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メガネスーパーが「EC関与売上」をKPIに設定し、決算短信で公開した理由

8 years 2ヶ月 ago

メガネスーパーは「EC関与売上」をKPI(業績評価指標)として取り入れ、2017年5~7月期(第1四半期)連結業績の決算短信から「EC関与売上」の記載を始めた。

「EC関与売上」は実店舗に対するデジタルの貢献度を示す指標

メガネスーパーが「EC関与売上」をKPIに設定し、決算短信で公開した理由
2017年5~7月期(第1四半期)連結業績の決算短信には、「EC関与売上」の説明などが記載されている(画像は編集部がキャプチャ)

メガネスーパーは、自社ECサイトの「メガネスーパー公式通販サイト」、「楽天市場」、「Amazon」、「Yahoo!ショッピング」、「LOHACO(ロハコ)」のほか、グループ全店で過去に購入したコンタクトレンズ用品を2タップで注文できるアプリ「コンタクトかんたん注文アプリ」などを展開。

現在、実店舗とECサイトなどのデジタルと店舗のチャネル特徴を生かしたオムニチャネル戦略を推進している。

「EC関与売上」は実店舗の顧客化を促すアプリを通じた小売事業における売上貢献額とEC事業売上高を合算した数値実店舗運営に与えるデジタル施策などの貢献度度を数値化したもので、店舗とデジタル施策の相乗効果や、デジタル施策による店舗への“見えない効果”を見える化する方法とされている。

「EC関与売上」の数値化をいち早く取り入れていたのがカメラのキタムラだ。キタムラのEC事業では「宅配売上」(EC売上)、「店頭売取売上」を合算した数値を「EC関与売上」と、決算説明会資料などで公表している。

メガネスーパーが「EC関与売上」をKPIに設定し、決算短信で公開した理由
「EC関与売上」を決算説明会資料に記載しているキタムラの例(画像は編集部がキャプチャ)

メガネスーパーのEC事業、オムニチャネル推進を統括する責任者・川添隆氏(店舗営業本部 デジタル・コマースグループ ジェネラルマネジャー)は、「EC関与売上」を新設した目的を次のように説明する。

アプリにおけるオムニチャネル施策の売り上げは、実店舗のP/Lに計上している。これは、小売りにおけるオムニチャネル戦略の両輪である「評価×利益が増える仕組み」を実現するためであり、お客さまの利便性を高め、実店舗が儲かる座組みを設計していきたいと考えている。一方、デジタルチャネルの成長性は別途、示していきたいと考えた。そのためにEC関与売上を新設した

一方で、消費者の買い物行動が実店舗や複数のECサイトといったチャネル横断型になるなど、「単純にEC化率の向上を追っていくことがナンセンスになってきた」(川添氏)ことも背景にあるという。

当社のEC事業は約9割が自社ECサイトの売り上げだが、アパレルなどはモールの依存度が高い。私個人としてはこれまで、「自社EC化率こそ企業やブランドの信頼を表す指標だ」と言ってきた。

だが、EC売上≒自社EC売上になっている当社の場合、実店舗への貢献度を含めた「EC関与売上」が、今後はその信頼を示す指標に変わっていくと考えている。IRで発表しなくても、こういったKPIを取り入れる企業が増えていくだろう。私もカメラのキタムラやコメ兵の事例から影響を受けてきた。(川添氏)。

メガネスーパーが「EC関与売上」をKPIに設定し、決算短信で公開した理由
川添隆氏(店舗営業本部 デジタル・コマースグループ ジェネラルマネージャー)

店舗部門とデジタル部門という組織の壁を取っ払ったり、デジタル施策が店舗運営に与える影響度を示すKPIとしての「EC関与売上」を取り入れる企業はまだまだ少ない。こうしたことを踏まえて、川添氏は次のように抱負などを語った。

将来的には、デジタルが関わるオムニチャネル施策の部分、つまり「EC関与売上」が増えることで、利益の絶対額が増える、もしくはより経営効率が良くなることを小売業界の一員として示していきたい

メガネスーパーは、店舗・デジタルチャネルの双方の利用による「LTV向上 → 利益向上」、実店舗スタッフがアイケアサービスに集中できる企業観点でのオムニチャネルをめざしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

