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フェリシモ、リテールメディアに参入。情報産直メディア「CREATOR'S VOICE」を「広告プラットフォーム事業」で展開

8ヶ月 ago

フェリシモがリテールメディア事業に参入する。収益モデルのさらなる拡大をめざし「広告プラットフォーム事業」を新たに立ち上げ。第2の収益の柱として既存の通販事業や神戸ポートタワー事業に並ぶ事業として育成する。

フェリシモ、リテールメディアに参入。情報産直メディア「CREATOR'S VOICE」を「広告プラットフォーム事業」で展開
フェリシモはリテールメディア事業に参入(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

リテールメディアとして、創り手の思いを直接届ける情報産直Webメディア「CREATOR'S VOICE」をスタート。顧客属性が明確で、生活意識の高いフェリシモの消費者が喜ぶような企業情報を届けるとしている。

創り手が生み出すモノやサービスの裏側、思い、こだわり、アイデアやトレンドなどをフェリシモがピックアップして発信。「暮らしに新たなインスピレーションや、生活を豊かにするアイデアを与えてくれる、わくわくどきどきな毎日のきっかけになるようなメディアをめざすす」(フェリシモ)としている。

「CREATOR'S VOICE」では現在、記事からの誘導はフェリシモのECサイトがメイン。今後、さまざまな企業の広告出稿など新たなマネタイズポイントの創出に取り組むと見られる。

フェリシモ、リテールメディアに参入。情報産直メディア「CREATOR'S VOICE」を「広告プラットフォーム事業」で展開
「CREATOR'S VOICE」について(画像は「CREATOR'S VOICE」から編集部がキャプチャ)

 

鳥栖 剛

壽屋が北米向け直営ECサイト「KOTOBUKIYA US ONLINE」を「Shopify」で開設、北米ファンへ日本コンテンツIPを直販

8ヶ月 ago

フィギュアやプラモデルなどの製造販売を手がける壽屋はこのほど、北米向け直営EC サイト「KOTOBUKIYA US ONLINE」をオープンした。

成長戦略として海外展開強化を掲げており、2024年夏に北米向け直営ECサイトを開設すると予告していた。北米向けECサイト開設を前に、ユーザー事前登録キャンペーンを実施するなど基盤作りを準備。事業拡大を見据え、子会社「Kotobukiya America Inc.」も設立している。

壽屋が北米向け直営ECサイト「KOTOBUKIYA US ONLINE」を「Shopify」で開設、北米ファンへ日本コンテンツIPを直販
「KOTOBUKIYA US ONLINE」のトップページ

「KOTOBUKIYA US ONLINE」ではコトブキヤのフィギュアやプラモデルといった日本コンテンツIP関連商品を、北米のファンに向けて直接販売。他では手に入らない限定品や購入特典付き商品も用意し、メーカー受注開始後にシームレスに予約を解禁できるようにした。

ECサイトはECプラットフォーム「Shopify」のPlusプランを基盤に構築。越境EC支援を手がけるイーライフが「越境ECオールインワンパッケージ」でECサイト構築を支援した。

壽屋が北米向け直営ECサイト「KOTOBUKIYA US ONLINE」を「Shopify」で開設、北米ファンへ日本コンテンツIPを直販
イーライフの「越境ECオールインワンパッケージ」

壽屋が掲げる成長戦略の「海外展開・EC機能の強化」において、‟新たな販売機会の創出と拡大”を打ち出している。直近では、中国において初の実店舗となる旗艦店をオープンするなど、認知拡大と顧客の利便性向上を図るとともに、売上拡大を推進している。米国からも「限定品やショップ特典を確実に購入できる場がほしい」という声を多くいただいていた。“公式ならではの安心感” をもってお買い物いただける環境と、商品を通じて壽屋ブランドに親しんでいただける場を提供したいと考え、このたび米国向け公式ECサイトを開設した。今後も、世界中のファンの皆様との距離をさらに縮めるような展開を考えている。(壽屋 営業本部 北米事業推進グループ 砂野貴之グループマネージャー)

鳥栖 剛

パルのEC売上は約532億円で約10%増、2028年度には1000億円まで拡大する計画

8ヶ月 ago

パルグループホールディングス(HD)の2025年2月期EC売上高は、前期比9.9%増の531億9900万円だった。

内訳は自社ECの「PAL CLOSET」が同16.2%増の224億900万円、「ZOZO TOWN」が同3.6%増の256億1300万円、その他が同17.5%増の51億7700万円。構成比は自社ECが42.1%、「ZOZO TOWN」が48.1%。

パルのEC売上は約532億円で約10%増、2028年度には1000億円まで拡大する計画
自社EC、ZOZOTOWNともに好調に推移した(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

子会社ナイスクラップのEC売上高が好調に推移、70億円を超えEC売上高比率は目標としてきた40%を超えた。強化しているSNS個人フォロワー数も、目標の220万フォロワー(前年比プラス70万)を達成したという。​​

グループ全体の連結売上高は同7.9%増の2078億2500万円。連結売上高に占めるEC売上高の割合は25.6%となった。2024年2月期の連結売上高に占める割合は25.1%だったため、2025年2月期のEC売上高割合は同0.5ポイント増加した。

パルグループHDの2026年2月期におけるEC売上高は、同31.6%増の700億円をめざす。4年後の2029年2月期にはEC売上高1000億円を計画している。

パルのEC売上は約532億円で約10%増、2028年度には1000億円まで拡大する計画
2029年2月期にEC売上高1000億円到達を目指す(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

パルグループの公式アプリ「PAL CLOST(パルクローゼット)」の2025年2月期会員数は同19.5%増の1145万人。アプリ会員数は、アプリダウンロード数とWebのみの会員数を合計したもので、2026年2月期は同22.3%増の1400万人を計画しており、2029年2月期には2000万人到達を目標に掲げている。

パルのEC売上は約532億円で約10%増、2028年度には1000億円まで拡大する計画
アプリ会員数は2029年2月期に2000万人到達を目標としている(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

アイスタイル、美容業界のデータマーケティングを支援するBtoB新事業「データドリブンソリューション」を開始

8ヶ月 ago

アイスタイルはこのほど、BtoB向けの新事業「データドリブンソリューション」を開始し、データを活用したコンサルティングなど3つのサービス提供を始めた。

あわせて、新事業を推進する新会社「アイスタイルデータコンサルティング」を、CXコンサルティングファームのNODEと共同で設立。代表取締役社長の天野博之氏は、新会社の売上高について「5年後ぐらいまでに20~30億円を計画している」と説明する。

アイスタイルデータコンサルティングの天野博之代表取締役社長
アイスタイルデータコンサルティングの天野博之代表取締役社長

アイスタイルによると、化粧品市場では昨今、生活者の価値観の多様化やSNSの発達などの影響を受けた情報接点の複雑化により、年々画一的なトレンドが生まれにくくなっていると指摘。こうした変化に対応するため、データドリブンなマーケティングや商品開発を志向するブランドが増加傾向にあるという。

「データドリブンソリューション」は、コスメ・美容の総合サイト「@cosme」、ECサイト「@cosme SHOPPING」、実店舗「@cosme STORE」を運営するなかで蓄積してきたデータの統合データ基盤を活用し、次の3つのサービスを提供する。

①データコンサルティングサービス

ブランドに伴走し、課題整理から戦略の提案・実行・検証までを支援するコンサルティングサービス。アイスタイルデータコンサルティングは、アイスタイルがクチコミメディア・EC・店舗を自社で運営しているため、化粧品業界の構造や最新動向を的確に把握し、それを踏まえた最適なコミュニケーションが顧客企業とできるという。

アイスタイルが保有するデータの特長
アイスタイルが保有するデータの特長

コンサルティングの基盤となる顧客データを自社で創出しているため、データの背景や根拠の深い理解に基づいた高精度な分析、戦略提案ができ。顧客企業に対しては「@cosme」のプラットフォーム活用だけではなく、幅広い打ち手を提案する。

データを起点としたコンサルティング支援の事例
データを起点としたコンサルティング支援の事例

先行してデータコンサルティングサービスを利用した資生堂ジャパンの松村美穂氏(SHISEIDOブランドマーケティング部バイスプレジデント)は、アイスタイルが実施したメディア向け事業説明会で次のように説明した。

アイスタイルによるデータコンサルティングの体制には非常に価値があると感じた。“ビューティーのプロフェッショナル”という視点で、データ分析とコンサルティングを伴走してくれる。

アイスタイルで保有・完結しているデータを分析してくれるので、たとえば課題感など、自社では解像度が甘かったところをクリアに示してくれた。

資生堂ジャパン 松村美穂氏
資生堂ジャパン 松村美穂氏

②AI分析ツール「@cosme Copilot」

生成AIを活用して「@cosme」に投稿されたクチコミを分析し、自ブランドの現状分析やマーケティング施策の振り返り、商品開発などに活用できるサービス。

顧客企業は、「@cosme」に蓄積された過去10年分のクチコミ情報を、自ブランドの現状分析やマーケティング施策の振り返り、商品開発などに活用できるという。

クチコミ検索、評価スコアや頻出ワードを可視化する分析機能、AI自動生成によりペルソナを可視化し、ターゲットユーザーを特定したり、他ブランドのユーザーと比較したりすることができる。また、対話型のチャット機能によって、ユーザーインサイトを迅速に深掘りできる。

「@cosme Copilot」のイメージ
「@cosme Copilot」のイメージ

③リサーチサービス

生活者の意識行動・ニーズを把握するための調査設計やデータ分析、「@cosme」のユーザー調査(定量・定性調査など)を活用して、顧客企業の課題解決につながるインサイトを提供するリサーチサービス。

コンサルティングなどを通じてユーザーインサイトの仮説を立てた上で、効果的な「@cosme」メンバーへのアンケート調査、モニター調査、クチコミ分析レポートなどを顧客企業に提供する。年代・職業の基本属性だけではなく、使用アイテムやブランド、化粧品購入チャネルや嗜好(しこう)性でのセグメントも可能だという。

リサーチサービスのイメージ
リサーチサービスのイメージ

新会社のアイスタイルデータコンサルティングとは?

