2週間前、僕はEpiarのKen Jurina氏とCurtis Dueck氏と、90分も(たぶん僕の一生分)電話で話をしてしまった(KenとCurtisはWebProNewsのビデオにも出演してる)。僕は2人から、彼らが社内で使っている、驚くほど先進的な独自の検索エンジン最適化(SEO)ソフトウェアについて、詳しく説明してもらったんだ。彼らは、自分たちがどうやって並外れた質の検索結果をクライアントに提供できるのか説明してくれた。僕としては、SEOmozだって優れたサービスをクライアントに提供していると思いたいわけで、戦略的にも、コンサルティングの観点からも、それは間違いないって信じている。けれど、Kenが率いるEpiarのチームが掲げた目標水準は、驚くほど高いものだった。これまで多くの会社と仕事をしてきたけど、彼らほど高い目標を設定している会社は見たことがない。
本当のことを言うと、このブログを書くのもすごく迷ったんだ。Kenがプレゼンテーション(何だか秘宝を見せてもらうような感じだった)してくれてる間に、僕は彼らのソフトウェアのスクリーンショットを50点近く取り込んだ。どれも、特定のクライアントに合わせてどのようにプロセスを実施しているか、正確に示すものばかりだ。僕はさんざん考えたあげく、Kenにメールを送った。その内容はこんな感じ。
たくさんスクリーンショットを取ったし、ブログのネタになるアイデアもいくつかもらった。だけど、これを使うのはやめるよ。正直なところネタに使ってしまうと、君たちのプラスになるどころか、むしろマイナスになってしまうんじゃないかと思ってね。
Epiarがバックエンドで何をしているのか、どう書いたところで、結局は好ましくない形で注目が集まり、競争に晒されることになると思う。いい意味で注目が集まったり、クライアントが集まったりするのなら良いんだけど。
というわけで、彼らが実践しているアイデアのあらましだけを紹介しておこう。これを読めば、僕がそれほどまでに感銘を受けた理由がわかると思うよ。
自動キーワード調査(非常に奥深い)――この自動キーワード調査機能は、関連語、類義語、検索ランクが高いページのクエリに頻出する語、多数のキーワード、ツールが提示する語などを何千種類も抽出し、驚いたことにインテリジェント機能を用いて絞り込みと順位付けを行い、それから検索頻度と競争力のデータを引き出す(これは僕らのKeyword Difficulty Toolとよく似ている)。そうしてできたキーワードのリストは、あくまでもコンピュータが作成したものなのに、まるで人間が苦労して編集し、バリエーションと語句を個別に調査して完成させたリストのように見えるんだ。
検索エンジンとの親和性自動判断――サイト上のどこでターゲティングが失われているか、それをどこへ持っていくべきか、あるいは検索スパイダーの問題などを判断してくれる。
リンクの自動検出――キーワード調査語句に関連するサイトで、フォームを使っていたり、連絡先メールアドレスが載っていたり、広告機会やURL登録エリアがあるページを持つところを何百となく見つけてくる。これ程の精度でリンク調達を自動化できるなんて、思いもよらなかった。もちろん、人間がやる程じゃないにせよ、ここまで深く広く探索できれば、顧客あたりの労力を何百時間も節約できる。
業界や分野別の競争力調査――特定の地域や国や特定のグループなどで、あるキーワードのターゲット化頻度はどのくらいか、どの程度の競争があって、ほかの競合サイトがどのくらい強力かといった疑問に答えてくれる。さらには、調査する他の検索クエリも膨大なら、データを集める業界も実に広範で、僕が考えてもみなかったようなことまで調べ尽くす。
Kenの会社が作成したツールでは、これらのシステムに限らず、もっともっと多くの機能が使えるんだ。
感銘を受けた、程度の表現じゃ間に合わないな。率直なところ、ショックを受けたと言う方が正確だ。間違いなくSEOmozだって、非常に高いレベルのサービスと価値をクライアントに提供できていると思う。けど僕らの場合は、アルゴリズム型検索結果用の最適化を行っている他の多くの企業と同じで、スケーラブルじゃないんだよね。僕の意見だけど、EpiarはSEOで最も時間のかかる洗い出し作業の部分に、高度にカスタマイズ化したソフトウェアを使用する(とともに、大量のAPIデータの捕捉と抽出をする)ことで、新たな局面を切り拓いたと思う。彼らは、ソーシャルメディアマーケティング(SMM)やリンクベイティングと競ってるわけじゃないし、戦略的コンサルティングという観点から言えば、はっきりとした基盤も持ち合わせている。彼らのプロセスを見せつけられた後では、僕らも大規模なキーワード調査やリンク検出プロジェクトで、同じ水準のサービス(あるいは同じくらい詳細な情報)を提供できる、と考えるのはあまりに浅はかだろう。正直言って、マイッタ。
おそらくこれは、すべてのSEO作業が最終的に向かうべき方向性なんだろうな。SEOを深く理解しているソフトウェア設計者と協力して、揺るぎない基盤の上できわめて良好な結果が得られるよう、コードの微調整に時間をかけ、高度なデータ収集、高度なデータ選別、そして高度な知的処理を実現する。そういう方向性だ。
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