アマゾン、出品型の法人向け専用のBtoB通販サイト「Amazon Business」をスタート

8 years 2ヶ月 ago

アマゾンジャパンは9月20日、法人向け専用のBtoB通販サイト「Amazon Business(アマゾン・ビジネス)」をスタートした。

アマゾンジャパンは9月20日、法人向け専用のBtoB通販サイト「Amazon Business(アマゾン・ビジネス)」をスタート

「Amazon Business(アマゾン・ビジネス)」の出品サイト(画像は編集部がキャプチャ)

取り扱う商材は、オフィス、建築/建設、飲食サービス、病院/クリニック、ホテル/レジャー、工場、自動車整備、理美容業、大学/学校、研究所、行政機関、農業などを対象にしたもの。

Amazonが直販で扱ってきた法人向け商材のほか、「アマゾン・ビジネス」に出品した販売事業者の商品を販売する。

「アマゾン・ビジネス」に出品・販売するには出品用アカウントが必要。そのため、「Amazon マーケットプレイス」を活用している販売事業者が出品できるサービスとなる。

「法人価格」「数量割引」「法人限定出品」といった機能を新たに設けて、法人の「Amazon」利用を促していく。販売事業者が利用できる主な機能は次の通り。

  • 法人価格と数量割引:販売事業者は法人・個人事業主専用の価格を提供し、多数の商品購入時に割引適用される価格の設定が可能
  • 請求書払い:条件を満たした法人・個人事業主が月締めの請求書で支払うことができる機能。与信審査、販売代金請求、売上回収をAmazon側が行う
  • 法人限定出品:販売事業者は、「Amazon Business」上で法人限定の商品を出品することができる機能
  • フルフィルメント by Amazon(FBA):「FBA」「マケプレプライム」を利用すると、期間限定配送特典である「お急ぎ便」で商品を配送することが可能

「アマゾン・ビジネス」は米国で2015年4月に開設し、現在の法人顧客数は100万社以上という。ドイツでは2016年12月、英国では2017年4月にスタートした。

日本独自の機能として、請求書払いや見積書作成機能を搭載。請求書払いはアマゾンジャパンが一括して請求する仕組みや、見積書を作成・ダウンロードできる機能を設けた。

「アマゾン・ビジネス」で商品を購入したい法人は、事前登録しビジネスアカウントを取得することが必要(無料)。

*随時、追加していきます。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

【UPDATE 動画マーケティング】海外直送:1本の動画だけではマーケティング戦略が成功しない理由

8 years 2ヶ月 ago
動画を利用しマーケティングを成功に導くためには、顧客ステージを意識し、目的に合わせて複数のコンテンツを企画、制作することが重要です。今回は戦略的に動画を制作する上でのTIPS(秘訣)を海外の制作会社...

NTTレゾナントがサイト内検索に新機能。会話型ECに対応するため価格.comも導入

8 years 2ヶ月 ago

NTTレゾナントはAI型ECサイト内検索ソリューション「goo Search Solution」に新機能「不要語の除外」を追加したと9月14日に発表した。

新たに追加した「不要語の除外」は、入力キーワードから自動的に重要なキーワードを抽出する機能。たとえば、検索ボックスに「防水のデジカメ」とユーザーが入力した場合、不要な助詞「の」を削除し、「防水」「デジカメ」という重要キーワードを自動的に抽出して検索結果を表示する。

曖昧な言葉や状態を表す短文、修飾語がついた名詞を入力した場合でも、ユーザーの希望に沿った検索結果を表示することができるという。

「不要語の除外」は、NTTグループのAI技術「corevo」の1つである形態素解析技術を活用、高い精度でのキーワード抽出を実現した。

会話型コマースの台頭見据えて「goo Search Solution」を導入

NTTレゾナントはAI型ECサイト内検索ソリューション「goo Search Solution」に新機能「不要語の除外」を追加、「価格.com」も導入

「不要語の除外」のイメージ

カクコムは運営する購買支援サイト「価格.com」に、「不要語の除外」「表記ゆれ辞書」「同義語展開」といった計5つの機能を含めた「goo Search Solution」を導入した。

カカクコムが「goo Search Solution」を導入したのは台頭する会話型コマースに対応するため。

カカクコムによると、チャットボットなど音声アシスタントの技術向上により、ECサイトは会話型コマースへ移行が進んでいると指摘。まずは、Webブラウザの検索精度向上に向けた取り組みを検討していたという。

音声アシスタントによるECサイトでの検索は、従来のキーワード入力検索と異なり、曖昧な言葉や不要な言葉が多く含まれるため、「不要語の除外」機能などを搭載している「goo Search Solution」の導入を決めた。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