アイスタイルとNODEは「データドリブンソリューション」の立ち上げに向けて、2024年2月から連携してきた。

アイスタイルデータコンサルティングの代表取締役社長は、アイスタイルの執行役員兼ブランド体験ユニット長である天野博之氏が兼任している。

NODEとの協業により、データに基づいたBtoBサービスを提供する
NODEとの協業により、データに基づいたBtoBサービスを提供する

アイスタイルはマーケティング支援事業を、利益率向上に向けた今後の中核事業と位置付けている。

アイスタイルの事業方針(画像はアイスタイルのIR資料から追加)
アイスタイルの事業方針(画像はアイスタイルのIR資料から追加)
高野 真維

「Yahoo!フリマ」、配達完了から最短24時間後に入金申請可能+購入者とのやり取りをサポートする「ゴールド出品者プログラム」を開始

8ヶ月 ago

LINEヤフーは4月9日、フリマアプリ「Yahoo!フリマ」で、入金申請すると売上金を即入金し、入金後の購入者とのやり取りをLINEヤフーがサポートする「ゴールド出品者プログラム」を開始した。受取評価待ちの入金遅延の不安や入金後の購入者とのやり取りの負担を軽減する。

「ゴールド出品者プログラム」は、「ゴールド出品者」が5万円以下の商品を取引した際に、配達完了後から入金申請までの間に購入者から取引メッセージがない場合が対象となる。

「ゴールド出品者プログラム」の入金の流れ
「ゴールド出品者プログラム」の入金の流れ
入金後の購入者とのやり取りはLINEヤフーがサポートする
入金後の購入者とのやり取りはLINEヤフーがサポートする

「ゴールド出品者プログラム」の提供に関連して、LINEヤフーはフリマアプリ利用者に実施した「フリマアプリでの取引時のトラブル・ストレスに関する意識調査」の調査結果を公開。フリマアプリを出品者として利用したことのあるユーザーの64.1%は、取引に関するストレスや不安を感じたことがあると回答した。

フリマアプリの出品者となる際、取引に関するストレスや不安を感じたことがあるか
フリマアプリの出品者となる際、取引に関するストレスや不安を感じたことがあるか

トラブルの経験は全体の31.6%が「ある」と回答。経験したことのあるトラブルで最もストレスや不安を感じた内容は、「受取評価がされず、入金が遅れた」が20.7%、次いで「購入後に、商品へのクレームが来た」が19.5%、「購入者から不当な低評価をつけられた」が14.7%だった。

フリマアプリの出品者となった際、トラブルの経験有無
フリマアプリの出品者となった際、トラブルの経験有無
経験したトラブルのうち、最もストレスや不安を感じたもの
経験したトラブルのうち、最もストレスや不安を感じたもの

こうした回答を踏まえ、LINEヤフーは「ゴールド出品者プログラム」の提供に至ったという。

調査概要

  • 調査方法:LINEリサーチ プラットフォーム利用の調査
  • 調査対象者:日本全国の15歳~69歳の男女
  • 有効回収数:1056人
  • 調査期間:2025年3月14日~3月19日
高野 真維

EC業界も激震、トランプ政権の基本関税10%+相互関税+デミニミスルール撤廃。米国の状況から世界のECビジネスに与える影響を考察 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

8ヶ月 ago
トランプ大統領は2025年4月2日の演説で、ほぼすべての国からの輸入品に10%の基本関税を課し、さらに国別の追加関税も課すと発表しました。世界の多くのEC事業者への影響が懸念されます

米トランプ政権が「解放の日」と称し、新たに課した相互関税について、世界的な投資銀行のBairdは「ECの『リセットの瞬間』」と表現しています。影響はコロナ禍時代のサプライチェーンの混乱に匹敵するものの、その打撃を和らげるような景気回復策や消費者側の追い風がない点が異なるとBairdは指摘しています。

米政権による「解放の日」関税措置の影響

トランプ大統領は4月2日を「解放の日」と呼び、米国の「経済的独立宣言」と表現しました。演説で、ほぼ全ての国からの輸入品に10%の基本関税を課した上で、貿易赤字が大きい国や地域を対象に相互関税を課す(編注:相互関税の発動は4/9)と発表しました。

このことは、米国のインターネットおよびテクノロジー業界に衝撃を与えています。Bairdの傘下であるBaird Equity Researchのアナリストは「デジタル経済のほぼ全ての分野に広範囲な影響がある」と警鐘を鳴らしています。

EC、オンライン広告、クラウドインフラ、サプライチェーンに至るまで、「解放の日」関税の影響は、即時的かつ広範囲に及ぶと予想されています。

デミニミスルールの撤廃を含む

米国時間で4月2日の夜に発表したレポートのなかで、Bairdのアナリストはトランプ政権の突然の発表によって今後懸念される影響を解説しました。これには、広範囲な輸入品に対する新たな関税と、低価格の貨物が免税で米国に輸入されることを長年可能にしてきた「デミニミスルール」(通称)の撤廃が含まれます

Bairdがトランプ政権の「解放の日」関税措置を受けて発表したレポート(画像はBairdのコーポレートサイトから編集部が追加)
Bairdがトランプ政権の「解放の日」関税措置を受けて発表したレポート(画像はBairdのコーポレートサイトから編集部が追加)

Bairdのシニアアナリストであるコリン・セバスチャン氏は、発表したレポートで次のように指摘しています。

AIや生成技術に関する新しいニュースをお知らせできればよかったのですが、今回は違います。新たな関税措置が短期的な交渉戦略の一部でない場合、投資家はセクター全体の売上減少に備える必要があります。(セバスチャン氏)

Amazon、Shopifyなどを筆頭にEC業界全体へ打撃

Bairdによると、「解放の日」の関税措置によって大きな打撃を受ける可能性がある事業者は、国境を越えたグローバルなビジネス展開、生産に必要とする物やサービスの調達先を世界各国の諸企業を対象とする「グローバルソーシング」に大きく依存している企業です。これには、家具ECのWayfair、Shopify、Amazon、PayPalが含まれます

なかでも、BairdはAmazonが「多方面からの打撃」を受けると強調しました。輸入コストの増加や取引量の減少だけでなく、インフラやエンタープライズ技術の費用増加などで影響を受けるということです。

対照的に、越境ECモール運営のeBay、食料品や日用品のオンラインデリバリーサービスを提供するInstacartのようなプラットフォームは、自国での利用に重きを置く国内志向、リユース品の流通の注力により影響を受けにくい可能性があります。

それでも、EC経済圏全体が少なからず影響を受けるはずです。

Bairdが調査対象とするどの企業も影響を免れません。ファストファッションの販売事業者であろうと、クラウドプロバイダーであろうと、ソーシャルメディアプラットフォームであろうと、今回の関税は、コスト構造、顧客基盤、および事業運営の先行きに波及します。(セバスチャン氏)

SHEIN、Temuは関税の抜け穴が使えなくなる事態に

最も大きな打撃が懸念される米政権による措置の1つは、「デミニミスルール」の撤廃です。「デミニミスルール」は、購入金額800ドル以下の小口貨物には関税を課さずに簡易な手続きだけで米国に輸入できる制度です。ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」をグローバル展開するSHEIN Group(シーイン・グループ)、越境ECサイト「Temu(ティームー)」を展開する中国EC大手PDDHDなどがその恩恵を受けています。

関税の抜け穴とも言えるこのルールにより、SHEIN GroupやPDDHDは米国市場に大量の低価格商品を送り込むことができました。これらの商品は、海外から消費者に直接発送されることがよくあります。

SHEIN Groupなどはデミニミスルールの恩恵を大いに受けてきた
SHEIN Groupなどはデミニミスルールの恩恵を大いに受けてきた

税務コンプライアンスソフトウェアプロバイダーのAvalaraによると、年間10億個以上の800ドル未満の荷物が米国に輸入されています。これは、推定550億ドル相当の商品、つまり米国EC総取引量の約5%に相当します。

「デミニミスルール」の撤廃により、大きな構造的変化がもたらされるでしょう。低コストで輸入できる商品がもたらすメリットは、D2Cおよびファストファッションのビジネスモデルの重要な柱です。それがなければ、価格設定、マージン、および消費者需要は全て変動します。(セバスチャン氏)

事業者が取り組む、関税措置のコスト吸収

広告と人員削減が顕著な見込み

Bairdはリリースのなかで、流通・小売事業者向けのビジネスイベント「Shoptalk2025」で、小売事業者と交わした会話にも言及。「関税の引き上げは販売価格の上昇につながり、事業者は他の領域でコストを削減することで打撃を分担せざるを得ない」と、ほぼ全員が同じ意見だったということでした。特に、広告と人員削減が顕著になるとしています。

デジタル広告プラットフォームは脆弱(ぜいじゃく)で、Reddit(編注:米国の掲示板型ソーシャルニュースサイト)やPinterestは最も影響を受けるプレイヤーとして指摘されています。

MetaやGoogleのような業界の巨人も、小売事業者やマーケットプレイスからの広告費への依存度が高いことから、影響を免れることはできません。また、セバスチャン氏は、クラウドサービスの提供とインフラの維持にかかる支出に付随する影響として、コスト上昇を指摘しました。

サプライチェーンの不確実性も懸念が高まっています。多くの米国企業は、不明確な消費者需要とコスト上昇の中で、第4四半期となる2025年10月-12月分の注文を調整しています。この時期はホリデーシーズンと重なります。「すでに、ホリデーシーズンの在庫計画を削減している小売事業者と話しました」(セバスチャン氏)

関税の影響は長期的

マーケットプレイスモデルは、商品調達の転換や国内在庫の優先化を可能にすることで、ある程度の回復力をもたらすかもしれませんが、レポート全体のトーンは慎重で、やや悲観的ですらありました。

コロナ禍のような、経済界のこれまでの打撃とは異なり、今回の打撃は一時的なものではありません。今後の需要の不確実性、コスト基盤の上昇、地政学的なビジネス構築といった課題は全て、長期的な課題となるでしょう。(セバスチャン氏)

Bairdのレポートは、比較的安全な数少ない分野も指摘してします。Electronic Arts(EA)やTake-Twoのようなゲーム開発会社は、主に海外で製造されているハードウェアへの依存度が高いことから、コンソールやアクセサリーの価格上昇や更新サイクルの遅延につながる可能性がありますが、影響は少ないようです。

また、国内の中小企業に焦点を当てたビジネスモデルのため、飲食店などさまざまなお店のクチコミ情報サイトを運営するYelpも影響を受けにくいと指摘しています。

Bairdはレポート内で「トランプ政権が提案通りに関税措置を実施し、広範な交渉戦略の一環として撤回しない場合、投資家は全体的に収益予想の下方修正を予想するべき」だと警告しました。

