新型コロナの影響の収束、「1年以上かかる」と見る人が半数近く。大多数は長期戦を覚悟【エクサウィザーズ調べ】
エクサウィザーズは、DX推進やAI導入を実施中・検討中の企業を対象に、「新型コロナが経営に与えた影響」を調査した結果を発表した。同社が運営する「exaCommunity」のオンラインAIセミナーに参加した企業に対してアンケートを実施し、290社411名から回答を得ている。
新型コロナで売上高減少、「2割~4割減」が7割近く
まずアンケート結果を企業ごとに集計し、「戦略・戦術」「投資スタンス」「デジタル成熟度」の3項目を3段階で評価。あわせてDXへの取り組み状況を「DX先行派」「DX着手」「To Be型」「To Do型」「漂流型」の5段階に分類した。
その結果、DXを積極的に推進できている「DX先行派」に属する企業は3%、「DX着手」でも9%に留まっていた。アフターコロナを見据えた戦略を考えている「To Be型」でさえ26%と少数で、すべてあわせても半数に至らないのが現状だ。
そうした背景を踏まえた上で、直接的な新型コロナの影響を探った。まず「あなたの会社業績(売り上げ)へのコロナの影響は感覚的に何%くらいですか?」と聞くと、「影響なし」は17%で、「売上高が2割~4割減」とした企業が67%と多数派だった。業種別では、小売業、物流・運輸業への打撃が大きく、「売り上げ8割減」の比率が高い。
同様に、営業活動・商品開発・社内業務の3項目について、「コロナによる会社の業務への影響(遅延)はどの程度ですか?」と聞くと、もっとも影響が大きかったのは「営業活動」91%で、以下「商品開発」69%、「社内業務」66%の順。やはり営業活動に大きく影を落としている。
「コロナの影響がいつ頃まで続くと見ていますか」という質問では、「今年12月まで」37%、「来年6月まで」27%、「来年12月まで」17%で、大多数が長期戦を覚悟している様子がうかがえる。
“アフターコロナ”の事業環境、大幅売り上げ減の業界は逆転を狙う?
「アフターコロナで事業環境は変化すると思いますか?」と聞くと、「大きく変化する」49%、「非連続な変化が起きる」27%で、計76%が大きな変化を想定していた。業種別では、売り上げへの打撃が大きかった「小売業」で、大きな変化が予測されている。
具体的な取り組みでは、「アフターコロナによる働き方の再設計(リモートワーク導入)」70%が最多。それ以外は「Afterコロナに向けたビジョン構築」43%、「Afterコロナに向けた事業環境分析」40%、「既存事業の最適化(顧客層見直し等)」40%、「経営戦略の見直し」37%と、ほぼ4割程度で分散した。まだまだ“アフターコロナ”のビジョン構築や戦略見直しまでには進んでいないと思われる。
「FY20年度にどのような投資を行っていくべきと思いますか?」と聞くと、「積極投資で差別化」33%、「必要最低限で投資は極力控える」26%、「一定の投資は確保しつつも当初予算から削減」18%、「当初予算通り」8%などとなっており、ちょうど積極派・消極派・現状維持派の3つの方向性でわかれている。なお、コロナによる売り上げへの影響度別で見ると、売り上げへの影響が少ない会社ほど積極投資の傾向が見えるが、8割減にまで至ると逆に積極投資が増えるなど、逆転を狙う企業も多そうだ。
調査概要
- 【調査対象】DX推進やAI導入を実施中もしくは検討中の企業
- 【調査方法】同社が運営する「exaCommunity」のオンラインAIセミナーに参加した企業に対してアンケートを実施。
- 【調査期間】2020年5月8日
- 【有効回答数】290社411名
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