ネットショップ担当者フォーラム

Amazonが「Prime Video」に販売事業者向けのショッパブル広告。動画配信+買い物広告の新たな3サービスとは | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2 years 2ヶ月 ago
動画ストリーミングサービスにおけるショッパブル広告の利用が拡大しています。EC最大手のAmazonも新たな広告サービスを提供。サービスの詳細をチェックします

動画ストリーミングサービスにおけるショッパブル広告(画像、動画、広告などを見ている消費者がそのコンテンツから直接商品を購入できるようにする仕組み)の利活用が広まりつつあります。Amazonは自社の動画ストリーミングサービスに広告を掲出できる新たなショッパブル広告を提供する予定です。Amazonのほかにも、この広告サービスを提供する事業者は米国で増えています。

Amazonが「Prime Video」に導入する3つの新広告フォーマット

Amazonは5月7日、販売事業者向けの広告ソリューション「Amazon Ads」において、テレビなどで視聴できる会員向け動画ストリーミングサービス向けの3つの新しい広告フォーマットを発表しました。

ショッピング機能付きのカルーセル広告である「ショッパブルカルーセル広告」、視聴者が一時停止できる「インタラクティブな一時停止広告」、広告主のブランドについての豆知識や雑学を掲載する「ブランドトリビア広告」です。

「Amazon Ads」が提供する広告ソリューションのイメージ(動画は「Amazon Ads」サービスページから)

いずれも将来的にAmazonが配信する動画ストリーミングサービスに導入する予定ですが、具体的な導入時期は明らかにしていません。

3つの広告フォーマットの特徴は次の通りです。

  1. ショッパブルカルーセル広告
    視聴者が商品紹介のCMを閲覧しながら、リモコンを使ってカートに追加できる広告をラインアップします。消費者がリモコンを操作すると広告は自動的に一時停止し、操作が終わると再開します。
  2. インタラクティブな一時停止広告
    視聴者が番組や映画を一時停止すると、半透明の広告を画面に表示します。画像には「カートに入れる」や「詳細を見る」ボタンも掲出します。これらの広告は、動画が一時停止している間、画面に表示し続け。「従来の広告の合間よりもエンゲージメントを広げることができる」とAmazonは説明します。
  3. ブランドトリビア広告
    消費者がブランドに関するトリビア(雑学や豆知識)を楽しみながら買い物をする機会を提供する広告です。また、商品やサービスについて認知を広めたり、「対象商品を購入するとAmazonクレジットカードのポイントを付与する」といった特典を与えたりこともできるようになっています。
ショッパブルカルーセル広告の掲載イメージ(画像は「Amazon Ads」サービスサイトから編集部がキャプチャ)
ショッパブルカルーセル広告の掲載イメージ(画像は「Amazon Ads」サービスサイトから編集部がキャプチャ)

Amazonは、広告主がこうしたインタラクティブ広告と非インタラクティブ広告の両方を掲載し、その効果を測る調査を実施しました。「自社の調査によると、インタラクティブ広告は広告主にとって、より有用性が高い」とAmazonは説明。インタラクティブ広告の方がコンバージョン率が高く、商品ページビューも10倍高かったということです。

Amazonは5月14日に行うプレゼンテーションで、新たなインタラクティブ広告を正式に発表します(※編注:この記事は『Digital Commerce360』による5月9日時点の配信記事を転載・編集しています)。

Amazonが自負する自社動画広告の有用性

Amazonは2024年の1月末から、動画ストリーミングサービスの1つである「Prime Video」に広告を導入しました。Amazonの有料会員「プライム会員」は月額2.99ドルの追加料金を支払うことで、広告を見ないようにすることが可能です。Amazonによると、広告付きの「Prime Video」は月間で平均2億人の消費者に視聴されているということです。Amazonの広告事業は、これまでに蓄積された豊富な顧客データに基づき、ターゲティングした特定の広告を消費者に表示しています。

