コンバージョン率を分解する
コンバージョン率を分解する
一方、コンバージョン率はどのような要素に左右されるだろう。たとえばここでは、第1ステップのコンバージョン(会員登録、メルマガ登録など)と第2ステップのコンバージョン(セミナー申し込み、資料請求や問い合わせなど)それぞれについて、
- 商品・サービスをどのようにサイトで見せているのか(デザイン、情報構造・見せ方、信頼感)
- 申し込みや問い合わせがしやすいか
といった切り口で分解できるだろう(もちろんもっと別な軸で考えることもできる)。
この部分は、サイト内回遊からコンバージョンまでの流れの部分だ。多くの人を集客してもすぐに帰られては意味がないので、まずはそこが重要なポイントになる。さらにある程度関心のある人が、商品・サービス情報のどこを見てくれているのか、コンバージョンへの誘導が適切に行われているか、といった要素が次のポイントになるだろう。
この部分に関わる要素は複雑に絡んでいるので、訪問回数のように明確に足し算で合計になるような分解や対応づけは難しい。とはいえ、上記のように考えれば、アクセス解析の重要な指標としては、「人気のコンテンツのPV」「閲覧経路」「直帰率」「1訪問あたりのページビュー数が多い訪問の割合」「閲覧環境」「コンバージョンプロセスにおけるステップ別離脱率」といったものが挙げられるだろう。
ここではサイトの中だけの話にとどめておくが、本来はさらにリアルの商談での成約率といったところまでデータをつなげていくことが望ましい。まとめとして下図に全体の分解図を示す。
さてここまでできたら、あとは誰に対するレポートなのかによって、見せるデータの細かさが変わってくるだけだ。ここはWebサイトのレポートに限ったことでなく、通常のビジネスにおける経営(業績)管理の方法と同じだ。
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この記事の筆者
衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)
1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。
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