ネットショップ担当者フォーラム

明太子メーカーのやまや、LINE経由のEC売上が15%増。CVRアップにつながったコミュニケーション施策とは

2 years 2ヶ月 ago

明太子メーカーのやまやコミュニケーションズは、オンライン上の顧客コミュニケーションを強化に乗り出しており、LINE経由のEC売上が前年比で15%増加に成功している。

商品購入のリマインド配信など、コミュニケーションのパーソナライズ化を実施。LINE上でアンケートを行い、顧客1人ひとりのニーズを把握した上で、顧客の興味関心に合った商品案内やキャンペーン配信も行っている。

やまやの自社ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
やまやの自社ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

「ロイヤリティの高いEC会員」「顧客によるアプリ利用」の活性化を目的に、やまやコミュニケーションズはLINEに着目。パーソナライズ化したコミュニケーションをとり、会員登録の促進、ECの販売促進を図っている。

顧客コミュニケーション強化の取り組みによる主な成果は次の通り。

  • 商品リマインド配信のクリック率が23倍、クリックしたユーザーの購買率が2.6倍
    ECサイトに、Webサイトの閲覧履歴をトリガーとして、LINEコンテンツを後追い配信できる機能を導入。ユーザーが購入を検討した商品をカートに入れた後、カートから離脱するのを検知し、約1時間後に商品購入のリマインド配信を行っている。その結果、通常の配信と比較してクリック率23倍、コンバージョン率は2.6倍となった。
  • LINE経由のEC売上が前年比で15%増加
    上述の通り、LINE経由のコミュニケーション強化による。

顧客コミュニケーション強化に当たっては、Micoworksが提供するマーケティングプラットフォーム「MicoCloud(ミコクラウド)」を活用。Webサイトの閲覧履歴からLINEコンテンツを後追い配信する機能は「WEBタグ」を利用している。

Webサイトの閲覧履歴をトリガーにLINEコンテンツを後追い配信する(画像はイメージ)
Webサイトの閲覧履歴をトリガーにLINEコンテンツを後追い配信する(画像はイメージ)
高野 真維

リユース事業のテイツー、「漫画全巻ドットコム」のTORICOと資本業務提携

2 years 2ヶ月 ago

リユース事業などのテイツーは3月29日、コミックや漫画などのEC事業を展開するTPRICO(トリコ)との資本業務提携を締結し、TORICOが実施する第三者割当増資を引き受けると発表した。

資本提携は、TORICOが第三者割当増資で発行する新株式をテイツーが引き受ける。テイツーは株式30万株を3億2040万円で取得。TORICOの社外取締役に1人を派遣する。取得する株式数は、議決権所有割合の19.7%。株式引受実行日は4月15日付。これによりTORICOはテイツーの持分法適用会社となる予定。

テイツーの実店舗・リユース商品調達力・売買ノウハウと、TORICOのIPビジネス・新刊書籍ノウハウなどを共有することで、新たなコミュニティ形成戦略、商品戦略を構築する。

テイツーの「ふるいち二川マンガ館」「ふるいちトキワ荘通り店」といった現場運営力、TORICOのイベント・コンセプトカフェの展開力を連携し、体験型ビジネス戦略も構築。TORICOが先行している海外戦略と連携し、海外市場の開拓も進める。

EC戦略では、テイツーのECサイト「ふるいちオンライン」、TORICOのECサイト「漫画全巻ドットコム」の会員サービスを融合。また、TORICOが内製化しているシステム開発体制との連携で、テイツーのECサイトの保守・開発コストの低減、リユースEC領域のスピーディーな強化を図る。

TORICOはテイツーとの資本業務提携で、多様化する顧客ニーズへの戦略的対応、業界における地位向上の実現など、これまで以上の事業シナジー効果を見込む。

TORICOグループは、コミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全館ドットコム」が中心のECサービス、国内外へのデジタルコミック配信サービス、リアルの世界やECサイトでの漫画イベントサービス展開。2023年3月期連結業績は、売上高が前期比7.2%減の50億400万円、営業利益は同34.5%減の1億3000万円、経常利益は同38.2%減の1億2800万円、当期純利益は同51.3%減となる7400万円だった。

松原 沙甫

PayPayが加盟店に資金調達サービス、将来の売上を事前に受け取れる「PayPay資金調達」とは

2 years 2ヶ月 ago

スマホ決済サービスのPayPayは3月26日から、PayPayの加盟店を対象に将来の「PayPay」経由の売り上げを最大100万円まで事前に受け取ることができる「PayPay資金調達」の提供を開始した。

「PayPay資金調達」は、加盟店の「PayPay」利用実績に合わせて案内する招待制を採用。サービス開始当初は、PayPayと直接契約し、かつ利用対象として選定した加盟店を対象に提供する。

「PayPay資金調達」は、加盟店のPayPayに対する将来の売上金支払請求権をPayPayが買い取ることで、資金調達できる仕組みを採用している。

招待された加盟店は、決済の管理などで利用している加盟店専用の「PayPay for Business」のアプリまたはWeb版から、①調達金額の設定と精算割合の選択②調達内容――を確認すると申し込みが完了する。担保や保証、書類の準備は必要ない。

スマホ決済サービスのPayPayは3月26日から、PayPayの加盟店を対象に将来の「PayPay」経由の売上を最大100万円まで事前に受け取ることができる「PayPay資金調達」の提供を開始した
申し込みのイメージ

加盟店の調達可能金額は1万円から最大100万円。調達後の売上金からの精算比率は、最大3つのプランから加盟店が選択する。

手数料率は3.0%~18.0%。PayPayが提示する調達可能な上限金額、毎月の売上金から精算する割合は、PayPayが保有する大量の決済や取引データを活用、AIが導き出す将来の売上パターンから決定する。

「PayPay資金調達」を利用することで、加盟店は突発的に資金が必要になった際、融資を利用することなく、将来の「PayPay」経由の売り上げを事前に受け取ることが可能になる。

PayPayは、「借りない、資金調達」である「PayPay資金調達」という新たな選択肢を提供し、加盟店が事業に集中できる環境を提供できるようサポートするとしている。

松原 沙甫

10年間でEC業界はどのように変化したのか? 運営堂の森野さんと振り返る業界の変化+注目トピック+長期間コンテンツを続けるコツ

2 years 2ヶ月 ago
ネッ担で毎週火曜日に更新していた「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」が2024年3月末をもって連載終了となります。10年という長い期間連載を続けられたコツや印象に残っているトピックなどを運営堂の森野誠之さんに聞きました

『ネットショップ担当者フォーラム』の創刊(2014年)と同時にスタートした連載「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」。EC事業者が押さえておきたい注目トピックやニュースを毎週火曜日に紹介してくれていたのは、運営堂の森野誠之さん。10年という節目を機に連載終了を迎えます。

連載スタート時に小学生だった森野さんのお子さんは、もう高校生。長い年月の連載を続けてきたコツ、EC業界の変化や注目トピックなど、この10年間を編集部と振り返ります。

最初は手探りでスタート。振り返ると「あっという間だった」10年

ネッタヌネッタヌ

連載10年間、お疲れ様でした。10年を振り返って最初に感じたことは何ですか?

運営堂 森野誠之さん(以下、森野)

毎週更新していたので、あっという間でしたね。原稿を執筆していた時間を入れると、ずいぶんやったな、意外と書いていたなと感じます。

連載当時はもう少しWebマーケ寄りでECの情報は少なかったのですが、だんだんEC寄りになっていくなど、振り返るといろいろ試行錯誤していました。

ネッタヌネッタヌ

連載がスタートした経緯を振り返ると、当時の「ネッ担」編集長だった安田英久が、森野さんが発行しているメルマガを購読していたことが始まりでした。「ネッ担」創刊にあたり、「森野さんに連載をお願いしよう」となりましたが、当時は編集部としてもどのような内容が良いのか、ニーズに刺さるのか手探りの状態。森野さんといろいろ相談しながら進めて行きました。

森野

連載当初は「運営堂」のメルマガ発行のほか、「Googleアナリティクス」の仕事がメイン。EC系のクライアントは少なかったため、連載のスタートに向けてたくさんの情報を収集しました。ただ当時、EC系の媒体はほとんどなかったので苦労しましたね。

苦労はありましたが、当時は「何でも受ける」という仕事のスタンスだったので引き受けました。「とりあえずやってみてから考えれば良いか」と思ってやっていました。

「この記事で良いのかな」と小出しにしながら、毎週探り探り進めていました。記事の見せ方も、最初は紹介する記事の本数を多くして、タイトルも記事の本数を押したり、少し大げさで強調した感じにしてみたり。記事のレイアウトも文字サイズの変更、アイコンの挿入など、とにかく試行錯誤を重ねていました。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 第1回の記事
運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 第1回の記事
記念すべき第1回の記事。難易度を鉛筆アイコンの数で示したり、カテゴリごとに分けて紹介したりする形式でした
森野

「注目トピック、今週のチェック記事、今週の名言」という今の形式になったのは2016年頃ですかね。「ニュースに縛られない記事があっても良いかな」と思い、「今週の名言」を入れるようになりました。

最初はニュースの紹介だけでしたが、少しずつ面白いニュースの重要ポイント・解説を入れるようにしました。記事だけ取り上げていても、何が大事かわかりにくいだろうと思って。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 2014年3月からスタートして、記事総数は489本
2014年3月からスタートして、その記事数はなんと489本!
ネッタヌネッタヌ

EC関連情報があまりなかった当時、記事をピックアップする基準など、意識していたことは何でしょうか?

森野

数少ないEC系のメディア、EC関連の記事を書いていたり、情報を発信したりする人をとにかく探しました。他にも「Googleアラート」の活用、本を執筆している人やセミナーに登壇している人、ツールやカートを提供している企業など、とにかく情報をたくさん集めることを意識していましたね。それまでは意識してECの情報を集めていなかったので、書籍などもたくさん購入しました。

ニュースのまとめなので、元ネタがないと記事が執筆できない。最初はそれが一番大変でしたね。

運営堂 森野誠之さん 10年間の連載振り返り
運営堂 森野誠之さん

信頼できる情報源を継続して見続けることが大切

ネッタヌネッタヌ

今はEC関連のメディアなども増えてきましたが、当時と変わったことはありますか?

森野

記事が増えすぎて、どの情報が正しいのか、信頼できるメディアなのかを判断することに時間がかかるようになりました。「note」でそれっぽいことを書いている人がいても、誤った情報を発信してしまう危険性があるので、執筆者が何をしている人なのかを確認・注意しないといけません。

情報の収集方法は連載開始当時から変わっていませんが、SNSなどチェックするメディアは増えましたね。

ネッタヌネッタヌ

情報過多の時代に正しい情報を探して記事として出すのは大変だと思いますが、情報収集でアドバイスするとしたら?

森野

今だときちんとした情報を発信している人かメディアを見続けるしかない。いろいろなところをつまみ食いしているうちは永久に良い情報は見つからないと思います。ずっと見続けて「ここは大丈夫そうだ」と判断できるところ、信頼できるところを見続けることが大切です。

たとえばメデイアだったら、「ネッ担」「ECzine」「コマースピック」「日本ネット経済新聞」「通販新聞」など。あと、消費者庁、経済産業省、国土交通省などの統計データは絶対にチェックしています。

SNSでは、X(旧Twitter)で継続的にECの話をしている人が増えてきたので、そういった人の投稿は必ず見ています。たとえば、EC系の書籍を出版した人で、参考になる・良いことを言っているなと思ったら、その人はずっと見ている感じです。あと、本をたくさん購入して読んでいますね。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 森野さんが読んできたEC関連書籍の一部
森野さんが読んできたEC関連書籍の一部(森野さん提供の画像を編集部が一部編集)
運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 森野さんが読んできたEC関連書籍の一部
このほか『なぜ通販で買うのですか』(集英社新書)、『楽天にもAmazonにも頼らない! 自力でドカンと売上が伸びるネットショップの鉄則』(技術評論社)、『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』(日本実業出版社)などたくさんの書籍を読んでいるとのこと(森野さん提供の画像を編集部が一部編集)
ネッタヌネッタヌ

記事を選ぶ基準は?

