初代編集長ブログ―安田英久

6業種の傾向

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6業種の傾向

今回調査対象となった6業種54社のうち、平均レスポンスタイムが2秒以上なのは22社。そのうち12社が平均1秒を切っていた。また、本来可用性は100%であるべきだが、100%でなかったのは6社あった。

6業種の傾向を見てみると、銀行業界は良レスポンスを常に保っており、次に高速なのがトラベル(オンラインチケット販売)と小売(Eコマース)。証券はレスポンスタイムが遅いが、総じて可用性が高かった。

※縦軸がレスポンスタイム(少ないほど良い)、横軸が均一性(少ないほど良い)、バブルの大きさが可用性(大きいほど良い)

調査概要

  • 測定対象サイト: 日本コンピュウェアが独自に選定した6業種における国内リーダー企業計54社(今回は各サイトのトップページのみを測定)
  • 測定期間: 2010年6月1日~6月30日(計測期間中、60分ごとに計測)
  • 測定方法: Compuware-Gomezソリューションを用いて、測定対象企業Webサイトのトップページのレスポンス、可用性、および均一性を測定(測定元は国内ISPに設置した測定ノード1箇所)
  • 測定条件: 測定に利用したユーザーエージェントはFirefox 3.5相当(同時接続セッション数などもFirefoxのデフォルト設定に準じる)
  • その他の条件:
    • 事前に告知したうえで行われるメインテナンスによるアクセス不能状態は測定対象外
    • 事前の告知がなかったメインテナンスの場合でもメインテナンスであることが示されたアクセス不能状態は測定対象外
    • httpレスポンスコード200が返っていればページ内容にかかわらずアクセスできたとみなす

レスポンスタイムの計測にあたっては、ページへのアクセス開始時のDNS名前解決に始まり、ページを構成するすべてのデータ(画像、CSS、JavaScriptなど、非表示のコンテンツ含む)をダウンロードし終わるまでの時間を計測している(ベンチマークでは画面へのレンダリング時間は含まず)。

レスポンスタイム計測はHTMLだけでなくページ構成要素すべてに対して測定

※本ベンチマークは、Webサイトの優位性や利便性を保証するものではないことに注意。

Webサイトのパフォーマンス低下は、企業ブランド、収益、顧客満足度に悪影響を与える

調査を行った日本コンピュウェア株式会社 Compuware-Gomez事業部ソリューション・エンジニアの森下貢孝氏は、今回のベンチマーク結果について、次のように述べている。

※1 “eCommerce Web Site Performance Today” white paper, August 2009 by Forrester

ネット証券を除く業種では、おおむね、レスポンスタイムの2秒ルール※1をクリアしており、Webサイトのパフォーマンスへの関心が高いことがうかがえます。特に、銀行系のサイトは他の業種に比べて優れており、安定的かつ高品質であると思われます。ネット証券系サイトについては、安全性重視の観点からSSLセッションを利用しているケースが多いため、レスポンスタイムが他業種に比べて長い傾向にあると推測できます

しかし、これだけですべてを判断するのは適切ではない、と森下氏は主張する。

今回のベンチマークでは、各企業のトップページのみを対象としました。各企業は、これだけではなく、実際に売買などの取引を行うページでのパフォーマンスに目を向ける必要があります。また、3つの指標を組み合わせて分析することも重要です。たとえば、レスポンスタイムが優れている企業があったとしても、可用性や均一性が劣っていると、ビジネス機会の損失につながる可能性があります

※2“The Performance of Web Applications: Customers Are Won or Lost in One Second”, November 2008 by Aberdeen Group

Webサイトのパフォーマンス低下は、企業ブランド、収益、顧客満足度に悪影響を与えることが、調査で明らかになっている。ある調査によると、ページロード(読み込み)に5秒以上かかるサイトでは、Webコンバージョン率が7%低下し、顧客満足度が6%低下することが報告されている※2

Webサイトのパフォーマンス測定は、継続的に行うことが重要です。パフォーマンス測定を、ある一時期だけ短期間行っても、日々変化するWebサイトパフォーマンスの状況をタイムリーに把握することはできません。また、競合他社との比較を継続的に行うことにより、競合優位を的確に確立することにつながります」(森下氏)

この調査を行った日本コンピュウェア株式会社は、システムやWebサイトのパフォーマンス管理のソリューションを提供している。以前はシステム向けのソリューションが中心だったが、Webサイトパフォーマンスの管理と最適化を提供する米ゴメス社を2009年10月に買収し、現在はシステムからWebサイト、Webアプリケーションまで、一貫したパフォーマンス管理を提供している。

コンピュウェア社の提供するWebサイト向けのソリューション「Compuware-Gomez」は、Webサイトのパフォーマンスを、実際のユーザーがアクセスするときと同様の環境で測定するために、データセンター内ではなく、インターネット側から監視・測定する仕組みをもっている。全世界12万以上の契約PCユーザーからなる測定端末や、全世界100か所以上の主要バックボーンを利用して、企業のWebおよびモバイルアプリケーションに対し、パフォーマンス測定を行っている。

コンピュウェア社のサービスを利用してパフォーマンス管理を行っている企業の例

・日本コンピュウェア株式会社
http://jp.compuware.com/

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