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ブランドオフ、オランダ本社のオンラインマーケットプレイスに出品で欧州市場を開拓

7ヶ月 4 週間 ago

コメ兵ホールディングスグループの傘下で、中古ブランド品のバッグや時計などの小売・買取・卸売事業を展開するK-ブランドオフは4月14日、オランダ企業のCatawiki B.V.が運営するオンラインオークションサイト「Catawiki(カタウィキ)」に出店すると発表した。欧州の新規顧客層の獲得、ブランド認知度アップを狙う。

「Catawiki」は毎月1000万人以上が訪問するECプラットフォームで、K-ブランドオフは自社が成長するための戦略的なプラットフォームと捉えている。欧州市場でヴィンテージアイテムへの需要が高まっており、K-ブランドオフの取り扱い商品との親和性が高い。出店を皮切りに、他の販路や実店舗への集客効果も見込む。

K-ブランドオフはこれまで、欧米市場へは越境EC事業を展開してきたが、欧州におけるブランド認知度や顧客基盤はまだ十分に広がっていなかった。これまでの越境EC、海外各拠点で培ったノウハウを基盤を「Catawiki」出店店舗に活用する。

Catawiki B.V.の執行役員であり、ラグジュアリー部門を統括するJan van Diermen(ヤン・ヴァン・ディエルメン)氏は、ブランドオフの出店に関して次のようにコメントを発表している。

「Catawiki」を通じて、欧州全体にわたる購買意欲の高い「Catawiki」ユーザーへの展開だけに止まらず、K-ブランドオフの国際的な成長に必要な専門知識や市場に関する情報を積極的に提供していきたい。

「Catawiki」では毎週100万件以上の入札があり、10万点以上のアイテムをオークションにかけているという。

大嶋 喜子

ニューバランス、ECサイトで学生・教職員向けプログラムを導入。対象者は10%割引+送料無料

7ヶ月 4 週間 ago

ニューバランスジャパンは自社ECサイト「ニューバランス公式オンラインストア」で、学生と教職員をサポートする「学生・教職員割引プログラム」を導入した。学生や教職員が同プログラムを利用して買い物をする際、対象商品を10%割引かつ送料無料とする。

「学生・教職員割引プログラム」を自社ECサイトに導入した
「学生・教職員割引プログラム」を自社ECサイトに導入した

対象は16歳以上の日本国内の高校、短大、大学、大学院の学生と、短大、大学、大学院の教職員。高校教職員は除く。

対象商品を10%割引かつ送料無料で提供する
対象商品を10%割引かつ送料無料で提供する

同プログラムをユーザーが利用する際の流れは次の通り。

  1. 専用サイトから認証フォームへ情報を入力
  2. 認証完了後にクーポンコードを取得
  3. 購入時、ショッピングカート内のクーポン入力欄にクーポンコードを入力

ユーザーによる認証は申請時から毎年3月31日23:59まで有効とし、新年度(4月1日 0:00)に情報をリセットする。同プログラムの対象者は新年度に再度申請することもできる。

申請は米国SheerIDのサイト内となる。SheerIDは、認証プロセスを通じて割引の対象となる顧客を確認するためにニューバランスジャパンが提携している第三者サービスを提供する事業者。

クーポンコードの使用回数は5回まで、1回の注文につき上限は税込7万円。

大嶋 喜子

トランプ関税で越境ECに与える影響は? 「日本商品を輸入するよりも米国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念」

7ヶ月 4 週間 ago

越境EC支援のワサビは、米国のドナルド・トランプ大統領が発表した新たな相互関税に関する事業者の意見やアンケート結果を公表した。

調査対象はワサビが提供しているEC一元管理システム「WASABI SWITCH」を利用している13社。調査期間は2025年4月3日から4月8日。

相互関税が導入された場合の感想について、海外販売(越境EC)を展開している事業者からは、次のような声があがった。

  • 価格調整やお客さまへの説明が必要となり手間が増える
  • 関税支払い拒否が増えることが懸念される
  • 将来のビジネス環境に不安を感じる
  • 現状を見守るしかない
  • ピンチをチャンスと捉え、次の戦略を考える

相互関税とは、貿易相手国が特定品目に課している関税率が、自国で同じ品目に課す関税率よりも高い場合、その不均衡を是正するために相手国と同等の関税率を課す仕組み。トランプ米大統領は4月2日、日本からアメリカへの輸出品に対して約24%の相互関税を適用すると発表した。

海外販売における関税とは、輸入品に課される税金であり、主に国内産業を保護する目的で導入されている。日本から海外へ商品を輸出する場合、一般的に関税は商品を購入したバイヤーが支払う。

そのため、商品を購入するバイヤーは、日本から商品を購入し配送業者へ関税を支払う際に、従来よりも高い関税が課されるケースが増える可能性がある。その結果、日本の商品を輸入するよりもアメリカ国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念される。

トランプ関税で越境ECに与える影響は? 「日本商品を輸入するよりも米国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念」
関税の仕組み

こうした状況下で日本のEC販売業者がアメリカのEC事業者と競争するには、商品の差別化やオリジナリティの強化がこれまで以上に重要になると予測される。

相互関税がスタートした場合、EC事業者は対応策を次のようにあげている。

  • アメリカ以外の市場にチャレンジしていく
  • 現在はそのまま運営を続けるが、売れる越境ECの比重を変更していく
  • 製品の原産国や輸出入時の分類によって異なるため、今後の動向を注視していく
  • 特に変える予定はない

現在、日本から輸出される800ドル以下の商品についてはデミニミスルールが適用されているため、関税支払いが免除されている。一方で、トランプ大統領の中国へのデミニミスルール停止措置に関する大統領令に署名。米東部時間5月2日午前0時01分からデミニミスルールは適用されなくなる。事業者は市場情報をいち早く収集し、柔軟な対策を講じる必要がある。

宮本和弥

「ファミマオンライン」にクラダシが出品、フードロス削減を軸に訴求

7ヶ月 4 週間 ago

フードロス削減EC「Kuradashi」を手がけるクラダシは4月15日、ファミリーマートが運営するEC「ファミマオンライン」に出品する。

クラダシはフードロス削減をめざし、賞味期限が切迫した食品や季節商品、パッケージの汚れやキズ・自然災害による被害などが原因で、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、「Kuradashi」で販売している。

ファミリーマートもフードロス削減目標を掲げ、「エコ割」の実施や「てまえどり」の推奨など、長持ちする商品の開発、規格外の食材を使用した商品の開発などを展開している。

クラダシとファミリーマートはフードロス削減の取り組みに対して互いに賛同。最初の取り組みとしてファミリーマートが運営するEC「ファミマオンライン」にクラダシが商品の出品を開始する。

第1弾商品は4月、賞味期限が近づいてしまったり、パッケージの印字ミスや少しの傷などでまだ食べられるがフードロスとなってしまう商品を20点以上詰め合わせた「ロスおたすけセット」を税込3980円で販売する。自社ECサイト「Kuradashi」にて定期購入で提供しているセット商品をファミマオンライン限定で、1回から購入できるセットとして用意した。

売り上げの一部は「クラダシ基金」として、地方創生や食育の支援などに活用する。5月以降も「ロスおたすけセット」の継続販売や商品ラインナップの拡充を検討しているとしている。

鳥栖 剛

企業倒産件数が1万件超え。「人手不足」「物価高」が中小企業の経営を直撃【2024年度】

7ヶ月 4 週間 ago

帝国データバンクが実施した企業倒産件数に関する調査によると、2024年度の倒産件数は前年度比13.4%増の1万70件となり、3年連続で前年度を上回った。主な倒産の理由は物価高で、人手不足、追加利上げといった状況も中小企業の経営を直撃していると見られる。調査対象の倒産は負債1000万円以上の法的整理が対象。

2024年4月-2025年3月の倒産動向
2024年4月-2025年3月の倒産動向

2024年度の倒産件数1万70件は、2013年度の1万102件以来、11年ぶりに1万件を超えた。負債5000万円未満の倒産が2000年度以降で最多になるなど、中小零細規模の倒産が増加した。

負債総額は前年度比7.5%減の2兆2525億7200万円。3年連続で2兆円を超えた。

倒産件数と負債総額の推移
倒産件数と負債総額の推移
年度別の倒産件数と負債総額
年度別の倒産件数と負債総額

倒産動向を見ると、「物価高倒産」は同10.5%増の925件。2000年からの集計開始後、初めて900件を超えて過去最多となった。業種別では「建設業」が254件(前年度比27.5%増)で最も多く、続いて「製造業」が180件(同19.5%増)、小売業が165件(同17.8%増)だった。

「物価高倒産」件数推移(左)、業種別内訳(右)
「物価高倒産」件数推移(左)、業種別内訳(右)

企業倒産を単月ベースで見ると、2025年3月は875件発生。517件だった2022年5月から35か月連続で前年同月を上回るなど、戦後最長の連続増加記録を更新している。この状況について帝国データバンクは、「小規模企業を中心に、物価高、賃上げ、人手不足、追加利上げ、価格転嫁難など、コスト増につながる懸念材料が山積するなか、企業倒産は緩やかに増加した」と解説している。

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売り上げが大きく減少した中小企業に対し、実質無利子・無担保で融資した「ゼロゼロ融資」の返済が滞って引き起こされた倒産は680件(同2.7%減)。集計開始後、初めて前年度を下回った。この倒産は、業種別では「建設業」が最も多い143件(同21.0%増)で、続いて「サービス業」が131件(同19.3%増)、「小売業」(同17.8%増)が121件。「不良債権(焦げ付き)」に相当するゼロゼロ融資の喪失総額は推計で約1244億7400万円となった。

「ゼロゼロ融資後倒産」件数の推移(左)、業種別内訳(右)
「ゼロゼロ融資後倒産」件数の推移(左)、業種別内訳(右)

倒産件数は全業種で前年度を上回った。なかでも、「建設業」「製造業」「小売業」「運輸・通信業」「サービス業」「不動産業」の6業種は過去10年で最多。倒産件数が最も多かったのは「サービス業」で、前年度比20.6%増の2638件だった。続いて「小売業」が同12.5%増の2109件、「建設業」が同10.5%増の1932件だった。

「製造業」は7年ぶりに1000件を超えた。原材料価格の高騰が収益圧迫の要因となりやすいことから、製造業のなかでも「繊維工業、繊維製品製造業」の倒産が104件だったという。小売業では、物価高の影響を受けた「飲食店」の倒産が901件となっており、2000年度以降で最も多かった。