森野

法律面とモールの動き、事例を選んでいます。法律面は厳しくなってくると対応しなくちゃいけなくなるので、早めにわかっておいた方が良いかなという理由で選んでいます。

それから、売れる方法や小ネタはあまり取り上げないようにしています。売れるネタは探せば無限に出てきますが、ピンポイント過ぎて汎用性が低いかなと。

反応があるから続けられた。続けることでビジネスの幅も拡大

連載を「やめたい」と思うこともあった

ネッタヌネッタヌ

10年という長い間続けていると、正直「記事を書くのが辛い」と思ったこともあるのではないでしょうか。

森野

ありますよ(笑)。「もう無理」だと思うことが何年かに1回来る。他の業務が忙しいときが大変なわけではなく、業務で嫌なことがあった時に原稿を書くのが一番辛い。

1週間のまとめなので1週間経たないと記事が書けない、書き溜めることができないんですよね。本当に書けないときは夜中に公園へ行って缶コーヒーを飲みながらブランコをこいだりしていました。家にいても何も出ないと思って。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 記事を書くときが辛いときのイメージ
(画像はイメージです)
ネッタヌネッタヌ

そこまで……。そういった状況を乗り越えるためにどうしていたのでしょうか?

森野

原稿を書いた翌日に見直して、「これ以上は書けないのでもう無理です……」と思いながら編集部の人たちに託していました。心の中では謝罪していましたよ(笑)

何年かやると流れが見えてきて、「こんな記事が出てきているなら、こういう流れで書けるだろう」となり、ここ数年は辛い流れはほとんどなくなっています。根性があれば続けられます

ネッタヌネッタヌ

毎年年始に1年間のまとめ記事も執筆していました。ボリュームがあるので、そちらも大変だったのでは……。

森野

11月くらいから頭の中にチラついてくるので、過去のまとめを振り返って「今年はこんな流れだったからこうまとめればいいか」といった構想が浮かんでくるようになりましたので。大変でしたが、不思議と3、4年やると慣れてきてしまいましたね。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 1年間のまとめ記事
年間のまとめ記事。毎年最初の記事では、前年の展望+注目トピックを月ごとに振り返っていました

読者からの反応があったから続けられた

ネッタヌネッタヌ

そうした気持ちを乗り越えながら連載を10年続けられたコツ、モチベーション維持の方法を教えて下さい。

森野

SNSでコメントや何かしら反応があると続けられますし、どこかでお会いした時に「読んでいます」と言っていただけるとモチベーションになりますね。何の反応もなくて、「ネッ担」の週間アクセスランキングにもランクインしていなかったら続けられないですよ。

ランキング外が続いたときは「連載が打ち切られるんじゃないか」と思っていました。売れない漫画家さんになった気分(笑)。ただ、そういった経験があったお陰で、タイトルや記事の見せ方を学べました。

ネッタヌネッタヌ

EC領域に関わる機会が増えたことで、ビジネスの幅が広がったりしましたか?

森野

それはありますね。EC領域は物流、カスタマーなどすべて網羅するので、情報を収集したことで幅は広がりましたし、クライアントに話せることも増えました

販促企画をするときは在庫も気になるようになって、現場の人と話すことも増えました。モノがないと売れないですし、配送できないとクレームになっちゃいますからね。このあたりは、Webマーケだけだと絶対やらない領域なので本当に良い経験になりました。

この10年で印象深かったトピックは「3大モール」「越境EC」

ネッタヌネッタヌ

ここからは、この10年間のEC業界について振り返って行きます。これまでに印象に残っているトピックは何でしょうか?

森野

「Amazon.co.jp」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の3大モールの動きは印象的ですね。

ヤフーが2013年10月に「Eコマース革命」を発表したことをきっかけに、「Yahoo!ショッピング」が急激に注目を集めました。そして、2023年にヤフーとLINEが合併……。当時は、ヤフーがまさかLINEと合併するとは思いもしませんでしたね。「優良配送」の発表も印象に残っています。

楽天グループは三木谷浩史会長兼社長の思うままですが着実に進んでいるなと感じています。派手さはなくなってきたものの、毎年成長していますし数年先までは見えているのだろうと思います。

アマゾンは、元々すごかったものがこの10年で怪物のようになったなぁと。特に物流に関しては日本全国どこでもすぐに届くようになりましたよね。ここまで徹底できるのが強みですね。

モール以外でインパクトがあったのは中国EC。「独身の日(W11)」のとんでもない流通総額を見て、当時「あれは何だ」と驚きました。今は「SHIEN(シーイン)」と「Temu(ティームー)」の台頭ですね。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り 中国EC SHEIN シーイン
さまざまな商品を安く購入できる「SHEIN」。数百円で購入できるトップスなども(画像は「SHIEN」のサイトからキャプチャ)
森野

外せないトピックで言うと、やはり新型コロナウイルスが起きたこと。コロナを機にECを実施する企業が増えるなど、取り巻く環境がガラリと変わりました。BASEさんの契約者急増したのがいい例ですよね。そのコロナも収束してオムニチャネル的に店舗とECを活用する事業者も増えています。

法律面では、アフィリエイトなどに規制がどんどん入り始めた。それまで好き放題やっていた部分もあるので、仕方がない面はあると思います。ECの黎明期は悪質な人もそんなにいなかったように思いますが、市場が広がると悪いことを考える人も増えてきてしまいますからね。

SNS運用、配送の品質向上――EC事業者がやることがとても増えた

ネッタヌネッタヌ

この10年で、ECにはどのような変化があったと感じていますか?

森野

ECはとにかくやることが増えました。昔はショップを開設して広告をうってメルマガを送れば商品が売れる時代でしたが、今はSNSやLINE、出稿する広告先が増えるなどやることは多いけれど、売り上げが伸びにくい。ただやることが増えて、現場の負荷が大きくなってきてしまいました。

昔は配送スピードもそこまで求められていませんでしたし、クレームもそこまで多くなかった。ECで注文した商品が届くだけで「すごい」と言われる時代でした。

ネッタヌネッタヌ

ECができ始めた頃・黎明期は、創業者や店長が“スーパーマン”であることが多かったですが、今はどちらかというと現場の人が“スーパーマン”であることが求められている気がします。

森野

普通に運営していたらなかなか売れないので、何か得意なことがある人、センスが良い人がいないと難しくなってきてしまいましたね。全体を見られる“スーパーマン”ではなくて、SNSであったりコンテンツ作成であったり、部分でのスペシャリストが必要になっています。これらの能力がある人は手放したくないところです。

アマゾンの登場が大きな転機になった?

森野

アマゾンが登場して、「楽天市場」でさまざまな施策が行われ始めてから、大きく変わっていったなと。「楽天市場」は如実にアマゾンに寄せてきていると感じますが、アマゾン並に手軽に買えて商品が早く届くことに消費者が慣れてしまったら、そうなってしまいますね。

ネッタヌネッタヌ

ページもシンプルというか無機質な雰囲気になってきているように感じます。

森野

10年前の「楽天市場」は動くエフェクトを使っていたり、縦長ページ、派手だったりとすごいページがたくさんありました。商売感があって、商人の世界だったなと。今はシステマチックでデジタルの世界になってきているように感じます。

運営堂 森野誠之さん
森野さんは「10年前はSNSで商品を売る感覚がなかったので、そこは大きな変化」と話します

これからのEC、ポイントは「業界再編」「物流」「AI」

ネッタヌネッタヌ

ECの未来についてもお伺いできればと思います。今後、EC業界で注目すべきトピックは何でしょうか?

森野

2024年2月にKDDIがローソンの株式公開買い付け(TOB)を発表したように、業界再編に注目しています

今後、EC業界は大きいところと小さいところの二極化しそうだなと。そうなると、大きなモールで運営していくのか、とことん尖るかを決める必要が出てきます。中途半端なECでは生き残っていくのが相当厳しくなる。株主から「売り上げを伸ばせ」と言われても伸ばせないなら、企業同士が合併していくしかないでしょうし。

それから、物流。2024年問題を機に山奥などはモノが届かなくなってしまうんじゃないかと思っています。配送キャリア側が「細かいところまで届けられません」となってしまい、さまざまなところに影響が出るんじゃないかと。ドローンやAIが進化しても数が増えてしまえばコントロールが難しくなって、新たな問題も出てきますし。

ネッタヌネッタヌ

地方配送は3大キャリアが共同配送で運用していきそうですね。そこに政府が補助金を出す、といった形式になるかも。

森野

コンパクトシティみたいにぎゅっと集まって、「そこにしか届きません」みたいになるんじゃないでしょうか。

物流問題って届く・届かないではなくて、町のあり方から問われていると思うんですよね。人口の少ない地域が点在するとなにかと効率が悪いので、一か所に固まらざるを得ない。その一方で感情的な面もありますし、歴史とか文化の面などいろいろな問題があります。

ネッタヌネッタヌ

小売りは人口の増減に影響を受けるので、未来を見据えて運営していく必要がありますね。

森野

そう考えると、越境ECはチャンスだと思います。越境で商品を購入する人は増えていますし、日本の物価は世界と比べても安いので。インドネシアなど人口が多い国や地域で販売している人もいますし、海外に目を向けるなら今だと思います。もう少し遅くなるとみんな始めてしまうので。今、海外には夢がありますね。

ネッタヌネッタヌ

テクノロジーがより発達して、カートなどが知らないうちに越境に対応している日が来るかもしれません。

森野

そうですね。AIなどの活用によって、ECでは国境がなくなっていく気がします。カートやツールのベンダーさんたちも「ここが伸びる」と思えば新しいものを出してくるでしょうし、そうなれば乗ってくる事業者も増えますよね。

ユーザー側がAIをもっと活用するようになったら、世の中はもっと変化するかも

森野

AIは必ず出てくるので、「楽天市場」などのモールは、似たような感じになっていくのではないでしょうか。そうすると、仕入れ型の店舗は差別化が難しくなり、何で勝負をしていくかを考えないといけなくなる

「Shopify」では、既にAIを活用して商品説明文を作成したり、画像を編集したりする機能を導入しています。

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り Shipify AI活用 Shopify Magic 商品説明文の作成や画像編集が行える
「Shopify」のAI対応機能「Shopify Magic」。商品説明文の作成などが行えます(画像は「Shopify」のサイトからキャプチャ)
森野

今後、購入者側がAIを活用できたら、世の中は大分変化していくと思います。AIに「こんな感じの商品」とお願いしたら、「こういうモノがあって、これが最安値です」と提示してくれる世界がくるのではないかと予想しています。そうすると、「商品をわざわざ自分で選ばなくても良いかな」となってしまいそうですね。

ただ、ECは実際に商品がユーザーの元に届かないといけないので、現時点ではAIがどういった進化を遂げるか正直わからない部分が多いです。

ネッタヌネッタヌ

EC事業者で、既にAIを活用している企業はいますか?

森野

クレームへのメール返信、レビューへのコメントなどで使っている人はいます。そういった対応はAIが向いていると思いますし、クレーム対応をAIが行ってくれるようになったら、ECの人もより楽しくなっていくと思います。EC業界でAIがどう活用されていくか楽しみですね。

連載を続けることで、ECの仕事に生かせることが増えた

ネッタヌネッタヌ

今後、森野さんが実施したいことなどを教えて下さい。

森野

何もない週末は10年ぶりなので、最初は習慣がなくなって何もできないかもしれません。うっかり記事を書いちゃうかも(笑)

ただ、EC系のニュースを収集する習慣を止めてしまうのは勿体ないので、不定期で何か発信していきたいと思っています。これからは年数回、不定期で「ネッ担」でお会いできるかもしれません。

運営堂のメルマガは続けていくので、EC業務に役立つ情報を得たい人はぜひそちらをチェックしていただけたらと(笑)

ネッタヌネッタヌ

最後に、連載を続けていて良かったと感じることを教えて下さい。

森野

実務やECの仕事に生かせたことが一番大きいですね。元々EC関連の仕事はしていましたが、連載を始めたことで、仕事の幅が広がり、在庫の扱いや商品設計など全体設計を見られるようになれたのは良かったです。

2年前も業界の流れについて語る座談会に呼んでもらえて、「そういうことができる人」だと思ってもらえるようになったのかなと。「インプレスさんのメディアで連載しています」と話すと「すごいですね!」と言っていただけるときもありましたし、運営堂というか私の認知度と信頼度アップにつながったと思っています

それから、業界内で抑えておくべき人がわかるようになりましたし、そういった人たちとつながりやすくなりました

「仕事で情報収集しなきゃ」と言う人は、強制的にアウトプットしなきゃいけないので、こういう連載のような、定期的に情報を発信するような仕事をすることをオススメします。

ネッタヌネッタヌ

10年間、本当にありがとうございました! 森野さんの今後の記事も楽しみにしています!

