もしも、「TOHOシネマズ」を解析するなら(後半)[第42回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
毎週木曜9時は「かってに解析!」。だれもが知っている有名サイトをかってに取り上げ、「もしもアクセス解析をするならば、どこに目をつけるか?」という視点で、サイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
今回も、前回に続いて「TOHOシネマズ」を取り上げる。TOHOシネマズは、映画会社の東宝の子会社であるTOHOシネマズ株式会社が展開しているシネマコンプレックス(シネコン)、および東宝邦画・東宝洋画系のチェーン映画館だ(以下、本稿において、カギかっこ付きで「TOHOシネマズ」と書くときは、会社名やシネコン名ではなくサイト名を指す。他のサイト、企業も同様)。
筆者は、映画業界の会社やサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけでもない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
「TOHOシネマズ」の閲覧シチュエーションを想定
今回のサイト利用シナリオも、以下の通りだ。2011年10月に公開された三谷幸喜監督の映画「ステキな金縛り」を、TOHOシネマズで見たいと考えている人が、あらかじめネットで上映日と上映時間を確認して、チケット予約をしようとしているという設定である。
誰が | TOHOシネマズを知っていて、渋谷で映画「ステキな金縛り」を見たいと思っている人 |
---|---|
何の目的で | オンラインで上映スケジュール確認し、チケット予約をする |
「TOHOシネマズ」をエキスパートレビュー!
前回のおさらい
前回は、トップページにアクセスしてから、「上映中作品」の部分に表示される「ステキな金縛り」をクリックして、作品詳細ページに行くところまでのサイトの作りや使い勝手を見てみた。
途中、トップページの「ステキな金縛り」をクリックしているのに、「上映中作品一覧」ページへジャンプさせられた際には、ちょっと面食らったが、それ以外はおおむね問題なく、詳細ページまでたどりつけた。しかし、その詳細ページの表示内容に、若干違和感を感じた、というところまでが前回の内容だ。
以下に、詳細ページの画面キャプチャーを再掲した(図6)。右側には、トップページにも表示されていた「映画ランキング」がある。メインの部分は、予告編の動画、「フォトギャラリー」「上映スケジュール」と内容はコンパクトだ。
違和感を感じたのは、上映スケジュールの部分だ(図6青枠で囲んだ部分)。「上映スケジュール」と書いてあるのに、枠内には、どこにもスケジュールは記載されていない。だったら、「上映スケジュール」というラベルではなく、「上映劇場一覧」の方がよいようにも思ったのだが、じつは仕掛けがあったのだ。今回は、その仕掛けを見ていくところから始めよう。
ソーシャルもやってます!