SNSの企業利用、「会社案内・人材募集・申し込み受付」での用途が上昇【総務省調べ】

クラウド、テレワーク、AI・IoT、ネット広告の企業利用の状況なども調査した内容。

総務省は、通信サービスの利用状況、情報通信関連機器の保有状況などを調査する、平成30年(2018年)の「通信利用動向調査」の結果を公表した。「通信利用動向調査」は、世帯(全体・構成員)と企業を対象とした一般統計調査として1990年からスタート(企業調査は1993年より追加)。情報通信行政の施策の策定・評価の基礎資料とするため、毎年実施されている。

ほぼ8割がネット利用、中心機器はスマートフォンだが6~12歳はタブレット

まず、インターネットの利用状況(個人)は全体で79.8%。年代別では20歳代がもっとも高く98.7%に達する。

6~12歳および60歳以上は80%を下回っているが、中核となる13~59歳代は9割を大きく超えていた。

 

インターネット利用機器のトップは「スマートフォン」59.5%だが昨年の59.7%より微減。ただし2位の「パソコン」48.2%は前年52.5%よりさらに大きく下がっている。

 

年代別でインターネット利用機器を見ると、6~12歳はタブレット型端末がスマートフォンを、60歳以上はパソコンがスマートフォンを上回っている。

 

ソーシャルの企業利用が拡大、目的は会社案内・人材募集・申し込み受付など

「ソーシャルネットワーキングサービス」(SNS、ブログ、動画共有サービスなど)については、個人も企業も利用割合が上昇していた。個人は前年54.7%から60.0%と5.3ポイントの上昇だが、企業は前年28.9%から36.7%と7.8ポイントの上昇となっている。業種別では、卸売・小売業(32.1%→46.9%)、金融・保険業(39.2%→51.7%)、不動産業(46.2%→58.7%)などの伸びが大きい。

 
 

利用目的・用途では、個人は「知りたいことについて情報を探すため」「ひまつぶしのため」「同じ趣味・嗜好や同じ悩み事・相談事を持つ人を探したり交流関係を広げるため」などの割合が、企業は「会社案内、人材募集」「申し込みや届出の受付」などの割合が上昇した。

 
 

クラウド、テレワーク、AI・IoT、ネット広告の企業利用の状況は?

「クラウドサービス」を利用している企業は58.7%と、毎年徐々に拡大している。利用目的については、「ファイル保管・データ共有」53.1%、「電子メール」52.2%、「サーバ利用」51.0%が上位。「営業支援」16.7%、「生産管理・物流管理・店舗管理等」9.0%などは少数派だ。

 

「テレワーク」について、導入しているまたは具体的な導入予定がある企業は26.3%。テレワークの導入目的(企業)では「定型的業務の効率性(生産性)の向上」56.1%、「勤務者の移動時間の短縮」48.5%が上位だった。

 

「AI・IoT等によるデジタルデータの収集・利活用」について、導入しているまたは導入予定があるとした企業は2割超。目的においては「効率化・業務改善」73.8%が断トツの1位だった。

 

「インターネット広告」については、実施している企業は46.4%で4.9ポイント上昇。産業別にみると「金融・保険業」70.9%がトップで、以下「不動産業」67.6%、「卸売・小売業」56.3%が続く。

インターネット広告の実施状況(産業別)

調査概要

  • 【調査対象】世帯:20歳以上(2018年4月1日現在)の世帯主がいる世帯およびその6歳以上の構成員。 企業:公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業。
  • 【調査期間】2018年10月~12月
  • 【調査方法】郵送により調査票を配布し、郵送またはオンライン(メール)により調査票を回収。
  • 【有効送付数】40,592世帯、5,877企業
  • 【有効回収数】16,255世帯(42,744人)、2,119企業の1,236サンプル(未成年者:618サンプル、保護者:618サンプル)
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