運営堂 森野さん 10年間の連載振り返り
◇◇◇

連載スタート時は小学生だったお子さんが高校生に成長するまでの年月にわたって連載を続けた森野さん。連載期間中は育児、引っ越しなど大変な時期も乗り越えてきました。現在はお子さんがネットで森野さんのことを検索して、連載やセミナー登壇記事を見て「お父さんってWebの専門家ですごい人なんだね」と言われるようになったそう。

そんな森野さんが平日毎日発行している「運営堂メルマガ(毎日堂)」はこちらから。X(旧Twitter)もぜひチェックしてみてください!

藤田遥

EC売上100億円を突破した自転車販売の「あさひ」、EC化率15%をめざす成長戦略とは

2 years 2ヶ月 ago

自転車専門店を展開する、あさひの2024年2月期におけるEC売上高は初めて100億円を突破、前期比24.3%増の103億2100万円だった。

全社売上高は同4.5%増の780億7600万円で、EC化率は同2.2ポイント増の13.6%。EC事業の増収は、OMO強化や価格改定、在庫管理の高度化、最大の強みである「人間力」の向上を要因にあげている。

あさひの全社・部門売上高
全社売上について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年2月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(中計)「VISION2025」では、中計最終年度の2026年2月期には全社売上高850億円、EC化率15%の達成を掲げている。

マクロ環境に関する市場予測では、2026年は少子高齢化に伴い、労働力人口の減少と人件費圧力が上昇するため、自転車利用者の減少を見込む。自転車市場の環境については、新車の台数が漸減する一方、買い替えサイクルの長期化で修理・メンテナンス需要が増加すると予測。子供用自転車は減少し、一般車から電動アシストにシフトすると見ている。

こうした環境を踏まえ、「デジタル・IT基盤の強化」「物流機能の強化&最適化」「ブランディング強化」という3つの成長基盤を強化し、「お客様との関係性強化(CRM強化)」「既存店の活性化(店舗・EC)」「新しい店舗スタイルの開発」「事業領域の拡大」の4つの重点戦略を遂行するとしている。

あさひ 2026年2月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(中計)「VISION2025」
中期経営計画「VISION2025」の全体像(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

都市圏への出店、既存店の活性化、全国の受け取り拠点、物流の効率化、品ぞろえ・品質の向上を図りながら、ECと店舗間で垣根なくモノや情報が流れるOMO戦略を強化する。

一方で、CRMとOMOの連携も強化する。カスタマージャーにマップを作成し、効果的なタイミングで有益な情報を提供。店舗、ECサイト、公式アプリを通じてシームレスな買い物体験の提供を実現する。

あさひ 2026年2月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(中計)「VISION2025」
OMOの強化(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

 

松原 沙甫

海外アニメファンが越境ECを利用する理由トップは「地元で購入できない商品が欲しい」

2 years 2ヶ月 ago

BEENOSが実施した「日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート」によると、「アニメ視聴」以外にアニメ作品を楽しむ方法のトップは「グッズ購入」だった。また、越境ECでグッズを購入する理由では「地元で購入できない商品がほしい」がトップだった。

調査対象は、2023年2月10日~2024年2月11日までに海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」を利用した海外ユーザー807人。期間は2024年2月15日~2月22日。

9割以上が10代までに日本のアニメに興味を持つ

「何歳から日本のアニメに興味を持ち始めたか」と聞いたところ、10歳未満が40.8%、10代が51.5%で、9割以上が10代までに日本のアニメに興味を持ったことがわかった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 何歳から日本のアニメに興味を持ち始めたか
何歳から日本のアニメに興味を持ち始めたか(n=807、出典:BEENOS)

最初にアニメを視聴した方法は「テレビ」(72%)が最多。この傾向はほぼすべてのエリアに共通するが、アメリカ、イギリスの10代のみ「ストリーミングサービス」が最も多かった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 最初にアニメを視聴した方法
最初にアニメを視聴した方法(n=741、出典:BEENOS)

視聴方法上位は「配信サービス」、「Netflix」がトップに

現在のアニメの視聴方法について聞いたところ、「配信サービス」が上位を占め、そのなかでも「Netflix」(72%)「YouTube」(64%)の回答が多かった。一方で、「DVD・Blu-ray・ビデオ」が3位にランクインしており、好きな作品を購入しているユーザーも多い。「その他」の回答では「巴哈姆特動画瘋(バハムート)」「HDIVE」「Funimation」などの配信サービスがあがった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート アニメの視聴方法
アニメの視聴方法(n=789/複数回答可、出典:BEENOS)

アニメ視聴を身近な趣味に感じるユーザーは約7割

ユーザーの居住国における「アニメを見ることの位置づけ」について聞くと、「アニメ好きな特定の人の趣味であるが、アニメ好きを公言することに抵抗はない」が36%で最多だった。

「老若男女問わずアニメを視聴するが、視聴する作品のジャンルは年齢によって変化する」(25%)「アニメを見ることは、ドラマを見たりスポーツ観戦をしたりするのと同じくらい普通のことである」(10%)と合わせて、「アニメ視聴が身近である」という回答は71%に。海外でもアニメ視聴が一般的に定着している状況がうかがえる。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート アニメを見ることの位置づけについて
アニメを見ることの位置づけについて(n=796、出典:BEENOS)

視聴以外の楽しみ方のトップは「アニメグッズの購入」

「視聴」以外のアニメの楽しみ方について、トップは「グッズ購入」(86%)だった。また、「アニメ作品の放送をきっかけにその作品のグッズを購入したことがあるか」という質問に対しては、93%が「ある」と回答した。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 視聴以外の楽しみ方について
視聴以外の楽しみ方について(n=749/複数回答可、出典:BEENOS)
BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート アニメ視聴をきっかけにグッズを購入したことがあるか
アニメ視聴をきっかけにグッズを購入したことがあるか(n=790、出典:BEENOS)

購入したことがあるグッズ1位は「フィギュア」

過去に購入したことがあるグッズでは、1位が「フィギュア」(84%)で、次いで「書籍」(68%)「ストラップ・キーホルダー」(60%)だった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 購入したことがあるアニメグッズについて
購入したことがあるアニメグッズについて(n=787/複数回答可、出典:BEENOS)

欲しいグッズを聞いた自由記述式の質問では、「衣類・ファッションアイテム」が34%でトップに。「衣類/ファッションアイテム」「日用品/インテリア」「ジュエリー/アクセサリー」と回答したユーザーの共通意見として、「キャラクターが着ている服やアイテムと同じもの、モチーフにしたもの」「キャラクター自体ではなく、ロゴなどがプリントされたもの」など、日常使いしやすいアイテムを求める声があがったという。

フィギュアの人気も高く、造形的に優れたものや、バリエーションを求める声のほか、サイズの小さいものを求める声などもあった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 欲しいアニメグッズについて
欲しいアニメグッズについて(n=688/自由記述式、上位10件抜粋、出典:BEENOS)

越境EC利用の理由は「地元で購入できない商品がほしい」

越境ECを利用してアニメグッズを購入する理由を聞いたところ、1位は「地元で購入できない商品が欲しいから」(72%)、次いで「商品数が多いから」(20%)だった。

グッズの流通状況を尋ねる質問では、「販売されているが、流通が少なく、購入が難しい」が57%で最も多く、海外においてグッズ購入はまだハードルがあることがわかった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 越境ECでアニメグッズを購入する理由
越境ECでアニメグッズを購入する理由(n=788、出典:BEENOS)
BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート 住んでいる国・地域で好きなアニメ作品やキャラクターのグッズが販売されているか
住んでいる国・地域で好きなアニメ作品やキャラクターのグッズが販売されているか(n=787、出典:BEENOS)

アニメきっかけで訪日した経験は37%

「アニメ作品がきっかけで、日本旅行をしたことがあるか。または、日本旅行を予定しているか」と聞いたところ、「アニメ作品がきっかけになり、日本旅行をしたことがある」が最も多く37%だった。現在具体的に旅行計画を立てているユーザーは14%、具体的な旅行計画はないものの、旅行意向のあるユーザーは32%で、訪日意向のあるユーザーは46%だった。

BEENOS Buyee 日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート アニメがきっかけで訪日した経験
アニメがきっかけで訪日した経験について(n=795、出典:BEENOS)
調査実施概要
  • 調査タイトル「日本のアニメの受容とグッズ購入に関するアンケート」
  • 調査方法:オンラインアンケート
  • 調査期間:2024年2月15日~2月22日
  • 調査対象:2023年2月10日~2024年2月11日までに、海外向け購入サポートサービス「Buyee」を利用したユーザー(アメリカ、台湾、韓国、マレーシア、シンガポール、イギリス、フランス)
  • 回答者の年代:10代:9%、20代:35.2%、30代:31.8%、40代:16.8%、50代:5.8%、60代以上:1.4%
  • 回答者の居住国:アメリカ:38.4%、台湾:37.3%、韓国:10.4%、シンガポール:4.7%、マレーシア:1.6%、イギリス:5.9%、フランス:1.2%、その他:0.5%
  • 調査人数:807人
  • 設問数:13問
藤田遥

三井物産、日本郵便+佐川急便+ヤマト運輸とデータ連携した「Shopify」向け配送アプリ「プラスシッピング」を本格展開

2 years 2ヶ月 ago

三井物産はShopify(ショッピファイ)の日本法人であるShopify Japanと提携し、国内のEC事業者向けに配送のデジタルトランスフォーメーション(DX)サービス「プラスシッピング」を本格展開する。

「プラスシッピング」は、「Shopify」を使うEC事業者が配送依頼から配送料決済までの業務をワンストップで完結できる配送サービス。EC事業者は配送会社との個別契約をする必要がなく、配送委託をできるようになる。

三井物産は日本郵便と2022年10月、佐川急便とは2023年7月、2024年4月にはヤマト運輸と配送サービスとデータを連携。三井物産がEC配送を束ねることによって、特別配送料、配送会社を自由に選べるというメリットを提供し、ECサイトで販売した商品の配送業務のDX(電子注文・電子決済)を実現する。

また、サービスの導入によって、配送業務の最大93%を削減。ECサイトで販売した商品を消費者へ簡単・スピーディーに配送できるという。

配送委託できるのは、レターサイズから大型サイズに加え、常温・冷蔵・冷凍、「置き配」までフルラインアップでの配送モードに対応。EC事業者のあらゆるニーズを充足できる設計となっている。

物流業界ではトラックドライバーの労働時間の上限が規制される「物流2024年問題」によって、配送キャパシティーの減少や料金の高騰が顕在化している。三井物産は「プラスシッピング」の提供を通じて、EC事業者、配送会社双方の業務効率化を実現。国内EC市場のさらなる発展に貢献するとしている。

松原 沙甫

花王が公式オンラインショップ「My Kao Mall」など計7サイトにレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入

2 years 2ヶ月 ago

花王は、公式オンラインショップ「My Kao Mall」を含む花王グループの計7サイトにレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入した。

類似商品のランキング、オススメ商品を表示

導入したのは、「My Kao Mall」のほか、花王グループが運営する公式オンラインショップ「est(エスト)」「KANEBO(カネボウ)」「LUNASOL(ルナソル)」「RMK(アールエムケー)」「SUQQU(スック)」「athletia(アスレティア)」。

売上データを連携することで、より細かいロジックの設定が可能となり、ユーザーが閲覧している商品と同じカテゴリ・特性の類似商品を人気ランキングとして表示する。

サイト内で人気の高い商品をランキング形式で表示することで、ユーザーの購買意欲を高めてあわせ買いのきっかけ作り、CVR向上につなげる。

花王 My Kao Mall ZETA RECOMMEND 類似商品の人気ランキング表示でCVR向上につなげる
類似商品の人気ランキング表示でCVR向上につなげる

「この商品を買った人は、この商品を買っています」「この商品をお気に入りした人は、この商品をお気に入りしています」などのおすすめ商品を表示。ユーザーの行動履歴を分析し嗜好に合う商品を表示するため、サイトの回遊性向上、クロスセルを促進する。

花王 My Kao Mall ZETA RECOMMEND ユーザーの行動履歴に基づくおすすめ表示でクロスセルを促進
ユーザーの行動履歴に基づくおすすめ表示でクロスセルを促進

「ZETA RECOMMEND」とは

パーソナライズされたレコメンドで潜在ニーズを発掘し、収益とユーザーの満足度向上を支援するマーケティングソリューション。

購買履歴、閲覧履歴、検索履歴などの行動履歴を元にした各ユーザーの特徴づけを行い、リアルタイムにレコメンドを提示する。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA RECOMMEND」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

これで最終回!「ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ」の10年を振り返ります【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

2 years 2ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき「ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ」の10年間を振り返る

