誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
アクセス解析力を構成する3つの要素
アクセス解析力を構成する要素は、大きく分けて3つある。
- Web技術やツールの知識
- データ解読能力
- 仮説を立てるセンス
「Web技術やツールの知識」は、特に説明の必要はないだろう。HTMLやCSS、JavaScriptといったWebサイトを作るためのプログラム言語、Google Analyticsなどのアクセス解析ツール、ならびにWebやインターネット全般にわたる基礎知識のことである。
「データ解読能力」は、データを読み解く力のことで、統計や解析に関する知識を指す。詳しくは、Web担当者Forumの過去連載「リサーチ/データのリテラシー入門-----調査統計の基礎知識」、「データをざくざく処理するためのグラフの読み方、使い方」を読んでいただきたい。
最後の「仮説を立てるセンス」が、今回の連載のテーマとなる。アクセス解析で成果を出せる人、出せない人の一番大きな違いは、実は「仮説を立てるセンス」にある。
アクセス解析に必要な「仮説を立てるセンス」
仮説を立てるセンスとは、Webサイトをユーザーの視点から閲覧し、サイトの問題点を推理する能力のことである。アクセス解析というと、PVだの、ユニークユーザー数だの、直帰率だの、コンバージョン率だのといった数字が一人歩きしがちだが、数字は数字でしかない。細かい数字が書き込まれたアクセス解析レポートをいくら眺めたところで、誰にでも分かるようなサイト改善のヒントや答えが書いてあるわけではない。
一見無意味な数字の羅列の中から、意味のある洞察を拾い出せるか出せないかは、見る人の能力次第なのである。ここで必要になってくるのが仮説力、仮説を立てるセンスだ。自分なりに仮説を立て、問題意識を持って眺めれば、無味乾燥なデータがとてつもなく興味深い宝の山に思えてくることさえある。
仮説を立てるセンスを身につけるには、とにかく日々目にするあらゆるWebサイトの問題点は何か、自分なりに仮説を立てながら閲覧するに限る。
本連載では、誰もが知っている有名サイトを、毎週1つずつエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説する。本連載の記事を参考にしながら仮説構築力を磨き、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析で改善する際に役立ててほしい。