今日は、広告の「インプレッション」について。FacebookもGoogleも、短い広告表示をインプレッションとみなさない方向に進んでいます。
日本でも「いいね」ボタンなど盛り上がりつつあるFacebook(フェイスブック)ですが、9月11日に次のようなアナウンスを出しました。
Facebookユーザーはかなりアクティブにサイトを利用するので、ときとして短時間に多くのページを行き来します。ということは、その際に広告がほんの少ししか表示されていない状況があります。
広告主がFacebookに広告を出稿することから得られる価値をさらに改善するために、「広告が表示された」とみなす時間(最低表示時間)を増やします。これにより、各インプレッションの価値が全体として上がり、広告のクリック率が増加したように見える広告主が多くなることでしょう。
わかりやすく言うと、「短時間だけしか表示されなかった広告に対してお金を請求しませんよ」ということ。Facebook上の広告管理システムでも、「ショートインプレッション(短時間表示された広告)」は自動的に排除されるとのこと(最低表示時間は随時見直すようで、具体的に何秒という定義は発見できませんでした)。
同様の動きはGoogleでもあります。先日Googleインスタント検索を(英語圏向けを中心に)リリースしたGoogleですが、このインスタント検索でも同様に、広告インプレッションの定義をし直しています。
Googleインスタント検索は、キーワードを入力している途中に、どんな検索キーワードが入力されるのかをGoogleが予測して、キーワードが入力される前に検索結果をどんどん更新していくというもの。つまり、Facebookのアクティブなユーザーが頻繁にページ移動を繰り返しているのと同様の動作になります。
Googleは、Googleインスタント検索が導入された検索結果画面におけるリスティング広告のインプレッション条件として、以下の3つを定義しました。
- 検索クエリが確定したとき(Enter キーを押す、[検索] ボタンをクリックするなど)
- 検索結果ページのリンクがクリックされたとき
- 検索クエリの入力が 3 秒以上なかったとき
日本でも、一時期はインプレッション数が余って仕方がないポータルサイトやSNSが、広告の価格を下げるという動きをしていた時期がありました。
それから時代は変わり、広告主にとって良い成果を出すために、広告プラットフォーム側が(短期的には)身を削る動きになってきています。もちろん、短時間表示の広告をインプレッションしたとみなさないことは短期的には広告プラットフォーム側が損をする動きなのですが、中長期的には広告主に対して良い価値を提供し、信頼できるプラットフォームになるというメリットがあるはずですね。
やっぱりFacebookはすごいな、と。
- フェイスブック、短かすぎるインプレッションを除外(インターネット広告のひみつ - ブログ)
- Higher quality impressions(Facebook)
- ヘルプセンター(Facebook)
- Google インスタント検索 - 検索の新機能が登場(Inside AdWords-Japan)
- 米Google、「Googleインスタント検索」を発表 - 入力予測で検索結果を自動表示(SEM R)
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この記事の筆者
安田 英久(やすだ・ひでひさ)
株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集統括(初代編集長)
プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、Webサイト 「Web担当者Forum」初代編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開いる。現在は編集統括として媒体に携わる。
個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。
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