10年にわたって毎週お届けしてきた「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」。今回が最終回ですので、10年間のニュースを年ごとに振り返ってみました。2014年と2015年は年間まとめの形式が決まっていなかったので、短いコメントで振り返り。2016年~2023年は年間まとめの月ごとの見出しを表にして振り返ります。こうしてみるといろいろなことがありましたね。

2014年:フリマアプリが躍進

誰もが知っているようで知らない「2015年に売るための方法」【5分でわかる先週のネットショップ関連ニュースまとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/1071

2014年のトレンドとして「フリマアプリの勃興と躍進」「物流革命」「ECサイトのコンテンツ化」「Amazonの攻勢」「ビッグデータ活用」が挙げられ、2015年の展望として「EC店舗数増加による弊害」「運営の自動化」「キュレーション型EC」が挙げられています。

私もここに書かれている通りだと思いますが、2014年では決済関連も大きく動いた年でしたね。後払いの利用者が急増し、NP後払いの累計利用者数が5,000万人を突破しました。2015年も手軽な決済手段が低い手数料で使えるようになってくるはずなので、面倒がらずにどんどん導入したいですね。

eコマースコンバージョンラボさんの記事を引用して振り返っていました。今では「フリマアプリ」は当たり前の存在になっていて、「二次流通」という言葉も定着しています。「ECサイトのコンテンツ化」は当たり前というかやらないといけないレベルに。「ビッグデータ活用」は10年経ってもうまくいった事例が少ないのですが、表に出てきていないだけかもしれないですね。決済に関しては“○○Pay”のない時代で、こうなるとは誰も予想していませんでした。

2015年:ECでもリアル接点が重要

2015年のネットショップ業界は何があった? 厳選34記事で振り返り【ネッ担まとめ】【5分でわかる先週のネットショップ関連ニュースまとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/2442

2015年にお伝えした本連載48本から、重要トピック34記事をピックアップしました。今年は「リアル接点」「越境EC」「配送」「プレミアム会員」「打倒Amazon」あたりがキーワードでした。来年もこの流れがベースとなりつつ新しいことも出てきそうですので、いつでも対応できる体制を整えておきたいですね。

「リアル接点」に関しては、楽天やBASEがリアルイベントを開催して成功していたので、その流れが続くでしょうという意味。今では、コロナが終息して再び注目というか、やらないといけないことになりましたが、それとはまったく違うものでした。「越境EC」は定期的に話題になるいつものパターン。「配送」は再配達の時間が年間9万人の労働力になったという国交省のデータが公開されました。今や2024年問題で配送はECだけにとどまらない問題になっています。

2016年:楽天が品質問題に取り組み始める

2016年のEC業界は何があった? ネットニュースで振り返るこの1年 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3789

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2016年 運営堂

2016年からは月ごとに目立った記事を取り上げて12か月を振り返っています。「楽天」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」「法関連・統計」「配送」「越境EC・海外」「Shopify」「その他」の8つのジャンルに分けてみました。

Amazonがどんどん売っていて、「Eコマース革命」の「Yahoo!ショッピング」も勢いがあって、楽天は二重価格やレビュー問題で失った信頼を取り戻している時期でした。楽天のこの流れは今も続いていて、一貫した方針で成長を続けています。強引に見える部分もありますが、ここまで継続できたのはさすが。

「PUDO」、チャットボットが話題になったのがこの時期。つい最近だと思ったら8年も経っておりました。「Google Home」はどこに行ってしまったんでしょうかね……。

2017年:「eコマース革命」第二章と「ZOZOSUIT」

2017年のEC業界は何があった? ニュースで振り返るこの1年【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5027

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2017年 運営堂

ヤフーの「eコマース革命」が第二章で“お得革命”を始めるとの発表がありました。第一章は売り手の革命で、第二章が買い手の革命という流れです。この頃の「Yahoo!ショッピング」はAmazonと楽天に迫ろうとして勢いがありましたね。

「Amazonフレッシュ」が開始しています。“Amazon○○”ってこの頃はよく聞きましたよね。11月には「ZOZOSUIT」の発表が。「着てみた」とか「着ながら踊ってみた」という投稿がSNSに溢れました。皆さん覚えていますか?

2018年:未来のコンビニと言われた「Amazon Go」

EC業界2018年の振り返りと2019年に起きそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6097

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2018年 運営堂

2018年は話題が豊富です。「Amazon Go」「MFI(Mobile First Index)」「LINE Pay」に「PayPay祭り」での悪質な利用。「Amazon Go」の発表は衝撃で小売業者の皆さんがアメリカに行っては店舗を見てきていたのが思い出されます。今となっては縮小されて話題にもならず……。「MFI」は検索の順位に影響を与えたので対応に追われた人たちも多かったと思います。自社ECではリニューアルもたくさんありましたね。“○○Pay”はまだまだ出始めで、拡大施策がメインの時期でした。

アフィリエイト広告で広告主の責任が問われたのもこの年。最終的には規制が入ることとなりましたね。

2019年:楽天3980円配送とヤフーのZOZO買収

2019年のEC業界振り返り & 2020年に起こりそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7127

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2019年 運営堂

2019年は楽天とヤフーで大きな話題がありました。楽天は全店舗統一の送料無料ラインを3980円に決定し、ヤフーはZOZOを買収してLINEと経営統合。送料無料ラインに関しては、結果的にわかりやすくなったと思えますので、間違いではなかった感じです。ZOZOに関しては1月に1億円バラマキ企画を発表したり、ZOZO離れという言葉が出たりしていて、この先にどうなるかと思っていたタイミングでの発表。孫さんの「月に行きたいなら行かせてやればいいじゃないか!!」という言葉が思い出されますね。

「7Pay」が始まるもトラブル連発で使い物にならずに数か月でサービス終了。ここがうまくいっていればもう少し大きな経済圏もできたでしょうし、ECも視野に入ってくることもあったでしょうから、大きなつまづきでした。

2020年:新型コロナウイルスの流行で世の中が激変

2020年のEC業界振り返り & 2021年に起こりそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8319

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2020年 運営堂

2020年はこの10年で最も大きな変化があった年。新型コロナウイルス感染症が流行して、今まで経験したことのない生活になりました。世の中が激変して対応に追われる日々だった人も多いはずですし、仕事内容がガラッと変わってしまった人も多いと思います。表を見てもわかるようにモールや法関連などの動きもほとんどなく、コロナ対応の記事ばかりでした。

BASEさんなどでEC関連サービス利用者が急増しましたし、オンライン会議やウェビナーも当たり前になりました。ネット利用という観点ではユーザーが激増してリテラシーが上がった年でもありましたね。

リアルが強かった2020年以前、ネットばかりになった2020年~2021年、ネットとリアルが融合してきた2022年~2023年、リアル強化に戻りつつある2024年と、同じように見える世の中でも中身はまったく異なっています。この流れを踏まえつつ将来を考えていかないといけないですね。

2021年:過去のものになった「Clubhouse」と伸び続ける「Shopify」

2021年のEC業界振り返り & 2022年に起こりそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9397

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2021年 運営堂

まだまだ新型コロナの影響が残っている2021年。皆さんはもう忘れているかもしれない「Clubhouse」が話題になった年でもあります。外に出られない時期だったので誰かと話したい人が多かったのでしょうか。

もう1つの話題は「Shopify」。簡単にECサイトを構築できて大量のトラフィックもさばけるということで今も人気。流行りに乗って「Shopify」を導入して失敗した事例も多かったですね。

「プラットフォーム透明化法」「Instagramの投稿で措置命令」などネット関連の規制も増えてきた2021年でした。

2022年:物価高、インフレが始まって日本は「安い国」に

2022年のEC業界振り返り&2023年に起きそうなこと【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10512

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2022年 運営堂

原材料高によって企業の利益に影響が出てきた2022年。この流れで海外では物価も金利も上がって賃金も上昇しました。それに取り残されている日本は「安い国」と思われています。たった2年ほどの間にこれほどの差がついてしまいますので、スピード感をもって事業に取り組んでいきたいですね。

それ以外では「SHEIN(シーイン)」が話題になりました。とにかく安い、どこを見てもお得バナー、「ちょっと怪しい」という感はあったものの、前述の物価高の影響で利用者が増えました。その「SHEIN」も今や「Temu(ティームー)」に取って代わられる状況。くどいようですが世の中の流れは速いですね。

「Yahoo!ショッピング」の「優良配送」もインパクトがありました。これに対応できないと、とにかく売れないので「Yahoo!ショッピング」を諦めるというか放置する人も増えましたね。「Googleアナリティクス」はユニバーサルアナリティクスが終了して「GA4」に。「GA4」はとにかくわからない&面倒なので、こちらも諦める人が続出。

2023年:生成AIが急速に浸透

2023年のEC業界振り返り&2024年に起きそうなこと【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11777

ネットショップ担当者が知っておくべきニュースまとめ 10年振り返り 2023年 運営堂

2023年は「ChatGPT」に代表される生成AIが話題になった年でした。自然な会話ができるAIで無茶なことを言っても対応してくれますし、ちょっとしたプログラミングもしてくれれば、レビューへのコメントなども考えてくれます。関連サービスも出てきていますし、競争も激化しているのでまだまだ変化が激しそうですね。このまとめを読むとわかるように、すぐに手を出すなら徹底的に研究してから、そうでない場合は安定してきたころに始めるくらいでちょうどいいかなと思います。

ZHDとヤフーLINEが合併して「Yahoo!ショッピング」で売れない時期が続きました。個人情報の漏えいなどもあり、なかなか攻勢に転じることができないのがもどかしいですね。

物流の2024年問題も話題になった年でもありました。

◇◇◇

ざっと振り返ってみるとコロナ前は3大モールの動きが活発で競争も激しい時代。コロナ後は国内だけではなく、世界の動きが影響するようになってきたと言えます。インバウンド需要も回復し、観光地などでは外国語を話せる日本人も増えていますよね。

もはや世界とのつながりは避けられませんので、本当に狭いエリアやジャンルで日本人を相手にするのか、世界を見据えて動いていくのかの二択になっていますので、どちらの方向で行くのかを決めておかないといけないでしょう。

この記事が皆さんの参考になることを願って、最後のまとめとしたいと思います。

10年間読んでいただきありがとうございました!

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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JR東日本のECモール「JRE MALL」が拡大している理由は? 現状、鉄道会社ならではの独自企画、課題などを聞いてみた | 通販新聞ダイジェスト

2 years 2ヶ月 ago
東日本旅客鉄道が運営しているECモールの「JRE MALL」。2023年度上半期の9月現在、取扱商品数は200万点強、モールの登録会員数は対前年比27%増の81万人に達している

東日本旅客鉄道(=JR東日本)では、運営している仮想モールの「JRE MALL」において、利用者数や出店者数が前年比で大きく増加している。グループが持つ地域ネットワークやリアルのアセットを活用しながら、鉄道会社ならではの独自企画も進行。同モールのEC戦略について、運営を担当する寺迫浩司氏(写真(右))、百瀬祐二氏の両マネージャーに聞いた。

東日本旅客鉄道(=JR東日本)では、運営している仮想モールの「JRE MALL」 寺迫浩司マネージャー、百瀬祐二マネージャー
寺迫浩司マネージャー(写真(右))、百瀬祐二マネージャー

「ふるさと納税」効果でモール拡大

――現在のモールの規模感について。

百瀬今上半期の9月現在の数字では、取扱商品数が200万点強となり、モールの登録会員数は対前年比27%増の81万人。利用者としては、(グループ共通ポイントの)「JRE POINT」保有者が多い出店者数(ふるさと納税の登録自治体数も含め)は同53%増の687店となり、ショップの出店よりも自治体の登録数の方が伸びている状況。

商品数については、昨年7月に「Super Sports XEBIO」さんが入店したことで、拡充したいと考えていたスポーツ関連のアイテムを増やすことができ、売り上げにも顕著な伸びが見られている。
ただ、昨年はどちらかと言えばふるさと納税の自治体開拓に軸足を置いていた。ショップとの比率としては、半分以上が自治体になっている印象。

――自治体開拓に力を入れた背景は。

百瀬やはりJR東日本として地方創生を掲げている中で、ふるさと納税という役割も踏まえて、今は伸ばしどころがこちらではないかということで動いている。東日本ということだけでなく全国で開拓した。

――アクティブ利用者については。

百瀬昨年9月時点で前年同期での比較で言うと、(4月~3月の間で1度でも利用をした)アクティブ利用者は約1・5倍の数になっている。ふるさと納税が昨年の9月から10月にかけて、ルールが少し変わったことで、駆け込み需要があった面はあるかもしれない。