関税措置は事業者にとって、最も良いシナリオでは交渉の切り札になるでしょう。最悪のシナリオでは、セクター全体の戦略を書き換えることになります。(セバスチャン氏)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ショップチャンネルのリアル戦略とは?テレビ+デジタル+リアル連動をめざすTV通販最大手の挑戦 | 通販新聞ダイジェスト

8ヶ月 ago
リアルでの顧客接点強化に乗り出しているジュピターショップチャンネル。2025年3月のポップアップストアの特長と、リアル戦略の展望を担当者に聞く

通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルがリアル展開を進めている。3月から同社の商品を展示販売するポップアップストアを都内に開設した。リアル展開はポップアップストアだけでなく、既存顧客を招いて特別な商品をその場で紹介、販売する催しなども行っており、今後はさらに強化していくという。同社経営企画本部の中曽根悟司経営企画部長にショップチャンネルが描くリアル戦略について聞いた。

ジュピターショップチャンネル 経営企画本部 中曽根悟司経営企画部長
ジュピターショップチャンネル 経営企画本部 中曽根悟司経営企画部長

リアルの顧客接点を強化

2回目のポップアップストアを開催

――3月13日から東京・北千住の「北千住マルイ」でポップアップストアを開設した(前号4面既報)。昨年2月にも東京・二子玉川でポップアップストアを開設しており、2回目となる。

ポップアップストアはまだショップチャンネルを知らない層との接点作りが目的だ。また、これまでのテレビ通販だけでなく、お客さまのライフスタイルの変化にあわせてテレビとデジタル、リアルを連動させた新たな通販の形の構築にチャレンジしていこうと考えて行っている。

東京・北千住の「北千住マルイ」で開催したポップアップストア
東京・北千住の「北千住マルイ」で開催したポップアップストア

その目的自体は変えていないが、昨年は商品を販売しないショールーミング店だったが、今回は商品を販売するなど前回の反省を踏まえて変えたところがある。

前回はデジタルやテレビとの連動を強く意識していた。商品を購入頂く場合、掲示したQRコードを読み込んで頂き、通販サイトからという形だった。ただ、お客さまは手に取ったものをその場で購入して、すぐ使用したいという声も多かった。そうしたことを踏まえて今回はデジタルとの連携よりお客さま満足度の高い小売店の形にすることにした。

また、前回はテレビとの連動のために番組での紹介商品に合わせて展示する商品を毎日変えていた。ただ、テレビとの連動であまり目まぐるしく入れ替えるとお客さまは少し混乱してしまうこともある。今回は商品を固定して展示、販売することにした。

なお前回は試用できる化粧品がメインだったが、今回は皆さまの興味関心が高いファッション雑貨やアクセサリーが多めとしている。

――今回はポップアップにおけるデジタルやテレビとの連携は行わないということか。

QRコードの掲示などを行っていないが、店内で販売する商品の多くは実はテレビの番組では販売していないネット限定商品だ。これらの商品は値段も手ごろで購入頂きやすいと思う。お買い求めいただいた際に、ネット限定商品であることをお知らせするなどして、ショップチャンネルの通販サイトへの興味を持って頂こうと考えている。

テレビとの連動は告知媒体を置いたり、店内にテレビモニターを置いて当社の番組を流すなどして「ここはテレビショッピングの店舗なんだ」と視覚的に思って頂けるような意識付けを行っていく。

――今回のポップストアは北千住に開設した。理由は。

北千住駅は乗り入れている路線も多く、当社がターゲットしているお客さま層の利用者が多い。また、出店させて頂いた「北千住マルイ」は取扱高が多く、その「北千住マルイ」の中でも多くのお客さまの目に触れる2階のイベントスペースに出店できるということも大きかった。

3月18日にはBSよしもとの番組「発信Liveジモトノチカラ!」でポップアップストアを紹介頂いたほか、当社の番組や北千住周辺に在住の方に告知するネット広告を配信しており、来店促進を促している。期間中に1200人程度の来店を見込んでいるが、想定通り順調に推移している(編注:ポップアップストアは3月25日に終了しています。記事は3月20日の「通販新聞」配信時点です)。

既存顧客向けの取り組みも推進

――今後のリアル展開の方向性は。

リアル展開は今後さらに重要になってくるとみており、リアル戦略を考える専門部署「OMOグループ」を昨年12月に立ち上げて強化を進めている。色々なことがデジタル上でできてしまう時代だからこそ、リアルでのつながりは存在感を増していくはず。ポップアップストアは今後も継続して開設していきたいが、それだけでなく既存のお客さま向けにも新たな取り組みを進めている。

従来からアウトレット品などを販売する催事を行ってきたが、それは別に昨年11月には初の取り組みとして、テレビ通販では紹介していない一点物のジュエリーや数量限定の高級バッグなど「特別なもの」を番組でおなじみのキャスト(司会者)やゲスト(ベンダーの担当者)がその場でテレビショッピングのように販売するイベントを200人程度のお客さまにお越し頂いて本社で開催した。

当社ではこうした既存のお客さま向けの催しを今後も企画や場所を考えながら展開していこうと考えている。いかにお客さまとのタッチポイントを増やしていけるかが重要だ。テレビ、デジタル、リアルすべてで実施して、「ショップチャンネルに触れる機会」をできるだけ増やし、その蓄積がお客さまに選んで頂けるポイントとなると思う。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

QVC、AIが商品説明や受け答えなどの接客をするライブコマースを実施へ

8ヶ月 ago

QVCジャパンは4月23日、ドコモR&DとAIが商品説明や受け答えなどの接客をするライブコマースを実施する。

ドコモR&DのAI技術を活用したAIショッピングナビゲーター「グルmetaQ(グルメタキュー)」を活用。アバターAIの「グルmetaQ」が、商品のスペックや販売情報、過去の紹介内容などを学習し、商品説明やさまざまな受け答えする。

QVC、AIが商品説明や受け答えなどの接客をするライブコマースを実施へ
QVCはアバターAIが商品説明や受け答えなどの接客をするライブコマースを実施する

QVCとドコモR&Dの2社による取り組みは今回が第2弾。第1弾は2023年12月、メタバース上における新たなバーチャルショッピング空間「メタバースQVCお買い物PLAZA」を展開した。今回のライブコマースはアバターAIの「グルmetaQ」による新しいショッピング体験を展開する通販番組となる。

配信場所の「QVC POP UP Live」は、スマホやPCで参加可能。テーマに合わせた旬のアイテムについて、ユーザーが質問したり、出演者との会話を楽しみながら、商品をその場で購入できる。

配信では、QVCで研修中のグルメが大好きな若手会社員という設定の親しみある「グルmetaQ」のアバターとQVCショッピングナビゲーター石橋尚氏との掛け合いも見どころとしている。

ライブコマース概要

  • 番組名:QVC POP-UP Live
  • 配信日時:2025年4月23日(水)20:00 ~ 21:00(配信終了時間は目安)
鳥栖 剛

ビフォーアフター動画の活用シーンや制作のポイント、費用内訳を解説

8ヶ月 ago
トイレサイネージとは?動画広告の効果・費用相場・制作ポイントを徹底解説

ビフォーアフター動画は、視覚的な変化を効果的に伝えることで、商品やサービスの魅力を最大限に引き出す手法です。本記事では、ビフォーアフター動画の定義や特徴業界別の活用事例制作のステップ成功のポイント費用感などを詳しく解説します。ビジネス成果を最大化するためのヒントをぜひご覧ください。

お役立ち資料集

ビフォーアフター動画とは?

ビフォーアフター動画は、商品やサービスを利用する前の状態(ビフォー)と利用後の状態(アフター)を比較し、その変化を視覚的に伝える動画です。視聴者に具体的な効果をイメージさせることで、購買意欲や信頼感を高める効果があります。

この動画の最大の特徴は、視覚的なインパクトを通じて、視聴者に「自分も同じ効果を得られるかもしれない」と感じさせる点です。例えば、メイクアップ商品の使用前後の顔の変化や、リフォーム後の部屋の様子など、具体的な変化を見せることで、視聴者の興味を引きつけます。

また、短時間で効果を伝えられるため、SNSや広告動画としても非常に効果的です。視覚的な変化を強調することで、商品やサービスの価値を直感的に理解してもらえる点が、ビフォーアフター動画の大きな魅力です。

企業がビフォーアフター動画を選ぶ理由

企業がビフォーアフター動画を選ぶ理由は、その高い訴求力と説得力にあります。

まず、視覚的な変化を見せることで、商品やサービスの効果を一目で伝えることができます。特に、言葉や文章では伝えにくい効果や特徴を、動画なら直感的に理解してもらえるため、視聴者の関心を引きやすいのです。

さらに、ビフォーアフター動画は信頼感を高める効果もあります。実際の変化を見せることで、視聴者に「この商品は本当に効果がある」と感じてもらいやすくなります。特に、口コミやレビューと組み合わせることで、さらに説得力が増します。

また、SNSやYouTubeなどのプラットフォームで拡散されやすい点も、企業がビフォーアフター動画を選ぶ理由の一つです。短時間でインパクトを与えられるため、広告やプロモーションにも最適業界別に見るビフォーアフター動画の活用シーン

ビフォーアフター動画は、さまざまな業界で活用されています。ここでは、具体的な活用事例を業界別にご紹介します。

メイク・コスメ業界で活用する

メイク・コスメ業界では、ビフォーアフター動画が特に効果を発揮します。

例えば、ファンデーションやアイシャドウなどの化粧品を使用する前後の顔の変化を動画で見せることで、商品の効果を視覚的に伝えることができます。肌のトーンが均一になったり、目元が華やかになったりする様子をリアルに見せることで、視聴者に「自分もこうなりたい」と思わせることができます。

また、メイクのプロセスを取り入れた動画も人気です。使用方法を具体的に示すことで、商品の使いやすさや効果をアピールし、購買意欲を高めることができます。

スポーツ・トレーニング業界で活用する

スポーツ・トレーニング業界では、ビフォーアフター動画を活用して、トレーニングの成果を視覚的に伝えることができます。

例えば、ダイエットプログラムや筋力トレーニングの前後の体型の変化を動画で見せることで、プログラムの効果を強調できます。実際の利用者の声や体験談を交えることで、信頼感を高めることも可能です。

さらに、トレーニングの様子を動画にすることで、具体的なエクササイズ方法や取り組み方を視聴者に伝えることができます。これにより、視聴者が自分でも取り組めると感じ、行動を促す効果が期待できます。

