ウェビナー参加者の6割は「ながら見」。主催側の6割は「対面に戻したい」【ファベル調べ・サイカ調べ】

同時期に、セミナー受講者側へのアンケートと、セミナーの開催者側へのアンケートが実施。

2020年上半期は、新型コロナウイルスにより在宅勤務が拡大したことにともない、会場を使うセミナーの代わりに、ネットで開催する「ウェビナー」(Webセミナー、オンラインセミナー)が増加した。Web会議システムは、比較的少数の人間が相互対話する形態だが、ウェビナーは数十人~数百人に対して講義することを基本としている。

Faber Company(ファベルカンパニー)は、セミナー受講者側であるWebマーケター119人を対象に、「ウェビナー」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。

またサイカは、自社セミナーの開催者側である広告宣伝担当者201人を対象に、「テレワーク環境下でのセミナー開催」に対する意識調査を実施している。

セミナー受講者:「他業務をしながら流し見している」という人が6割(Faber Company)

Faber Companyの調査によると、Webマーケターがコロナ自粛期間にウェビナーに参加した回数(月あたり)は、「1~5回」71%が多数で、6回以上という人は23%。一方ゼロ回という人も6%ほど存在した。5月25日に緊急事態宣言が解除され、自粛期間がいったん終了するが、ウェビナーへの参加については「回数が増えた」46%、「変わらない」39%、「回数が減った」15%と分かれた。

一方、これらのウェビナーの視聴状況について、

  • 80%は集中してみた=内容をちゃんと見ていた
  • 50%は集中してみた=他業務をしながら流し見している
  • 20%は集中してみた=内容はあまり見ていない

という3段階のどれに当たるかを聞くと、「内容をちゃんと見ていた」35%、「他業務をしながら流し見している」61%、「内容はあまり見ていない」4%という結果になった。会場でセミナーに集中できる環境と、生活に直結した自宅環境とで集中力に差が出た他、つい他業務を並行させたり、回線やツールに問題が発生したりといった状況が多いようだ。

アンケートでは、コンテンツそのものの浅さ、参加の一体感の薄さなども指摘されており、告知・集客だけでなく、従来の現場型セミナーをオンラインセミナーとしてしっかり組み替えて、企画内容を練るべきと思われる。ウェビナー情報を認知する経路として「メルマガ」40%がもっとも多く、メルマガ運用も重要だ。またFaber Companyは、「資料ダウンロードや後日録画配信など、参加できなかった方もフォローできるような工夫で満足度もあがる可能性がある」と指摘している。

 

セミナー開催者:6割以上が、ウェビナーは対面での開催に戻したい(サイカ)

一方、サイカの調査によると、「外出自粛やテレワークが広がる状況で、自社セミナーについてどのような対応を行ったか」という質問に対し、「すべて開催を中止した」31.3%、「全セミナーをオンラインで開催した」36.8%、「一部のセミナーをオンラインで開催した」30.8%と、ほぼ三方向に分かれたが、99%近いセミナーがコロナに反応していた。

 

「自社セミナーの一部または全部をオンライン開催に変更した」と回答した201人に今後の意向を聞くと、「一部対面での開催に戻す」50.7%が過半数。「すべて対面での開催に戻す」14.7%とあわせ6割以上が、対面での開催に戻す意向を示した。“これを機会にオンラインに全面移行し、ウェビナーが主流になる”ということはなさそうだ。

 

そこで「対面での開催に戻す理由」を該当者89人に聞くと、「参加者とのコミュニケーションがとりにくい」57.3%、「参加者との関係構築が難しい」50.6%が多数だった。逆に、「すべてオンライン開催を継続する理由」を該当者37人に聞くと、「対面での開催だと感染リスクへの懸念から集客が難しい」75.7%、「自社のセミナーで感染が生じるリスクを排除しきれない」62.2%、「感染が収束していない状況で対面開催することで企業イメージに悪影響が生じる恐れがある」59.5%に票が集まった。

 
 

調査概要(Faber Company)

  • 【調査対象】Faber Companyと過去に接触があった企業担当者
  • 【調査方法】インターネットアンケートをメールで依頼
  • 【調査期間】2020年6月11日~19日
  • 【有効回答数】119人

調査概要(サイカ)

  • 【調査対象】自社セミナーの企画・運営に携わっている広告宣伝担当者
  • 【調査方法】インターネットアンケート調査
  • 【調査期間】2020年6月
  • 【有効回答数】201人
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