また、金額比率で見ると、前年度より女性の方が5%上がっている。これは(グループの)千趣会も含めて生活用品の品ぞろえの強化など女性が買い物しやすいサイトになったのではないだろうか。(千趣会との連携の)中でも、「ディズニー100周年Suica・記念入場券」というものが非常に大きく販売をけん引した。
加えて、他のモールで上位になるような商品が、このモールでも上位に来るようになった。日々購入されているような、送料込みで1000円、1500円のようなアイテムの販売が伸びてきているので、モールとしての認知が進んで日常的に利用されるようになったのではと感じている。

――ふるさと納税で人気の高い返礼品は。

百瀬海産物や肉、果物といった一般的な地産品はもちろん人気が高いが、当社独自のもので言うと、「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」という鉄道と宿泊がセットになっている旅行商品がある。宿泊先の自治体と連携して、結果的に割引クーポンになるもので、自治体からも喜ばれるし、けん引している。昨年についてはまだ東日本だけだが、今年からはさらに広がりを見せていく。そのほかにも、寄付金額100万円で「新宿駅長プレミアム体験プラン」というものを現在、取り扱っていて、ほかにはないものだと思う。

グループサイトをフル活用でPR力アップ

――モールの認知を高めるために取り組んだこととは。

百瀬グループサイトのトラフィックを有効活用する取り組みを、昨年から今年にかけてより力を入れている。それぞれが持っているサイトの中でより回遊性を高めていこうというもの。

例えば、JRE POINTや「Suica」の案内、「えきねっと」のようなチケットを購入するサイトでモールの案内をするなど。まだまだ道半ばだが、バナーを貼ったりして、モールを紹介する場所や期間を増やしていったイメージ。
一番分かりやすい例では「どこかにビューーン!」という鉄道サービス商品があって、6000ポイントで新幹線チケットが手に入るガチャ企画などを行っている。そこで、(各地域の)駅の紹介ページがあり、その中でこの駅のふるさと納税をモールで行うことができるという紹介をしている。今まではただ、駅を紹介するだけだったものが、それだけで数百万円の寄付にもつながっている。
もう一つはクッキー規制があって、ファーストパーティデータをどう有効活用しようかという話もある。例えばJRE POINT会員で駅ビルを利用している人にリターゲティング広告を打つとどのような効果が出るのかなどを今試しているところ。ここがクッキー規制が出ることによって強みになるのではと考えている。

自治体から高評価、山手線ふるさと納税「ラッピング列車」

――リアルでのPRとしては。

百瀬安全運航を前提とした駅構内での放送告知がある。直接的な効果測定は難しいが、例えば「ポイント5倍デー」のようなキャンペーン内容を生活圏内の中で聞くことによって認知してもらえる。オフラインからオンラインへのトラフィック化というものは、JRが持っている強みを生かすところでもあると思う。

寺迫:車両の中での広告などについても、ふるさと納税のピークである11、12月などは量を増やした。自分たちが持っている媒体だからこそ活用する。昨年の12月には約1カ月の期間で、山手線でふるさと納税のラッピング列車も行った。ふるさと納税自体の利用者は、首都圏の顧客が多いということはデータにも出ているため、そうしたところにリーチしていくことは自治体からも高く評価をもらえている。

EC、Suica、駅商業施設などクロス利用が課題

――成果があった一方で見えてきた課題とは。

百瀬:JRE POINT会員はおおよそ1400万人とされているが、その中でまだまだモール利用者が少ないので圧倒的に認知が足りないとは感じている。ここは大きな課題。

――会員の多くはポイントをどこで利用しているのか。

百瀬やはり、Suicaチャージが多い。ただ、チャージでは5000ポイントは5000円の価値。それがモールで利用したら、ポイント付与などもう少しお得な利用になる場合もある。そこを伝えたい。

――現在の利用者の顧客属性について。

百瀬働いている男女の利用が多い。今までは(JR東日本グループのクレジットカードである)「ビューカード」を保有する鉄道好きの顧客が多かった。それが、ショップやふるさと納税が増えたことによって、女性比率が高まっている面がある。ショッピングに関する購入単価のボリュームゾーンとしては、送料無料基準が5000円~6000円ということもあり、7000~8000円が多いのでは。

寺迫どちらかと言えばクロスユースではなくて、ポイントの‟入り”と‟出”が同じ印象。Suicaでポイントを貯めた人はSuicaにチャージして、駅商業施設でポイントが貯まった人はやはり駅商業施設で利用している。我々としてはそこをどんどんクロスして使ってもらいたいと考えて取り組んでいる。

荷物の受け取り可能な多機能ロッカー「マルチエキューブ」

――昨年から荷物受取などができる多機能ロッカー「マルチエキューブ」の導入が始まった。

寺迫:ECも含めた多機能な駅での受け取りができ、発送もできる仕組み。23年度中に100台の導入を目指している。EC側としては当然、そことの連携を図るところで、駅受け取りサービスの充実を進めたい。他のEC事業者との差別化の要素という意味でもよりスムーズに受け取りができるようにしたい。

駅受け取りのサービスの中には「ネットでエキナカ」のように、弁当や菓子など基本的には(駅ナカのテナントの)自店舗で販売している商品をその店頭で受け取れるようになっている。マルチエキューブも一部店頭以外にも受け取り手段として選べる。ただ、モールの出店者の中には、マルチエキューブを受け取り場所として利用できないケースもあり、その辺は解消していきたい課題だと感じる。とはいえ、実際に誰がそこに運ぶのかということも含めて整理をしなければいけない。

リアルイベントとの連携

――駅でのリアルイベントとの連携などは進んでいるか。

寺迫物販のイベントと連携して、イベントの店がモールにも出店してもらい、将来的にはイベント終了後も駅で商品を受け取れるなど、今は様々な可能性を模索している。例えば、駅の中での物産店やその地域の産直市みたいなものがあるが、期間が数日か長くて1週間程度。そのため、その場では購入できなかったが、後になってから欲しいとなった時にモールで買えるというシチュエーションを作りたい。モールでの紹介の仕方としては特集ページを設けたい。

――リアルでは千趣会のディズニーグッズ専門店なども開設している。

寺迫東京駅と、グループの蒲田駅の駅ビルでオープンした。ここで、QRコードなどを出してモールに送客するような取り組みとしている。東京駅の店は(ディズニーランドの最寄り駅のある)京葉線の動線上にあるので非常に人気となっている。

マーケティングに千趣会のノウハウ

――現状、千趣会との連携に関しては。

百瀬昨年度は(千趣会からの人事交流で)4人来ていたが、今年度はまた増えて5人になった。商品開発の面では、(鉄道車両をモチーフに、そのカラーリングなどを忠実に再現したグッズを展開するライフスタイルブランドの)「ANOTETSU(アノテツ)」もできた。鉄道ファンにとっては、カラーリングだけでどの電車か分かる様なものを日常の雑貨アイテムなどに落とし込んでいる展開をしており、人気を得ている。

もう一つ、いわゆるデータベースマーケティングをするためにどんなデータを構築して、どうやってそのデータを見て、その分析結果からどのような打ち手をつくるかというところは、千趣会のノウハウを活用しつつ、モールの施策に生かしていく。分析環境を構築していくという面で支援として大きい。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

「楽天市場」が母の日特集ページを開設。出店店舗のコラボ商品の紹介、期間限定ポップアップストアをオープン

2 years 2ヶ月 ago

楽天グループは、「楽天市場」に特集ページ「楽天市場 母の日特集2024」を公開した。また、母の日ギフトを体験できるショールーミング型ポップアップストアを「マルイファミリー溝口」(神奈川県川崎市)で4月17日(水)~4月30日(火)までオープンする。

予算別での提案、出店店舗のコラボ商品も

楽天市場 母の日2024 ギフト「ずっと、ずっと、ありがとう。」がコンセプト
「ずっと、ずっと、ありがとう。」がコンセプトの「楽天市場 母の日特集2024」
(画像は「楽天市場」サイトからキャプチャ)

「楽天市場」では、2024年3月末時点で約540万点の商品を母の日向けギフトとして販売。「楽天市場」における母の日関連商品の流通額は前年比14%で伸長している(2022年4月1日~2022年5月9日と2023年4月7日~2023年5月15日の「楽天市場 母の日特集」開催期間中の流通総額を比較)。

近年、母の日ギフトでは定番の花、スイーツに加えて、スープなどの洋風惣菜、ドライヤー、マッサージ器具などの美容・健康家電など多様な商品が選ばれる傾向にあるという。

「楽天市場 母の日特集2024」は「ずっと、ずっと、ありがとう。」をコンセプトに、花やスイーツなどの定番商品、美容家電などを予算別で紹介。また、「楽天市場」出店店舗が母の日のためにコラボレーションした「花とギフト」「花とカタログギフト」などのセット商品を「人気ショップコラボ!母の日ギフト」として紹介している。

楽天市場 母の日2024 ギフト出店店舗のコラボ商品の一例
出店店舗のコラボ商品の一例(画像は「楽天市場」サイトからキャプチャ)

期間限定で体験型ポップアップストアをオープン

「楽天市場」で扱っている母の日ギフトを体験できるショールーミング型ポップアップストア「母の日に贈りたい、限定ギフト MaMa Gift Marche」を、神奈川県川崎市にある「マルイファミリー溝口」で4月17日(水)~4月30日(火)までの期間限定でオープンする。

店舗では、キッチン用品、美容家電、グルメ、雑貨などの「楽天市場」限定販売ギフトや母の日限定ギフトを展示しており、ユーザーは実際に手に取り、比較・検討することができる。

店頭に展示する二次元コードをスマートフォンで読み取ると、「楽天市場」各店舗の商品ページに遷移し、商品の決済まで完了することができる。

楽天市場 母の日2024 ショールーミング型ポップアップストア「母の日に贈りたい、限定ギフト MaMa Gift Marche」
ショールーミング型ポップアップストア「母の日に贈りたい、限定ギフト MaMa Gift Marche」について
(画像は「楽天市場」サイトからキャプチャ)

ストアオープンに先駆けて特集ページを公開。エントリーの上、対象ショップで3000円(税込)以上購入すると賞品が当たるキャンペーンを実施している。期間は2024年4月1日(月)10時00分~5月13日(月)9時59分まで。

楽天市場 母の日2024 特集ページ「MaMa Gift Marche」
特集ページ「MaMa Gift Marche」(画像は「楽天市場」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「通販・EC分野のサイレントカスタマーの割合」「顧客のクレーム行動とロイヤルティの関係性」など顧客動向調査まとめ

2 years 2ヶ月 ago

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、「顧客のクレーム行動とNPSの関係性分析レポート」を発表した。

不満を感じたことがある業界、3位にネットスーパー

レポートの対象となった業界は、①通販化粧品②アパレルEC③ネットスーパー④動画配信サービス⑤プレステージ化粧品⑥銀行⑦生命保険⑧代理店型自動車保険⑨ダイレクト型自動車保険⑩対面証券⑪ネット証券⑫クレジットカード⑬QRコード決済⑭電力⑮都市ガス⑯MVNO・サブブランド⑰セキュリティソフト――の17業界。

現在契約や利用をしている会社・サービスに対して、何らかの不満を感じたことがあるかを聞いたところ、17業界の平均で21.0%が「不満を感じたことがある」と回答。業界別に見ると、不満を感じたことがある割合が最も高いのは「対面証券」(37.2%)で、次いで「動画配信サービス」(32.6%)、「ネットスーパー」(31.2%)だった。

「苦情が合っても黙っている」人、通販・ECでは少ない傾向

不満を感じたことがある人に、その会社やサービスに対して苦情を伝えたことがあるかを聞いたところ、不満あっても苦情を伝えなかった人(サイレントカスタマー)が全体の79.9%を占めた。

業界別に見ると、サイレントカスタマーは「QRコード決済」(87.3%)が最も割合が高い。通販・EC分野では、「通販化粧品」(78.5%)、「アパレルEC」(68.3%)、「ネットスーパー」(70.0%)となっており、サイレントカスタマーは17業界の平均値をいずれも下回っている。

業界別にみたサイレントカスタマーの割合
業界別にみたサイレントカスタマーの割合

苦情を伝えて問題が解決した人は約半数

企業やサービスに苦情を伝えたことがある人に対して、問題が解決したかどうかを調査したところ、「問題が解決した」と回答した割合は平均で50.6%だった。

業界別で、問題解決率が最も高いのは「プレステージ化粧品」(74.6%)。次いで「ネットスーパー」(60.9%)、「セキュリティソフト」(57.3%)となっている。