リフォーム・建築業界で活用する

リフォーム・建築業界では、ビフォーアフター動画を使って、施工前後の変化を視覚的に伝えることができます。

例えば、古い家や部屋がリフォームによってどのように生まれ変わったのかを動画で見せることで、視聴者に「自分の家もこうなるかもしれない」と期待感を抱かせることができます。特に、ビフォーの状態が悪いほど、アフターの変化が際立ち、視覚的なインパクトが強まります。

また、施工のプロセスを動画にすることで、リフォームの流れや技術力をアピールすることも可能です。これにより、視聴者に安心感を与え、依頼につなげることができます。

ビフォーアフター動画制作のステップ

ビフォーアフター動画を制作するには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、具体的な制作の流れを解説します。

企画・構成の立案

まずは、動画の企画と構成を立案します。どのような変化を見せたいのか、どのようなストーリーで伝えるのかを明確にしましょう。

ターゲットとなる視聴者を意識し、彼らが共感しやすいストーリーを考えることが重要です。また、動画の目的やゴールを明確にすることで、より効果的な構成を作ることができます。

撮影の準備と実施

次に、撮影の準備と実施をおこないます。ビフォーの状態をしっかりと記録し、アフターの状態と比較できるように撮影することがポイントです。

撮影時には、照明やカメラアングルなどにも注意を払い、視覚的なインパクトを最大化するよう心掛けましょう。また、必要に応じてプロのカメラマンやディレクターを起用するのもおすすめです。

編集と仕上げ

最後に、撮影した素材を編集し、動画を仕上げます。編集では、ビフォーとアフターの変化がわかりやすくなるように工夫しましょう。

例えば、スライドやズームなどのエフェクトを使って変化を強調したり、テロップやナレーションを追加して視聴者に情報を伝えたりすることが効果的です。また、BGMや効果音を活用することで、動画全体の雰囲気を盛り上げることもできます。

成功するビフォーアフター動画制作の3つの制作ポイント

ビフォーアフター動画を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここでは、成功のための3つの鉄則をご紹介します。

明確な変化を伝える構成にする

視聴者が変化を直感的に理解できる構成を作ることが重要です。変化の前後を明確に比較し、その違いを強調するストーリーを設計しましょう。

例えば、リフォーム動画であれば、古い状態から新しい状態への変化を順を追って見せることで、視聴者にその価値を伝えることができます。

撮影と編集に一貫性を持たせる

ビフォーアフター動画では、一貫性のある撮影と編集が成功の鍵です。撮影条件やアングルを統一し、編集で変化を際立たせる工夫を行いましょう。

例えば、同じ位置や照明で撮影した映像を使用し、トランジションやエフェクトを活用して変化をスムーズに見せることで、視覚的なインパクトを高めることができます。

変化の過程を効果的に見せる

ビフォーアフター動画では、単に「ビフォー」と「アフター」を並べるだけでなく、変化の過程を効果的に見せる演出が重要です。視聴者が変化のプロセスを感じられるように工夫しましょう。

例えば、タイムラプスを使って変化の過程を短時間で見せたり、スライドやズームを活用して変化を強調することで、視聴者に「変化のドラマ」を伝えることができます。これにより、動画全体にストーリー性が生まれ、視聴者の印象に残りやすくなります。

ビフォーアフター動画制作の費用の内訳

ビフォーアフター動画の制作費用は、以下のような項目に分かれます。それぞれの要素が動画のクオリティや費用に大きく影響します。

企画構成費用

動画の目的やターゲットに合わせた企画・構成を立てるための費用です。ストーリー設計やシナリオ作成が含まれ、相場は5万円~10万円程度です。

撮影費用

ビフォーとアフターの映像を撮影するための費用です。カメラマンの人件費や機材費が含まれ、撮影日数や場所によって変動します。相場は1日あたり10万円~20万円程度です。

編集費用

撮影した映像を編集し、ビフォーとアフターの変化をわかりやすく見せるための費用です。トランジションやテキスト、音楽の追加などが含まれます。相場は10万円~30万円程度です。

ナレーション・音楽費用

動画にナレーションやBGMを追加する場合の費用です。プロのナレーターを起用する場合は5万円~10万円、著作権フリーの音楽を使用する場合は1万円~5万円程度が目安です。

特殊演出費用

ドローン撮影やCG、アニメーションなど、特別な演出を取り入れる場合の費用です。これらを追加する場合、10万円~50万円程度の追加費用が発生することがあります。

動画制作を外注する際に確認すべきポイント

動画制作を外注する場合は、以下のポイントを確認することが重要です。

  • 制作実績:過去にどのような動画を制作しているか
  • 対応力:要望をしっかりとヒアリングしてくれるか
  • 見積もり:費用が明確で、追加料金が発生しないか

信頼できる制作会社を選ぶことで、スムーズに高品質な動画を制作することができます。

まとめ

ビフォーアフター動画は、視覚的な変化を効果的に伝えることで、商品やサービスの魅力を最大限に引き出す手法です。適切なストーリー設計や視覚的インパクトのある演出、ターゲットに合った配信プラットフォームを活用することで、ビジネス成果を最大化することができます。

制作にあたっては、企画から編集までのステップをしっかりと踏み、必要に応じてプロの力を借りることも検討しましょう。ビフォーアフター動画を活用して、あなたのビジネスをさらに成長させてみてはいかがでしょうか?

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VIDEO SQUARE編集部

老人ホーム・介護施設で動画を活用する!メリットや注意点、動画制作のポイントを紹介

8ヶ月 ago
老人ホーム・介護施設で動画を活用する!メリットや注意点、動画制作のポイントを紹介

高齢化社会が進む中、老人ホームの選択肢はますます多様化しています。入居を検討する高齢者やその家族にとって、施設の雰囲気やサービス内容を正確に理解することは非常に重要です。その中で、動画は施設の魅力を効果的に伝えるための強力なツールとして注目されています。視覚と音声を活用することで、施設の特徴や雰囲気をリアルに伝え、安心感や信頼感を醸成することが可能です。本記事では、老人ホームの魅力を動画で伝えるメリット成功事例、さらに効果的な動画制作のポイントについて詳しく解説します。

お役立ち資料集

老人ホームの魅力を動画で伝えるメリット

老人ホームの魅力を伝えるために、動画は非常に効果的なツールです。視覚的な情報を活用することで、施設の雰囲気や特徴をよりリアルに伝えることができます。また、入居を検討している方やその家族にとって、動画は安心感や信頼感を与える重要な手段となります。

さらに、他の施設との差別化を図るためにも動画は有効です。施設の独自性や強みを視覚的にアピールすることで、競争の激しい市場での存在感を高めることができます。

視覚的な情報で施設の雰囲気を伝える

動画は写真や文章では伝えきれない施設の雰囲気を視覚的に伝えることができます。例えば、施設内の明るい空間や清潔感、スタッフの温かい対応などを動画で表現することで、視聴者にリアルなイメージを持ってもらえます。特に、施設を訪れることが難しい遠方の家族にとって、動画は施設を知るための貴重な情報源となります。

また、動画では音声や音楽を活用することで、さらに感情に訴える表現が可能です。穏やかな音楽やスタッフの笑顔が映るシーンは、視聴者に安心感を与え、施設への信頼を高める効果があります。

入居者や家族の安心感と信頼感を醸成

老人ホームを選ぶ際、入居者やその家族にとって最も重要なのは安心感と信頼感です。動画を通じて、施設の安全性やスタッフの対応力、入居者の満足度を伝えることで、視聴者に安心感を与えることができます。例えば、スタッフが入居者と親身に接している様子や、施設内での楽しい日常風景を動画で紹介することが効果的です。

さらに、入居者やその家族のインタビューを動画に取り入れることで、リアルな声を届けることができます。実際の利用者の声は、施設の信頼性を高める重要な要素となり、視聴者にとって大きな安心材料となります。

他施設との差別化を図る効果

動画は他施設との差別化を図るための強力なツールです。例えば、施設の独自のサービスや特徴を動画で強調することで、視聴者に「ここにしかない魅力」を伝えることができます。特に、他の施設では見られない特別なプログラムや設備を紹介することで、競争力を高めることが可能です。

また、動画のクオリティや内容によっても差別化が図れます。プロフェッショナルな映像制作を行うことで、施設のブランドイメージを向上させ、視聴者に高品質な印象を与えることができます。これにより、他施設との差別化をさらに強化することができます。

動画制作で押さえるべきポイント

老人ホームの動画制作を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ターゲットに合わせた構成や適切な動画の長さ、施設の特徴を引き立てる映像表現など、細部にまでこだわることで、より効果的な動画を制作することができます。

ターゲットに合わせた動画の構成

動画制作において、ターゲットを明確にすることは非常に重要です。例えば、入居を検討している高齢者本人に向けた動画と、その家族に向けた動画では、伝えるべき内容やトーンが異なります。高齢者向けには施設の快適さや安全性を強調し、家族向けにはスタッフの対応力や施設の信頼性をアピールすることが効果的です。

また、ターゲットのニーズに応じたストーリー性のある動画を制作することで、視聴者の関心を引きつけることができます。具体的なシナリオを考え、視聴者が共感しやすい内容を盛り込むことが成功の鍵となります。

適切な動画の長さと内容の選定

動画の長さは視聴者の集中力に大きく影響します。一般的に、1~3分程度の短い動画が視聴者にとって見やすく、効果的とされています。特に、SNSやウェブサイトでの活用を考える場合、短時間で施設の魅力を伝えることが求められます。

また、動画の内容は簡潔でわかりやすいものにすることが重要です。施設の全体像を伝えるだけでなく、特にアピールしたいポイントを絞り込むことで、視聴者に強い印象を与えることができます。過剰な情報を詰め込むのではなく、必要な情報を的確に伝えることを心がけましょう。

施設の特徴を引き立てる映像表現

施設の魅力を最大限に引き出すためには、映像表現にも工夫が必要です。例えば、施設内の明るい空間や自然豊かな庭園をドローン撮影で紹介することで、視覚的なインパクトを与えることができます。また、スタッフや入居者の笑顔をクローズアップすることで、温かみのある雰囲気を伝えることができます。

さらに、映像の色調や音楽選びも重要な要素です。柔らかい色調や穏やかな音楽を使用することで、視聴者に安心感を与えることができます。これらの要素を組み合わせることで、施設の特徴を効果的にアピールすることが可能です。

成功事例から学ぶ老人ホーム動画の活用法

成功事例を参考にすることで、老人ホーム動画制作の具体的なアイデアや効果的な活用方法を学ぶことができます。入居者インタビューや施設内ツアー、イベント紹介など、さまざまな形式の動画が成功を収めています。