業種別の倒産件数と構成比
業種別の倒産件数と構成比

主因別に見ると、「販売不振」が8261件(同17.6%増)で最も多く、全体の82.0%(同2.9ポイント増)を占めた。49件(同11.4%増)の「売掛金回収難」と、16件(同6.7%増)の「不良債権の累積」などを含めた「不況型倒産」の合計は8389件(同17.2%増)。

「設備投資の失敗」は46件(同21.1%増)で、3年連続で前年度を上回った。

倒産主因別の件数と構成比
倒産主因別の件数と構成比

倒産態様別に見ると、破産と特別清算を合わせた「清算型」倒産の合計は9804件(同13.6%増)で全体の97.4%を占めた。民事再生法、会社更生法にのっとった倒産である「再生型」倒産は266件(同6.0%増)だった。

「清算型」の倒産で最も多かったのが「破産」で9435件(同13.2%増)。「特別清算」は369件(同24.2%増)で、2005年度の373件に次いで過去2番目に多かった。

「再生型」の倒産では、「会社更生法」が13件、「民事再生法」が253件だった。このうち個人が198件、法人が55件だった。

態様別の倒産件数と構成比
態様別の倒産件数と構成比

負債額を事業者の規模別に見ると、「5000万円未満」の倒産が6122件(同16.9%増)で、2000年度以降で最多となり、中小零細規模の倒産が目立った。「100億円以上」は9件(同52.6%減)と2000年度以降で初めて10件を下回った。

資本金を規模別に見ると、「個人+1000万円未満」の倒産が7153件(同16.0%増)で、全体の71.0%を占めた。

資本金規模別の倒産件数と構成比
資本金規模別の倒産件数と構成比

業歴別に見ると、「30年以上」が3210件(同13.2%増)で最も多く、全体の31.9%を占めており、2013年度(3101件)以来11年ぶりに3000件を上回った。このうち、老舗企業(業歴100年以上)の倒産は152件(同42.1%増)。

業歴10年未満の「新興企業」は3106件(同15.0%増)と、2000年度以降で最多を記録した。内訳は、「3年未満」が385件(同7.2%増)、「5年未満」が714件(同13.2%増)、「10年未満」が2007件(同17.2%増)。

内訳を業種別に見ると、最多は「サービス業」で1035件(同22.9%増)、続いて「小売業」が779件(同18.9%増)、「建設業」が602件(同12.1%増)だった。

業歴別の倒産件数と構成比
業歴別の倒産件数と構成比
大嶋 喜子

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上

7ヶ月 4 週間 ago

フェリシモの2025年2月期決算は、当期純損益が黒字転換した。神戸ポートタワーの運営など新たな事業領域の開発と育成に取り組むと同時に、収益性の強化を進め大幅な増益を達成した。

連結売上高は前期比0.5%減の294億4900万円。営業損益は7000万円の黒字(前期は9億3100万円の赤字)、経常損益は2億2700万円の黒字(前期は6億1200万円の赤字)、当期純損益は1億3600万円の黒字(前期は8億5800万円の赤字)となった。

主力の「定期便事業」売上高は同0.6%減の269億2300万円。「ファッション」ジャンルが前期を上回ったが、「生活雑貨」「手作りキット・レッスン」などのカテゴリーが減少となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
定期便のファッションジャンルは前期を上回った(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

フェリシモの「定期便事業」は、「顧客数」「購入単価」「購入頻度」を主要なKPIとして計測、評価している。2025年2月期について、延べ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客1人あたり購入頻度(回数)が増加した。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
のべ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客一人当り購入頻度(回数)が増加した(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

顧客数

社会貢献型プロジェクトや防災提案、新社会人向けメディアの立ち上げなど、新たな層へのアプローチを実施。下半期からは新たな顧客層の開拓、継続 顧客の定着率が改善するなどしたが、通期では延べ顧客数が前期比で4.4%減となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
顧客数は通期で前期比4.4%減に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

購入単価

「ファッション」カテゴリーの主力ブランドの復調に加え、戦略商品の投入が奏功したことにより、平均購入単価は前期対比で3.7%増となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
購入単価は前期比3.7%増に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

購入頻度

顧客1人あたりの購入頻度(回数)は前期対比で2.1%増。購入頻度の高い顧客の構成比が前期を上回り、顧客との継続的な関係育成の面で良い状態を保つことができたという。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
購入頻度も前期比で2.1%増となった(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年2月期も大幅増益へ

2026年2月期については「顧客基盤の拡大」と「顧客との継続的な関係育成」を進め、神戸ポートタワー事業やリテールメディア事業など「第2の収益の柱の育成」をさらに加速させて増収・増益をめざす。

今期の売上高の見通しは前期比3.7%増の305億3100万円、営業利益は同94.1%増の1億3700万円、経常利益は同7.3%増の2億4300万円。当期純利益は同31.9%増の1億7900万円としている。

鳥栖 剛

花王が公式オンラインショプ「My Kao Mall」を含む計7サイトにハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入

7ヶ月 4 週間 ago

花王は、公式オンラインショプ「My Kao Mall」を含む花王グループの計7サイトにハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入した。

人気のキーワードの掲出などを実装

花王は、「My Kao Mall」のほかに、花王グループが運営する公式オンラインショップ「est(エスト)」「KANEBO(カネボウ)」「LUNASOL(ルナソル)」「RMK(アールエムケー)」「SUQQU(スック)」「athletia(アスレティア)」に「ZETA HASHTAG」を導入した。

花王は既にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入している。「ZETA HASHTAG」の導入で、製品同士の連携によるシナジー効果を期待しているという。

花王 est
花王グループが運営する公式オンラインショップの1つ「est」(画像は「est」からキャプチャ)

「人気のキーワード」として、「My Kao Mall」でよく検索されているキーワードや最新のトレンドワードをTOPページに掲出する。ユーザーにサイト内の回遊を促し、新たな商品との出会いを創出につなげる。たとえば、「うるおい」「保湿」「医薬部外品」「透明感」「無香料」といったキーワードがよく検索されている場合やトレンドワードだったケースに、そのワードを「人気のキーワード」として掲出する。

花王 「人気のキーワード」を掲出し、セレンディピティな購買体験を創出につなげる
「人気のキーワード」を掲出し、セレンディピティな購買体験の創出につなげる

商品検索結果ページや商品詳細ページに関連キーワードを表示する。ユーザーがハッシュタグ経由で興味のあるページに直感的な操作で素早くアクセスできるようにすることで、サイト内の回遊率、UI向上につなげるという。

花王 ハッシュタグを軸とした直感的なアクションでUI向上につなげる
ハッシュタグを軸とした直感的なアクションでUI向上につなげる

「ZETA HASHTAG」とは

主にECサイトなどWebサイトのなかの説明文やカスタマーレビューのようなテキスト情報をAIで解析し、関連するキーワードを抽出してLP(ランディングページ)を自動生成するソリューション。ECサイトでは、商品の見た目の形状、使い方などに関連するテキストタグを活用して商品検索ができる。

ZETA HASHTAG 特許取得
「ZETA HASHATAG」について(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「EC業界は20年以上経ったから成長しにくい」なんてもう言わない! 売上・利益・幸福度を上げるために今やるべきこと | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

7ヶ月 4 週間 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年3月15日~4月11日のニュース

「#今日も骨になるまで働きましょう」と、ドラマ「社畜人ヤブー」のごとく今日もバリバリ働く皆さまこんにちは! 個人的には嫌いな人種ではないのですが、人とのギャップに心が折れてしまうことが多いですよね。さて、今の業務は適切でしょうか? 最近いつ、業務やモールの取捨選択、今力を入れるべき場所はどこなのかなどを熟考したでしょうか? 「昔からこのやり方だから」と言って、同じことをずっとやり続けてはいないでしょうか? 技術も進歩しているし、世代も時代も大きく変化しているので、それらを適切かどうか判断することが大切です。これ、私も苦手な業務でした。非常にめんどうくさいですよね! ただ、めんどうくさいことだから”重要”です!

「自分たちが幸せになれる形」をめざして、「力配分の見直し」を行う

EC成熟期で重要なことは「力配分の見直し」。伸びしろを探せば、まだまだ成長できる! | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13648

ですから、必要以上に膨れたEC事業のカオス度合いを減らしてシンプルにし、伸びていく成長分野に投資をしていく。自分たちが幸せに商売できる規模を意識しつつ、事業を育てていく。いわゆる「力配分の見直し」が大切なのではないかと私は考えています。

数年前までECを運営していた者として、非常に共感が持てます。負荷をかけすぎて組織が崩壊する、過去の「なんとなく」の感覚で「できる・できない」を判断する、「昔はこうだった」という話をしてしまう組織や会社ってよく聞く話ですね。今の時代や今の売上規模に合う形にするために、しっかり断捨離することも重要です。

特に「いいなぁ」と思ったことは、「自分たちが幸せになれる形」。これがすごく重要だと思っています。「何の為に売り上げを伸ばしているのか」――これは会社や組織のミッションにもよります。けれど、売り上げを伸ばすためにお互いが不幸になる選択肢を選んでいないでしょうか? 成長過程において成長痛は大事ですが、不必要な負荷がかからないようにするためにも「力配分の見直し」は重要ですね。

自分たちにとっての当たり前だけで「やりつくした」「規模を広げるしかない」と判断するのは、もったいないことかもしれません。

私が規模の拡大よりも力配分にフォーカスしている理由は、伸びしろを埋もれさせているお店があまりに多いと感じているからなのです。

「成熟期」という言い方もありますが、「『成熟期』だと思うから『やりつくした』『規模を広げるしかない』と判断してしまう」と個人的には考えています。15年ほどECに携わっている人間として、「2000年前後から始めたEC事業者が、売り上げが伸びない時に使いたくなる言い訳」だと自分に言い聞かせています。

前回の記事でも書きましたが、業務の整理もこれに値すると思っています。力分配をしっかり行うために、きちんと業務や作業の分析をする。先月の繰り返しになりますが、自分たちを知ることは非常に重要だと思っています。

「マンダラ図」に沿って事業を俯瞰(ふかん)し、不調の根本原因や伸びしろを特定して改善していくと、無理なく自然な形で事業を次のステージに進める取っかかりが見えてくるのです。

これが前半でお伝えした、「大規模な拡大」をがむしゃらに求めるのではなく、注力すべき成長分野に絞り込み「自分たちが幸せに商売できる規模での成長」をめざすことの本筋です。

「マンダラ図」を見て最初に思ったことは、「楽天市場」の「売上アップのサイクル」でした。「売上アップのサイクル」とは、「楽天市場」内で売り上げをアップさせるための重要な考え方ですが、「色々な物事はすべてつながっている」ということ。こういった仕組みをしっかり理解するだけでも、物事が良い方向に進むと思っています。