通販・EC業界ではネットスーパーが最も高く、次に「アパレルEC」(54.7%)、「通販化粧品」(51.9%)。

企業やサービスに苦情を述べた結果、問題が解決した割合
企業やサービスに苦情を述べた結果、問題が解決した割合

「サイレントカスタマー」「苦情を述べたが問題が解決しなかった人」はロイヤルティが低い

企業やサービスに対する不満とクレーム行動別に顧客ロイヤルティ(NPS)を分析したところ、「不満に思うことがあったが、苦情は言っていない」「不満に思うことがあり、苦情を述べたが、問題は解決しなかった」といったユーザーは、「特に不満に思うことはなかった」人と比較してロイヤルティが低い傾向だった。

一方、「不満に思うことがあり、苦情を述べたところ、問題が解決した」という人は、「特に不満に思うことはなかった」という人と同程度にロイヤルティが高かった。

一部の業界では「不満に思うことがあり、苦情を述べたが、問題は解決しなかった」人は「特に不満に思うことはなかった」という人よりもロイヤルティが高くなっている。

顧客の不満とクレーム行動別にみたNPS(17業界の平均)
顧客の不満とクレーム行動別にみたNPS(17業界の平均)

調査結果を踏まえて、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは次のように提唱している。

  • 不満があっても苦情を言わない顧客が大多数のため、サイレントカスタマーの解約・離反を防ぐための対策が必要
  • 顧客が問い合わせをしやすい環境を整えたり、SNSで顧客が発信したメッセージに対し返信するといったサポートや、顧客アンケートから顧客の声を拾い上げ、不満をいち早く察知することが重要
  • 苦情を述べても問題が解決できないとロイヤルティの低下につながる。現場レベルでの問い合わせなどへのスピーディな対応や問題解決力を高めるだけでなく、全社的な取り組みとして顧客の不満に対し、スピーディにアクションを打つ仕組みづくりが期待される
高野 真維

リクルートがECモール運営から撤退、「ポンパレモール」を6月末で終了

2 years 2ヶ月 ago

リクルートはECモール運営から撤退する。

「じゃらんnet」「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」などでたまったリクルートポイントを“使える”“ためる”ことができるECモール「ポンパレモール」の運営を6月30日に終了する。4月1日に発表した。

リクルート 「じゃらんnet」「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」などでたまったリクルートポイントを“使える”“ためる”ことができるECモール「ポンパレモール」の運営を6月30日に終了する
「ポンパレモール」終了のお知らせ(画像は「ポンパレモール」からキャプチャ)

リクルートは2023年11月16日、出店者に対して「ポンパレモール」の終了を告知しており、出店者以外に正式公表した。

リクルート 「じゃらんnet」「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」などでたまったリクルートポイントを“使える”“ためる”ことができるECモール「ポンパレモール」の運営を6月30日に終了する
出店者には2023年11月に終了の告知をしている

ECモール運営からの撤退は、「ここ数年間のさまざまな環境変化」「『ポンパレモール』のサービスの利用状況」などを総合的に判断したという。

「ポンパレモール」は、「じゃらん」「ホットペッパービューティー」などと連携。グループサービスの利用でたまったポイントを買い物に使えるECモールとして2013年3月にスタート。ファッション、家具、食品、玩具など幅広いラインアップをそろえた総合ECモールとして展開していたが、環境の変化などを踏まえ11年のECモール運営に幕を閉じる。

瀧川 正実

キャッシュレス決済サービス「PayPay」の2023年オンライン決済金額、前年比1.4倍超

2 years 2ヶ月 ago

PayPayは、オンラインサービスにおける2023年のキャッシュレス決済サービス「PayPay」の決済金額が2022年比で1.4倍超に達したと発表した。

PayPayは、オンラインサービスにおける2023年のキャッシュレス決済サービス「PayPay」の決済金額が2022年比で1.4倍超に達した
オンラインサービスにおける決済金額の推移

自社ECサイトなどオンラインサービスで「PayPay」を利用できるようにしたのは2019年。「Amazon.co.jp」「App Store」「Google Play」など大手サービスにも導入が広がっている。

決済時にクレジットカード番号などの入力が不要で、オンラインサービスと「PayPay」を連携することなく支払いが完了できるのが特徴。こうした利便性などが事業者やユーザーの支持を得ている。

PayPayはキャッシュレス決済サービス「PayPay」について、「決済」アプリからユーザーの生活を豊かで便利にする「スーパーアプリ」へと進化、「いつでも、どこでもPayPayで」という世界観を醸成するとしている。

瀧川 正実

キャッシュレス決済サービス「PayPay」を中国の越境ECサイト「Temu」に導入

2 years 2ヶ月 ago

PayPayは、中国EC大手「拼多多(Pinduoduo、ピンドウドウ)」のPDD Holdingsが海外向けに展開している越境ECサイト「Temu(ティームー)」に、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を導入した。3月27日以降、順次利用できるようになるという。

「Temu」における「PayPay」の導入は、国内コード決済サービスとしては初。「PayPay」にチャージした「PayPay残高」、「PayPayクレジット」、付与された「PayPayポイント」を使い、消費者は「Temu」で買い物ができるようになる。

「Temu」はPayPayステップ(定常特典)の対象となる。「PayPay」で決済すると最大0.5%から最大2.0%の「PayPay」ポイントを消費者に付与する。

「Temu」は格安を武器に規模を拡大している越境ECサイト。データ分析事業を展開する米センサータワーによると、「Temu」は2023年、米国で最もダウンロードされたアプリで、全世界で見るとダウンロード数は8番目だったという。

瀧川 正実

小林製薬「紅麹」の影響、関連製品は全国3.3万社に流通した可能性

2 years 2ヶ月 ago

帝国データバンクはこのほど、小林製薬の「紅麹」問題の影響についての調査結果を発表した。

厚生労働省が公表した、小林製薬が直接紅麹原料を卸している企業、小林製薬製の紅麹原料が供給された延べ225事業者(企業、重複など含む)から仕入・販売などをした国内企業について、二次販売先までを対象に調査した。

小林製薬製の紅麹原料が供給された225事業者から、直接仕入・販売などの取引関係を有する「一次販売企業」は873社。原料などとして仕入といった取引関係があり、流通・加工を行う「中間流通・製造など(一次仕入加工)」の企業は3878社だった。

また、一次加工企業から商品の仕入・販売などといった取引関係がある「二次仕入・販売企業」は2万8775社に。「一次販売企業」に873社を合計した直接的・間接的に紅麹製品を消費者へ販売・提供している可能性のある取引企業は2万9648社に達した。

これに、一次仕入加工の中間流通・製造等の3878社を加えると、製造・販売を含めた企業の合計は3万3526社。小林製薬から直接紅麹原料を仕入れた225事業者(重複など含む)と合わせると3万3751社にのぼる。国内では最大約3万3000社において小林製薬製の紅麹原料を使用した製品が流通している可能性があるとしている。

小林製薬「紅麹」製品は、最大3.3万社に流通の可能性
小林製薬「紅麹」製品は、最大3.3万社に流通の可能性

一次加工・仕入・販売企業の業種別社数を見ると、一次加工企業では「製造業」が2423社で最も多く、全体の49.6%を占めた。このうち「飲食料品製造」は1778社に上り、製造業全体の約73.4%となっている。

飲食料品製造のうち、納豆などのほか調理パン・弁当などの製造(「その他食料品製造業」)が最も多く267社。塩辛や佃煮、削節などの製造(「その他水産食料品製造業」)が190社、かまぼこなどの「水産練り製品製造」は175社で、水産品に関連する業種が上位を占めた。和菓子など「生菓子製造」の128社のほか、「醤油・アミノ酸製造」の79社や「野菜漬物製造」の71社など、発酵食品に関連する業種も多い。

一次加工・仕入・販売企業の業種別社数 小林製薬の「紅麹」問題の影響
一次加工・仕入・販売企業の業種別社数

二次仕入・販売を含めた関連約3万3000社では、食品スーパーなどを含めた「飲食料品小売」が5582社で、全体の16.6%を占めた。「飲食店」の3115社や「飲食料品製造」の1778社など、食料品に関連する業種が上位となっている。

小林製薬の「紅麹」問題の影響
製品・仕入れに関する企業業種別(全体・一次仕入企業)

小林製薬は、製造した紅麹原料を他社に販売・供給しており、原料として生産・流通した食品メーカーは商品の回収を急いでいる。小林製薬以外の紅麹原料を用いた製品を製造販売する企業も風評被害を懸念した動きがみられるなど、紅麹製品をめぐり混乱が生じている。

帝国データバンクによると、紅麹は発酵食品の原材料以外に着色料などで使用されることも多く、二次加工・三次加工では使用有無の確認に時間を要すると想定。また、健康被害を生じさせた原因物質の特定にも時間がかかると予想しており、加工食品などの最終製品を含めると、流通先の特定は長期にわたり難航する可能性が高く、販売企業などでは事態の収拾まで対応の長期化が想定されるとしている。

松原 沙甫

ベルーナ子会社の看護師向けEC「ナースステージ」が語る1to1コミュニケーション設計+Cコマースの可能性 | 次世代コマースの新潮流「Cコマース」を読み解く

2 years 2ヶ月 ago
会話を起点とした購買行動を促す「Cコマース」を展開する企業や有識者に、取り組みや成果をインタビューする連載。ホストは、EC事業者のマーケティング支援を手がけるMicoworks大里紀雄氏が務める【第2回】

会話を起点に購買行動を促す「Cコマース(会話型コマース)」に取り組む事業者が増え続けています。公式アカウントを通じたチャット、1to1のオンライン接客など、その手法や業種は多種多様です。今回は、看護師向け通販業界トップシェアでベルーナ傘下のナースステージで、人材紹介事業を担当する並木純一氏(キャリア事業部マーケティング室マネジャー)と対談。求職者との良質な関係構築を促すCコマースを活用した1to1のコミュニケーション設計について聞きました。

<目次>
  • 看護師向け人材事業が「 Cコマース」に行き着いた理由
  • チャットも営業も、的を得たタイミングが大事
  • “自分に語りかけてくれる”感覚のコマースプラットフォーム形成を構想

看護師向けECや人材事業を手がけるナースステージがCコマースに行き着いた理由

Micoworks 大里紀雄(以下、大里):「Cコマース」は今やECのみに限らず、人材業界における求人紹介など、幅広い領域でのビジネス活用が進んでいます。並木さんが所属するナースステージさんでも、人材領域でCコマースを展開しているとお聞きしました。まずはナースステージさんの事業概要について教えてください。

Micoworks ミコミー事業部 事業部長 大里紀雄
Micoworks ミコミー事業部 事業部長 大里紀雄

並木純一氏(以下、並木氏)看護師向けのECサイト「ナースリー」「アンフェミエ」を運営する企業です。親会社はカタログ通販大手のベルーナ。両ブランドの会員数はのべ215万人です。現在、1年間に医療に従事する看護師数は150万~160万人と言われているため、2つのECサイトを通じて世の中の多くの看護師の方とタッチポイントを持っています

ナースステージが運営する看護師向けECサイトの1つ「ナースリー」
ナースステージが運営する看護師向けECサイトの1つ「ナースリー」

並木氏:私はナースステージで、人材紹介事業を担当しています。6年前に新規事業として立ち上げた看護師向け転職支援サービス「ナースキャリアネクスト」です。立ち上げ以来、マーケティング全般の責任者として運営に携わってきました。

中長期的なキャリア支援を強みとする看護師向け人材事業「ナースキャリアネクスト」
中長期的なキャリア支援を強みとする看護師向け人材事業「ナースキャリアネクスト」

並木氏:サービスの特徴は、求職者にとって無理のない転職支援を行っていること。「ナースキャリアネクスト」に登録している看護師は「ナースリー」「アンファミエ」を利用している方も多いです。EC事業を通して長期にわたって築いた関係性と認知の下、安心感を持って転職支援サービスを利用いただいている手応えがあります。

看護師は一般的に転職回数が多い職業。「大手の求人サービスは使いたくない」という看護師が一定層います。そんななか、EC事業で築いた信頼感が後押しとなり、「ナースキャリアネクスト」を選んでいただくことも少なくありません。

信頼感の醸成にCコマースが有効

大里:看護師向け転職サービスが数多くあるなかで、求職者がナースステージさんを選ぶ理由がその辺りにありそうですね。「ナースキャリアネクスト」ではCコマースを、キャリアアドバイザーと登録者の1to1コミュニケーションに活用しているそうですが、そこに至った背景を教えてください。

並木氏:前提として、「ナースキャリアネクスト」では転職ニーズを引き出せる潜在層の看護師に時間をかけてアプローチしていくことを想定しています。私たちを信頼していただくことで、転職への意思を育てていくサービスをめざしているのです。