まとめ買いの顧客にポイント付与で再配件数を抑制、アスクルの「LOHACO」

8 years 2ヶ月 ago

アスクルは9月14日、日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の1回の注文金額が5000円以上の顧客を対象に、Tポイントを付与するキャンペーンを実施すると発表した。

注文金額が5000円以上で50ポイント、1万円以上では200ポイントを付与する。対象期間は2017年10月2日から2018年1月31日。Yahoo! JAPAN IDでログインした顧客が対象。 

国内の宅配便取扱個数が2016年度に40億個を超え、配送現場の人手不足が深刻化するなか、商品の「まとめ買い」を促すことで配送件数の抑制を図る。

アスクルは、まとめ買いの顧客にTポイントを付与する理由を次のように説明している。

急を要しないお買い物はなるべくまとめてご注文いただくというお客様のご協力に対して、アスクルから感謝の気持ちを表すことで、1人でも多くのお客様にご参加いただきたいと考えております。

アスクルは日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の1回の注文金額が5000円以上の顧客を対象に、Tポイントを付与するキャンペーンを実施する

配送件数の抑制を目的にポイント付与を実施(画像は編集部がキャプチャ)

また、10月2日から「LOHACO」で扱う900ミリリットル以上の一部飲料といったケース商品の配送料を350円に設定。また、沖縄本島を除く離島への配送料も350円にする配送サービスの変更を行う。

「LOHACO」は都内の一部地域で、独自の配送サービス「Happy On Time(ハッピーオンタイム)」を実施。午前6時から深夜0時まで1~2時間刻みで配達時間を指定できる上、到着時間を事前に30分幅で通知。商品の置き場所指定や配達直前の電話連絡、宅配ボックスでの受け取りなどを行い、再配達の抑制に取り組んでいる。

また、人工知能を活用して早朝や夜間の配送を効率化するサービス「Scatch!(スキャッチ!)」も導入している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

日本人は消費に無関心で、企業や商品に対してロイヤルティを感じない!?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

8 years 2ヶ月 ago

確かにしっかり検討して買うことがなくなったな~と感じます。Amazonではワンクリックで買いますし、メルカリでもスパッと購入。購入金額ごとに見れば違うのかもしれませんが、データを見る限りは日本だけが世界の流れに逆行しているのは間違いないです。

日本は既存個客向けのサービスが不足している

「日本だけ消費者の無関心化が進んだ」、アクセンチュアが独自調査 | ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/091302232/

まとめると、

  • 製品・サービスについて購入前によく検討しない消費者が増えている傾向を「無関心化」と定義
  • 「製品・サービスについて購入前によく検討しない」と答えた割合が、62%から67%に増加
  • 「商品の購入をしている企業・商品に対してロイヤルティを感じる」と答えた割合も、前回調査の41%から40%に低下

先進国のなかで日本だけ「製品・サービスについて購入前によく検討しない」と答えた割合が前回調査(2016年発表)よりも増えた。前回の割合が62%だったのに対して今回は67%だった。一方、他の先進国(フランス、ドイツ、米国、英国)はいずれも前回調査より減少した。

どんなものを購入する時について聞いているのかが気になりますよね。高額の商品なら徹底的に検討するユーザーが増えていそうですが、数千円のものであればメルカリなどで即買いする人も多そうです。

それよりも気になるのはロイヤルティの低下。既存個客をほったらかしにしていては足元がおぼつきません。目の前のお客様を満足させられないショップは、新規のお客様も同じでしょう。

関連記事

アイデアへの出費は投資

今まで出した赤字は5億円以上!蛇口メーカー「カクダイ」がふざけた商品を作り続ける理由とは? |
https://irorio.jp/yatta-men/20160222/298335/

まとめると、

  • 水道用品・水栓金具の専門メーカー「カクダイ」は、ユニークな蛇口の開発にかかる費用で、トータル5億円以上の赤字が出ている
  • 思いつきで蛇口を作るため、新たな技術の習得が必要になり、イノベーションが起こった
  • さまざまなノウハウが蓄積し「欧州製品に負けていない」と自負できるレベルにまで技術力が上がった