「ヒト・モノ・カネ」もそうですよね。成長したとしても、現場に負荷がかかり過ぎていたらそのうち崩壊してしまいます。今の組織ではどこまで行うのが適切か、会社や組織の成長、売上拡大――これらのバランスをとりながら、しっかり運用していただければと思います。

また、現場は今の売り上げを伸ばすための施策、未来の売り上げを伸ばすための投資をしっかりと見極めた上で断捨離やシステム化を行い、「今のチームでどこまで行けるか」を把握することが重要ですね。

そうすることで「自分たちが幸せに商売できる規模での成長」をめざすことができるのではないかと思っています。勿論、負荷がゼロになると組織自体の戦力が下がってしまうと思うので、その辺りはバランスよく。

要チェック記事

これからの楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングで売れるには より上流のマーケティングが鍵 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/16479

「楽天市場」「amazon.co.jp」「Yahoo!ショッピング」と、3社のざっくりした2025年の動き。各モール共に運営している人も多いはず。各社の挙動や変化にしっかり対応していきたいですね。

【ECの未来】ECと実店舗の相乗効果を生む成功の切り口とは?鶏肉専門店のネットとリアルの活用法! | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/63936

「オリジナルだから何でもできる」と思いがちですが、動画や記事内にある「楽しんでもらう」という部分が非常に重要な気がします。「お客さまに楽しんでもらう」という考え方を大切に。

「モノが届かなくなる」はずだったのに…?物流2024年問題 | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250407/k10014770561000.html

変化があったけれども、まだまだ大変な物流問題。EC事業者として・ビジネスとして色々あるとは思いますが、感謝を忘れないようにしないといけませんね。

Amazon 、プライムデーを史上最長の4日間に。夏セールの主役に返り咲けるか | DIGIDAY
https://digiday.jp/modern-retail/amazon-is-making-prime-day-a-four-day-event-in-2025/

Amazonの「プライムデー」が延長! 商材や商戦などにもよりますが、大きく戦略は変らなくても、たまたま知った勢が増えて今までより大きな山場になりそうですね。

消費者の9割「AIによって購入体験が向上した」。AIエージェントがEC事業者+消費者に与える影響とは? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13715

Shop brand sites directly | amazon
https://www.amazon.com/b?node=204815148011

2025年頭にも書きましたが、徐々にAIが増えてきていますね。どんどんサービスが増えてきて、AIを駆使した業務改善なども今後「力配分の見直し」に影響がありそうです。

今週の唸った・刺さった・二度見した

“If you get tired, learn to rest, not to quit.”「疲れたらやめるのではない、疲れたら休むのだ」 | バンクシー(イギリスの路上芸術家)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/719da276814d973828f51a22140daa56d84da587(参考情報としてYahoo!ニュース「人生に疲れた人へ。バンクシーの名言「疲れたら、やめるのではなく…」英語&和訳(偉人の言葉)」のURLを記載しています)

好きなアーティストの1人にイギリスのバンクシーがいます。元々「Rage Against the Machine」が好きで、自由民権運動家のマルコムXやキング牧師、革命家のチェ・ゲバラが好きになり、彼らの文献を漁るように読んでいました。そういう意味でもバンクシーの思想や思考が好きなのですが、今回はそんな彼が言った(書いた?)と言われているこのフレーズ。

「If you get tired, learn to rest, not to quit.」を「ChatGPT」に意訳してもらうと、「疲れたら、立ち止まっていい。あきらめるんじゃなくて、ひと休みしよう。」という意味だそうです。今日も頑張っているあなたに。疲れたら、深呼吸をしてひと休みひと休み。多少無理をして負荷をかけることも成長には大事ですが、休息も大事なことですね。

今回はゆるっとした、今週の言葉でした。また来月もよろしくお願いします。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

中林慎太郎

スニーカーフリマアプリ「スニダン」、出品機能を刷新。出品時の商品情報を大きく改善

7ヶ月 4 週間 ago

スニーカー、アパレル、トレーディングカードを取り扱うフリマアプリ「SNKRDUNK(スニーカーダンク)」を運営するSODAは、「スニーカーダンク」の出品機能をリニューアルした。利用者が出品する際の商品情報の入力を簡単にし、ファッションカテゴリでは「スニーカーダンク」に登録がない商品でも出品できる仕様にした(シューズ、エンタメ・ホビーカテゴリーは除く)。

「スニーカーダンク」は、取引の過程で運営側がすべての商品を確認し、正規品を保証する「真贋鑑定」を手がけている。

出品者は従前、「スニーカーダンク」上に登録されている商品情報から該当商品を選択した上で出品する必要があった。リニューアルによって、利用者が簡単かつ便利に商品を出品できるように再設計した。リニューアルのポイントは次の通り。

  • 出品時の画面をリニューアルし、出品ボタンを新たに設置
  • ファッションカテゴリは商品情報を選択せずに出品できる仕様に変更
  • 出品情報の入力画面を1つに統一。従前は商品ジャンルや新品・中古で分かれていた
リニューアルの特長
リニューアルの特長

新しい出品方法は、①ホーム画面下部の「出品」ボタンをタップ ②「出品する」をタップ ③カテゴリ、ブランド、その他必要な商品情報を入力し、出品完了となる。

新しい出品方法の流れ
新しい出品方法の流れ

商品ページ「出品」ボタンからの出品は従前どおり可能となっている。「出品」ボタンをタップした後、商品情報を入力し、出品完了となる。

商品ページからの出品方法
商品ページからの出品方法

SODAによると、「スニーカーダンク」利用者から「より簡単に商品情報を入力したい」「商品を探す手間を省いて出品したい」という声があがっていたという。

SODAは今後、ファッションカテゴリの商品ジャンルを拡大し、より幅広いアイテムを提供する。こうした理由から、出品機能をリニューアルした。

大嶋 喜子

「店舗のファンを街のファンへ」。メーカーズシャツ鎌倉が実店舗とECサイトでふるさと納税を実現、その方法は?

7ヶ月 4 週間 ago

メーカーズシャツ鎌倉は4月16日から、実店舗と自社ECサイトでふるさと納税の受付を始める。オンラインで寄付受付のほか、鎌倉市内の店舗で直接寄付しその場で返礼品を受け取る取り組みをスタートする。

メーカーズシャツ鎌倉の本社は神奈川県鎌倉市。返礼品を提供している神奈川・鎌倉市が、サンカクキカクの店舗型ふるさと納税サービス「ふるさとズ」を導入したことで、今回のふるさと納税寄付受付が実現する。

4月16日から、メーカーズシャツ鎌倉の店舗と公式オンラインショップで寄付の受付を開始する。寄付者には、返礼品として全国24店舗とオンラインショップで即時活用できるデジタルクーポンを発行。デジタルクーポンは、店舗で使用する場合は会計時にバーコードを表示しクーポンとして利用できる。

「店舗のファンを街のファンへ」。メーカーズシャツ鎌倉が実店舗とECサイトでふるさと納税を実現、その方法は?

ECサイトで利用する場合は、注文方法の指定ページ下部、ギフトカード欄にて「カード番号」「PIN番号」「ギフトカードご利用額」を入力して利用できる。デジタルクーポンの有効期限は発行から2年間。

「ふるさとズ」は全国40自治体で利用

サンカクキカクが提供する店舗型ふるさと納税「ふるさとズ」は現地で寄付でき、その場ですぐに返礼品を受け取れるサービス。

「ふるさとズ」は現地で寄附・返礼品受け取りを実現する

オンラインでもオフラインでも好きな店舗で寄付でき、お店のファンが街を応援できるサービスとして「寄付者=店舗のファン=マチのファン」を全国各地に広げていくという。現在は全国40自治体、約260の店や施設で利用されている。

「寄附者=店舗のファン=マチのファン」を全国各地に広げていくという
鳥栖 剛

東武マーケティング、ecbeingのCMS「UNITE(ユナイト)」で新東武カードの公式ホームページ立ち上げ

7ヶ月 4 週間 ago

東武グループの東武マーケティングは5月29日に新たなクレジットカード「東武カード」を発行し、あわせて「東武カード」の公式ホームページを新規開設する。新HPの立ち上げにはecbeingのメディアコマースCMS「UNITE(ユナイト)」を採用した。

現行の東武カードのHPでは、既存会員がキャンペーン応募や明細確認のためにサイトへアクセスすることが多く、運営側ではそれに伴った問い合わせ対応が増えていたという。問い合わせはコールセンターで対応していた。

今回の新HPではコールセンター業務の負荷を軽減するためにもサイト内のFAQページといったコンテンツの情報を充実、点在していた情報を整理することによる一覧性向上・掲載情報の更新頻度向上を実現した。東武グループが企画・運営するECモール「TOBU MALL」もecbeingのECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」を採用しており、「東武カード公式HP」も含め東武グループのシナジー創出を期待する。

新しい「東武カード」は、「東武カード(スタンダード)」、保証と高いポイント還元率の「東武カードゴールド」、完全招待制の「東武カードVIP」の3種類を用意。5月29日から申し込み受付を開始する予定。

東武マーケティング、ecbeingのCMS「UNITE(ユナイト)」で新東武カードの公式ホームページ立ち上げ
新しいカードは5月29日から申込受付を開始

新HPの特長として、獲得ポイントのシミュレーション機能をあげた。3種類の新しい「東武カード」別に利用金額を入力することで、獲得ポイントの目安を簡単に確認できるシミュレーションページを用意した。

東武マーケティング、ecbeingのCMS「UNITE(ユナイト)」で新東武カードの公式ホームページ立ち上げ
新サイトのポイントシュミレーションページ

新サイトを構築しているCMS「UNITE(ユナイト)」は、質の高いセキュリティを標準実装した国産CMS。ページ編集機能や分析・マーケティング機能といった標準機能を掛け合わせた多様な施策の実装も可能となっている。テキストエディター付きの専用コンテンツフォーマットを用意し、HTMLの知識がなくてもスピーディーにコンテンツを作成ができる。更新性が高くなるためメンテナンス業務の効率化を図ることにも期待できるとしている。

新「東武カード」は5年後に発行枚数100万枚へ

「東武カード」では、スタート後から徐々に増加してきた会員数が、顧客層の高齢化と新規顧客層の獲得が進んでいない点を要因に、近年は横ばいまたは減少傾向にあったという。

