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SEO業界の10年を振り返る(中編) - ウェブディレクトリ, PPC広告

SEOにとって昔は重要だったウェブディレクトリと、今や主流の1つとなったPPC広告について。
SEO業界の10年を振り返る

この記事は3回に分けてお届けしている。検索エンジンの10年前を振り返った前回に続き、今回はウェブディレクトリとペイパークリック広告の変化を見てみよう。

ウェブディレクトリ

そう、ウェブディレクトリも変わった! 以前ならば僕らは、Yahoo! DirectoryOpen Directory Project(DMOZ)への登録を最優先に考えていたものだ。だって、トラフィックを生みだしてくれるからね。でも今は、そういうところから訪れるのは、おそらくリンクビルダーか競合相手、あるいはディレクトリサイトの編集者くらいだろう。

米国のInfoseekはThe Walt Disney Companyに買収されてGo.comとなり、GoGuidesというディレクトリを開設してかなりの人気を博した。だれでもGoGuidesの編集者として参加し、自分の顧客をリストに追加することができたんだ。リストに加わった顧客はアルファベット順にソートされ、星1個から3個の評価が付いた。Disneyがこのディレクトリを閉鎖したとき、編集者の何人かが自分たちの手で新たにディレクトリをスタートさせた。名称はもちろんGoGuidesだ。GoGuides.orgは今も、元のGo.comのディレクトリからほぼそのままの形式を引き継いで運営を続けている。

※Web担編注 日本のインフォシークは楽天の傘下に入り、今もInfoseekブランドを使用している。

一時期、LookSmart.comが、MSNやInktomiなどの検索結果にデータを提供する重要なディレクトリだったこともある。最初に審査料199ドルを払えば、永久にリストに掲載しておいてもらえた。ただ、LookSmartからのトラフィックは必ずしもこの初期費用に見合うものではなかったから、たまにしか顧客を登録しなかった。

しかしその後、LookSmartは広告モデルをPPC方式に変更し、それと同時に、永久登録権を購入した顧客全員に、以前の契約をすべて新しいPPCプログラムに移行させると通達したんだ。それから、最初の登録料金分の顧客カウントを開設して、ビジターが1人あるごとに0.15ドルをそこから徴収するというやり方を取った。アカウントの残高がゼロになるとリストから削除だ。これに対して集団訴訟が起こり、僕の記憶では、示談で和解が成立したはずだ。LookSmartのPPC/ディレクトリサービスにとって、MSNは大口の配信パートナーだった。MSNとの縁が切れたとたんにLookSmartの株価は下がり、やがてはディレクトリサービスも停止して、二度と立ち直ることはできなかった。

Snap.comも元々はポータルサイトで、ウェブディレクトリを構築して一時的に重視され、良好なトラフィックをもたらしていた。でもこれは多分、ドットコム時代のディレクトリの中でもとりわけ短命なものだった。

ペイパークリック(PPC)

僕がキャンペーンで初めて使ったPPC検索エンジンはGoto.comだ。これはシンプルで、入札プロセスが「目に見える」ため、その時点の入札状況に基づいて入札ができ、品質スコアアルゴリズムを考慮する必要がなかった。

当初は、ターゲットとするキーワードそのものにしか入札できなかった。今でいう「完全一致」と呼ばれる方式だ。トラフィックがどのキーワードによってもたらされかが必ず確認できた。

一部の利用者にとって唯一の短所は、真剣にキーワード調査を行って独創的なキーワードを見つけないと、PPCで目標とする成果を出せないことがあるという点だった。しかしGotoの検索語提案ツール(キーワード調査)は最高で、僕が知るかぎり最も信頼できるキーワードツールだった。どんなキーワードでも入力できるし、入力した語を元に、50件の候補を示してくれた。自分が実際にどんなキーワードを探していたのかわからなくなるような紛らわしい同義語や関連語もない。表示される候補の数が50を切ったら、その調査を終えて別の検索語に切り替えればよかった。Gotoは、前の月に25回以上検索された候補だけを示してくれてたから、与えられた候補の検索回数が25回に到達しないか、あるいは近づきさえしていない場合は、別の派生語で検索を続けるしかない。各キーワード候補にはリンクが張られてて、それをクリックすれば別の検索が行えたので、新たなキーワードを見つけるのも非常に容易だった。

Gotoのツールには、2つだけ小さな欠点があった。

  • 「link」と「links」、「service」と「services」、「company」と「companies」など一部の語を除いて、大半のキーワードで単数形と複数形がごっちゃになっていたところだ。ひところ僕は、1つ1つチェックする必要があると思われる十数通りのリストを持っていたと思う。