時には開発段階で壁にぶつかることもある。いくら面白いデザインの蛇口を思いついても、それを作り上げる技術がなければ商品化することはできない。

思いつきで蛇口を作るため、新たな技術の習得が必要になるケースは多々あったそうだ。

しかし、開発者たちはそういった過程こそがイノベーションであり、自分たちの製品の技術力を高めるということに気づき、ますます蛇口作りに熱中していった。

「イノベーションを起こせ」とか、「アイデアを出せ」という会社に限って、こうした遊びを禁止するんですよね。「いつ儲かるのか?」「誰が買うのか?」などなどバカバカしい質問をするわけです。知恵=知識×経験と考えれば、こうした役に立たないような経験が素晴らしいアイデアを生み出すんですけどね。

特許は広告のために取得するものじゃないですからね

広告における「特許」表記の注意点。「特許取得」「特許出願中」と書いても大丈夫? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4668

まとめると、

  • 化粧品等の広告については、「特許取得」「特許出願中」は原則的に記載不可
  • 健康食品、雑貨等の広告については、不可というルールはない
  • 特許が医薬品的効能効果や医療機器的効能効果に関連するものだった場合、記載すると薬機法に抵触するものと判断され不可

例えば、成分を抽出する課程で取得した製法特許など、事実を元に正しく記載する範囲においては、差し支えないものとされています。

ですが、健康食品は医薬品的効能効果(雑貨の場合には医療機器的効能効果)を有する旨の標榜を、明示も暗示もしてはならないことになっています。

せっかく取得した特許だから広告にも……って考えてしまいますが、薬事法に触れそうな場合は要注意ですね。そもそも、特許取得は広告目的ではないので、本来の使い方にとどめておきましょう。

EC全般

アマゾンよりも進んでる? 無人コンビニ「BingoBox」などが広がる中国小売市場の今 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4714

この記事は必読。無人販売所的なイメージがしてしまいますが、そうではないようです。

高校生が日本初の「騒音トラブル解決モデル」を発足。周辺住民からの苦情も激減 |
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/...

苦情に真正面から立ち向かえばいい結果になるという良い事例。これも相手と実際に会うことができるからなのかもしれません。ネットショップは会えないという難しさがあります。

自動運転の配送めざす「ロボネコヤマト」、対象エリアを拡大 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4704

実験がうまくいっているようですね。見た人がいたらどんなものか教えて欲しいところ。

買い物の参考にする情報源、男性は「Webの記事」、女性は「家族の意見」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4700

個人的にはお店の人の意見です。無理に買わせようとする店員も減ってきたので信頼度は高いような。

サイト利用者視点で考える ウェブ接客で「説得可能なタイミング」を捉えるには | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/4936

相手の思考にスムーズに入り込めるように。自分の思いを押してもダメです。

マイナンバーカードの「自治体ポイント」とは?クレジットカードなどで貯めたポイントやマイルを地元商店街や「名物チョイス」で利用できるように! | ザイ・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/141606

広がるようには考えにくいですが、こんなポイントもあるということで。

今週の名言

個々の戦術は模倣可能ですが、お店の根幹については、コピペで使える安易なノウハウはありません。よく見て、よく考え、挑戦を重ねるのみです。

「売れる店の条件」は、もう変わっています |ネットショップ運営支援ブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/2244

今週の記事ではカクダイさんの記事がまさにそれ。戦術だけを見るのはもうやめましょう。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

あなたの会社はどのタイプ? 社内におけるECの位置付け、組織、役割について | EC部長が担当者に読んでもらいたいこと

8 years 2ヶ月 ago

本連載の読者は、既存事業を持っていて、ECやオムニチャネルの取り組む会社のEC担当者を想定しています。「会社がECをどのように考えているか」で、組織、担当者の所属、役割は変わってきます。ECに関する会社の考え方を理解のうえ、それに合わせたサイト・サービスを作るべきですし、その他の業務を遂行していくことが大切です。また、社内を啓蒙したり、他部門との話を空回りさせずに、協力を得ていくためにも必要です。

「オムニチャネルは小売そのもの」と考える会社はまだ多くはありませんので、「会社がECに何を期待しているか」「ECは新規事業なのか、新規ビジネスなのか」などが、ここでいう位置づけにあたります。それどころか多くの会社で、ECを1つの店舗と考えていたり、その一方で期待していることはマーケティングの一部だったりと実情はあいまいなのです。

本連載では「新規事業」と「新規ビジネス」をあえて別の意味で使っています。新規事業はP/L責任を持つもの、新規ビジネスは、他の事業にも大きくオーバーラップする一連のオペレーションの塊を事業のように見なしています。