いかに求職者と中長期的に緩やかなつながりを築くかを試行錯誤するなかで、「ナースキャリアネクスト」の登録者にLINEを使ったチャットのやり取りで温度感を高めた後に、キャリアアドバイザーが架電すると、通電率、その後の工数における展開率が非常に高いことに気づきました。

ナースステージ キャリア事業部 マーケティング室マネジャー 並木純一氏
ナースステージ キャリア事業部 マーケティング室マネジャー 並木純一氏
株式会社ベルーナに新卒入社後、個人向け営業部門勤務の後に新規事業で法人営業部を立ち上げ、責任者に就任。2017年、人材紹介事業を立ち上げ、マーケティングの責任者に就任。2020年、Adobe社がマーケター市場の活性化に貢献したユーザーを顕彰する賞「Adobe Marketo Engage Champion」を受賞。2022年、マーケティング主導で大きな成果をあげたユーザーをBraze社が讃えるアワード「Braze Torchie Awards」を受賞。

大里1to1コミュニケーション、すなわちCコマースが、まさに事業展開を良い方向に導いているということですね。

並木氏:その通りです。コミュニケーションを重ねていると、自然と信頼関係が育まれていきます。たとえば、キャリアアドバイザーが普段からチャットでやり取りしている登録者に初めて電話した際に、登録者から「いつもお世話になっています」と声がけいただくことがあります。

「登録者との距離感がこんなに縮まっているんだ」と感激しますし、コミュニケーションを通じて接触し続けることの効果を実感しています。

チャットも営業も、大事なのはタイミング

EC事業の顧客リストが転職サイトにも貢献

大里:ナースステージさんのマーケティングでは、“信頼感の重視”が一貫されていると感じます。競合サービスも多く台頭しているなかで、そのスタンスを確立されるようになったのはなぜでしょうか。

並木氏:理由の1つに業界構造における課題があります。他社の看護師向け大手求人サイトでは、広告費で集客を募っている分、すぐに売り上げを伸ばさないと先行投資を回収できない事業構造になっています。そのため「転職顕在層にアプローチして、1か月以内に転職してもらう」というロジックになっており、どうしてもお客さま本位では動きにくい経営面の内情があります。

一方、「ナースキャリアネクスト」は、看護師向けEC事業である「ナースリー」「アンファミエ」を運営しているため、EC事業を通じて看護師の方のリストをすでに保有しています。広告による集客に依存しないため、潜在層、準顕在層の転職支援にじっくり向き合える体制になっているのです。そのため、信頼感の重視を大切にできています。

テンプレではない1to1の返答が鍵

大里:なるほど、そもそもナースステージさんと競合他社では事業構造からして違うのですね。求職者の方とチャットで温度感を高めているとのことですが、特にどういったことを意識していますか? 転職は登録者のプライベートな事情に関わることも多そうですが、いきなりそこに踏み込むのは難しい印象です。

並木氏:温度感を高めるという意味では、チャットも、実店舗での接客や営業におけるコミュニケーションでも、大事なことはあまり変わらないのではないでしょうか。

たとえば、Cコマースはあくまでも会話が主体ですから、テンプレートの印象を与えるような返答は控えています。チャットコミュニケーションに関するマニュアルも、人材業界としての基本的な流れは踏襲しつつも、各登録者に寄り添った1to1の返答ができるような仕組みに留意して作成しました。

私はかつて営業マンだったのですが、顧客に刺さるポイントをことごとく外してしまう“がっかり営業”と呼ばれる営業を聞いたことがあります。その逆で、顧客が知りたいことに芯を食った応答ができたり、顧客が望むタイミングに合わせてコミュニケーションができたりすることが重要だと感じています。

“自分に語りかけてくれる”感覚のコマースプラットフォームを構想

大里:タイミングが重要というお話について詳しく聞かせてください。ユーザーの熱量が高いタイミングを見極め、冷めないうちにコミュニケーションを図ることが大切だと思いますが、「ナースキャリアネクスト」において密にやり取りを行うタイミングはいつなのでしょうか?

並木氏:大きく分けて2つあります。①会員登録直後のタイミング ②転職先と現在の勤務先との比較検討を進め、検討度が上がっているタイミング――です。②のタイミングでは、温度感が上がっていく方と下がっていく方がいます。下がっていく方の場合は、現状に不満はありつつも実は転職をしなくてもいいと思っていることも多いですね。その場合は、私たちも無理に転職をお薦めすることはしません。

相手の熱量が高まるタイミングがきたら、すぐに返信することが大切です。企業同士のやりとりでは、メールで1日、2日置いてから回答が返ってくるようことはよくありますよね。「ナースキャリアネクスト」では、レスポンスの速さに特徴を持つLINEを使って1to1をしていることもあり、なるべく即日、もしくは翌日までには連絡するようにしています。登録者の熱量が冷めないようにする意図です。

「ナースキャリアネクスト」LINE公式アカウントでのやり取り(イメージ)
「ナースキャリアネクスト」LINE公式アカウントでのやり取り(イメージ)

ECと転職の相関関係を探る

大里EC事業の「アンファミエ」「ナースリー」でも同様にCコマースを推進する方針でしょうか?

並木氏:はい。EC事業ではまず、FAQとコールセンターの中間の役割を担うツールとしてチャットを活用していきたいと考えています。ゆくゆくは、EC事業と転職サイトを統合させたいという構想もあります。現状はECと転職サイトはそれぞれ独立して存在しているのですが、将来的には1つのプラットフォームのなかで買い物を提案しつつ、転職の提案もする――いわば「提案型コマース」を実現する構想です。

私は、買い物と転職には相関関係があるのではないかと感じているんです。たとえばカーテンを購入するのは、窓の大きさをきちんと意識して把握できる、引っ越しの直後が多いと言います。同じように転職のサインとして何かを買いかえるというような傾向が見えるかもしれません。ライフイベントやステージの変化に基づく消費行動や転職ニーズの変化があるのではないかと考えています。

大里:とても興味深い考察です。ECの購買と転職意欲の高さと相関関係が見えてきた先に描いているビジョンはありますか?

現在、ナースステージでは看護師特化型のEC・転職サービスを提供しています。しかし看護師は、看護師という肩書きの前に、1人の生活者でもあります。育児をしたり、運動をしたり、美容に気をつかったり、1日24時間のなかでさまざまな消費活動を行っているはずですよね。先ほどお話した通り、当社としてはお買い物と転職の相互関係の分析から始まり、最終的には衣食住に関わるトータルサービスを提供する展望を描いています。

顧客の“次の行動”を提案するプラットフォームをめざす

大里Cコマースのメリットの1つとして、メールと比較して返事が戻ってきやすいなど、顧客とのエンゲージメント向上があると感じます。そのメリットを生かすことで、ユーザーの一次情報を得やすくなり、その方の属性や興味・関心をベースにしたマーケティング施策が打ちやすくなると思います。トータルサービスをめざすその展望においても、Cコマースは活躍しそうですね。

並木氏:まさにその通りです。将来的には、ユーザーがすべて自主的に情報を探しに行くのではなく、「こんな職場ないかな」「こんなお買い物がしたい」と思ったときに、チャット内で精度の高いレコメンドがなされるイメージを描いています。

お客さまの心に響くのは、転職エージェントが“自分に語りかけてくれる”感覚だと思います。そうした会話をベースにしたコマースプラットフォームを築くことが理想だと考えているため、これからも事業におけるCコマースの可能性に期待しています。

大里:今回は、未来に向けて広がりのあるお話をありがとうございました。

大里紀雄

ファッションEC1位をめざしてマガシーク買収。旧ロコンドのジェイドグループ・田中社長に聞く | 通販新聞ダイジェスト

2 years 2ヶ月 ago
ジェイドグループはマガシークを買収し、NTTドコモ・伊藤忠商事のバックアップも得られる形となった。グループの強力な体制づくりと今後の展望を社長が語る

ジェイドグループ(旧ロコンド)は、3月上旬までに33億2600万円を投じてNTTドコモと伊藤忠商事からマガシークの全株式のうち78%を取得して子会社化した。これにより、ジェイドグループの取扱高は約300億円から600億円規模に倍増。2018年に掲げたファッションEC専業モールでの“圧倒的な2位”のポジションを得るとともに、ドコモおよび伊藤忠とパートナーシップを開始したことで、「集客面と品ぞろえで強力なバックアップ体制を構築した」と語る田中裕輔社長(写真)に、M&Aの背景や今後の展開などを聞いた。

ジェイドグループ 田中裕輔社長
ジェイドグループ 田中裕輔社長

過去最高額のM&A。ECモール1位をめざす土壌づくり

――33億円強を投じてマガシークを買収した。

これまでのM&Aは3~5億円規模の案件が多かったので、過去最高額なのはもちろん、ケタが違う。リーボックの日本における販売権・ライセンスを取得した金額は開示していないが、それよりも大きい。

――ファッションEC専業モールで競合だったマガシークを買収したことは意義深い。

それは間違いない。規模に関しても、競合が乱立しているなかで、以前から発信しているように、「圧倒的な2位」にならないと継続的な成長は非常に難しいと思っていた。マガシークのECモール事業は厳しい状況にあったし、当社も順風満帆とは言えなかったので、規模の観点からも非常に意義深いことだと思う。

さらに、マガシークが最大化できなかった、NTTドコモさん、伊藤忠商事さんとのパートナーシップについても、当社が参画することで圧倒的な2位に満足することなく、1位をめざすための完璧なパートナーシップだ。

――どういうことか。

マガシークは、主に「マガシーク」サイトと、ドコモさんの「d fashion」を運営するECモール事業と、ブランドの自社EC構築運営事業のふたつが主力だ。ECモール事業ではドコモさんから集客面で力強い支援を得ている。

NTTドコモが運営するECサイト「d fashion」(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
NTTドコモが運営するECサイト「d fashion」(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
 「d fashion」運営における各社の役割と株式保有割合
「d fashion」運営における各社の役割と株式保有割合

一方のブランド自社EC構築では、「FILA(フィラ)」や「レリアン」「レスポートサック」など伊藤忠さんが国内ライセンスを取得したり、子会社として運営したりしているブランドと同じグループとして対話ができるという利点がある。

「FIRA」の公式ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
「FIRA」の公式ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

つまり、日本最大級の携帯電話会社が集客を、日本のファッション業界をけん引する総合商社が品ぞろえを支援するという、ECモール事業にとってこれ以上ないバックアップ体制となる。

過去に業務提携するも頓挫。グループとしての統合に舵切り

――そのマガシークとは2018年に業務提携し、在庫連携する形で「ロコンド」と「マガシーク」の相互出店を試した。

ちょうどファッションECにおける「圧倒的な2位」をめざすと発表した時期だったが、「ゾゾタウン」との差は開く一方で、同じく2位争いをしていたマガシークと業務提携した。

ただ、当時はさまざまな制約があり、提携したものの、うまくいかなかった。具体的には、相互出店といっても在庫共有するのは倉庫在庫だけで、予約商品や取り寄せ品は対象外だったし、タイムセールやクーポンなどの相互プロモーションは実施しなかった。また、ユーザーが「ロコンド」と「マガシーク」の商品を同時に購入することもできなかった

フットインザドアの形で第一歩は踏み出せたものの、そこからあまり進展がなかった。結局、中途半端な業務提携ではダメで、グループとして統合しなければ意味がないと感じた。

――その後、ゾゾは2019年11月に当時のヤフー(編注:現LINEヤフー)と資本業務提携して同社の連結子会社となり、ソフトバンクグループ入りした。

ゾゾさんがソフトバンクさんと組んだので、正直に言って当社は完全独立でどこまでいけるのか悶々(もんもん)としていた時期もあったが、そういう悩みはなるべく顔に出さずにユーチューブチャンネルでのコラボやプロモーションを強化したりしていた(笑)。

ただ、完全独立型で勝ち残る難しさも感じていたので、今回、共同パートナーという形になるが、ドコモさん、伊藤忠さんと組めたのは良かった。

「ロコンド」「マガシーク」の運営方針

――これまで、さまざまファッションECを買収してきたが、マガシークは規模もユーザー数も多い。サイトは残していくのか。

これまで通り、「マガシーク」サイトとして運営するつもりだ。19年に「モバコレ」を買収したときは、会員もサイトも「ロコンド」に吸収したが、サイトが違うことで離脱する顧客が出てしまったのは反省点だ。そこで、2020年以降に買収した「ファッションウォーカー」や「スポーツウェブショッパーズ」「waja」、直近の「ブランデリ」とすべて残している。