入居者インタビュー動画

入居者インタビューを取り入れた動画は、視聴者にリアルな声を届けることができるため、非常に効果的です。実際の入居者が施設での生活について語ることで、視聴者に安心感を与え、施設への信頼感を高めることができます。特に、入居者が施設の魅力やスタッフの対応についてポジティブな意見を述べるシーンは、視聴者に強い印象を与えます。

また、インタビュー動画は施設の人間味を伝える手段としても有効です。入居者の笑顔や感謝の言葉を映像で伝えることで、施設の温かい雰囲気を視聴者に感じてもらうことができます。このような動画は、入居を検討している方やその家族にとって大きな安心材料となります。

施設内ツアー動画

施設内ツアー動画は、視聴者に施設の全体像をわかりやすく伝えることができるため、非常に人気があります。例えば、施設のエントランスや居室、共有スペース、庭園などを順番に紹介することで、視聴者に施設の魅力をリアルに感じてもらうことができます。特に、清潔感や快適さを強調する映像は、視聴者に好印象を与えます。

さらに、ツアー動画ではスタッフが案内役を務めることで、施設の雰囲気やスタッフの親しみやすさを伝えることができます。視聴者にとって、実際に施設を訪れたような感覚を味わえるため、入居を検討する際の参考情報として非常に役立ちます。

イベントやアクティビティの紹介動画

施設で行われるイベントやアクティビティを紹介する動画は、入居者の日常生活の楽しさを伝えるために効果的です。例えば、季節ごとのイベントや趣味活動、リハビリプログラムなどを動画で紹介することで、施設での生活が充実していることをアピールできます。特に、入居者が楽しそうに活動している様子は、視聴者にポジティブな印象を与えます。

また、イベント動画は施設の活気やコミュニティの雰囲気を伝える手段としても有効です。家族や友人が参加できるイベントの様子を映像で紹介することで、施設が入居者だけでなくその家族にも配慮していることをアピールすることができます。

動画制作を依頼する際の注意点

動画制作を外部に依頼する際には、いくつかの注意点を押さえる必要があります。制作会社選びや具体的な依頼内容の確認、予算と納期のバランスなど、事前にしっかりと計画を立てることで、スムーズな制作が可能となります。

制作会社選びのポイントを押さえる

動画制作を依頼する際には、制作会社選びが非常に重要です。まず、老人ホームや福祉施設の動画制作に実績がある会社を選ぶことで、施設の特性を理解した上での提案を受けることができます。また、過去の制作事例を確認し、自分たちのイメージに合った動画を制作できるかどうかを判断することが大切です。

さらに、制作会社とのコミュニケーションも重要なポイントです。こちらの要望をしっかりとヒアリングし、柔軟に対応してくれる会社を選ぶことで、満足のいく動画を制作することができます。信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵となります。

依頼前に重要な事項を確認しておく

動画制作を依頼する際には、具体的な事項を事前に確認しておくことが重要です。例えば、動画の目的やターゲット、伝えたいメッセージを明確にすることで、制作会社に的確な指示を出すことができます。また、撮影場所やスケジュール、必要な素材なども事前に共有しておくことで、スムーズな制作が可能となります

さらに、完成した動画の使用範囲や著作権についても確認しておくことが重要です。特に、ウェブサイトやSNSでの公開を予定している場合は、使用条件を明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

予算と納期のバランスを考慮する

動画制作には一定のコストがかかるため、予算と納期のバランスを考慮することが重要です。高品質な動画を制作するためには、ある程度の予算が必要ですが、無理のない範囲で計画を立てることが求められます。また、納期についても現実的なスケジュールを設定することで、制作会社とのスムーズなやり取りが可能となります。

さらに、予算内で最大限の効果を得るためには、優先順位を明確にすることが重要です。例えば、特にアピールしたいポイントに予算を集中させることで、効果的な動画を制作することができます。このように、予算と納期をバランスよく計画することが成功の秘訣です。

まとめ

老人ホームの魅力を伝える動画は、視覚的な情報を活用して施設の雰囲気や特徴をリアルに伝えるだけでなく、入居者やその家族に安心感と信頼感を与える重要な手段です。また、他施設との差別化を図るためにも、動画は非常に有効なツールとなります。成功事例や制作のポイントを押さえ、ターゲットに合わせた効果的な動画を制作することで、施設の魅力を最大限にアピールすることが可能です。これからの時代、動画を活用した情報発信は、老人ホームの選ばれる理由を作るための鍵となるでしょう。

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VIDEO SQUARE編集部

エニキャリがUber Directと連携、共同配送網の対象エリアとキャパ拡大

8ヶ月 ago

ラストマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開するエニキャリは4月7日、Uber Eats Japanのラストワンマイル配達ソリューション「Uber Direct」とシステム連携を開始したと発表した。エニキャリの共同配送パートナーに「Uber Direct」が加わり、共同配送網の対象エリアとキャパシティが拡大した。

エニキャリが提供するラストマイル配送ネットワークは、荷主のECサービスや基幹システムとエニキャリの「ADMS Connect(アダムス コネクト)」を連携し、自動で配送マッチングをする仕組み。​この連携を通じて、エニキャリの共同配送網を利用できるようになる。 ​

「Uber Direct」はパートナー企業の自社ECサイトやアプリで販売している商品を、Uber Eatsの配達ネットワークを活用して配達するラストワンマイル配達ソリューション。​パートナー企業は、自社で配達要員の確保・管理をせず、全国47都道府県で効率的に即時配達を提供できる。 ​

「ADMS Connect」を介したエニキャリの共同配送ネットワークのイメージ
「ADMS Connect」を介したエニキャリの共同配送ネットワークのイメージ

新型コロナウイルスの影響でフードデリバリーやモール型ECサイトの利用が拡大し、その利便性が広く浸透。現在はポストコロナのなかで、飲食・小売業界はブランディング・マーケティング・顧客管理(CRM)を強化する動きが進み、自社ECサイトやアプリ、自社デリバリーの導入が加速しているという。

また、エニキャリの配送ネットワークを利用している企業からも、対象エリア拡大を望む声が多く寄せられていた。こうした市場の変化から、エニキャリは「Uber Direct」との連携を決めた。

宮本和弥

Web広告の新規獲得、CVR+CPO改善を実現するAI+電話を活用したボイスコマースの新サービス「テレAI CPO改善プラン」とは

8ヶ月 ago

AI技術と電話を組み合わせたボイスコマース(音声通販)プラットフォームを開発・提供するテレはこのほど、Web広告の新規獲得におけるCVRを向上させ、CPO改善を支援する新サービス「テレAI CPO改善プラン」の提供を開始した。

AIよる自動応答で電話注文チャネルを構築

「テレAI」は、専用の電話番号に電話し、自動音声に従って「名前」「住所」「個数」を伝えるだけで注文が完了できるボイスコマースプラットフォーム。AIによる自動応答で24時間365日稼働する。自動で注文完了まで対応でき、導入事業者は「電話注文」の販売チャネルを構築できる。

Web広告の新規獲得、CVR向上+CPO改善を実現するAI+電話を組み合わせたボイスコマースの新サービス「テレAI CPO改善プラン」とは
「テレAI」はAIによる自動応答で24時間365日稼働する電話サービス

Web広告からLP(ランディングページ)に到達したユーザーのうち、「注文に必要となるフォームへの入力が面倒・難しくてできない」といった理由による離脱があるのではないかという仮説を立て、LPに「電話注文専用バナー」を設置。その結果、健康食品のLPで実施した実証実験で「注文数が6%増加した」(テレ)と言う。

電話注文を構築することでカゴ落ち防止に成果

テレは「テレAI」の活用方法について、以下の3つを例示している。

  1. 商品LPに電話注文導線を設置しての集客
  2. ユーザーが注文フォームやチャットボットから途中離脱した際のポップアップに「電話でも簡単注文」などと一緒に「テレAI電話番号」を表示し注文促進
  3. 注文入力フォームやチャットボットからの途中離脱後にSMSやメールによるリマーケティング時にテレAIの電話注文導線を設置
Web広告の新規獲得、CVR向上+CPO改善を実現するAI+電話を組み合わせたボイスコマースの新サービス「テレAI CPO改善プラン」とは
離脱防止ポップアップやSMSによるリマインドにも活用できる

「テレAI」はさまざまなSMSリマーケティングツールと連携可能。途中離脱したユーザーへのSMSリマーケティングを実施した実証実験では、「CTR最大286%アップ、SMS送信時のCVRが最大275%アップした」(テレ)と言う。

新プランはバナー作成やスクリプト作成など支援

新たに開始した「CPO改善プラン」では専用バナー作成や応対音声収録、運用に必要な受注確認作業から納品までに必要な業務を一括で提供する。プラン内容は次の通り。

  • 電話注文専用バナーの作成
  • 対応スクリプト作成
  • 自動応答音声の収録
  • 受電した音声の確認
  • 音声不備発生時の顧客への確認作業
  • 受注データ生成と納品

「CPO改善プラン」の費用は初期費用が税別15万円。初期設定費用・バナー制作費用・音声収録費用・スクリプト作成費用などが含まれる月額利用料は税別1万円で専用電話番号1種追加ごとに月額が税別4000円アップする。成功報酬単価は要見積り。

新サービス開始に合わせてキャンペーンを展開。300社限定で、初期費用と月額利用料3カ月分を無料とする。キャンペーンの利用条件は3か月以上の利用と導入事例掲載のためのロゴ提供としている。

鳥栖 剛

TOPPANが人気アニメなどの総合ECモール「Fan-Xross モール」を開設、世界約120の国と地域からの購入に対応

8ヶ月 ago

TOPPANはこのほど、人気アニメなどの作品のグッズを取り扱うECモール「Fan-Xross モール」を開設した。

アニメやゲームなどさまざまなジャンルのグッズを取り扱う総合ECモール。モール内では、多様なジャンル・作品のショップを展開し、幅広いファン層のニーズに応えるという。

TOPPANはこのほど、人気アニメなどの作品のグッズを取り扱うECモール「Fan-Xross モール」を開設した

ショップ第1弾として、東京・JR秋葉原駅構内のエキナカ商業施設「エキュート秋葉原」にTOPPANが4月7日にオープンしたコンテンツの魅力などを発信するショップ「TOPPA!!! BASE AKIBA」と連動した「TOPPA!!!BASE ONLINE STORE」が出店。ECモールでは「TOPPA!!! BASE AKIBA」限定のオリジナル商品を取り扱う。