自社におけるECの位置付け

まずは一般的にあまり明確でないことも踏まえながら、あまり突き詰めすぎず、自社が仮に置いている考え方を確認します。

以下の図は、新規事業の方向性について、既存市場、新規市場、既存商品、新規商品を2×2のマトリクスにしたものです。ECに限らず、新規のビジネスを考える際によく使います。

縦軸は新規市場(顧客・チャネル)か既存市場かを表し、横軸は既存商品か新規商品かを表す。通常はグレーの矢印で事業の拡大を図る
縦軸は新規市場(顧客・チャネル)か既存市場かを表し、横軸は既存商品か新規商品かを表す。通常はグレーの矢印で事業の拡大を図る

通常の新規事業や事業拡大は、「既存商品の新規市場投入」、もしくは「新規商品の既存市場投入」です。「新規商品の新規市場への投入(図中青矢印)」は、今までの顧客・経験を利用できず、リスクが高く、資金を投入しての解決を伴う「力業」です。

たとえば、ECを「新規チャネルや新規市場」ととらえると、まず、「既存事業で扱ってきた商品をECで販売する」という選択があります。「ECのターゲットを誰とするか」「ECで売る商品を何にするか」などは、MDの考え方や集客の仕方、サイトの作りに大きく影響します。

皆さんの会社はどうでしょう。どんな方針でも、いったんはそれを「正しいこと」として進めてください。そうでないと、得られた結果が方針によるものなのか、方針に従わない行動のせいなのか、マネジメントが判断できず、方向の修正に至りません。

ここに書いたことと少し矛盾しますが、筆者はECを新規チャネルや事業ではなく、「顧客との新しいタッチポイント(コンタクトポイント)」だと考えています。ECやオムニチャネルだけの収益を考えるのではなく、既存事業を含めた全体での成果を見るべきだということです。今後、必要に応じて説明していきます。

全社の中のEC組織の位置付け

それでは、全社の中でEC部門がどのような位置付けにあるのかを確認しましょう。「立ち上がり期」と「成長期」に分けて見ていきます。

立ち上がり期

既存事業を持ち、ECを始めた会社のEC組織は、フェーズにより下記のようなパターンが考えられます。

ブロックの長さは組織の人数や規模を表す。既存の組織にEC事業部を付け足す「準備室」型、新しくEC事業部を作る「いきなり事業部型」などがある
ブロックの長さは組織の人数だけでなく大きさを表している

既存の組織にEC部門を付け足す「準備室型」、新しくEC事業部を作る「いきなり事業部型」などがあります。

立ち上がり期は、不確定要素の多さからまだ腰が引けていたり、トップの意向と現場に大きなギャップがあったりすることもあります。その場合、図左の上の部分だけの「準備室型」をトップ直属として始めることがあります。(図、上のオレンジ部分)、特徴は少人数。長所は売上予算にかかわらず推進することが可能なこと、トップの意向を知りやすいことなどです。一方で短所は、現場のリソースを持っていないことです。

スタッフ型」は、ECチームは既存事業部門内にありますが、ラインではなく、企画や推進担当のようなスタッフの位置づけです。長所は部門長にその気があれば、部門内のリソースを使い推進が可能なこと。短所は部門のPL(損益)や業績により、活動が制限される可能性があることです。

「準備室型」と「スタッフ型」を両方設置し、ECの推進を図っている会社もあります。

図中央の「いきなり事業部型」は、規模は小さくても、EC事業部を既存事業部門と同格に置き推進していくタイプです。長所は判断が速くできることと、リソースさえあれば推進力があること。短所は既存部門の協力や会社の強みを利用しにくいところです。

図右の「分散設置型」は、全社で取り組み、フルラインアップで行うために全部門内にEC担当を置き、上部に全体の調整スタッフを置く形です。長所は既存部門の協力を得やすく、会社の強みを利用しやすいこと。短所はリソースが分散しているため効率が悪く、ノウハウの蓄積が難しいことなどです。

成長期

成長期の組織は、初期の「準備室型」はないとして、「いきなり事業部型」が育ち、「リソース集中型」や先ほど解説した「分散設置型」になっていきます。

「いきなり事業部型」が育つと「リソース集中型」となる。「マトリクス型」はあまりうまく機能しないことが多い
「いきなり事業部型」が育つと「リソース集中型」となる

図左の「リソース集中型」は、EC部門が大きく育った形です。長所はやはり判断を速くでき、リソースを使った推進力があることです。短所は「いきなり事業部型」のときと同様に既存部門の協力や会社の強みを利用しにくいところではないでしょうか。