在庫統合で品ぞろえ1.7倍見込む

――「ロコンド」と「マガシーク」の品ぞろえについては。

これまでのM&Aでもシステムと物流を統合してきた。「マガシーク」も同様で、システムと物流を統合して初めて品ぞろえの統一が図れる。同じファッションECであっても「ロコンド」と「マガシーク」が取り扱う商品の重複率は3割前後と見ていて、両社の在庫データベースを共通化することで、どちらも品ぞろえを現状の1.7倍程度に広げられる。このシナジー効果は大きい。

――物流・ITインフラの統合にかかる時間は。

これまでのM&Aはそこまで大規模ではなかったので1か月~3か月で完了していたが、今回は範囲も広いし、「d fashion」はドコモさんのシステム規約の関係もあるので、1年かけてていねいに統合していくことになる。

細かく言うと、ECモール事業の物流・ITの統合は半年後がメドになる。一方、ブランド自社EC構築の事業については各ブランドとのすり合わせなどに時間が必要なので、さらに半年くらいかかると思う。

――来年3月から新たに倉庫を借りる。

マガシークの在庫を当社物流センターの「ロコポート」に移管することで、空いているスペースが埋まってしまうので、今後の成長に向け、千葉県八千代市内の既存倉庫から歩いて2~3分の場所にある倉庫を借りる。「ロコポート」は延床面積が約11万5500平方メートルで、新倉庫はその3分の1程度の約3万5500平方メートルとなる。

――「ロコンド」と「マガシーク」で品ぞろえが統一された後、両サイトはどこで差別化するのか。

両サイトを無理に差別化しようとは思っていない。ただ、サイトによってユーザーが求めているものが違うので、たとえば「ロコンド」では靴を前面に出すし、「マガシーク」ではアパレルを前面に出す。靴は正方形の画像を使うが、アパレルは縦長の画像を使うなど、主力の商品カテゴリーでUIも変わってくる。品ぞろえは統合して販売できる商品を大幅に増やしながら、見せ方は両サイトの特性に合わせる

「ロコンド」ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
「ロコンド」ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
「マガシーク」ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
「マガシーク」ECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

経営体制はマガシークとの二人三脚

――マガシーク社の経営体制はどうなるのか。

3月1日付で井上直也社長は取締役社長兼COOに、私は代表取締役会長兼CEOとなった。マガシーク社は会社として残るし、ジェイドグループのオフィスとは少し離れている。また、これまでのM&Aよりも規模が大きく、トップダウンで何でもできるかというと難しいので、井上社長ともよく話し合い、二人三脚で成長をめざそうということになった

――「マガシーク」が苦戦している状況をどう見ている。

王者の「ゾゾタウン」と比べると、「ロコンド」は靴がメインのため少し市場が離れている。「マガシーク」は百貨店系ブランドに強く、「ゾゾタウン」とは中心顧客の年齢層が異なるものの、市場の近さが影響しているのではないか。

「ゾゾタウン」の強さは、UIやテクノロジーというよりも、やはり品ぞろえの豊富さだと思う。そういう意味では、「マガシーク」が強い30~40代女性向けの品ぞろえを拡充することが大事で、ジェイドグループに入ったことで、その補完ができる

伊藤忠との関係性強化

――伊藤忠とはリーボックを共同運営している。

2022年にリーボックの日本事業を継承し、当社66%、伊藤忠さん34%でRBKJ社を共同運営している。伊藤忠さんは当初、半信半疑の気持ちで当社を見ていたと思うが、RBKJ社の成功は大きく、一定の信頼を得られたと感じている。マガシークも成長させることで、もっと伊藤忠さんとのパイプを強固にしたい

ロコンドが「Reebok」販売権を取得、伊藤忠との合弁会社を通じて「Reebok」ブランドを独占販売

現在、Reebok日本事業を展開しているアディダスジャパンから、国内事業をロコンドと伊藤忠商事の合弁会社が承継する
瀧川 正実2022/5/13 9:001110

――自社開発の物流・ITシステムには自信がある。

当社の物流とIT基盤は唯一無二の最高品質だと自負している。多くのPMI(買収後の統合)を経験して物流とIT基盤をバージョンアップしてきたが、実店舗も卸もECも展開しているリーボックのPMIによって、あらゆる事業に対応できる物流・ITインフラに磨き上げることができた。OMOのシステムとしても日本で一番進んでいると思う。

M&Aで組織内部の強みも醸成

――これまで多くのM&Aを実施してきたが、規模の拡大以外で得たことは。

たとえば、「マンゴ」の国内独占契約については、当社がブランドをM&Aすることで、他のブランドが離れてしまうといった懸念もあったが、思っていたようなマイナス材料はなかったし、ECモールのM&Aについては「モバコレ」のサイト統合で離脱を招いた反省を生かし、「ファッションウォーカー」以降は買収したサイトを継続する形で成長につなげている

最初のM&Aから5年くらいかけて、買収後に実施する物流とシステム統合のパッケージができたので、私がいなくても社内に蓄積された経験とノウハウで担当者がジェイドグループのインフラにリプレイスしていて、当社の武器になっている。

全社員面談で適材適所へ。新たな組織図を設計

――M&Aに伴う人員増の部分は。

人員の再配置で組織力を高めるのに役立てている。M&Aを実行した企業の全社員と面談をし、スタッフごとのスキルや意向を正しく理解するように努め、それらを踏まえて新たなグループ組織図を設計する。

たとえば「モバコレ」をM&Aしたときは、商品担当者が多くなったので、各社員との面談結果を反映させ、出店ショップのサポート担当としてSAT(ショップアシスタントチーム)という部署を新設した。

従来は商品担当者が仕入れや分析、運営サポートも行っていたため、ショップへのサポートが手薄になっていた。この問題をSATの新設で解決した。

また、個人面談の中でショップの運営サポートがしたいという数人の意見を吸い上げることができ、いまもSATのリーダーや副リーダーはモバコレ出身者が務めている。企業によって強いスキルが異なるので、数多くのM&Aを実行し、ジェイドグループの組織力が高まったと感じる。

めざすは取扱高1000億

――今後は取扱高1000億円をめざす。

ブランド事業では、リーボックはまだまだ伸びしろがある。リーボックの国内事業を継承したときの実店舗は少なかったので、リアルを強化することで実店舗売り上げが伸びるだけでなく、ブランドの認知度を高められる。また、リーボック事業で卸や実店舗の運営ノウハウがグループに蓄積されたので、ほかのブランドをM&Aするというストーリーが描きやすくなった。

「リーボック」のECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ))
「リーボック」のECサイト(画像はサイトから編集部がキャプチャ))

ECモール事業ではマガシークの買収で両社の品ぞろえを大幅に拡充することができるし、ブランド自社EC構築でも、伊藤忠さんとの協力関係も含めてまだまだ伸ばせるので、取扱高1000億円の達成はより具体的になってきた

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通販新聞

メルカリが新配送サービス「エコメルカリ便」を提供開始。宅配便100サイズまで送料一律730円で発送できる

2 years 2ヶ月 ago

メルカリは、宅配便100サイズまでを送料一律730円で発送できる「エコメルカリ便」の提供を、3月28日から東京都(島しょ部除く)、神奈川県、千葉県、埼玉県で開始した。

商品サイズの計測、送料の確認などが不要に

メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」
新配送サービス「エコメルカリ便」

「エコメルカリ便」は、フリマアプリ「メルカリ」の配送でよく使用される宅配便100サイズまでの商品を一律730円で送ることができる発送サービス。SBS即配サポートと連携して実現した。

出品者は三菱商事が提供する非対面発送サービス「SMARI(スマリ)」を活用して発送、購入者は「置き配」指定で商品を受け取る。発送者は商品サイズを測ったり、送料を調べたりする手間をかけずに出品したアイテムを発送することができるという。

メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 100サイズで送れる商品の一例
100サイズで送れる商品の一例

「置き配」指定受取のため、再配達を減らすことができ、配達員の負荷軽減にもつながる。「エコメルカリ便」を利用して再配達を削減した場合、配達員の労働時間は年間2万4360時間相当、CO2排出量は年間約69トン相当の削減効果が期待できるという。

メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 利用方法
「エコメルカリ便」の利用方法

「エコメルカリ便」の利用方法は次の通り。

出品者

  • 出品時に、商品の配送方法で「らくらくメルカリ便」もしくは「ゆうゆうメルカリ便」を選択する
メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 出品者の使い方 商品の配送方法で「らくらくメルカリ便」もしくは「ゆうゆうメルカリ便」を選択する
配送方法で「らくらくメルカリ便」または「ゆうゆうメルカリ便」を選択
  • 「商品サイズと発送場所を選択する」から、エコメルカリ便「宅配便(~100cm)」「スマリボックス」を選択。
メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 出品者の使い方 エコメルカリ便「宅配便(~100cm)」を選択
エコメルカリ便「宅配便(~100cm)」を選択
メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 出品者の使い方 「スマリボックス」を選択。
「スマリボックス」を選択
  • 商品を梱包したら、発送用の二次元コードを発行して荷物にラベルを貼り付け、スマリボックス右側の投函口に投函する。
メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 出品者の使い方 発行した二次元コードをスマリにかざしてラベルを印刷
発行した二次元コードをスマリにかざしてラベルを印刷
メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 出品者の使い方 印刷されたラベルを貼り付け
印刷されたラベルを貼り付ける
メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 出品者の使い方 スマリボックス右側の投函口に投函する
スマリボックス右側の投函口に投函する

購入者

  • 「エコメルカリ便での受取を許可」にチェックを入れて、「置き配」場所の指定をして商品を購入する
  • 商品を「置き配」で受け取る。商品が到着したら中身を確認して出品者の評価をし、取引完了となる

商品の出品・発送時に「梱包サイズを小さくする工夫が必要」「送料を考慮した価格設定」が課題に

メルカリが実施した調査によると、「メルカリ」で出品・発送する際に面倒・手間だと感じることとして「送料を抑えるために梱包サイズを小さく工夫する」(58.1%)「送料を考慮して販売価格を決める」(52.6%)「商品のサイズを測る」(34.5%)という回答が多かった。商品サイズがすぐに判断できないことで、梱包や価格設定に手間取るユーザーがいることがわかった。

メルカリ 新配送サービス「エコメルカリ便」 メルカリで出品・発送する際に面倒・手間だと感じること
「メルカリ」で出品・発送する際に面倒・手間だと感じること(「メルカリ」利用ユーザーへのアンケート調査(対象人数:1万人、対象期間:2024年2月5日~11日、出典:メルカリ))

こうした結果や、「物流2024年問題」などに対応し、物流業界におけるサステナブルな発展に寄与することが必要だと判断し、サービス提供に至った。

「エコメルカリ便」は1都3県から提供を開始したが、今後エリア・サイズの拡大を予定している。さらに自宅から発送できる「置き発送」の仕組みの構築、梱包の手間をより軽減するサービスの提供などに取り組む予定だ。

藤田遥

ベルーナのECサイト問い合わせ件数を半減したカスタマーサポート運用改善のアプローチとは

2 years 2ヶ月 ago

ベルーナが、カスタマーサポートセンターの運用改善で、コロナ禍より激増したECサイト「ベルーナオンラインストア」の問い合わせ件数を50%削減している。

ベルーナではコロナ禍の巣ごもり需要によるEC消費増加でECサイトへの問い合わせ件数が増加、顧客への返答に時間がかかるといった課題を抱えていた。

顧客がほしい情報を得ることができず、直接メールなどで問い合わせが寄せられていたことから、FAQシステムを導入。顧客から寄せられるよくある質問と回答をFAQページに集約して、検索しやすいようにした。

ベルーナが、カスタマーサポートセンターの運用改善で、コロナ禍より激増したECサイト「ベルーナオンラインストア」の問い合わせ件数を50%削減している
FAQページのイメージ

FAQページには入力された言葉から検索者が何を知りたいかの意図を予測し、その意図に合致する回答をすばやく検索する「意図予測検索」を搭載。従来は正確なキーワードを入力しなければそれに適した情報を見つけられなかったが、検索意図から検索者が求める情報を提示できるようになったという。

これにより、問い合わせ件数は50%減少、顧客へ返答するまでの時間も従来の半分に短縮した。

ベルーナが、カスタマーサポートセンターの運用改善で、コロナ禍より激増したECサイト「ベルーナオンラインストア」の問い合わせ件数を50%削減している
FAQシステムの仕組み

ベルーナはこの仕組みを、Helpfeelが提供しているFAQ検索システム「Helpfeel(ヘルプフィール)」を導入して実現した。

松原 沙甫
確認済み
27 分 44 秒 ago
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