新しい「東武カード」では、若年層やビジネスパーソンを中心とした新規顧客層の獲得を進めていく。東武グループのシナジーを生かした観光施設や鉄道利用者へのアプローチ強化、高水準のポイント還元率の実現、スマートフォン保険導入といった若年層を取り入れるサービスを充実させる。目標として初年度発行枚数47万5000枚、5年後には100万枚突破を掲げている。

鳥栖 剛

レスポンス率UP、休眠客の掘り起こしに成功したベルーナのチラシ大改革。紙媒体の“セッション時間”を高めた改善策とは | 通販新聞ダイジェスト

7ヶ月 4 週間 ago
ベルーナは折り込みチラシのデザインのリニューアルを進めている。改良版チラシの特長や成果をまとめる

ベルーナが、新聞などの折込チラシ、いわゆる「通常マス」の改革に乗り出した。同社が配布してきた折込チラシの様式は、創業者でもある安野清社長が開発したもので、高いレスポンス率を誇る大きな「武器」となってきた。ところが、時を経るにつれて顧客の反応が悪化。そこで同社では、若手社員の意見を取り入れる形で昨秋より、折込チラシのビジュアルを一新した。果たして「シン・通常マス」の威力は――。

アパレル・雑貨は赤字の立て直しに注力

2024年3月期に赤字転落

同社アパレル・雑貨事業は2024年3月期に赤字転落しており、現在は顧客リストの収集・活用を図っているほか、時代にあった商品力・ビジュアル力を強化することで立て直しを図っている

ベルーナの近年実績と2025年3月期の予測。2024年3月期におけるアパレル・雑貨事業は営業損失29.9億円となった(画像はベルーナのIR資料から追加)
ベルーナの近年実績と2025年3月期の予測。2024年3月期におけるアパレル・雑貨事業は営業損失29.9億円となった(画像はベルーナのIR資料から追加)
収益効率最大化に向けてベルーナが掲げる施策(画像はベルーナのIR資料から追加)
収益効率最大化に向けてベルーナが掲げる施策(画像はベルーナのIR資料から追加)

2025年3月期は回復傾向

ただ、2024年4~12月期のアパレル・雑貨事業は、長引く残暑の影響により秋冬シーズンの序盤においては計画を大きく下回ったものの、中盤以降においてレスポンスが改善。

また、新規顧客の獲得数が前年同期と比べ増加したことなどにより増収増益となった。同事業の売上高は前年同期比0.7%増の592億8000万円、セグメント赤字は9億4200万円となり、前年同期の15億3900万円から赤字幅を大きく縮小させている。

折込チラシの刷新で成果

ビジュアル一新で顧客の反応回復へ

成果が出ている取り組みの一つが、折込チラシの刷新だ。同社のチラシは、安野清社長が開発したもの。たくさんの商品を1枚のチラシに詰め込んだものだが、このスタイルを磨き上げることで、大きな売り上げを作ってきた

安野清社長が開発した従来型の折込チラシ
安野清社長が開発した従来型の折込チラシ

同社の後藤孝之営業推進室長は「まさに『ベルーナならでは』のチラシであり、さまざまな経験やノウハウが詰め込まれている。実のところ、他社にもさんざん真似をされてきたが、この形で実績を作り続けてきたのは当社だけだ」と自負する。

ところが、同社の最大の武器であったチラシも時を経るにつれて、レスポンスが悪化しはじめた。もちろん、チラシ経由の売り上げ減少は新聞の部数減が大きな要因だが、加えて顧客の反応も以前より悪くなっているのが実情。そこで「『チラシのビジュアルを変えたほうがいいのではないか』という声が社内から出てきた」(後藤室長、以下同)という。

改良版のレスポンス率が従来型を上回る

下のチラシが改良版だ。全体的に白基調で見やすさを重視するとともに、掲載商品数も以前より絞っている。また「ネットの声」として、同社通販サイトのレビューから抜粋して掲載した。改良版チラシを発案したのは、制作室に在籍する若手の女性社員。従来型のチラシと改良版のチラシを同時に配布してテストしたが、改良版のレスポンス率の方が高くなっているという。

「実は、チラシに掲載の靴の見せ方を通常チラシの半分のサイズとし、テスト的に配布した際、若手の感性を取り入れたビジュアルに変更した、という経緯がある。その際に非常に良いレスポンス率が出たので、『ビジュアルを変えてみたらどうか』となった」。

ビジュアルに若手の感性を取り入れた改良版のチラシ
ビジュアルに若手の感性を取り入れた改良版のチラシ

折込チラシは、基本的には新規顧客獲得を目的として配布しているため、そこからカタログに誘導して利益の出る顧客に育てる、というのが常道。ところが、改良版チラシは、チラシ単体で利益が出るほど、高いレスポンス率を記録しているという。

もちろん、改良版チラシのレスポンス率に良い数字が出たのは、ビジュアルを刷新した直後という点も大きいため、継続して配布することで効率が落ちてくる可能性は高い。そのため、従来版から完全に置き換えるために、商品の組み合わせや見せ方などをトライアンドエラーしている段階という。「(安野)社長からも『早く全面的に切り替えたらどうか』と言われているが、商品を入れ替えても似たような結果が出るのかを試している」。

これまでのチラシは、現在の視点で見るとビジュアル面で「古めかしさ」が感じられる。そのため、新しいチラシは洗練された印象を消費者に与えたことがレスポンス率に寄与したとみられる

とはいえ、商品の組み合わせや見せ方、さらには商品の手配など「長年培ってきた従来チラシのノウハウがあったからこそ、新しいチラシが生まれた。そういう意味では、とても良い進化形といえる」。

休眠顧客の掘り起こしにも貢献

チラシの改良については昨夏から取り組みを開始し、秋冬には本格的な配布を開始した。同社内では、改良版チラシのことを「シン・エヴァンゲリオン」ならぬ「シン・通常マス」と呼んでいるという。

新規顧客獲得のレスポンス率が良くなっているため、減少し続けていた新規獲得数も底を打ち、反転しはじめた。新規だけではなく、休眠顧客の掘り起こしにも大きな成果が出ている。まさに「シン・通常マス」が起爆剤となっているわけだ。

折込チラシの配布部数そのものは、新聞購読者数の低迷もあり、やはり減少しているという。ただ、2025年3月期は新規獲得や掘り起こしがうまく回転し始めたこともあり、前期に比べてチラシ経由の売り上げは伸びる見込みだ。

新しいチラシはデザインや色使いを刷新しているわけだが、掲載する商品数は減っている。ただ「ネットの世界でいう『セッション時間』が増えたのではないかとみている。いろいろなチラシが配られるなかで、少し見ただけで捨てられてしまうのか、それとも目に留めてくれるのか。改良版チラシの方が見てもらいやすい、ということなのだろう」。

掲載商品1点ごとの売り上げを伸ばす

そのため、掲載商品こそ減っているものの、商品1点ごとの売り上げを伸ばすことでカバー。さらに、発注面でもやりやすくなったという。折込チラシに掲載する商品は、一定量の在庫を確保しないとならないため、在庫のコントロールが非常に重要だ。掲載する商品を絞り込むことで、不良在庫になる恐れが減ったという面もある。

また、本番のチラシを配布する前には、テスト的にチラシを配布しているわけが、掲載予定の商品数が多いとテストのために配布する枚数も増えてしまう。商品数をあらかじめ絞っておけば、配布枚数も減らせるため、それに付随するコストも減らせる。

「昨今の用紙代高騰などを考えると、やはりテストは絞る必要がある。現場からすると、ヒット商品を生み出したいので『数打てば当たる』的な思考になってしまいがちだが、そこは時流に合わせてコストを削減する必要がある」。

チラシ刷新を機に売れるようになる商品も

商品選定の基準に関しては、従来版チラシで売れていたような商品は、改良版でも売れているため、引き続き掲載している。

ただ、年齢よりやや若く見える洋服などは、従来チラシではあまり反応が良くなかったものが、新しいチラシでは売れるようになった。これは、特に改良版チラシの購買層が若くなっているわけではないのだという。後藤室長は「高年齢層の感性も変化しているので、従来版チラシでは目に留めてくれなかったものが、デザインを刷新したことで目を向けてくれるようになった、ということではないか」と推測する。

実は、メインカタログ「BELLUNA」においても、2年ほど前からこれまでよりも若いモデルを起用するようになっており、若いモデルを起用した商品の方がレスポンス率は高くなっているという。「もともと、媒体がターゲットとする年齢よりも、実際に購入する年齢層は一回りほど高くなるものだが、最近はそういった傾向が加速している感がある」。

新チラシは若手の感性が寄与

とはいえ、同社が長年武器としてきたチラシのデザインを大きく刷新することができたのは、やはり若手の感性があってこそ。後藤室長も「ベテランではできなかったこと」と評価。

2026年3月期は、チラシのビジュアルを完全に刷新することになるが、そうなったときにどの程度効率を維持することができるのか。後藤室長は「数字によっては今考えているよりも、多数の部数を配布できるようになるかもしれない」と期待感をにじませる。

値上げを踏まえたMD改革を推進

同社では2024年3月期において、用紙代と印刷費の上昇、さらには急激な円安による仕入れ価格上昇の影響を受け、一部商品の値上げを実施。ただレスポンス率が悪化したことで業績に大きく影響した。

そのため2025年3月期は、一律値上げするのではなく、値上げする商品・据え置く商品を分けて、メリハリを付ける形に変更、レスポンス改善に寄与している。

価格に見合う商品力をめざす

ただ、そうなると当然のことながら利益面でバランスをとるのが難しくなってくる。値上げをしても、価格に見合った商品力をつけるため、MD改革も進めている。後藤室長は「まだ明確な結果が伴っているわけではないが、社長からアドバイスをもらっているのは『今一度顧客指向に立ち返れ』ということ。直接顧客の声を聞く、あるいは顧客と接しているメンバーの気づき生かすべく、取り組んでいる」と明かす。

レビューなど顧客の声を積極活用

さらに後藤室長は「当社は『顧客の声を取り入れてサービスを改善する』という点では非常にうまくいっているが、『顧客の声を商品に取り入れる』という点では、他社と比較すると競争優位性を発揮できていない」と指摘。そのため、今後は通販サイトにおけるレビューとアパレル店舗における接客員の声を積極的に活用。自社運営のコールセンターとの連携も今まで以上に強化する。

すでに、ネットのレビューを踏まえたMDはスタートしており、コールセンターに寄せられる声については、現在収集している段階という。早ければ、2026年3月期下半期から、MD改革の成果が出てくる見込みだ。後藤室長は「当社の根幹は商品力。アパレル・雑貨事業が赤字に陥るという、今まで経験したことのない状況だからこそ、小売りとしてのあるべき姿』を目指し、当たり前のことは当たり前にやっていくべきだろう」と話す。