「Fan-Xross モール」はBEENOSの連結子会社BEENOS Entertainmentが運営を支援。ECサイトはエンタメ特化型ECプラットフォーム構築サービス「Groobee」で構築・運営している。海外販売支援サービス「Buyee」と連携し、世界約120か国と地域からの商品購入を可能にしている。

「Fan-Xross モール」がECプラットフォームとして採用した「Groobee」は、アーティスト・アニメやキャラクターなどのコンテンツに特化したエンターテインメントに最適な機能を搭載したサイト構築サービス。単独型のECサイト構築に加え、アーティストやコンテンツが複数存在するモール型のECサイトに対応している。

TOPPANが人気アニメなどの総合ECモール「Fan-Xross モール」を開設、世界約120の国と地域からの購入に対応
「Fan-Xross モール」はECプラットフォームに「Groobee」を導入
鳥栖 剛

米国コマースメディア広告費、2028年に1,000億ドル超へ

8ヶ月 ago

イーマーケッターの予測によると、アメリカのコマースメディア広告費は2028年には1,000億ドルを超え、デジタル広告費の約4分の1を占めるようになる。コマースメディア広告費のほとんどはリテールメディア広告費だが、リテールメディアの割合は年々低下していく見通し。

US Commerce Media Forecast 2025
https://cloud.insight.insiderintelligence.com/20250318-LiveRamp-Report_RegPageProgPro

noreply@blogger.com (Kenji)

ナルミヤ・インターナショナルのEC売上は2.5%増の87億円、EC化率は22.4%、営業利益は19億円

8ヶ月 ago

子ども服やベビー服などのブランドを展開しているナルミヤ・インターナショナルの2025年2月期におけるEC売上高は、前期比2.5%増の87億7200万円だった。EC化率は同0.4ポイント減の22.4%。

売上総利益は前期と同様で47億2900万円、売上総利益率は0.2ポイント減の53.9%。営業利益は同5.1%増の19億2800万円。会員数は同20.1%増の156万2000人となった。SEO施策が奏功したほか、SNSやWeb広告投資、広告や店舗で獲得したアプリユーザーからの集客が増え、「ナルミヤオンライン」への訪問者数は2ケタ増となった。

EC売上高に占める「ナルミヤオンライン本店」比率は前期比1.5ポイント増の50.8%に向上。上期は自社ECサイトは同16%増、ZOZOが同13%増と好調に推移したが、そのほかのECモールが苦戦。下期は各ECで不調だったとし、純第4四半期は前年割れと厳しい状況だったという。またセール施策により売上総利益率は減少となった。

子ども服やベビー服などのブランドを展開しているナルミヤ・インターナショナルの2025年2月期におけるEC売上高は、前期比2.5%増の87億7200万円だった。EC化率は同0.4ポイント減の22.4%
上期は自社EC・ZOZOが好調も下期は全体的に苦戦(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

他のトピックとして、AI活用による物流業務の効率化や展開するECサイトの拡大などをあげた。物流面ではEC倉庫から他社サイト倉庫への在庫配分にAIを活用。最適な数量を配分し効率化と精度向上を図った。在庫消化促進のための売価変更にもAIを活用し、過度な粗利益棄損を抑え、適正売価の設定を実現した。

国内、海外含めEC販路を拡大。シナジー効果のある「ワールドオンラインストア」へ出店し、EC在庫の共有化も実施。効率的な売上拡大と在庫消化を進めた。越境ECも強化した。各国のECモールを活用しタッチポイントを拡大したほか、マーケティング投資による中長期のグローバルサイト育成を進めている。

子ども服やベビー服などのブランドを展開しているナルミヤ・インターナショナルの2025年2月期におけるEC売上高は、前期比2.5%増の87億7200万円だった。EC化率は同0.4ポイント減の22.4%
国内外で展開ECサイトを拡大させた(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年2月期は自社ECサイトを「メディアコマースサイト」へ再定義

2025年2月期は「ナルミヤオンライン」への訪問者数が2ケタ増えた一方でCVRが悪化、集客に比例した売上増には至らなかったとしている。また、EC専業の競合ブランド増による競争の激化がありEC限定ブランドが伸び悩んだ。

内的要因の反省点として、パーソナライズ強化・CRMなど効果的なマーケティングオートメーションや1to1施策が進まなかったといい、顧客を起点とした社内体制構築は道半ばとした。

こうした点を踏まえ、今期はナルミヤオンライン本店を「メディアコマースサイト」として再定義。CVR改善に向けて「タイパ」を意識した欲しい商品が見つけやすく買えるサイトへUI/UXへの変更を進める。また、越境ECの成長に向けてプロモーション強化を図っていくとした。

鳥栖 剛

越境ECで注目を集める東南アジア。人気の商品・カテゴリや市場概況を解説 | 越境EC 3.0

8ヶ月 ago
越境ECサービス「Buyee(バイイー)」ユーザーのデータなどを踏まえて、人気のカテゴリや商品の購入傾向などをお話しします

インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、ベトナムなどを含み、6億人以上の人口を有する経済圏の東南アジア。経済成長率の高さ、スマートフォン普及率の上昇、キャッシュレス化の進展、物流インフラの整備、政府による支援などを背景に、日本企業による注目度が高まっています。今回は、越境ECにおける東南アジアの概況、人気商品などを解説します。

東南アジアの越境ECは伸長。低単価商品を購入するユーザーが増加傾向に

ASEANの電子商取引は2025年の1336.2億米ドルから、2029年までに1871.6億米ドルまで拡大すると予測されています(参考:statista「eCommerce - Southeast Asia」)

国別に見ると、2022年の1人あたりのGDP(国内総生産)が最も高いのはシンガポール(8万2808米ドル)で、次いでブルネイ(3万7152米ドル)、マレーシア(1万1972米ドル)、タイ(6909米ドル)、最も低いのはミャンマー(1096米ドル)となっています。

シンガポールやブルネイは日本の3万3815米ドルより高い一方、それ以外の国は大きな差がある状況で、国ごとの差が大きいエリアと言えます(参考:外務省 アジア大洋州局「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料」)

BEENOS 越境EC 東南アジア ASEAN各国の1人当たりのGDPの比較
ASEAN各国の1人あたりのGDPの比較(画像は外務省 アジア大洋州局「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料」から編集部がキャプチャし追加)

東南アジアからの2024年の越境EC年間購入金額は、2023年比で120.9%と急成長しています。海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」全体の流通総額は前年比112.5%だったため、約8ポイント上回っています。

また、購入件数は2023年比で139.9%です。購入金額よりも購入件数の伸び率が高いことから、比較的低単価の商品を購入するユーザーが流入し、利用が拡大していると言えるでしょう。

東南アジアの経済成長を牽引するインドネシア、フィリピン、ベトナムといった国々では所得の増えた中間層が拡大し、国内や現地における必要消費だけではなく、越境ECの特長でもある趣味的な消費が拡大していると考えられます。

東南アジアで人気のカテゴリは「トレーディングカード」「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」

「Buyee」の購買データから、東南アジアで購入されている人気商品を見ていきましょう。

2024年に最も購入された商品ジャンルは「トレーディングカード」でした。近年、トレーディングカードは海外需要が拡大してきており、2024年は越境EC全体や北米エリア、ヨーロッパエリアでも購入件数1位でした。

海外市場の拡大傾向に加えて、海外展開を行う事業者が増加したことで海外の消費者も購入しやすい環境が進んだことが理由です。

BEENOS 越境EC 東南アジア Buyeeにおけるエリア別ランキング 東南アジアのトップはトレーディングカード
「Buyee」におけるエリア別ランキング。東南アジアのトップは「トレーディングカード」

最も購入された商品は「ポケモンカードゲーム」です。一時期のような投機的な購入は落ち着きましたが、依然として高い人気を誇っています。

それ以外の人気カテゴリは「おもちゃ・ホビーグッズ」「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」と続きます。東南アジアの特長は「自動車・オートバイ」が上位にランクインしていることで、越境EC全体の購買ランキングでは9位ですが、東南アジアでは3位となっています。

このカテゴリで購入される商品は外装品や内装品、エンジン部品などの「カーパーツ」、カウル、ウインカー、フェンダーなどの「オートバイパーツ」、エンブレム、ステッカー、ナンバーフレームなどの「アクセサリー」の人気が高く「タイヤ・ホイール」「カーオーディオ」がこれに続きます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気商品ランキング
越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気商品ランキング

東南アジアの自動車市場では、日本企業が圧倒的なシェアを持つことが反映されていると考えられます。越境ECでは、「自動車・オートバイ」カテゴリの上位10位のうち、ホンダ、トヨタ、日産など日本企業が9件を占めています。東南アジアでも同様の傾向ですが、パイオニアが3位に浮上し、ダイハツが圏外から4位にランクインするなど若干の変動が見られます。購入国としてはマレーシアのシェアが最も高くなっています。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気メーカーランキング
越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気メーカーランキング

また、越境EC全体では8位だった「スポーツ・レジャー」も東南アジアでは4位にランクインしています。この商品カテゴリでは「釣り」「ゴルフ」「アウトドア」などが人気分野で、東南アジアも同様の傾向です。釣り具はマレーシア、シンガポール、タイ、ゴルフはマレーシア、フィリピン、シンガポールから多く購入されており、購入層では釣り具が「30代男性」、ゴルフは「50代男性」が最多となっています。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける「スポーツ・レジャー」カテゴリの人気商品ランキング
越境ECにおける「スポーツ・レジャー」カテゴリの人気商品ランキング

越境ECで人気の日本ブランドを見ると、ゴルフでは「ミズノ」「本間ゴルフ」「プロギア」「ダンロップ」「三浦技研」などが多く購入されています。東南アジアに絞ってみると、トップ10の顔ぶれに大きな変化はありませんが、10位に「マルマン」が入ります。また、「エポン」「キャスコ」「バルド」といった日本ブランドも、ランキング圏外ではありますが購入されている実績が見られます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける人気ゴルフブランドランキング
越境ECにおける人気ゴルフブランドランキング

釣り具ブランドでは「シマノ」「ダイワ」「メガバス」「ジャッカル」「デプス」「DRT」「エバーグリーン」「デュエル」「ロデオクラフト」など、ここでも日本メーカーが人気ランキング10件中9件を占めています。