  • 僕が初めのころに請け負っていたソフトウェアコンサルティングやビジネスコンサルティングの仕事のように、自分がほとんど何も知らないテーマを扱うキャンペーンでキーワード調査を実施する際、直観的に使えるツールではなかった。

Gotoのおかげで、キーワード調査の腕をずいぶん磨くことができた。感謝しなくちゃね。

ある時、Goto.comはロゴが自社のロゴに酷似しているとして、Go.comを商標権侵害で訴えた。Go.comは青信号をロゴにしていて、一方のGotoは青、赤、黄の3色がそろった信号をロゴに採用していたんだ。この訴訟ではGotoが勝訴して、巨額の賠償金を獲得した。メディアも、小さな検索エンジン会社がDisneyを相手取った裁判で勝ったとして大きく取り上げた。その後、Gotoは名称をOverture(オーバーチュア)に変え、ヤフーに買収されて、さらにその名前をヤフーのブランド名を冠したYahoo! Search Marketingに変えた。商標侵害訴訟で敗れたDisneyの法務スタッフにしてみれば、これら一連の名称およびロゴ変更は、さぞかし腹立たしいものだったに違いない!

※Web担編注 日本ではまだオーバーチュアのブランド名を使用している。

それから当時はもう1つ、About.comに広告を提供するところから始まった小規模なPPCエンジンのSprinksがあった。しかしSprinksは、ヤフー/オーバーチュアに対抗するためにグーグルにすぐに買収されたので、それほど長続きしなかった。Sprinksは間もなくグーグルに吸収されてしまった。PPC技術をグーグルに奪われたのか、アドワーズとして生まれ変わったのか、どちらかだろう。

まだほかにもいくつか、成功を目指した小さなPPCエンジンがあった。FindWhat、つまり今のMIVAや、Bay9、Kanoodle7Search.comなどがそうで、そういえば3Apes.comっていうところもあったな。

この中にはまだ残っているところもあれば、名称を変えたり、より利益性の高い企業に買収されたりしたところもあるし、また完全になくなってPPCの天国に召されたものもある。PPC天国はいいところらしい。クリック詐欺が話題になることなんて絶対にないしね。

この中で2つだけ、心底頭にきてるところがあって、今でも、その名前を耳にすると汚い罵りの言葉が混じった非難を長々と口にしないよう、自分を抑えなければならないくらいだ。Bay9.comは、僕が広告を掲載してやったサイトに対して、アフィリエイト料金の支払いをごまかした。そこの担当者はしたたかなヤツで、適当なことばかり言って、その後いっさい連絡に応じず、折返し電話もよこさなかった。これも、Bay9が事業を続けていけなくなった数多くの理由の1つだろう。もう1つは、FindWhat(現在のMIVA)で、ここは僕が初めてクリック詐欺を突きとめたPPCエンジンだ。担当者に連絡すると、正当な手数料を「悪徳」パートナーのアカウントから僕のアカウントに振り替えるとか何とか言っていたが、それが実行されたことはなく、そのうえ、同じことが何度も繰り返し起きた。しばらくして、FindWhatもこちらの連絡に応じなくなった。

Gotoよりも以前となると……どんなとこがあったか、わからないな。今は名前すら思い出せないよ。Gotoに初めて挨拶したとき、先方の歴史を簡単に聞かされたのを覚えている。Goto以前に存在したPPCエンジンについて聞いたのも、たしかその会話のときだったと思う。大きなところじゃなかったけど、先駆者は先駆者だった。このサイト/エンジン/プラットフォームについてはよく覚えていない。だから、みんなが何かほかに情報を持っていたら、遠慮なく披露してほしい。僕が覚えているのは、そこが長続きしなかったということだけだ。その会社は、人々が無料にすべきだと思っているものに課金していたから、あまり評判は良くなかった。当時、インターネットは無料で、誰もネットを独占したり有料で提供したりしてはならなかったからね!

当時は、今とは様相がまったく違っていた。ドットコムバブルは、弾けるどころかまだ生まれてもいなかった。検索トラフィックを獲得する主な方法と言えばバナー広告だった。きっと、まだまだ多くの人たちが、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)なんておもしろみもなく、電話回線を通じてしかアクセスできないものだと思っていたはずだ。

そうそう、その後しばらくしてMSNが独自のPPCプラットフォーム「adCenter」を構築したんだった。

この記事は3回に分けてお届けしている。最終回となる次回は、アフィリエイトプログラムやユーザー生成コンテンツなどについて、10年間を振り返ってみよう。→後編を読む

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