ソーシャルメディアのウェブサイトでは、ロングテール理論はちょっと成り立たない。
定番のロングテール曲線では、テール(ピンクの部分)がヘッド(青い部分)よりも需要と総体的価値が大きいと考えられていた。しかしながらソーシャルメディアの場合、実はその逆が真であることが圧倒的で、テールよりもヘッドのほうが総体的価値が大きい。
数々のDiggクローンや、Flickrに似た写真共有サイトや、ソーシャルブックマーキングサイトなどはたくさんある。しかし、そのすべてで大きな影響力を発揮したとしても、その結果得られるトラフィックとマインドシェアは、del.icio.usの人気記事ページやDiggのトップページに載った時(※Web担編注:そしてはてなブックマークのホットエントリー)に比べてはるかに及ばない。なぜか?
ソーシャルメディアサイトには、もともとネットワーク効果がある。参加者が多ければ多いほど、ソーシャルという側面がうまく働く。したがって、人気のないサイトで得られる利点は、人気の高いサイトで得られる利点よりもはるかに小さい。
ソーシャルメディアは概して、分散化と需要のひろがりが生まれるほどの人気をまだ得ていない。これは、1930年代にテレビチャンネルの数に対する需要が大きかった、と言っているのに等しい。その頃ほとんどの人は、その媒体について聞いたことがないばかりか、なぜそれが必要になるのか、わからなかった。
分散化とニッチの需要は、すでにソーシャルメディアに根付いている。おもなソーシャル系サービスの多くでは、自身の興味、タグ、カテゴリなどで分類できる。
Sphinnをはじめ、BluedotやMenéameなどのサイトから明らかにわかることは、市場参入は可能だが、提供するサービスはユニークかつターゲットに合っていて、最初から人気を博す見込みがなければならない、ということだろう。検索マーケティングの世界にいる人々なら誰でも読んでいるサイトとして、Sphinnは非常に良い例だ。なぜって、彼らは業界の他の人々も注目している(だから、無視されたくない)と思っているから。
50+ Social Bookmarking Sitesみたいなリストを見ると、僕はいつもこう思う。この内のおそらく5サイトか10サイトぐらいしか、長期的に見て成功する見込みはないだろうとね。私見では、とてもじゃないが、この市場には数百、数千の会社が繁栄できるほど大きなロングテールはない。
追伸:関連する話だけど、John Andrews氏はSEOmozの記事をSphinnポイントランクから蹴落としたいらしい。そいつは良いね! 是非Sphinnしよう。
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