誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」ということで、「有名サイト、かってに解析!」では、毎回1つの有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
今回は「三菱東京UFJ銀行」の2回目。前回は、検索連動型広告の表示が本体と区別しにくい点、キャンペーン別コンバージョン率の計測が必要なこと、左上エリアのリンクで新しいウィンドウを開くケースがあることと、並び順が適正かどうかといった話をさせてもらった。
今回想定したサイト閲覧シチュエーション
改めて今回の分析に当たっての想定シチュエーションだが、次のようなものだ。
| 誰が | 該当の銀行で口座を持っている個人ユーザー |
|---|---|
| 何の目的で | サービス内容の確認 |
| 何をしに | ATMの休日の稼働状態と、振込手数料含めた合計手数料を調べに |
| どこへ | 銀行名を指定してサイトトップ、あるいは「便利につかう」トップページへ |
アクセス解析視点の仮想目標
上記の想定シチュエーションを、アクセス解析的に言い換えると以下のようになる。
- 参照元が検索エンジン
- 検索語が「三菱東京」「三菱東京 ATM」など
- ランディングページがサイトトップあるいは「便利につかう」トップページ
- コンバージョンページは三菱東京UFJ銀行のATMならびに振込手数料のページ閲覧
前回はトップページ周りを中心に述べてきた。次に進む前に、トップページでもう1つだけ気がついたことをお話しておきたい。
右上のメインビジュアルの部分だが、これはローテーションでキャンペーンなどを次々に見せているエリアだ(図2)。この部分でたまに見かけるインターフェースとして、横スクロールさせるような作りになっているものがある。
ユーザーはここを凝視することはほとんどないと思うので実質的に問題はないのだが、まだ横スクロールはそれ程一般的なサイトのインターフェースになっているとは思えないので、ここをスクロールしないと重要なコンテンツが見えてこないような作りをしていると問題だ。何が横に隠れているかを確認するユーザーはほとんどいないことに気を付けよう。
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この記事の筆者
衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)
1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。
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