越境EC全体と東南アジアに共通する傾向として、上位3ブランドは4位以下のブランドに対して大差をつけています。東南アジア以外のエリアでは「スポーツ・レジャー」カテゴリは5位以内にはランクインしておらず、このエリアの特長の1つと言えます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける人気釣り具ブランドランキング
越境ECにおける人気釣り具ブランドランキング

東南アジアにおける越境ECユーザーの特長と今後の展望

最後に東南アジアの購入者層を見ていきます。2024年に越境ECを利用した東南アジアのメインユーザーは「20~24歳の女性」と「20~34歳の男性」で、特長は女性ユーザー層が拡大したことです。

BEENOSが2020年から公表している海外消費者の購買動向では、東南アジアにおけるメインユーザー層は2020年が「30~34歳男性」、2021年は「35~39歳男性」、2023年は「20~44歳男性」となっており、これまで越境ECは男性を中心に利用されてきましたが、女性ユーザーも増加しました。

東南アジアで越境ECを利用する女性ユーザーが多い国は、上位から順にシンガポール、フィリピン、マレーシアです。フィリピンの1人あたりのGDPは3499米ドルで、シンガポールの8万2808米ドルやマレーシアの1万1972米ドルと比較して高いわけではありません(参考:外務省 アジア大洋州局「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料」)

しかし、世界的にみてジェンダーギャップが少ない国であり、経済力を持つ女性が多いことが背景として考えられます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 東アジアおよび太平洋のジェンダーギャップ指数
東アジアおよび太平洋のジェンダーギャップ指数(画像は『Global Gender Gap Report 2024』から編集部がキャプチャし追加)

越境EC利用の抵抗感が少なく、ショッピングアプリの利用も増加傾向に

2024年にユーザー数が最も伸びた国はシンガポールで、伸長率が最も高かったユーザー層は「19歳以下の男女」です。19歳以下の男女の利用拡大は東南アジアに限らず世界の全エリアにも共通した傾向です。この世代は生まれた時からスマートフォンが普及しており、ECや越境ECの利用にも抵抗感が少ないことが考えられます。

東南アジアでは「Shopee」「LAZADA」といったECモールの利用が多い傾向はありますが、モバイル端末におけるショッピングアプリのダウンロード数ランキングでは、近年「TEMU」「SHEIN」「Taobao」といったアプリが上位にランクインしてきています。

BEENOS 越境EC 東南アジア 東南アジアにおけるショッピングアプリのダウンロード数ランキング
東南アジアにおけるショッピングアプリのダウンロード数ランキング

EC間の競争が激化しつつあるなか、「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」カテゴリでうかがえるように、独自性があり品質の高い日本商品の趣味消費は強固です。

東南アジアエリアは高い経済成長が続くことで所得の増加した中間層が増え、趣味消費の領域で越境ECの利用が急拡大しています。また、20代前半の女性ユーザーが拡大し10代の男女も流入して伸長、そして購買データからは日本ブランドへの愛着も確認できました。

2024年の越境ECの状況をBEENOSでは「趣味大国無双消費」と定義しましたが、東南アジアにおいても趣味大国日本の商品は人気です。東南アジアにおける越境ECの利用は今後も拡大していくことが見込まれます。

直井 聖太

キーエンスがBtoB-ECに参入、新設子会社「メイカーズ」がECプラットフォームFA機器EC「MAKERZ」を展開

8ヶ月 ago

キーエンスがBtoB-ECに参入した。新規事業部門として2024年2月に設立した100%子会社メイカーズがこのほど、自動化・省力化機器(FA機器)を販売する法人向けECサイト「MAKERZ(メイカーズ)」を開設し、運営を開始している。

メイカーズの資本金は1億円。事業内容は自動化・省力化機器などの企画・開発およびECプラットフォームの運営。

キーエンスがBtoB-ECに参入した。新規事業部門として2024年2月に設立した100%子会社メイカーズがこのほど、自動化・省力化機器(FA機器)を販売する法人向けECサイト「MAKERZ(メイカーズ)」を開設し、運営を開始している
メイカーズがECサイトを運営開始(画像は「MAKERZ」のトップページを編集部がキャプチャ)

メイカーズがECサイトで取り扱うFA機器は、「アルミフレーム・接続部品」「直同部品」「回転・駆動部品」「汎用部品」「締結部品」「空圧部品」「油圧・水圧部品」「検査用品」「電気機器」など。CADデータの無料ダウンロードができるほか、見積・注文履歴の確認などもサイト内で利用できるとしている。

メイカーズの強みとしては「ものづくりネットワーク」「生産/品質管理」「ニーズの把握と理解」の3つをあげている。世界中のモノ作りパートナーと連携し、メーカークオリティとコスト競争力を両立。顧客が持つ課題や要望を商品サービスに速やかに反映するという。

「ZINRIKI」という代替品提案サービスを用意し、クライアント企業のコストダウンにも役立てるという。「ZINRIKI」はWeb上で型番や品名を入力するだけで、基本寸法・材質・表面処理などの互換性を確認し、代替商品を提案するという仕組み。同一スペック比で約30%以上のコストダウンにつながるケースもあるという。

メイカーズが求人サイトに掲載した情報によると、フィールドセールスを募集している。主に製造業のクライアント企業を対象に訪問、ECサイトのサービス・戦略商品の紹介および拡販を行うとしている。

鳥栖 剛

「STRIGHT(ストライト)」が実現する、ユーザーのストレスフリーなプライバシー保護とWebサイトの信頼性向上

8ヶ月 ago
Webサイトを訪問したユーザーにとって邪魔なバナーを出さずにプライバシーを保護し、ブランド価値を向上させる新しいツールをインターネットイニシアティブ(IIJ)が解説
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プライバシー保護は重視したいものの、UI/UXの毀損(きそん)や離脱率の上昇といった理由から、ブランドサイトやECサイトで敬遠されてきたCookieバナー。IIJの中西康介氏が、Cookieバナーを巡る最新事情と新戦略について解説した。

IIJ ビジネスリスクコンサルティング本部 ビジネスリスクコンサルティング部 中西康介部長

Cookieバナーの役割と構成

多くのWebサイトでは広告やマーケティング目的で、サイト訪問者の行動データを取得している。Cookieバナーは、この事実をユーザーに通知し、望まない場合にデータ収集を停止させる機能を提供するためのものだ。

Cookieバナーの構成は、2層になっている。サイト訪問時に表示される「第1層バナー」では概要を表示し、行動データの取得について同意するか拒否するかを選択する。「第2層バナー」ではより詳細な情報を提供し、目的ごとに同意管理を行う。

Cookieバナーの構成
Cookieバナーの構成

これらは、各国の法域によって表示内容や実装方法が異なるため、一般的には訪問者のグローバルIPアドレスからアクセス元を判定し、その国の法律に適したバナーを自動で表示する仕組みが採用されている。

ブランド/ECサイトにおけるCookieバナー導入の課題

IIJの調査によると現在、国内では約4,200ドメインにCookieバナーが導入されており、その8割をIIJが支援しているという。これらの多くはコーポレートサイトであり、サービスや製品を紹介するブランドサイトやECサイトでのCookieバナー導入は一部にとどまる。ユーザーの行動データを取得しているにもかかわらず、詳細な説明や処理を停止する機能が提供されていないのが実情だ。

Cookieバナーの導入状況
Cookieバナーの導入状況

なぜCookieバナーの導入が進まないのか。その理由はいくつかある。

まず、Webサイトのデザインがバナーによって損なわれてしまう点だ。バナーが表示されることで、ユーザーの離脱率が上がる可能性がある。さらに、ユーザーが拒否を選択した場合、コンバージョンなどの測定ができなくなってしまう。こうした懸念があるため、「法的義務がない限りCookieバナーを導入したくない」と考える担当者は少なくない。

電気通信事業法では、情報発信サイトやSNSといった4類型に該当する電気通信事業を営む事業者は、Cookieなどの外部送信サービスに関して、利用者情報や利用目的などを通知または公表する義務があるが、バナー表示は必須ではない。つまり、日本においては、ほとんどのWebサイトでCookieバナーの導入は義務ではない。

しかし、法的義務の有無によらず、積極的に情報開示を行う透明性の確保と、嫌な場合はいつでも拒否できるようにする「本人関与機会の提供」は必要だ。(中西氏)

IIJ ビジネスリスクコンサルティング本部 ビジネスリスクコンサルティング部 中西康介部長
IIJ ビジネスリスクコンサルティング本部 ビジネスリスクコンサルティング部 中西康介部長

不適切なバナーは改善を

大事なのは「知らないうちに自分のデータが収集された」「Cookieを拒否したいのにこのWebサイトではそれができない」というように、利用者が嫌な思いをしないようにすること。プライバシーをしっかり保護している企業であることを伝えるためには、Cookieバナーを積極的に出すことも有効だ。

しかし、出せば良いというものではない。たとえば以下の図のように、同意が強調されていて同意に誘導されているようなデザインや、ユーザーに拒否権がないバナー。欧州ではこのようなCookieバナーを規制しているが、日本国内ではまだ多く見られるという。

不適切なCookieバナーの例
不適切なCookieバナーの例

また、「Safari」ではCookieが24時間で削除されるため、「昨日同意したのに、今日もバナーが出る」といったことが起こり、これが続くと利用者の「同意疲れ」につながり、同意が形骸化してしまうという問題が生じる。

中西氏は「こうした形骸化がダークパターンを助長する一因になっている」と話す。ダークパターンとは、ユーザーを意図しない行動に誘導するデザインやUIのことで、解約をわざと複雑にしたり、不要なオプションをこっそり購入させたりすることを指す。「Cookieを取得して欲しくない」と考えるユーザーが、簡単に停止できないWebサイトもこのダークパターンに含まれる

Cookie取得を容易に停止できないWebサイトはダークパターンと判断される
Cookie取得を容易に停止できないWebサイトはダークパターンと判断される

ダークパターン対策とNDD認定

一般社団法人ダークパターン対策協会は、誠実なWebサイトを認定する制度「NDD(Non-Deceptive Design)認定」を2025年7月から開始する予定。中立な第三者が審査を行い、基準を満たしたWebサイトに対し、改ざん不可能な認定ロゴマークを付与する。企業の透明性向上を促し、消費者が安心して利用できる環境の整備をめざす制度だ。

有識者や消費者庁、総務省をはじめとする政府関係者が策定した「ダークパターン対策ガイドライン」では、目的ごとに同意の撤回が容易にできることが必須条件になっており、Cookie取得についても対応を求めている