アパレル・雑貨は黒字化が急務

とはいえ、大局的にみると今後紙媒体を使った通販の市場は、今後一層シュリンクしてしまうのは避けられない。一方で、現時点では紙媒体が好きな人は一定以上いるのも事実。後藤室長も「カタログファンを大切にしていきたいという思いは強い。今回、折込チラシのビジュアルを変えたことでレスポンス率が反転したように、まだまだ戦える余地はある」と断言。

その上で「日本の社会全体で高齢化が進み、地方では買い物難民が増える中、当社の紙媒体を中心とした通販のインフラは、社会的にも非常に重要早期に事業の黒字化を達成し、営業利益率も3%の水準まで戻すことが大事になってくる」と今後の展望を語る。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

イオン社長が語る現状の消費環境+価格戦略+トランプ関税の影響

7ヶ月 4 週間 ago

イオンの吉田昭夫社長は、現在の消費環境、それを踏まえての戦略、トランプ関税などについて、4月11日に実施した2025年2月期決算説明会の質疑応答のなかで言及した。

消費環境は二極化

吉田社長は小売市場の消費環境において「二極化」が進んでいると指摘。「日常のベーシックな部分は節約、特別な『ハレ』の場にはしっかりお金を使う購買行動を感じる」と評した。その上で生活者の低価格志向への対応として「イオンビッグ」などディスカウント業態の店舗拡大、専用のPB商材の開発に注力していくとした。

また、「価格だけで判断される商品と、クリスマスや正月といったハレ型商材では売れ方が大きく異なる。お客さまの目線に立った品ぞろえが必要」(吉田社長)とも話した。

スケーラビリティで原価低減に努め利益も確保へ

PB開発強化などによる利益確保の考え方について、「スケーラビリティを活用することで原価を下げることができる」(吉田社長)と言及。たとえば箱入りの商品にラベルを付けない、トラックの積載効率を高めるなど、サプライチェーン全体でのコスト削減に取り組むとした。ある程度ロットが固まることで取引先の協力を得るなどし、原価を下げて利益確保を図る考えを示し、「単に値下げするだけではいけない」(同)とコメントしている。

PBは商品開発力や提案力も重視

PB戦略には低価格商品だけではなく、商品開発力や提案力も重要であると指摘。「PBは顧客の声を反映することが最も大切。現場で聞いた要望をすぐに商品に反映し、売場に並べて反響を確認するという短いサイクルでの対応が可能」(吉田社長)であり、利益を生み出すことができるとPBのメリットについて解説した。

その例として2024年11月に立ち上げた、Z世代向けプロジェクトであるオリジナルブランド「NIRMATA(ニルマータ)」について説明。オリジナル靴下を販売し、成果を得たという。「違う世代の感覚からは『売れないかもしれない』と感じた商品が予想に反して売れた。Z世代の嗜好をうまく捉えた結果で、PB構成比を高めるポイントになる。NBとのトレードオフだけでは不十分で、PBの価値をどう高めるかが重要だと感じている」(同)と述べた。

24年11月に立ち上げたオリジナルブランド「NIRMATA(ニルマータ)」がヒット

生産性の改善などについても説明した。2024年10月、事業会社に対して生産性向上のKPIを設定。「経費構造や荒利率の改善だけでは厳しいという世の中のトレンドを踏まえた取り組みを行い、実際にそのKPIを達成することができた」(吉田社長)。トップバリュを活用したリピーター獲得施策も打ち出し、成果が出つつあるという。

トランプ関税「景気後退の懸念感じる」

米国のトランプ政権による関税の影響について、吉田社長は「現時点で明確な答えは出せない」としながらも「景気後退への懸念を感じた」(同)と話した。「愛知・豊田など米国向け輸出が多い地域は景気が良く、店舗の売上も好調。今後は売上が下がるのではないかという不安もある。小売業としてはしっかりと考えておくべき課題だと捉えている」(同)とした。

鳥栖 剛

電通デジタル、AI活用のマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」を大型アップデート。マーケ支援活動の効率化・利便性向上などをめざす

7ヶ月 4 週間 ago

電通デジタルは、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」の大型アップデートを実施したと発表した。「∞AI」の各ソリューションの本格運用を社内で開始し、企業のデジタルマーケティング活動支援の高度化、効率化、利便性向上の実現をめざすという。

4つのソリューションを開発

大型アップデートでは、デジタルマーケティングにおけるデータ分析のエージェント型ソリューション「∞AI Marketing Hub(ムゲンエーアイ マーケティング ハブ)」で4つのソリューションを開発。また、広告表現にAIを活用するソリューション「∞AI Ads(ムゲンエーアイ アズ)」で、画像・動画生成、効果予測の精度向上、フローの対話化といったアップデートを実施した。

電通デジタル ∞AIブランドの全体図
「∞AI」ブランドの全体図

これまで「∞AI」では、「∞AI Ads」、顧客接点の対話化・リッチ化を図る「∞AI Chat」「∞AI Contents」、各AIソリューションを支える基盤である「∞AI Marketing Hub」を展開してきた。「∞AI Marketing Hub」における4つのソリューション開発で、データ分析・利活用、その後のデジタルマーケティング施策立案に貢献していくという。開発したソリューションの特長などは次の通り。

① ∞AI Customer Data Hub(ムゲンエーアイ カスタマー データ ハブ)

企業が保有するファーストパーティデータ、AIチャットで取得した対話、各種調査から得られるデータに加えて、電通デジタルの各種マーケティングデータなどを、マーケター、AIにとって使いやすい形に自動的に統合・構造化し、顧客1人ひとりのカルテをリアルタイムで生成する。

電通デジタル ∞AI 「∞AI Customer Data Hub」について
「∞AI Customer Data Hub」について

② ∞AI Customer Twin(ムゲンエーアイ カスタマー ツイン)

「∞AI Customer Data Hub」に蓄積・統合したデータを基に、顧客1人ひとりの心理・行動特性を忠実に再現した仮想顧客AI(カスタマーツイン)を生成する。担当者がAIエージェントを通じて、仮想顧客との対話型インタビューや調査を実施できる。

電通デジタル ∞AI 「∞AI Customer Twin」について
「∞AI Customer Twin」について

③ ∞AI MC Planning(ムゲンエーアイ マーケティングコミュニケーション プランニング)

広告配信におけるメディアプランニング、広告コピーの企画・効果予測などのマーケティングコミュニケーション(MC)施策における一連のプロセスを、AIエージェントとの対話形式により一気通貫で行える。「∞AI Customer Data Hub」「∞AI Customer Twin」と連携することで、顧客1人ひとりの特性を踏まえパーソナライズしたメディアコミュニケーションプランをリアルタイムに提示する。

④ ∞AI CX Planning(ムゲンエーアイ カスタマーエクスペリエンス プランニング)

顧客体験(CX)の改善を目的とした、カスタマージャーニー設計や対話型AIチャットを活用した新規事業・サービスのアイデア創出、既存事業の高度化などのアイデア創出のプロセスをAIエージェントとの対話形式で実現するソリューション。

電通デジタル ∞AI 「∞AI MC Planning」「∞AI CX Planning」で行えること
「∞AI MC Planning」「∞AI CX Planning」で行えること

画像、動画生成、効果予測機能をアップデートした「∞AI Ads」

AI活用でデジタル広告の制作プロセスを効率化する「∞AI Ads」について、電通デジタルの山本覚氏(CAIO(Cheif AI Officer)、最高AI責任者 兼 執行役員)は「2022年のサービス開始以来、2024年までに127社に導入され、導入企業における平均広告効果改善率は154%になる」と説明。「∞AI Ads」では、画像、動画生成、効果予測においてAIエージェント技術を融合したアップデートを実施した。

① マルチモーダル生成AIの搭載

従来まで活用してきた機械学習に加えて、マルチモーダル生成AI(テキスト、音声、画像、動画など2つ以上の異なる種類のデータから情報を収集し、統合して処理する生成AI)を搭載。効果の予測・改善サジェストの精度の大幅な向上につながるという。

一般常識やマーケティング手法などを学習しているマルチモーダル生成AIを活用することで、企業が保有しているデータを加えるだけで対話形式の高精度な予測を出力できるという。

② 対話形式でのプランニング・施策実施

「∞AI MC Planning」で出力した広告配信におけるメディアプランニング、広告コピーの企画・効果予測の施策案を基に、実際に配信するクリエイティブの生成、その効果予測・改善などのPDCAサイクルを対話形式で実現する。

電通デジタル ∞AI 「∞AI Ads」で作成した広告例
「∞AI Ads」で作成した広告例(画像は電通デジタルのサイトからキャプチャ)

テキストで指示した内容で広告を生成する。作成したバナーの広告効果を測定し、改善サジェストもテキスト形式で出力するなど対話形式で広告生成を行える。AI自身が生成したモノを学習していくので、説明文も詳細になっていく。学習する内容は企業間を跨がないようになっている。(山本氏)

電通デジタル CAIO(Cheif AI Officer):最高AI責任者 兼 執行役員の山本覚氏
電通デジタル CAIO(Cheif AI Officer)、最高AI責任者 兼 執行役員の山本覚氏

今回の大型アップデートを通じて、山本氏は「今後は電通グループ企業のAIと連携しながら稼働していくだろう。他のエージェントとコラボする未来もくると思っている」と話す。

その先のマーケティングは、データと人の間にAIが入ってくれることで、人が直接データに触れる機会が減るようになり、調査、戦略、コミュニケーション施策、営業・顧客サポートなどさまざまな領域で、人はAIとだけ会話をするようになるのではないか。人がすべきことは、論点を設定する、意思決定などがメインになると考えている。マーケターは今まで以上に人間の心に向き合っていく、「人はどうしたら喜んでくれるのか」「どんな場面で感動するか」などを考えることが重要になるのではないか。(山本氏)

藤田遥

家電製品のプロモーション動画のメリットとは?活用方法や事例、制作ポイントも紹介

7ヶ月 4 週間 ago
家電製品のプロモーション動画のメリットとは?活用方法や事例、制作ポイントも紹介

家電製品のプロモーションにおいて、動画は製品の魅力を視覚的に伝えるだけでなく、消費者の購買意欲を高める強力なツールです。特に、家電製品は機能性や使い勝手が重視されるため、動画を活用することでその価値を具体的かつ効果的に伝えることができます。本記事では、家電製品に特化した動画活用のメリットや具体的な方法、制作時のポイントについて詳しく解説します。

お役立ち資料集

 

 