「Amazon Ads」のグローバル広告セールス担当バイスプレジデントであるアラン・モス氏はこう言います。

「Amazon Ads」は、広告の視聴者はシームレスに買い物でき、広告主は潜在顧客と効率的につながることができる、インタラクティブな広告フォーマットです。「Amazon Ads」はAmazonが配信する動画ストリーミングサービスの視聴体験をブラッシュアップし続けています。

広告を視聴する顧客へのリーチAmazonが顧客データを保有するファーストパーティ企業であることの強み広告のターゲティング性を通じて、動画配信サービスにおける広告の改善に取り組みながら、広告主のブランドが将来的な顧客とより良く関わることができるよう、イノベーティブな顧客体験の開発に乗り出しています。(アラン氏)

動画広告の視聴イメージ(画像は「Amazon Ads」サービスサイトから編集部がキャプチャ)
動画広告の視聴イメージ(画像は「Amazon Ads」サービスサイトから編集部がキャプチャ)

ショッパブル広告の広まり

他の動画ストリーミング配信事業者も近年、ショッパブル広告を導入し始めています。これを受けて、Amazonは声明で「新しい広告フォーマットは他社と競合するなかで優位性があります。『Amazon Ads』の広告フォーマットは、たとえばQRコードを掲出する広告をはるかに凌駕(りょうが)するものです。視聴者は好みのストリーミング動画を楽しみつつ、広告主のブランドとつながることが容易になります」と言います。

ショッパブル広告は、一部の大手オンライン小売事業者(ECプラットフォーマー)にとって、プラットフォームのオプションサービスとして成長しています。Amazonがこの分野に進出したのも、これが初めてではありません。Amazonは2023年、初めてブラックフライデーにNFL(アメリカンフットボールリーグ)の試合をストリーミング配信した際、ショッパブル広告をテストしました。

Disneyは「Hulu」でテスト開始

競合する動画ストリーミングサービス配信事業者も、広告オプションを取り入れつつあります。2024年1月、Disneyは「Hulu」でのベータプログラムを発表しました。Disneyはベータプログラムの発表当時、「消費者は動画ストリーミングの視聴を楽しみながら、『Hulu』内の新しいゲートウェイショップを通じて商品を購入することができる」と説明します。

視聴者には、プッシュ通知やEメールを通じて携帯電話に送信される、パーソナライズされた広告を表示。Disneyは動画ストリーミング事業に参入して以来、動画ストリーミングにおけるインタラクティブなショッピング機能を推進させてきました。

Disney Advertisingのアドレスエイブル セールス担当上級副社長であるジェイミー・パワー氏は1月、次のようにコメントしています。

動画ストリーミング事業の広告における目標は、視聴者がストリーミング中の動画コンテンツを中断することなく、最小限の手間で、好きなブランドとつながることができるようにすることです。(パワー氏)

米大手チェーンが次々と市場参入

米スーパーマーケット大手のWalmartと、米ホームセンター大手のHome Depotも、ショッパブルTVを試みています。

Walmartは2023年11月、情報通信業を営むNBC Universalと契約を結び、NBC Universalが運営する動画配信サービス「Peacock TV(ピーコックティービー)」にショッパブル広告を掲載しました。この広告で、消費者は米国でケーブルネットワーク事業を展開するBravo TVの、一部の番組で紹介されたWalmartの商品を購入することができます。

Home Depotは2023年、自社で生産設備を持たない液晶テレビメーカーVizioとのブランドコンテンツシリーズを発表しています。

最近では、米国でスペイン語のテレビネットワーク事業を手がけるUnivisionとメキシコのメディア大手Televisaのテレビ・コンテンツ部門の経営統合によって発足したTelevisaUnivision(テレビサユニビジョン)が、配信するストリーミング番組全体でショッピングを統合するために、米Sugarが提供する、AIを活用したショッパブルなメディアソリューション「Shopsense AI」との提携を発表しました。

