100円の現金プレゼントでもユーザーは興味を示す/モバイルサイトキャンペーンの調査
Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、モバイルサイトのプレゼントキャンペーンについて実態調査を行った。
今回は、モバイルサイトのプレゼントキャンペーンに申し込む際、どのようなキャンペーンやプレゼントに魅力を感じるのか、また、モバイルサイトのプレゼントキャンペーンに申し込む際に重視する点と、申し込みフォームに関して調査を行った。
その結果、現金またはポイントのプレゼントについては「1万円相当が抽選で100名に当たる」というものがユーザーにとって最も魅力的であり、「欲しいキャンペーン商品があるかどうか」がユーザーにとって最も重要なポイントになっていることがわかった。
※調査概要に関しては、記事の末尾に記載している。
100円の現金プレゼントにも25%のユーザーは興味を示す!
まずQ1では、現金またはそれに相当するプレゼントについて、何が最もキャンペーンに申し込む動機となるかを尋ねた。
その結果、回答が最も多かったのは「1万円相当の現金またはポイントが抽選で100名様に当たる」で41%のユーザーが支持しており、次いで「100円相当の現金またはポイントを応募者全員プレゼント」が25.7%で続く結果となった。
最も回答が多かった「1万円相当の現金またはポイントが抽選で100名様に当たる」については、適度な額が適度な数のユーザーに当選することが魅力的に映ったのではないかと考えられる。この背景には、プレゼント額が高くても、当選確率の低いものに応募するのは抵抗があるというユーザーの心理が存在していると考えられる。
また、注目すべきは「100円相当の現金またはポイントを応募者全員プレゼント」という回答が全体の4分の1を上回ったことである。
今回の調査対象者が20代~50代の男女であることを考えると、100円という金額は決して魅力的なものではない。ただし、25%以上のユーザーが上記のように回答していることからは、ユーザーはプレゼントの内容だけでなく、プレゼントに当選するということ自体に魅力を感じていると言えるのではないだろうか。
プレゼントは、場所と人数に融通のきく旅行券が人気
Q2では、プレゼントキャンペーンについてどのような商品が最も魅力的であるかを尋ねた。その結果、「旅行券」と回答したユーザーが最も多く53%。次いで、「家庭用ゲーム機器」が44.7%で続いた。
旅行券については、利用場所や利用人数に縛られず、家族などに贈ることもできる、使い勝手の良いプレゼントとなっていることが高い評価につながっているのではないだろうか(有効期限や使用できる場所には多少の限定もある)。また、同じように旅行に関するプレゼントである「宿泊券」は29.7%と、旅行券のそれに評価が及ばなかった。宿泊券は場所と人数を限定しているので都合がつかずに利用できない可能性があるためだと考えられる。
任天堂から発売されているWiiなどの「家庭用ゲーム機器」については、多くのプレゼントキャンペーンで目にするように、ユーザーのニーズが高いようだ。
また、今回の調査がインターネットで行われていることが多少なりとも影響を与えているとは考えられるが、「パソコン本体」と回答したユーザーも40.3%と、「プラズマTV」と同等の評価を得ており、パソコンのプレゼントとしての魅力は根強いと考えられる。
ポイントプレゼントはやっぱり人気
Q3では、デコメなど携帯電話に関するプレゼントについて、どのようなものが最も魅力的であるかを尋ねた。その結果、「ポイント」と回答したユーザーが29%で最も多く、次いで「着メロ/着うた/着ボイス」の28.3%が続く結果となった。
モバイルサイトだけでなく、PCも含めたインターネットサービスの1つの特徴であるポイントはユーザーにとって魅力的な存在であり、また携帯電話の大きな特徴でもある着メロについても高い支持を得ている。
また、ポイントや着メロ以外の回答としては、「クーポン(割引券)」が24.3%で続いている。「デコメ」や「待ち受け画像」、そして「動画」などは支持が少なく、モバイルサイトでのプレゼントキャンペーンにおける動機としてはあまり魅力的ではないことが伺える。
プレゼント選びがキャンペーン成功の鍵を握る
Q4では、キャンペーンに申し込む際に重視する点は何かについて尋ねたところ、「欲しい商品があるかどうか」が75%で最も多く、次いで「自分への当たる確率が高いかどうか」が47.7%で続いた。
この結果から、キャンペーンそのものに興味があるというよりも、キャンペーン商品に魅力を感じて申し込みをする傾向が強いことが伺える。
現在では会員や商品購入者に対して行うクローズドキャンペーンなど、CRM的側面からも定期的なプレゼントキャンペーンを実施している企業は多く、会員獲得や商品告知のための手法として利用するケースが見られる。そのため、効果的にプレゼントキャンペーンを実施するには、プレゼント商品やキャンペーン内容にひと工夫する必要があると言えるだろう。
魅力的なキャンペーンでも、入力情報が少ないに越したことはない
Q5では、非常に魅力的と感じるキャンペーンがあった場合、申し込みフォームでどこまでの情報であれば入力してもいいと思うか尋ねたところ、「氏名」73.7%が最も多く、次いで「生年月日」60.7%、「携帯のメールアドレス」46.7%と続いた。
Webマーケティングガイドで8月に公開した「インターネットセキュリティーに関する調査(中)」の中で、Webサイトへ入力するのに抵抗を感じる情報について「自宅の電話番号」(72.2%)や「住所」(64.8%)、「携帯の電話番号」(54.9%)となり、今回の調査でも同様に「自宅の電話番号」が20%と低く、個人情報として、入力することにユーザーが抵抗を感じていることがわかる。
PCサイトとモバイルサイトを比較すると、モバイルサイトの方が文字と数字の入力をする際にPCよりも時間がかかり、入力項目数はより申し込みに対して大きく影響すると言えるのではないだろうか。
上記のことから、魅力的なプレゼントキャンペーンによって、ユーザーを申し込みフォームに誘導できたとしても、申し込みフォームへの入力項目がユーザーにとって大きなストレスになれば、多くの離脱を生み出してしまう。そのため、成果を生むプレゼントキャンペーンを行うためには、エントリーフォーム最適化(EFO)の概念が必要になってくると考えられる。
調査概要
- サンプル数:300
- 調査期間:2007年08月30日~2007年09月04日
- 調査方法:モバイルリサーチ
- 調査機関:ネットエイジア株式会社
- 対象者:20歳から59歳の男女
調査対象は、20歳~59歳のモバイルユーザー300人。男女比は、50%ずつの均等割り付けを行った。年齢比は、20代:31.7%、30代:37.4%、40代:26.4%、50代:4.6%となった。またキャリア比は、DoCoMo:57.3%、au:30.0%、SoftBank:12.7%となっている。
- 本調査は、業界の全般的な調査であり、あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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