家電紹介動画を活用するメリット

近年、家電製品の販促や紹介において、動画の活用がますます注目を集めています。従来のカタログや写真だけでは伝えきれなかった使用感や魅力を、動画ならリアルに表現することができるため、消費者にとっても企業にとっても大きなメリットがあります。ここでは、家電製品動画を活用することによって得られる主なメリットについて解説します。

製品の特徴を視覚的に伝える

家電製品は、デザインや機能、操作性など、消費者が実際に使用する場面をイメージしやすいことが購入の決め手となります。動画を活用することで、製品の使い方や便利な機能を視覚的にわかりやすく伝えることが可能です。例えば、最新の掃除機の吸引力や静音性、スマート家電のアプリ連携機能など、文章や写真では伝えきれない魅力を動画で表現できます。

購入前の不安を解消

家電製品は高額な買い物であることが多いため、消費者は購入前に慎重に検討します。動画を通じて、製品の使用感や具体的な操作方法を示すことで、消費者の不安を解消し、購入の後押しができます。例えば、電子レンジの操作パネルの使いやすさや、冷蔵庫の収納力を動画で紹介することで、消費者が購入後の使用イメージを持ちやすくなります。

SNSやウェブサイトでの拡散性

動画はSNSやウェブサイトでの拡散性が高く、幅広い層にリーチできる点も大きな魅力です。特に、InstagramやYouTube、TikTokなどのプラットフォームでは、短尺動画やストーリー形式の動画が多くのユーザーに視聴され、シェアされることでブランド認知度を向上させることができます。

家電製品動画の活用方法

家電製品のプロモーションにおいて、動画は消費者に製品の魅力を伝えるための非常に効果的な手段の一つです。特に、家電はその機能性や使いやすさが購入の決め手となるため、実際の動きを見せながら視覚的に訴求できる動画は、高い情報伝達力と説得力を持っています。ここでは、家電製品の動画を活用する具体的な方法について詳しく解説します。

製品紹介動画で機能をわかりやすく伝える

製品紹介動画は、家電製品の特長や使い方を短時間で明確に伝えるために非常に効果的です。たとえば、洗濯機の自動投入機能や節水性能、冷蔵庫の急速冷凍機能など、写真やテキストだけでは伝えきれない細かい機能も、映像なら直感的に理解できます。

これらの動画を公式ウェブサイトやECサイトに掲載することで、購入を検討しているユーザーに直接アプローチでき、購買の後押しとなります。また、操作の流れやユーザーインターフェースを見せることで、実際に使ったときのイメージを視聴者にしっかりと伝えることができます。

使用シーンを描いたライフスタイル動画で実用性を伝える

製品の使い方だけでなく、「どんな場面で便利に使えるのか」を伝えるのがライフスタイル動画の役割です。たとえば、スマートスピーカーで照明やエアコンを音声操作する様子や、ロボット掃除機がペットの毛を自動で掃除してくれる様子、食洗機が忙しい夕食後の家事を効率化してくれるシーンなどを映すことで、家電製品が日常生活の中でどのように役立つのかを視聴者がイメージしやすくなります。

このような映像は、「自分の暮らしにも取り入れてみたい」と思わせるきっかけとなり、感情に訴えるプロモーション手法として非常に有効です。

SNS向けの短尺動画で幅広い層にリーチ

近年では、InstagramやTikTokなど、短い動画で情報を伝えるSNSプラットフォームが主流となっています。家電製品も例外ではなく、15〜30秒ほどの短尺動画で、製品の魅力をピンポイントに伝えることが重要です。

たとえば、コーヒーメーカーがボタン一つで本格的な味を再現する様子や、エアコンの静音性を伝えるナイトモードの紹介、炊飯器のふっくらご飯を炊き上げる瞬間など、視覚的なインパクトのある内容を凝縮して伝えることで、視聴者の印象に強く残ります。また、短尺動画は拡散力も高いため、特に若年層をターゲットにしたブランド訴求には大きな効果を発揮します。

製品レビュー動画で信頼感を高める

製品レビュー動画は、実際にその製品を使った人のリアルな声を届けることができ、視聴者の信頼感を高めるのに役立ちます。インフルエンサーや専門家によるレビューはもちろん、一般ユーザーの使用感を紹介する形式も効果的です。レビューの中では、使って良かった点だけでなく、気になった点や注意点も正直に伝えることで、動画自体の信頼性が高まり、製品への信頼にもつながります。

さらに、こうした動画はYouTubeやレビュー記事と連動させることで、情報の拡散と理解促進の両方を実現できます。

ハウツー動画で購入後の満足度を高める

家電製品は購入後の使い方やメンテナンス方法に不安を感じるユーザーも多いため、使い方を丁寧に説明するハウツー動画も重要です。

たとえば、掃除機のフィルター交換手順、エアコンの簡単なクリーニング方法、電子レンジでの便利な調理方法などを動画で紹介することで、ユーザーの「わからない」を解消し、製品への満足度を高めることができます。こうしたサポート動画は、公式サイトやYouTubeチャンネルに掲載しておくことで、ユーザーが困ったときにすぐにアクセスできる安心感も提供できます。結果として、アフターサービスの質を高め、ブランドロイヤルティの向上にもつながります。

家電紹介動画を制作する際のポイント

家電製品のプロモーションにおいて、動画は消費者に製品の魅力を伝えるための非常に効果的な手段です。しかし、ただ動画を制作するだけでは、期待する効果を得ることは難しいでしょう。消費者の心をつかみ、購買意欲を高めるためには、ターゲット層や動画の内容、品質など、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

ターゲット層を明確にする

家電製品の購入を検討する消費者の年齢層やライフスタイル、ニーズを把握することが重要です。例えば、若年層向けにはデザイン性や最新技術を強調し、シニア層向けには使いやすさや安全性をアピールする内容が適しています。ターゲット層を明確にすることで、動画の内容やトーン、使用するプラットフォームを適切に選択できます。

製品の魅力を短時間で伝える

視聴者の注意を引きつけるためには、短く簡潔なメッセージを心がけることが重要です。特に、SNSやオンライン広告では、最初の数秒で興味を引く工夫が求められます。例えば、冷蔵庫の「急速冷凍機能」やエアコンの「省エネ性能」を短い時間で効果的に伝えることで、視聴者の関心を引きつけることができます。

高品質な映像と音声を確保する

家電製品のプロモーション動画では、製品のデザインや機能を正確に伝えるために、高品質な映像と音声が欠かせません。例えば、炊飯器の「ふっくら炊き上がるご飯」や、空気清浄機の「静音性」を映像と音声でリアルに伝えることで、製品の信頼性を高めることができます。

家電紹介動画の制作事例

プロモーション動画 スキンケア美容家電「LUNA mini2」


出典:Crevo制作実績

ヤーマン株式会社のプロモーション動画です。仕事を頑張っている女性を主人公に実際の洗顔シーンをメインに撮影しています。清潔感のある洗練されたテイストに統一することでターゲットである女性が商品に親しみを持っていただけるように工夫しています。

商品紹介動画「KINUAMI」


出典:Crevo制作実績

株式会社LIXILの商品紹介動画です。KINUAMIを実際使用している映像を流すことで商品の使用イメージをしやすいようにしています。さらに、動画の最後で印象的な言葉を出すことによって、視聴者にインパクトを与える工夫をしています。

製品紹介動画「ZEFT Gaming PC」


出典:Crevo制作実績

株式会社セブンアールジャパンのZEFT Gaming PCの製品紹介動画です。

カスタマイズ豊富な自分だけの理想の、ゲーミングPCという利点を最初に紹介し、また、オンラインゲームの中でゲームが上手くなった理由として、ZESTのPCにしたからという言葉から様々なPCの利点を説明しています。

強調したい部分をあげ、多様な色を使用し、視聴者の印象に残りやすいように工夫しています。

まとめ

家電製品のプロモーションにおける動画活用は、製品の魅力を視覚的に伝え、消費者の購買意欲を高める効果的な手段です。ターゲット層を明確にし、短尺動画やライフスタイル動画を活用することで、製品の価値を最大限に引き出すことができます。成功事例を参考にしながら、消費者に響く動画を制作し、プロモーションを成功に導きましょう。

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VIDEO SQUARE編集部

リハビリ動画の魅力とは?自宅で手軽に健康を取り戻す方法を解説

7ヶ月 4 週間 ago
リハビリ動画の魅力とは?自宅で手軽に健康を取り戻す方法を解説

リハビリは健康を取り戻すために重要なプロセスですが、忙しい日常の中で時間を確保するのは難しいこともあります。そんな中、リハビリ動画は自宅で手軽に取り組める便利な方法として注目されています。本記事では、リハビリ動画のメリットや活用法、注意点、さらにおすすめのツールやサービスについて詳しく解説します。

お役立ち資料集

リハビリ動画を活用するメリット

リハビリ動画を活用することで、効率的かつ効果的に健康を取り戻すことが可能です。ここでは、リハビリ動画の主なメリットについて詳しく見ていきましょう

自宅で手軽にリハビリができる

リハビリ動画の最大の魅力は、自宅で手軽に取り組める点です。通院の必要がなく、好きな時間にリハビリを行えるため、忙しい方でも無理なく続けられます。また、移動時間や交通費を節約できるのも大きな利点です。特に、外出が難しい高齢者や体調が優れない方にとって、自宅でのリハビリは非常に便利です。

さらに、自宅というリラックスした環境で行うことで、精神的な負担を軽減しながらリハビリに集中できます。自分のペースで進められるため、無理なく継続できるのもポイントです。

専門家の指導を受けられる安心感

リハビリ動画の多くは、理学療法士やトレーナーなどの専門家が監修しています。そのため、正しい方法でリハビリを進められる安心感があります。特に、初心者にとっては、プロの指導があることで怪我のリスクを減らし、効果的なリハビリを実現できます。

また、動画では動きのポイントや注意点が詳しく解説されていることが多く、実際の動きを見ながら学べるのも魅力です。これにより、自己流で行うリハビリよりも高い効果が期待できます。

モチベーション維持に役立つ

リハビリは継続が重要ですが、モチベーションを保つのが難しい場合もあります。リハビリ動画は、視覚的な刺激や音声ガイドによって、楽しく取り組める工夫がされています。特に、目標を設定しやすいプログラム形式の動画は、達成感を得やすく、モチベーション維持に役立ちます。

さらに、動画の中で励ましの言葉や進捗を確認するタイミングが設けられている場合もあり、自己肯定感を高めながらリハビリを続けることができます。これにより、長期的な取り組みが可能になります。

