検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

収集したキーワードをグループ化する

紺野 俊介

2009年3月18日 8:00

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

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この記事は、第3章「ターゲットを逃さないキーワードの選び方」の記事です。

グループ化を通してビジネスモデルを再確認

キーワードの洗い出しが終わったら、次はそれらをグループ化する必要があります。

なぜグループ化が必要かといえば、「キーワードを収集する基本的な考え方」で説明したように、検索連動型広告は「どういうキーワードに、どういう広告文を表示させて、どのページに誘導するのか」の3点セットで考えなければならないからです。

ランディングページ

検索連動型広告の広告文をクリックしたユーザーの誘導先となるWebページ。商品購入ページや会員登録ページなどが代表例。コンバージョン率を大きく左右するため、費用対効果を考える上でも重要。「landing」は「着地」の意。

そして、キーワードのグループ化を通して、自分のビジネスモデルで何を売り、そのためのサイトはどういう構造をしているのかを、改めて明確に理解していくことが重要になります。

本来は、先にランディングページを設計して、それにあわせてキーワードや広告文を決めていくのが理想的です。

しかし、最初から検索連動型広告のためにランディングページを作るのは珍しいケースでしょう。既存のサイトをベースに、ビジネスモデルとサイト構造からグループ化していくのが、もっともポピュラーな方法となります。

この分類がしっかりできれば、それぞれのキーワードに最適な広告文を作成できるだけでなく、的外れなキーワードによるクリックのミスマッチを減らすことにもつながります。

キーワードはランディングページに集約される
図3-3-1

ランディングページでキーワードを分類

最初に行うのは、誘導したいランディングページに関連するキーワードの抽出とグルーピングです。実際に検索連動型広告を出して、自サイトのどのページにユーザーを誘導するかを考え、そのページごとに分類していきます。

ランディングページの候補となるページは、商品を個別に紹介するページ、複数の商品を価格などで比較するページ、メールマガジンへの登録を促すページなど、ビジネスモデルやコンバージョンによってさまざまだと思います。

それらを考えたときに、「そのページに属するキーワードは何か」と発想し、該当するキーワードをグルーピングすればOKです。

ここでは例として、次のような3つのランディングページにユーザーを誘導すると仮定します。

分類基準となるランディングページ
  1. なんとなく「パソコン」を探している人向け
  2. 「デスクトップパソコン」を探している人向け
  3. 「ノートパソコン」を探している人向け
ランディングページに紐付けた分類
図3-3-2

これで、まずはランディングページに関連するキーワードをグルーピングできました。ここで紐付けられていないキーワードは、さらに次の段階で分類していきます。

ランディングページに関連するキーワード
グループ カテゴリ キーワード
A1 パソコン コンピュータ
PC
パソコン
A2 パソコン(デスク ) デスクトップ パソコン
デスクトップ PC
A3 パソコン(ノート) ノート パソコン
ノート PC

広告文の訴求ポイントでキーワードを分類

次は広告文から考える方法です。自サイトの商品は、ユーザーから見たときにどういう特徴があるのか。また、最終的にユーザーにどう訴求していくのか。検索連動型広告の広告文をまだ考えていなくても、サイトにある既存の説明文などから思い浮かぶはずです。

例えば、競合サイトの商品に比べて「安い」「速い」「新しい」「高品質」など、要は差別化のポイントとなります。訴求したい特徴にあわせて、分類していきましょう。

キーワードは単独では意味がなく、最終的には広告文と紐付けしなくてはなりません。その広告文が作りやすいよう、訴求ポイントにあわせたキーワードの組み合わせについて考えていくと効果的です。

今回は訴求ポイントを3つとし、それぞれに広告文を用意すると想定して分類します。

分類基準となる広告文の訴求ポイント
  1. 価格
  2. 特徴
  3. 新しさ
広告文の訴求ポイントに紐付けた分類
図3-3-3

これで広告文の訴求ポイントに関連するキーワードをグルーピングできました。

広告文の訴求ポイントに関連するキーワード
グループ カテゴリ キーワード
B1 価格 激安
低価格
B2 特徴 コンパクト
省 スペース
B3 新しさ 新商品
新製品

その他のキーワードを分類

最後に、残りのキーワードを意味別に分類します。似たようなカテゴリのキーワードをひとまとめにしていけば、自然とグルーピングができあがります。

この場合のカテゴリは、販売する商品やサービスによってさまざまなので、自分のサイトの商品特性にあわせてカテゴリを作ると良いでしょう。

今回の例では、次の5つのカテゴリに分類しています。

その他のキーワードの分類基準
  1. 行動名詞(買うことに関するカテゴリ)
  2. 買う方法に関するカテゴリ
  3. 商品の大きさに関するカテゴリ
  4. メーカー名のカテゴリ
  5. 商品名のカテゴリ
その他のキーワード
グループ カテゴリ キーワード
C1 行動名詞(買う) 通販
購入
C2 買う方法 ネット
オンライン
C3 大きさ A4
B5
C4 メーカー名 NEC
SONY
C5 商品名 LaVie
VAIO
検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
  • 『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』
  • ISBN:978-4844325697
  • 1,680(税込)
  • 紺野俊介(著)
  • インプレスジャパン

この記事は、書籍『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

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