図右の「マトリクス型」は、各部門にECに必要な各機能や担当、またはチームを置き、事業の部門長と各EC機能の横串のリーダーの両方にリポートする体制です。長所は事業・機能の両方の意思がちゃんと反映され、リソースの効率化も図れること。この型は本来なら短所がないはずですが、ECに限らずマトリクス型の組織がうまく機能している例はあまり見たことがありません。上司が2人いて評価指標が2つあるのは、運用が難しいようです。

会社によって、ブランディングや既存ビジネス(店舗等)への集客のためにデジタルマーケティングチームを持つ場合もあります。マーケティング部門内の場合や独立したチームの場合もあります。ECビジネスにもマーケティング、Webマーケティングが必要です。

本来はリソースをまとめて全体を管理すべきですが、ECを新規ビジネスと考える場合やスピードを優先したい場合は、EC部門にマーケティング機能を独自に持たせて、全社のマーケティングと連携させることもあります。さらに、EC部門に全社のデジタルマーケティングを集約し、うまく機能している会社もあります。

ECビジネスの業務の特徴

実店舗ではビジネスの中心に店舗があり、同様にECビジネスの中心にはインフラ・システムがあります。ECビジネスは、おそらく思う以上にすべての役割でインフラ・システムへの依存が高いといえます。

初期のサイト構築やインフラ整備だけでなく、日々の活動・運用の中でも、コンテンツ制作担当がシステム担当とページの仕様を確認して表現できることとを議論したり、MD担当がシステム担当と商品登録の仕方や表示の工夫を話したり、独自のツールを組み込んでもらったりなどが行われています。マーケティング担当もプロモーション実施のための仕組みをシステムや制作の担当と話しますし、もちろん、CSや物流担当者も他担当と頻繁に話をしています。

ECは歴史の浅いビジネスであるからこそ、既存の小売や通販ビジネスと比べると部門内での各役割が明確に分離されていない場合もあります。

ECビジネスでは何をするにも中心にインフラ・システムがある
ECビジネスでは何をするにも中心にインフラ・システムがある

これらの特徴を意識しながら、部門内の各役割を理解していくことが大事です。

EC部門内の組織・役割

下記の図は、EC部門内のざっくりとした役割、チーム分けをイメージしたものです。皆さんの部門と比べてみてください。誰が、何をどのように分担・担当していますか?

EC部門内の役割の例
EC部門内の役割の例

主にマーケティング、MD、ささげ、商品登録、制作、カスタマーサービス、システム、物流などですが、会社によりチーム分けはさまざまです。

初期の段階は役割ごとに1人ずつ担当がいるわけでも、すべて内部で行う必要もありません。まずは兼務でも構わないので、ファンクションごとに部外・外注のリソースをコントロールするリーダーや担当がいて、外部や社内の他部署に対しアウトソーシングするような形から始めます。ノウハウを取り込みながら、状況に合わせて必要な部分を少しずつ内製化していきます。

この組織イメージとは別のパターンとして、システム、CS、物流等以外は、EC部門内の商品カテゴリーチームごとにMD、マーケティング、制作、登録を持つ場合もあります。これは商品を増やすことや特定の集客・表現には向いていて、MD担当からの運用がフレキシブルになるという長所があります。しかし、全体の効率化やサイトの統一観、全体としてのノウハウ蓄積には向いていません。少し規模が大きくなると、いったんは上の図のようなファンクション別の編成になり、さらに大きくなると、再度、商品カテゴリーやブランド別の組織に変化する場合もあります。

ECの立ち上がり期、成長期ともに、社内組織や他部門との役割分担、EC部門内構成ともにどの形がベストかはまだどの会社でも明確でなく、正解はありません。いろいろな会社が組織の改編を繰り返し、行ったり来たりしています。取り組みのステージやトップのコミット、担当部門長の本気度、EC部長の経験とスキル、スタッフのスキルや人数、社風などにより、体制を個別に設計するしかありません。

担当者は、組織や役割に日常的に不満を言うのではなく、いったん決められた枠組みでベストを尽くし、その結果を評価して上司とともに次に反映させていくことが新しいビジネスに取り組んでいくためのあるべき姿勢です。

◇◇◇

ここで説明したことと皆さんのEC部門の状況を比べて、会社がECをどのように考えているか、その結果、どうして現在の組織・所属・役割となっているのかはイメージできましたか?

