのは初めて)
コロナの影響もあると思うので、好きなブランドが今後も存続してもらえるようにと。」
ー今年の6~8月(緊急事態宣言 解除後)・28歳
「Diorのオンラインでコスメを購入しました。
自粛・マスク生活でメイクがあまり出来ない中、大好きなブランドで大好きな商品を購入することで、少しでもそのブランドに売上貢献が出来たら、と思いました。
またそれが少しでも、化粧品業界に良い流れに繋がることが出来ればと思っています。」
ー今年の4~5月(緊急事態宣言 発令期間中)・32歳
「親戚がやってるサロンのフェイスパック。コロナで景気が良く無い中大変だということを知り、少しでも力になれればという思いで購入しました。また、フェイスパックは元々欲しくてどこの会社のを買うか悩んでいたのでわたし自身も助かりました。」
ー今年の6~8月(緊急事態宣言 解除後)・27歳
モノと情報が溢れている現代で、商品購入前の情報量が増えており、過去の調査結果からも約7割が「モノや情報が多すぎて何を選んでいいのか分からない」という回答結果もありました。色々な商品を試してみたいというマインドがありながらも、生活者がなかなか購入の決断に至れない傾向が見受けられます。
そういった中で、「経済的打撃の大きい状況下で自分が購入することによって、少しでも貢献できるのであれば」、という気持ちが買う理由になったり、購入にあたってのひと押しにもなっているのでしょう。
そして購入する商品は、身近に感じているもの、自分が普段から使っていたり、好きなブランド・サロンであることが例示した自由回答に限らず多くの回答に見受けられました。
このことは、購入者に「何か(誰か)を応援したい・支援したいという気持ちで購入した化粧品」について聞いたところ、<グラフ8>のように「もともと好きだったもの」が「もともと特になんとも思っていなかったもの」に比べて緊急事態宣言前後に関わらずポイントが高かったことからも明白です。
<グラフ8>
さらに、「応援・支援したいと思うもので、あてはまるものをすべて選んでください」という質問に対しても、「好きな商品・ブランドが廃盤になる可能性がある」という回答が55.3%でトップを占めました。
<グラフ9>
新型コロナウイルスの感染拡大による自粛や店舗休業の影響によって、連日のようにブランド撤退や閉店、企業の倒産のニュースが流れるような状況にあります。
そのような中で、自分が好きなものに対する恩返しの気持ちと共に、「もしも愛用している、好きなブランドが廃盤になったら自分が困る」という気持ちがあることが、応援・支援型化粧品購入に繋がっているといえるでしょう。
今まで助けてくれた、自分の好きなもの、誰かを守るためにも経済を回したい。まさに「自分と大切な人を守るため」というコロナと戦う思いの根底が、コロナ禍における応援・支援型消費の形と言えるのではないでしょうか。
6.応援・支援型化粧品購入は今後も継続の流れ
「今後、人や商品・企業やお店など、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入することが増えると思いますか?」という質問に対し、「増えると思う」が半数近くの46.3%を占めています。また、その他の回答も「変わらないと思う」が52.7%を占め、「減ると思う」が1.0%にとどまっています。
今後もこうした消費を行うことにポジティブな反応であることから、応援・支援型化粧品購入は続くのではないでしょうか。
<グラフ10>
■調査概要
調査名称:化粧品とライフスタイルに関するアンケート
調査対象:15-59歳の@cosmeプロデュースメンバー 女性
調査地域:全国
調査方法:Web調査
調査時期:2020年8月7日(金)~11日(火)
集計数:1,655サンプル ※下記表の通り、@cosmeの年代構成比に合わせ割付
■調査結果引用時のお願い
本調査結果を転載・ご利用いただく場合は、出典元として下記のような表記をお願いします。
例:「『@cosme』の調査によると」「『@cosme』調べ」など
■@cosmeについて
月間訪問者1,600万人(全デバイス含む)、月間ページビュー数は3.1億PV、国内外3万4,000ブランド・商品数32万点のコスメのデータベースと、クチコミ検索機能や新製品情報などのコンテンツを備えた日本最大の化粧品・美容の総合サイトです。1999年のオープン以来、会員数・クチコミ件数・ページビュー数ともに伸び続け、累計クチコミ数は1,500万件を突破しています。
【株式会社アイスタイル 会社概要】 http://www.istyle.co.jp 東証一部・コード番号3660
▌所在地:〒107-6034 東京都港区赤坂 1-12-32 アーク森ビル 34 階
▌設 立:1999年7月27日
▌資本金:36億4,700万円
▌代表者:代表取締役社長 兼 CEO 吉松 徹郎
▌事業内容:美容系総合ポータルサイト@cosmeの企画・運営、関連広告サービスの提供
◆お問合せ◆ 株式会社アイスタイル エクスターナルコミュニケーション室
Email: istyle-press@istyle.co.jp
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