リハビリ動画の種類と活用法

リハビリ動画にはさまざまな種類があり、それぞれの目的や効果に応じて選ぶことが重要です。ここでは、代表的なリハビリ動画の種類とその活用法について解説します。

筋力トレーニング動画

筋力トレーニング動画は、筋肉を強化し、体力を向上させることを目的としています。これらの動画では、スクワットやプランクなどの基本的なエクササイズから、特定の部位を鍛える専門的なトレーニングまで幅広い内容が提供されています。初心者向けの動画では、無理のない範囲で取り組めるように工夫されています。

活用法としては、まず自分の体力や目的に合った動画を選ぶことが大切です。動画内で紹介されるフォームや回数を守りながら、徐々に負荷を増やしていくことで、効果的に筋力を向上させることができます。

ストレッチ動画

ストレッチ動画は、柔軟性を高め、筋肉の緊張をほぐす効果があります。特に、リハビリの初期段階や運動後のクールダウンとして活用されることが多いです。これらの動画では、全身をバランスよく伸ばす動きが紹介されており、初心者でも取り組みやすい内容が特徴です。

選び方としては、自分の体の状態や目的に合ったものを選ぶことが重要です。例えば、肩こりや腰痛の改善を目指す場合は、特定の部位にフォーカスした動画を選ぶと効果的です。また、動画の長さや難易度も確認し、自分に合ったものを選びましょう。

専門家監修のプログラム動画

専門家監修のプログラム動画は、リハビリの進行に合わせて段階的に内容が組まれている点が魅力です。これにより、初心者から上級者まで、自分のレベルに応じたリハビリを行うことができます。また、専門家のアドバイスが随所に盛り込まれているため、正しい方法でリハビリを進められる安心感があります。

これらの動画は、特定の症状や目的に特化したプログラムが多く、例えば膝のリハビリや姿勢改善など、個別のニーズに応える内容が充実しています。継続的に取り組むことで、確実な成果を得ることができるでしょう。

リハビリ動画を活用する際の注意点

リハビリ動画を効果的に活用することで、医療機関やリハビリ施設、企業が提供するサービスの質を向上させることが可能です。ここでは、リハビリ動画を導入・活用する際に押さえておきたいポイントを解説します。

明確な目標設定でサービスの価値を高める

リハビリ動画を導入する際には、提供するサービスの目的や成果を明確に設定することが重要です。例えば、「患者のリハビリ継続率を30%向上させる」や「自宅リハビリプログラムの利用者数を増加させる」といった具体的な目標を設定することで、プロジェクト全体の方向性を明確にできます。

また、短期的な目標(例:1ヶ月以内に動画視聴率を50%達成)と長期的な目標(例:半年以内に患者のリハビリ効果をデータで可視化)を組み合わせることで、進捗を管理しやすくなり、サービスの価値向上につながります。

定期的な進捗確認で効果を可視化

リハビリ動画の効果を最大化するためには、利用者の進捗を定期的に確認し、データを収集・分析することが重要です。例えば、患者の痛みの軽減や可動域の改善といった具体的な成果を記録することで、動画プログラムの有効性を証明できます。

さらに、動画内に進捗確認のチェックポイントを設けることで、利用者が自分の成果を実感しやすくなります。このデータを活用して、次のプログラム設計やサービス改善に役立てることが可能です。また、進捗データを可視化して報告することで、医療機関や施設の信頼性を高めることができます。

動画活用の成功事例を共有し信頼を構築

リハビリ動画の導入効果を最大化するためには、成功事例を積極的に共有することが効果的です。例えば、「動画を活用した結果、患者のリハビリ継続率が向上した」や「自宅リハビリプログラムの利用者満足度が高まった」といった具体的な成果をデータとともに提示することで、他の医療機関や企業との信頼関係を構築できます。

また、成功事例を基にしたマーケティング資料やプレゼンテーションを作成することで、新規顧客へのアプローチにも活用できます。これにより、リハビリ動画の導入を検討している企業や施設に対して、具体的なメリットを伝えることが可能です。

まとめ

リハビリ動画は、自宅で手軽に取り組めるという利便性に加え、専門家の指導を受けながら継続できる安心感やモチベーション維持の工夫が詰まった、現代のライフスタイルに合ったリハビリの方法です。筋力トレーニングやストレッチ、専門プログラムなど、目的や体の状態に応じて多様な動画を選ぶことができる点も魅力です。

ただし、効果的かつ安全に活用するには、信頼できる動画の選定や、自分のペースに合わせた取り組み方が重要です。さらに、医師や専門家との連携、適切な目標設定や環境整備を通じて、長期的にリハビリを続けられる体制を整えることが成功の鍵となります。

リハビリを身近に、そして継続しやすくするために、動画というツールを最大限に活用し、自分らしい健康回復への一歩を踏み出しましょう。

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VIDEO SQUARE編集部

リードナーチャリングに効果的な動画の重要性や制作のポイントについて解説

7ヶ月 4 週間 ago
リードナーチャリングに効果的な動画の重要性や制作のポイントについて解説

 

ナーチャリングとは、見込み顧客や既存顧客との信頼関係を深め、購買意欲を高めるためのプロセスです。特にデジタルマーケティングにおいては、顧客のニーズに応じた情報提供やコミュニケーションが重要です。その中で、動画は視覚的な訴求力や感情に訴える力を持つため、ナーチャリングを強化する効果的なツールとして注目されています。動画を活用することで、顧客の理解を深め、購買プロセスを短縮し、信頼感を高めることが可能です。本記事では、ナーチャリングの基本概念と、動画を活用する際の具体的なポイントについて解説します。

お役立ち資料集

ナーチャリングとは?その基本概念を解説

ナーチャリングとは、見込み顧客や既存顧客との関係を深め、購買意欲を高めるためのプロセスを指します。特にデジタルマーケティングの分野では、顧客のニーズに応じた情報提供やコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築することが重要です。

ナーチャリングの定義と目的

ナーチャリングは、単なるセールス活動ではなく、顧客に価値ある情報を提供し、長期的な関係を築くことを目的としています。これにより、顧客が自発的に商品やサービスを選ぶよう促すことが可能です。特にBtoBの分野では、購買プロセスが長期化する傾向があるため、ナーチャリングの重要性が増しています。

ナーチャリングの目的は、顧客の購買ステージに応じた適切な情報を提供し、最終的に購買行動を促進することです。これにより、単なる一回限りの取引ではなく、継続的な関係を築くことが可能になります。

ナーチャリングが重要な理由

現代の消費者は、情報過多の中で自分にとって本当に価値のある情報を求めています。そのため、適切なタイミングで適切な情報を提供するナーチャリングは、顧客の信頼を得るために欠かせません。特に競争が激しい市場では、ナーチャリングが他社との差別化要因となります。

また、ナーチャリングを通じて顧客のニーズや課題を深く理解することができ、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能です。これにより、顧客満足度の向上やリピート率の増加が期待できます。

ナーチャリングにおける一般的な手法

ナーチャリングの手法としては、メールマーケティング、ソーシャルメディア、コンテンツマーケティングなどが一般的です。これらの手法を組み合わせることで、顧客との接点を増やし、関係を深めることができます。

特に、顧客の行動データを活用したパーソナライズされたアプローチは、ナーチャリングの効果を高める上で非常に有効です。例えば、過去の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴を基に、顧客に最適な情報を提供することが可能です。

ナーチャリングにおける動画活用の重要性とは?

動画は、視覚的な情報を短時間で伝えることができるため、ナーチャリングにおいて非常に効果的なツールです。特に、顧客の興味を引きつけ、感情に訴える力が強い点が特徴です。

顧客に強い印象を残す

動画は、テキストや画像に比べて情報量が多く、視覚的なインパクトが強いため、顧客の記憶に残りやすいという特性があります。これにより、ブランドの認知度を高めるだけでなく、顧客の購買意欲を刺激することが可能です。

さらに、動画は感情に訴える力が強いため、顧客とのエンゲージメントを深める効果があります。例えば、ストーリーテリングを活用した動画は、顧客に共感を与え、ブランドへの信頼感を高めることができます。

顧客理解を深め、購買までの道のりを短縮する

動画を活用することで、顧客の理解を深めるだけでなく、購買プロセスを短縮する効果も期待できます。例えば、製品の使い方を説明する動画や、顧客の成功事例を紹介する動画は、顧客の疑問を解消し、購買を後押しします。

また、動画はSNSやメールマーケティングとの相性が良く、拡散力が高い点もメリットです。これにより、より多くの見込み顧客にリーチすることが可能となり、ナーチャリングの効果を最大化することができます。

拡散力の高さでリーチを最大化できる

動画は、顧客の購買意欲を直接的に高める効果があります。特に、製品やサービスの具体的な利用シーンを示す動画は、顧客が自分の生活に取り入れるイメージを持ちやすくなります。これにより、購買への心理的なハードルを下げることができます。

さらに、動画は信頼性を高めるツールとしても有効です。例えば、実際の顧客の声やレビューを動画で紹介することで、他の見込み顧客に安心感を与えることができます。これにより、購買意欲をさらに高めることが可能です。

ナーチャリングのための動画を制作する際のポイント

ナーチャリング動画を効果的に活用するためには、ターゲットや目的に応じた適切な設計が重要です。以下では、具体的な制作ポイントについて解説します。

ターゲットに合わせたコンテンツ設計

ナーチャリング動画を制作する際には、まずターゲットとなる顧客層を明確にすることが重要です。顧客の年齢、性別、興味関心、購買行動などを分析し、それに基づいたコンテンツを設計することで、より効果的な動画を制作することができます。

また、ターゲットの購買ステージに応じた内容を提供することも重要です。例えば、初期段階の顧客には製品の基本情報を、中期段階の顧客には具体的な活用事例を、最終段階の顧客には購入後のサポート情報を提供することで、効果的なナーチャリングが可能となります。

ストーリーテリングを活用した動画構成

ストーリーテリングは、顧客の感情に訴える効果的な手法です。動画の中で、顧客が共感できるストーリーを展開することで、ブランドへの親近感や信頼感を高めることができます。例えば、顧客の課題を解決するプロセスを描いた動画は、非常に効果的です。

さらに、ストーリーの中にブランドの価値やメッセージを自然に組み込むことで、顧客に無理なく情報を伝えることができます。このような動画は、単なる情報提供にとどまらず、顧客の心に残るコンテンツとなります。

動画の長さと配信タイミングの最適化

動画の長さは、視聴者の集中力を考慮して設計する必要があります。一般的には、1~2分程度の短い動画が効果的とされていますが、内容によっては5分以上の動画が適している場合もあります。重要なのは、視聴者が最後まで興味を持って視聴できる構成にすることです。