今まで意識していなかったこれらのことがわかると、位置付けがわからなかったEC業務やはっきりしなかったサイト・サービスの目的が整理され、ちぐはぐだった他部署とやりとりを改善できるのはないでしょうか。

次回は「ECでまずやるべきこと」について解説していきます。

中島 郁

ネクトラス株式会社 代表取締役

中島 郁(なかしま かおる)

ネクトラス株式会社 代表取締役

新規事業立ち上げ、急成長事業マネジメントのプロフェッショナル。

ベンチャー、外資、老舗にて、事業立上げ、急成長ビジネスの責任者を歴任。関与分野は、小売、EC、インターネット、メディア、アウトソーシングを含むサービス業等。

トイザらスではマーケティング部門立上げ、EC専業法人設立。ジュピターショップチャンネル執行役員(EC、テレビ編成及びマーケティング)本部長を経て、世界最大のECサービス企業GSI Commerce(eBay Enterprise)アジア太平洋担当副社長兼日本法人社長。三越伊勢丹では役員兼WEB事業部長として、EC・情報メディア等の構築、オムニチャンネル導入を担当。米国Babson College MBA。

おそらく大規模EC・オムニチャンネル3社で事業責任者に携わった国内唯一の経験者。
ベンチャーから大企業までのコンサルティング、アドバイス、顧問、業務支援に携わっている。

中島 郁

iOS版Googleアプリに関連コンテンツをサジェストする機能が追加、再検索せずにアクセス可能

8 years 2ヶ月 ago

iOS 版 Google アプリに、関連コンテンツをサジェストする機能が搭載された。サジェストは、検索結果ではなく、検索から訪問したページの下部に表示される。再検索することなしに、今見ている記事に関連した記事にユーザーは簡単にアクセスできる。まずは米国で利用可能。

- iOS版Googleアプリに関連コンテンツをサジェストする機能が追加、再検索せずにアクセス可能 -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

セブン&アイがECモール運営に進出、「omniモール」にニトリやゼビオなどが出店

8 years 2ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングスは9月19日、グループを横断したショッピングサイト「オムニ7」に出店型のECモール「omniモール」を開設すると発表した。開設予定時期は2017年11月下旬。グループ企業以外の商品を取り扱うことで品ぞろえを拡充する。

「omniモール」はインテリア雑貨家具、スポーツ・ゴルフ・アウトドア用品、体験ギフト、オーダーメイドフラワーなどの商品を扱う。ハイブランド品の委託販売や買い取り、ふるさと納税などのサービスも展開する。

開設当初の出店企業はニトリホールディングス、クロスプラネット、ソウ・エクスペリエンス、Sakaseru、アクティブソナー、さとふるの6社9サービス。「オムニ7」のIDで各ストアのサービスを利用することができる。

セブン&アイが「オムニ7」を開始したのは2015年11月。登録会員数は2017年8月末時点で570万人を超えた。

セブン&アイ・ホールディングスが「オムニ7」に出店型のECモール「omniモール」を開設

「omniモール」は11月下旬にオープン予定

2017年7月にはアスクルと業務提携を締結した。「オムニ7」とアスクルのECサイト「ロハコ」での相互送客を11月末をメドに実施。「ロハコ」のプラットフォームを活用した生鮮食品のECビジネスも11月末をメドに開始する予定。

セブン&アイホールディングスは2016年10月、ECを中心に不特定多数の顧客にアプローチする従来のオムニチャネル戦略を転換した。「顧客ごとにグループ各社の利用状況を繋げ、全チャネルを通じてサービスの質を追求していくこと」を目標に掲げ、国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人に上る顧客の「顧客生涯価値(Life Time Value)」の向上をめざしている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECサイト構築パッケージ「EC-Orange」が「ニフティクラウド」とワンパッケージ化

8 years 2ヶ月 ago

エスキュービズムは、ECサイト構築パッケージ「EC-Orange」を、富士通クラウドテクノロジーズのパブリック型クラウドサービス「ニフティクラウド」とワンパッケージ化し、9月11日から提供を開始した。

従来、EC-Orangeの申し込みから納品までには1週間程度かかっていたが、EC-Orangeをニフティクラウドのサーバーにワンクリックでインストールできるようになっため、所要時間がおよそ10分程度に短縮された。

エスキュービズムは「ニフティクラウド」のパートナー企業として「EC-Orange」を同クラウド上で多数運用してきた実績があり、富士通クラウドテクノロジーズはクラウド導入時の検証環境の提供などで同社を支援してきた。

