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世界的株安 - 社会人なら知っておくべき“世界経済が今どんな状態なのか、何が原因なのか”

イメージ画像:株式市場

世界経済がさんざんな状態になってきている。米国政府が連邦住宅貸付抵当公社(フレディ・マック)、連邦住宅抵当公庫(ファニー・メイ)、AIG Financialを救済したかと思ったら、米国、ロシア、日本などで株価が急落した。

The New York Times紙は、リンクベイトとして価値の高いインタラクティブなチャートで金融業界の崩壊を視覚化してくれた。君が僕と似たような状況に置かれているなら、このニュースに不安や恐怖を抱くはずだ。事業を立ち上げたばかりの人や、これから大きくしていこうと思っている人にとって、どれもこれもいい話じゃないからね。だから、現状についてざっと説明し、その原因や兆候について説明し、検索業界やオンラインマーケティングに携わる人たちのために、これから襲ってくる嵐をどのようにしてしのぎ、その中で成長していくかについて、予想したり、提案したりするのは意義のあることだと思う。

第1に、今回の混乱には多くの原因が存在する。

  • サブプライムローン問題

    このBBCのインタラクティブな図がうまく問題を説明しているが、本質的なところは、債券市場で高い利回りで債券を販売すれば、かなり信用力の低い借り手に高めの変動金利で貸し付けが可能だということに、貸し手が気づいたことだ。これによってはるかに多くの人々が住宅ローンを組めるようになり、2000年代の初めにすでに高水準にあった住宅価格が、さらに上がり続けた。

    そこからの道筋は明らかだった。(信用力の低い借り手の破産と、変動金利ローンの増加という2つの要因によって)金利が上がり、差し押さえが増加すると、住宅を購入するのは難しくなった。また、債務不履行は住宅価格の下落につながり、家の価値や売却価格よりも住宅ローンの方が高くなってしまい、住宅を手放すケースが増えてきた。この悪循環によってさらに住宅価格が下がり、さらに債務不履行が増え、ついにはサブプライムローンが組み込まれた抵当証券を購入した投資家(とそれを発行した銀行)に、損害を及ぼすようになった。

  • ガソリンとエネルギーの価格

    原油価格の高騰の(最も有力だと考えられる)原因は、新興工業国における需要の増加、中東の紛争、自然災害、そして、いわゆる「ピークオイル」(原油産出量がピークに達し減少し始める時点)をめぐる憶測が急増したことだ。

  • インフレ

    ガソリン価格は、輸送を必要とする製品はもちろん、はかり知れない範囲の商品とサービスに影響を及ぼす。そればかりか、原油価格高騰はエネルギー価格をも押し上げ、消費者や企業のコストも全面的に上昇した。

  • 金融機関の倒産/破産

    フレディ・マック、ファニー・メイ、リーマン・ブラザーズ、AIG、メリル・リンチをめぐる一連の出来事は、どれも市場に大きな混乱を引き起こし、投資家の信用を大きく損ねた。

第2に、ウォール街と世界中の取引市場に即座に影響が及ぶ。

  • 9月8日月曜日、ダウ工業株30種平均は1万1510ドルだった。それが10日後の18日には1万609ドルまで下がっている。9.2%の下落だ。

  • 投資家たちは「安全な」投資に殺到し、利回りが極端に低いにもかかわらず金や財務省証券などを買いあさった。

  • 「1998年のロシア財政危機以来、最大の金融危機」と呼ばれる事態を受けて、ロシアのMICEX指数が25%下落した(損失は4250億米ドルに相当する)。

  • オーストラリアから日本、香港に至るまで、広い範囲でアジア市場が非常に大きな影響を受けた。

第3に、株式相場が急落し投資資本がリスクを嫌うようになると、問題はさらに長期化する。残念なことだが、投資家の確信(あるいはその喪失)は、往々にしてドミノ倒しのように連鎖していく。

  • 資本コストの増大

    貸出金利の上昇によってリスクが高まると、あらゆる種類の金融取引を円滑に進めるための資本調達が難しくなる。

  • 事業投資の減少

    企業のオーナーと投資家が投資を減らし、潜在的なリスクを回避するためビジネスチャンスが手つかずのまま埋もれてしまう。新興企業は資金調達が困難になり、企業のオーナーは、事業の拡大や大規模な支出を控えるようになる。

  • 雇用と賃金の削減

    コスト削減の方法を求めて、企業は必然的に雇用を調整するため、失業率が上昇する。失業者は経済全体への貢献度が大幅に下がるため、失業が増えると経済にさらなる悪影響が出る。

  • 借り入れコストの増大

    株式を公開していないベンチャー企業のコストが上がるだけでなく、すでに低迷している住宅市場にも影響を及ぼし、経済をさらに損ねる可能性が出てくる。

  • 消費者による支出の減少

    投資家や企業が財布の紐を引き締めると、必ずと言っていいほど消費者もこれにならう。荒れ模様の住宅市場では特に顕著なのだが、何と言っても経済活動の大部分は消費者支出が占めているため、世界経済予測は確実にいっそう悪化することになる。

経済の見通しが厳しく見えるのは、実際に厳しい状態にあるからだ。マスコミに登場する金融アナリストの多くは、「これほど厳しい状況はこれまで経験したことがない」と、同じような発言を繰り返している。もちろん、このような発言は、金融危機に関するほとんどの報道記事にも登場するようになる。そして、さらに厳しい見通しが報じられ、金融メディアは悪いニュースから情報を得る(その好例が、9月15日以降に見られたウォール・ストリート・ジャーナル紙のサイトに対するトラフィックの記録的な上昇だ)。

この記事は2回に分けてお届けする。後半となる次回は、この金融危機がインターネット/検索業界に及ぼす影響と、その中でどのように事業を進めていけばいいのか、ランドからのアドバイスをお送りする。→後半を読む

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