また、配信タイミングも重要な要素です。顧客が最も動画を視聴しやすい時間帯や曜日を分析し、それに合わせて配信することで、視聴率を向上させることができます。これにより、ナーチャリングの効果を最大化することが可能です。

ナーチャリングで動画を活用する際のポイント

ナーチャリングにおける動画活用の成功には、セールス色を抑えた信頼構築型コンテンツや、購買プロセスに応じた適切な動画提供が重要です。さらに、視聴データを活用した改善やパーソナライズ動画の活用が効果を最大化します。

セールス色を抑えた信頼構築型コンテンツの重要性

ナーチャリングの目的は、見込み顧客との信頼関係を築き、価値ある情報を提供することにあります。そのため、動画に過剰なセールス要素を盛り込むことは避けるべきです。

たとえば、「今すぐ購入を!」といった直接的なセールスメッセージや、製品の機能や価格だけを一方的に伝えるアプローチは、顧客に不快感を与える可能性があります。

代わりに、課題解決型の動画を制作し、顧客が抱える悩みやニーズに共感しながら、その解決策を提示する形式が効果的です。

例えば、「〇〇業界でよくある課題とその解決策」といったテーマで、役立つ情報を提供する動画は、視聴者にとって実用性が高く、信頼獲得にもつながります。また、製品の使い方や業界の最新トレンドをわかりやすく解説する教育的なコンテンツは、顧客の理解を深め、企業やブランドへの信頼感を自然に高めることができます。

購買プロセスに応じたコンテンツの提供

ナーチャリング施策を成功させるには、顧客が購買プロセスのどの段階にいるかを正しく把握し、それに適した動画コンテンツを提供する必要があります。認知段階にいる顧客に対しては、業界のトレンドや一般的な課題について解説する動画が効果的です。

例えば、「〇〇業界で注目される最新トレンド5選」といったテーマで、興味喚起を図ります。検討段階の顧客には、製品のデモンストレーションや競合製品との比較を通じて、自社製品の優位性をわかりやすく伝えるコンテンツが適しています。

一方、意思決定段階の顧客に向けては、実際の導入事例や、導入によって得られた成果を紹介する成功ストーリーが信頼性を後押しします。たとえば、「〇〇社が〇〇を導入して売上を30%向上させた方法」といった事例は、導入の意思決定を後押しする強力な材料となります。

視聴データに基づく継続的な改善の実施

動画の効果を最大限に引き出すためには、視聴データの分析を行い、その結果をもとに継続的な改善を加えることが重要です。たとえば、視聴回数は動画のリーチ状況を把握する指標となり、視聴完了率を確認することで、コンテンツが最後まで視聴されているかを判断できます。

また、離脱ポイントを特定することで、視聴者がどのタイミングで興味を失っているのかを分析できます。これにより、冒頭部分の内容をより魅力的に構成したり、動画の長さを調整するなどの工夫が可能になります。さらに、CTA(行動喚起)のクリック率を確認することで、メッセージや配置の見直しにもつなげることができます。

これらの分析と改善を繰り返すことで、次回以降の動画の効果を継続的に高めていくことができます。

顧客ごとのニーズに合わせたパーソナライズの活用

ナーチャリングでは、顧客一人ひとりの興味や課題に合わせて動画をパーソナライズすることが非常に有効です。特に、顧客の名前や所属する業界、特定の課題に直接言及することで、特別感を演出し、視聴者との距離を縮めることができます。

例えば、「〇〇様、あなたにおすすめの解決策をご紹介」といったタイトルや、「〇〇業界向けの最新ソリューションをチェック」といったアプローチは、視聴者にとって自分ごととして感じられ、エンゲージメントの向上につながります。パーソナライズ動画を作成する際には、事前に収集した顧客データを活用し、ターゲットに最適化された内容設計を行うことが不可欠です。

まとめ

ナーチャリングは、見込み顧客や既存顧客との信頼関係を構築し、購買意欲を高めるための重要なプロセスです。その中で、動画は視覚的な訴求力や感情に訴える力を持つため、ナーチャリングを強化する非常に効果的なツールとなります。しかし、効果を最大化するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

まず、過剰なセールス要素を避け、顧客に価値ある情報を提供することが重要です。また、顧客の購買プロセスに応じた適切なコンテンツを提供することで、より効果的なナーチャリングが可能になります。さらに、視聴データを分析し、継続的に改善を加えることで、動画の効果を高めることができます。加えて、パーソナライズされた動画やモバイルフレンドリーな設計を取り入れることで、顧客とのエンゲージメントをさらに深めることができます。

ナーチャリング動画を活用する際には、顧客の視点に立ち、信頼関係を築くことを最優先に考えましょう。これにより、単なる一回限りの取引ではなく、長期的で継続的な関係を構築することが可能になります。動画を効果的に活用したナーチャリングを実践し、顧客との関係を深め、ビジネスの成長を実現していきましょう。

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VIDEO SQUARE編集部

福岡の物流会社「西京物流サービス」、「ロジザードZERO」で出荷ミスほぼゼロ、クラウドカメラ連携で業務効率化を実現

8ヶ月 ago

福岡県に拠点を置く物流会社の西京物流サービスは、ロジザードが提供するクラウド型倉庫管理システム(WMS)「ロジザードZERO」を導入し、出荷ミスの大幅な削減と業務効率の向上を実現した。

西京物流サービスは、食品・サプリメント・雑貨・アパレルなどさまざまな商材を取り扱い、EC対応、ケース単位の発送、チャーター便の手配など多様な物流ニーズに対応している物流代行企業。

「ロジザードZERO」導入以前は「現場作業の標準化」と「ヒューマンエラーの防止」が課題にあがっていた。「ロジザードZERO」の導入により、バーコードをハンディターミナルで読み取る作業で、正確性と確実性を担保しながら業務の標準化と効率化を実現。​その結果、在庫数の不一致はほとんど発生しなくなったという。

さらに、エッジAIカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」と「ロジザードZERO」を連携した「出荷検品 クラウド録画連携オプション」を活用。出荷作業の映像記録と確認ができるようになり、ミスやトラブルの早期発見と迅速対応できるようになった。​特に包装資材や同梱物に細かい指定がある荷主に対して、作業手順を証明できるようになり、信頼構築につながっているという。 ​

福岡の物流会社「西京物流サービス」、「ロジザードZERO」で出荷ミスほぼゼロ、クラウドカメラ連携で業務効率化を実現
物流改善の現場

クラウドカメラによる作業状況の可視化は、現場巡回の効率化や作業進捗の遠隔確認にも効果を発揮、人的負荷の軽減にも寄与している。​今後は「EC万引き」対策など、セキュリティ強化の観点でも「Safie One」との連携活用を拡大していく方針。 ​

西京物流サービスの田中秀典氏(統括部長)は、次のようにコメントしている。

WMSの導入は、荷主との信頼関係構築にとても有効。「ロジザードZERO」は直感的に誰もがすぐに使えて導入のハードルが低い。一定の規模感がある事業者にはぜひ利用して欲しい。

宮本和弥

【ソーシャルログインの導入・利用状況2024】導入組み合わせトップは「LINEログイン単体」がトップ

8ヶ月 ago

フィードフォースグループ傘下のソーシャルPLUSは、「ソーシャルログイン利用状況調査2024」の結果を発表した。導入の組み合わせは「LINEログインのみ」が最も多く、137サイトだった。

調査対象はソーシャルログイン・LINEのCRM活用サービス「ソーシャルPLUS」を導入し、2024年12月時点でソーシャルログイン機能を提供している336サイト。調査期間は2024年1月1日~12月31日。

「ソーシャルPLUS」が対応しているソーシャルログイン6種「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Apple」「X(旧Twitter)」「Facebook」のうち、導入の組み合わせで最も多かったのは「LINEログインのみ」で、137サイトだった(2023年調査比で13サイト増)。

ソーシャルログイン導入組み合わせランキング(2024年)

2021年の調査開始以降、「LINEログインのみ」の導入サイトは右肩上がりに増えている。

LINEログインのみを導入するサイト数の変遷
LINEログインのみを導入するサイト数の変遷

LINEログインのみを導入する企業が増えている理由について、「LINEログインは他のソーシャルログインとは異なり、LINE公式アカウントとの連携強化に活用できる。LINEを通じた便利なユーザー体験や円滑なコミュニケーションが可能となり、企業とユーザー双方にメリットをもたらす」(ソーシャルPLUS)と解説している。

企業がLINEログインのみを導入するメリットには、「LINEは日本人口の約8割以上をカバーしているため、LINEログインを導入するだけでも多くのユーザーにソーシャルログイン機能を提供できる」「LINE上でユーザーとの接点を確保し、LINE公式アカウントを活用したパーソナライズドコミュニケーションが可能になる」などがある。

「LINEログインのみ」を導入したサイトの業種別内訳は、上位は「人材」「アパレル」が同率1位で15%、「食品/飲料/健康食品」が14%、「美容/化粧品」が13%の順となっている。

LINEログインのみを導入しているサイトの業種別内訳

2番目に多かったソーシャルログインの導入の組み合わせは、「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「X」「Facebook」だった。このうち、最も利用されたソーシャルログインは「LINE」で70%。続いて「Google」が15%、「Yahoo! JAPAN」が13%となった。

「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「X」「Facebook」ログインを導入しているサイトにおける、ソーシャルログインの利用状況
「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「X」「Facebook」ログインを導入しているサイトにおける、ソーシャルログインの利用状況

3番目に多かったソーシャルログインの導入の組み合わせは「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Facebook」。利用が多かったソーシャルログインは「LINE」が68%、「Google」が22%、「Yahoo! JAPAN」が9%だった。

「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Facebook」ログインを導入しているサイトにおける、ソーシャルログインの利用状況

デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合は、「スマートフォン」が最も多く全体の97%を占め、「PC・タブレット」は3%だった。

デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合(2024年1月~2024年12月)
デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合(2024年1月~2024年12月)

スマートフォンでの利用回数の割合は、最多は「LINEログイン」で88%、続いて「Yahoo! JAPAN」が4%、「Google」が3%、「Apple」が2%、「X」が2%、「Facebook」が1%だった。

スマートフォンでのソーシャルログイン利用回数の割合
スマートフォンでのソーシャルログイン利用回数の割合

調査概要

  • 調査期間:2024年1月1日~12月31日
  • 調査対象サイト:「ソーシャルPLUS」を導入しており、2024年12月時点でソーシャルログイン機能を提供している全サイト(336サイト)。一般消費者向けのECサイトや求人サイトが中心
  • 調査主体:ソーシャルPLUS
大嶋 喜子

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