両社は今回のワンパッケージ化を通じてより連携を一層強化し、今後もクライアント企業の課題解決に取り組むという。

「EC-Orange」は960社超に導入されているECサイト構築パッケージ。単独のECサイト構築をはじめ、大規模なECサイトモール構築、オムニチャネル構築、グローバルECサイト構築までが可能。

「ニフティクラウド」は、仮想化されたサーバーリソースを必要なときに必要な分だけオンデマンドで借りられる、純国産のパブリック型クラウドコンピューティングサービス。2010年のサービス開始以降、スタートアップから大手企業まで5500件以上のITインフラやデジタルビジネスを支える基盤を提供している。

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ECサイトで顧客情報が漏えいか。原因は通販サイト構築・運営サービスへの不正アクセス

8 years 2ヶ月 ago

音響部品の製造販売などを手がけるフォスター電機は9月14日、オーディオ製品のECサイト「Fostex e-shop」の顧客情報の一部が流出した可能性があると発表した。

利用していたECサイト構築・運用システム「Allin1OFFiCE(オールインワンオフィス)」のサーバに対する不正アクセスが原因と見られる。

流出した可能性がある情報は、顧客の電話番号とメールアドレス、ログインパスワード。クレジットカード情報はサーバ上に保管していなかったため、漏洩は確認されていないという。

現在、ECサイトの運営を停止し、情報流出の有無を含め調査を行っている。

「Allin1OFFiCE」は企業のホームページやオンラインショップ、Blog・SNSコミュニティなどを構築できるサービス。Webシステムの受託開発やメディア事業などを手がける全研が販売している。

全研によると、9月11日午後6時に「Allin1OFFiCE」のサーバトラブルが発生。メンテナンスを実施したところ、第三者による不正アクセスが9月5日に実行され、顧客情報の一部が流出した可能性が判明した。

全研はWebサイトへのアクセスを一時的に停止し、ソフトウェアの安全性確認を行っている。

フォスター電機は9月14日、オーディオ製品のECサイト「Fostex e-shop」の顧客情報の一部が流出した可能性があると発表

「Fostex e-shop」は運営を一時停止している(画像は編集部がキャプチャ)

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

1位メルカリ、2位Amazon、3位楽天――ホーム画面設置率が高いECアプリ

8 years 2ヶ月 ago

スマートフォンアンケートアプリ「TesTee」を提供するテスティーは9月15日、10代〜40代のiPhoneユーザーがホーム画面上に直接設置しているアプリの実態調査結果を公表した。

EC系のアプリで最も設置率が高いのは「メルカリ」(6.4%)。特に20~30代で設置率が高い。

設置率の2位は「Amazon」(4.8%)、3位は「楽天市場」(3.4%)だった。

「TesTee」を提供するテスティーは10代〜40代のiPhoneユーザーがホーム画面上に直接設置しているアプリの実態調査結果を公表

上位3つのアプリの設置率を年代別に見ると、全体として30代が高い。この結果を受けてアスティーは、「30代がショッピングアプリのボリュームゾーンと言えそう」と分析している。

アプリ全体では「LINE」が圧倒的1位に

ホーム画面トップに直接設置されているアプリの1位は「LINE」(60.7%)だった。2位の「Twitter」(23.7%)、3位の「Instagram」(12.9%)を大きく引き離している。

「LINE」の設置率はすべての年代で60%を超えた。年代ごとの設置率の差は他のアプリと比べて小さい。アスティーは「老若男女問わず幅広い性年代においてLINEが普及している」と指摘している。

本調査ではiPhoneのデフォルトアプリは調査対象から除外している。

「TesTee」を提供するテスティーは10代〜40代のiPhoneユーザーがホーム画面上に直接設置しているアプリの実態調査結果を公表

ホーム画面に設置しているフォルダの数と、アプリのフォルダ分けの傾向も調査した。ホーム画面上に設置されているフォルダは一人あたり約1.3個。

アプリのジャンル別にフォルダ分けの傾向をみると、10代は「カメラ・写真系」、20代と30代は「SNSアプリ」、40代は「ショッピングアプリ」をフォルダにまとめている割合が高い。

調査概要

  • 調査対象:10~40代の男女/iPhoneユーザー/自社モニター会員
  • 調査人数:1177人(10代:355、20代:367、30代:268、40代:187)
  • 調査期間:2017年7月26日~30日

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

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趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

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