ダークパターン対策の取り組み
ダークパターン対策の取り組み

ダークパターン対策協会は、問題のある企業が繰り返し不適切な手法を用いている場合、消費者庁や国民生活センター、公正取引委員会に通報する仕組みを設けている。今のうちにガイドラインに沿ったCookie同意管理ツールの導入をお勧めする。(中西氏)

「バナーを出さない」という新たな選択肢

このような状況を踏まえ、IIJではプライバシー保護とWebサイトの利便性の両立をめざす方法を模索してきた。たどり着いたのが、「サイト訪問時にバナーを出さない」という方法だ。Cookieバナーを導入すると、必ずサイト訪問時にバナーが出るという印象だが、「NDD認定」のガイドラインでは、バナーは必ずしも出さなくても要件を満たせることがわかった。

出さないバナーの概要
「出さないバナー」の概要

たとえばフッターに「プライバシー設定」という文言を配置し、そこをクリックすれば、詳細設定が可能なバナーがポップアップするといった設定にして、サイト訪問時にはバナーを出さない――。これであれば、目立つことなくプライバシー保護を実現できる。利用者もストレスフリーで、気になったときにはすぐに詳細説明を見ることができ、嫌であればいつでも処理を止められる

出さないバナーは三方よしの解決策
出さないバナーは三方よしの解決策

新しいプライバシーツール「STRIGHT(ストライト)」とは

IIJはこの「出さないバナー戦略」に対応した、従来のCookieバナーに代わる新しいプライバシーツール「STRIGHT」を開発した。

IIJは創業以来、インターネットの安心と安全を守ってきた。高い品質のインターネット接続システム開発、セキュリティ対策、そしてプライバシー保護を「当たり前品質」で提供してきたIIJが、これまでの知見を結集して開発したのが「STRIGHT」だ。(中西氏)

「STRIGHT」には6つの特長がある。

①カスタマイズ自由度の高いバナー

第1層(同意バナー)、第2層(プライバシー設定バナー)ともに、「GDPR(EUが個人データの保護を目的に制定した法令)」や「CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)」など、各法規に合わせた柔軟な設定が可能。「STRIGHT」独自の機能として、国や年齢など特定の条件に合った訪問者だけをアクセス可能にする「サイトフィルタリングバナー」を標準装備している。

「STRIGHT」のサイトフィルタリングバナー
「STRIGHT」のサイトフィルタリングバナー

②電気通信事業法・外部送信規律対応

改正電気通信事業法による外部送信規律(日本版Cookie規制)に対応できるよう、バナーによる通知と、情報開示用ページを動的に作成する機能を有する。

外部送信規律対応の通知機能と公表機能
外部送信規律対応の通知機能と公表機能

③Cookieレス時代に対応した外部送信サービスの検知・特定

「STRIGHT」はCookieだけでなく、すべての外部送信サービスを検知・制御できる。これにより、将来新しいトラッキング技術が出きた際にも対応可能だ。特定した外部送信サービスは「STRIGHT」のサービス辞書と自動突合される。

④グローバル対応

「STRIGHT」はGDPRやCCPAなど世界各国の法規制にも対応することをベースに作られているため、法域に応じた出し分け設定が簡単に行える

⑤使いやすいテンプレート

IIJには各国のプライバシー保護やデータ保護に関する法規制を調査する専門チームがあるため、新たな法規制が出てきた場合は速やかにテンプレートに反映していく。これにより、常に最新の法規制に対応したテンプレートを利用できる

⑥便利な管理機能

ダッシュボードでバナーの同意率、拒否率、訪問者数を確認できるほか、複数の承認段階を設定できるワークフロー機能を標準搭載しており、厳密な変更管理が行える。また、外部送信サービスのスキャン時には、同時にマルウェアの検知やリンク切れの確認も行う

IIJによる新しいプライバシーツール「STRIGHT」
IIJによる新しいプライバシーツール「STRIGHT」(https://www.bizris.com/STRIGHT/jp

年額10万円台前半から導入できるプライバシーツール

料金はライセンスとサポートで構成されている。ライセンスはドメインごとに必要となり、契約期間は12か月。料金は1日あたりの平均訪問者数が50万までのサイトで年額10万円台前半程度(平均訪問者数が50万以上の場合は、訪問者数に応じた段階課金)。

サポートに関しては、ライセンスを購入すると無償で閲覧可能なサポートコンテンツと、有償のオプションサポートがある。

プライバシー保護やデータ保護規制対応の専門家集団による「STRIGHT」のサポートメニュー
プライバシー保護やデータ保護規制対応の専門家集団による「STRIGHT」のサポートメニュー

世界各国でさまざまなサービスを提供するIIJは、これまで620社以上のコンサルティング実績と800社以上のCookieバナーの導入実績を持つ。加えて、4000社以上が利用している国内外のプライバシー保護規制への対応支援サイト「BizRis(https://portal.bizrisk.iij.jp/)」も運営している。

BizRisの調査チームは世界各国の最新動向を毎日モニタリングしており、「世界のプライバシー保護規制調査レポート」を6か月ごとにアップデート・発信している。豊富な知見やノウハウをSTRIGHTに還元しており、ユーザー企業が独自のチューニングをすることなく、簡単・適切に導入できるサポート体制をすでに構築している。

Cookieバナーツールの運用には、ライセンス費用だけでなく、法律要件や技術要件に関する調査検証など多くのコストが発生する。IIJの最大の強みは、単なる“ツール屋”ではなく、技術的知見はもちろん、法規制や各国の実装方法など豊富な知見を持つ専門家集団が、「STRIGHT」の導入・運用を多角的にサポートできる点にある。その結果、トータルコストを最小限に抑えながら、スムーズに導入、運用できる。(中西氏)

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大村 マリ

4月は情報迷子が増える、知ってた? 若手社員の8割がメールやチャットの多さに「情報の混乱」経験あり

8ヶ月 ago

ヌーラボが調査した「若手社員の戸惑いとチームワークマネジメントの実態」の調査結果によると、約8割の若手社員がメールやチャットの通知過多で情報の混乱を経験したことがあることがわかった。また、そのうち「通知が多すぎて確認漏れが発生する」と回答した割合は約3割もあった。

調査期間は2025年1月27日。調査対象は20歳~25歳の若手ビジネスパーソン600人。

社内外の関係者とメールやビジネスチャットなどで連絡を取る際に困った経験があるか聞いたところ、「困った経験あり」が79%、「困った経験なし」が20.9%だった。

メールやビジネスチャットなどで連絡を取る際に困った経験(画像はヌーラボの発表資料から追加)
メールやビジネスチャットなどで連絡を取る際に困った経験(画像はヌーラボの発表資料から追加)

どのようなことに困っているかは、「通知が多すぎて確認漏れが発生する」が最多の30.4%だった。続いて「重要な情報が埋もれて見逃してしまう」が25.9%、「やり取りの履歴や必要な資料を探すのに時間がかかる」が24.4%だった。

仕事でメールやビジネスチャット使用時に困っていること(画像はヌーラボの発表資料から追加)
仕事でメールやビジネスチャット使用時に困っていること(画像はヌーラボの発表資料から追加)

1週間でどれくらいの時間を資料や履歴探しに費やしているか聞いたところ、「30分以上1時間未満」が30.4%、「1時間以上1時間半未満」が12.5%、「1時間以上2時間未満」が4.5%、「2時間以上」が2.5%だった。合計すると、約50%が1週間に30分以上費やしていることがわかった。年換算すると、26時間以上が「資料を探す時間」として失われている計算になる。

1週間で資料や履歴探しに費やしている時間(画像はヌーラボの発表資料から追加)
1週間で資料や履歴探しに費やしている時間(画像はヌーラボの発表資料から追加)

Excelを使用したデータ管理で不便を感じたことがあるか聞いたところ、「不便を感じた経験あり」が60.5%、「不便を感じた経験なし」が39.5%だった。多くの人が不便を感じているのは、「ファイルの容量が大きくなると動作が遅くなる」が22.3%、続いて「複数人による同時編集ができない」が20.3%、「データの最新バージョンが分からなくなる」が16.8%だった。

Excelを使用したデータ管理で不便を感じたことがあるか(左)、不便を感じた理由(右)(画像はヌーラボの発表資料から追加)
Excelを使用したデータ管理で不便を感じたことがあるか(左)、不便を感じた理由(右)(画像はヌーラボの発表資料から追加)

個々のタスク管理にだけでなく、異なる所属や組織を超えたメンバーが共通の目標に向かい、効率的に業務を進めるための手法「チームワークマネジメント」が職場で実践されているか聞いたところ、最も多かったのは「一部は実践されているが課題がある」で29.2%。続いて「わからない」が28.5%、「ほとんど実践されていない」が21.0%だった。「十分に実践されている」と回答したのは10.5%だった。

職場でチームワークマネジメントが実践されているか(画像はヌーラボの発表資料から追加)
職場でチームワークマネジメントが実践されているか(画像はヌーラボの発表資料から追加)

調査概要

  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査期間:2025年1月27日
  • 調査対象:20歳~25歳のビジネスパーソン600人
大嶋 喜子

AOKIグループ、2026年度から年間休日数を現行110日から10日増加して120日へ。ワークライフバランスの充実と従業員の健康維持・増進

8ヶ月 ago

AOKIホールディングスは2026年度から、年間休日数を現行の110日から10日増加し、120日にすると発表した。

AOKIホールディングスは、重要な経営課題に従業員1人ひとりが能力を十分に発揮できる環境作りを掲げる。ワークライフバランスの充実と従業員の健康維持・増進を推進しており、年間休日数の増加は生産性向上と創造性発揮につなげる取り組みの一環。

年間休日数の増加により、従業員の休息時間確保による心身のリフレッシュを促す。従業員はこれまで以上にプライベートな時間を充実させることができるようになり、仕事へのモチベーション向上が期待されるとする。

AOKIグループはこれまでも、産業医や健康保険組合などの外部機関と連携しながら、ワークライフバランスの充実と健康維持・増進を目的とした健康経営を推進してきた。

日本企業の働き方改革への意識が高まるなか、政府の調査(2024年)によると、日本企業の平均年間休日数は112.1日となっている。AOKIグループを含めた小売業界は、同調査において業種別で13位。AOKIホールディングスは「依然として改善の余地がある状況」としている。

年間休日数増加の概要

  • 年間休日数:120日(年次有給休暇、特別休暇を除く)
  • 対象者:AOKIグループ正社員(AOKIホールディングス、AOKI、快活フロンティア、アニヴェルセル)
  • 開始日:2026年3月11日
大嶋 喜子

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