認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
日本ファンドレイジング協会、日本社会の寄付文化を紐解く「寄付白書2025」を出版。
寄付・社会的投資が進む社会の実現を目指す認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会は、日本の寄付市場全体を概観する国内唯一の調査レポート「寄付白書2025」(以下、本白書)を出版しました。12月10日より、日本ファンドレイジング協会のマイページおよびAmazonにて一般販売を開始します。

「寄付白書2025」書影
2010年の初版以来、日本の寄付市場の全体像を明らかにし、寄付文化の変遷を記録してきた寄付白書。これまで、数多くの報道や研究、政策文書において活用されています。本白書は従来の白書の枠組みに沿って、
「2024年の最新の寄付市場」を明らかにしつつ、創刊から15年という節目を迎えて、
「寄付」という行為の再定義や、
従来型の寄付への理解をより深める挑戦、そして
初めての法人寄付実態調査などにも取り組みました。
■調査サマリー
- 個人寄付総額は2兆261億円となり、過去最高額。ふるさと納税(1兆2,728億円)を除く寄付総額も、前回調査比増の7,533億円と拡大
- ふるさと納税のうち、返礼品なし・返礼品が主目的でない “寄付的なふるさと納税” は9.2%にとどまる
- 被災地応援消費、地産地消の実践、フェアトレード商品購入、子ども食堂への訪問消費など、消費と寄付の「間」にある多様な寄付「的」な行為が広く浸透
- 「寄付は未来の社会への投資だと思う」「どちらかといえばそう思う」と考える人の割合が前回調査比7.1ポイント増加し、58.9%まで上昇
- 「寄付したお金がきちんと使われているか不安に感じる」「どちらかといえばそう思う」と感じる人は依然高く(74.1%)、透明性へのニーズが強い
- 従来型の寄付はまだ「身近な行為」とは言えず、教育・体験機会の拡充が寄付文化醸成の鍵となる
寄付白書のウェブページでは、個人寄付・法人寄付の推移、寄付者率、寄付先を選ぶ際の重視点など、主要データをまとめたインフォグラフィックをご覧いただけます。
■トピックス
2024年のふるさと納税を含む個人寄付総額は2兆261億円となり、過去最高額となりました。また、寄付者率*は 44.5%と2009年の初めての調査から10.5ポイント増加しています。
*調査回答者のうち対象期間中に「寄付を行った」と回答した割合
一方、本白書では、急速に拡大している「ふるさと納税」が、実態としてどれくらい寄付なのか、という問いに切り込み、「返礼品がない」「返礼品が主目的でない」ふるさと納税の割合は、全体の1割に満たない(9.2%)という実態を明らかにしました。知らなかった地域や自治体の特産品を知るきっかけとなるなど、ポジティブな副次的効果をもたらしていることも分かったものの、本来のふるさと納税の構想であった寄付的な役割を発揮させるためにどのような制度改正が必要なのか、今後も注視していく必要があると示されました。(本白書P.40)
近年では寄付概念が拡大し、フェアトレード商品購入、子ども食堂への訪問消費、環境配慮商品購入など、消費と寄付の「間」にある多様な活動が寄付「的」行為として挙げられるようになりました。特に、「被災地の応援のための商品購入や現地旅行」は、回答者の46.6%に寄付に“近い”行為と認識されていたことが分かりました。
東日本大震災以降、寄付だけでなく「被災地を応援するために旅行する」「関連商品を購入する」といった消費行動が、被災地支援の意図を持って行われたとする応援消費を裏付ける結果となりました。(本白書P.36)
「寄付は未来の社会への投資だと思う」「どちらかといえばそう思う」と考える人の割合が「寄付白書2021」では51.8%であったところから、本白書では58.9%まで上昇しました。この意識変化に呼応するように、「将来資産があれば、亡くなる際に一部を遺贈寄付してもよいと思う」と回答した人の割合も、前回調査から2.5ポイント増の44.8%へと、わずかながら増えました。(本白書P.100)
継続的に行われる調査結果を分析した第二部はもちろん、寄付「的」行為の広がり、従来の寄付が果たしてきた役割、そして近年の変化を「読み物」として紹介している第一部は、寄付市場の現在地をアップデートしたいファンドレイザー・NPO関係者だけでなく、「寄付文化がない」と言われることの多い日本社会の在り方へご関心のある全ての方に、重要な示唆のある内容です。
本白書P.66-67には、様々な立場の方から、この寄付白書をどう活用するかについての意見を寄せていただきました。

「寄付白書2025」P.66

「寄付白書2025」P.67
■「寄付白書2025」の構成
巻頭言「いま改めて、寄付とは何か」
インフォグラフィックス
第一部 寄付をめぐる概念と進化を読み解く
第1章
「寄付」とは―広がる寄付概念 / 寄付とは何か、何をもたらすのか / 寄付の成し遂げてきたこと / 多様化する寄付募集の方法 / 募金主体の変化 / 「純粋な贈与」から「応援消費」へ / 広がる寄付概念の実態 / ふるさと納税は「寄付」なのか?
コラム 私の寄付ストーリー
第2章
社会を映す新しい寄付の動き(2022 年~2024 年) / 能登半島地震への支援動向 / 遺贈寄付が拓く未来 / 不当寄附勧誘防止法の制定と運用 / 運用型寄付モデル / 寄付と投資:融合の最前線
コラム 寄付白書、私はこう使う。
第二部 数字で見る日本の寄付の実態
第3章
2024年の個人寄付 / 個人寄付総額 / 個人寄付総額のマクロ推計値の前提と課題 / 国際比較 / 寄付者率 / 平均寄付額 / 属性別の寄付 / 寄付の手段 / きっかけ・経緯 / 寄付の動機と重視した点の多様化 / 寄付とボランティア / 確定申告と寄付金控除 / 寄付についての意識・考え方
コラム 日本ファンドレイジング・リサーチ大賞
第4章
法人寄付の実態 / 法人寄付の全体像 / 法人寄付の推移と内訳 / 法人寄付の寄付先セクター / 法人寄付募集活動と寄付額 / 法人寄付の波及効果と課題
コラム 公益信託制度 / ファンドレイジング・グッドプラクティス
全国寄付実態調査 調査方法
・実査時期:2025年2月26日~2025年3月3日
・調査対象者:2025 年2月時点で全国に居住する満20~79 歳の男女個人
・調査方法:インターネット調査
・調査対象地域:全国
・標本数(アタック数):23,465s
詳細は「寄付白書2025」をご覧ください。
<入手方法>
12月10日より、日本ファンドレイジング協会のマイページおよびAmazonにて一般販売を開始。
https://jfra.jp/research
本件に関するお問い合わせ先
認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
〒107-0052 東京都港区赤坂8-4-14 青山タワープレイス8F fabbit青山内
URL:
https://jfra.jp
Email:jfra@jfra.jp(担当:大石俊輔、宮下真美)
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