「Shopsense AI」のイメージ(画像は「Shopsense AI」のサービスサイトから編集部がキャプチャ)
「Shopsense AI」のイメージ(画像は「Shopsense AI」のサービスサイトから編集部がキャプチャ)

Telemundoが主催する音楽賞「ラテン・アメリカン・ミュージック・アワード」に合わせて、ショッピング可能な4つのコレクションを発表しています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ビジネスでの生成AI活用は「文章要約」「情報収集」「メール文章作成」が上位。職場でのルールや規則「ある」は83.3%

2 years 2ヶ月 ago

MMDLaboが運営するMMD研究所が実施した「生成AIのビジネス活用に関する調査」によると、ビジネスにおける生成AIの活用経験上位は「文章要約」「情報収集」「メール文章作成」「翻訳」だった。調査対象はビジネスでの生成AI活用経験者402人。期間は2024年4月24日~4月26日。

ビジネスにおける生成AI活用経験、トップは「文章要約」

調査対象者にビジネスにおける生成AIの活用経験について聞いたところ、「活用したことがある」と回答したのは「文章要約」(60.4%)が最多。次いで「情報収集」(60.2%)「メール文章作成」「翻訳」(それぞれ59.7%)だった。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 生成AI活用経験
ビジネスにおける生成AI活用経験(n=402、出典:MMD研究所)

活用目的は「業務効率向上」「作成物の精度向上」が上位

ビジネスで生成AIを活用する目的では、「業務効率の向上」(56.5%)が最も多く、次いで「作成物の精度向上」(41.0%)「人件費などのコスト削減」(29.9%)だった。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 ビジネスで生成AIを活用する目的
ビジネスで生成AIを活用する目的(n=402/複数回答可、出典:MMD研究所)

職場の活用推進度、10点満点中「5点」が最多

生成AIに関する職場の活用推進度と自身の職場での活用度について聞いたところ、職場での活用推進度は10点満点中「5点」が13.4%で最も多く、「8点」が13.2%、「7点」「9点」がともに11.2%で続いた。

自身の職場での活用度は10点満点中「8点」が16.2%が最多。次いで「7点」が13.2%、「5点」が11.9%だった。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 生成AIに関する職場の活用推進度、自身の職場での活用度
生成AIに関する職場の活用推進度、自身の職場での活用度(n=402、出典:MMD研究所)

70.6%が「生成AI活用で業務効率が向上した」

ビジネスにおける生成AI活用での業務効率について聞いたところ、「上がった」(23.6%)と「やや上がった」(47.0%)と合わせて、70.6%が「業務効率が上がった」と回答した。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 ビジネスにおける生成AI活用による業務効率
ビジネスにおける生成AI活用による業務効率(n=402、出典:MMD研究所)

約半数が「生成AI活用に依存している」と回答

ビジネスにおける生成AI活用への依存度については、56.0%が「依存している」と回答した(「依存している」(16.4%)と「やや依存している」(39.6%)の合算割合)。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 ビジネスにおける生成AI活用への依存度
ビジネスにおける生成AI活用への依存度(n=402、出典:MMD研究所)

職場での生成AI活用のルール・規則、「ある」は83.3%

生成AI活用における職場でのルールや規則の有無を聞いたところ、83.3%が「ルールや規則がある」と回答した。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 生成AI活用における職場でのルールや規則
生成AI活用における職場でのルールや規則(n=402、出典:MMD研究所)

最も多いルール・規則は「顧客や従業員の個人情報を入力しない」

生成AI活用における職場でのルールや規則の内容について、最多は「顧客や従業員の個人情報を入力しない」(39.7%)で、「データに偏りがないようにする」(38.8%)「会社の機密情報を入力しない」(38.5%)と続いた。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 生成AI活用における職場でのルールや規則の内容
生成AI活用における職場でのルールや規則の内容(n=335/複数回答可、出典:MMD研究所)

生成AIがビジネス活用される際の法規制、95.0%が「必要性を感じる」

今後日本で生成AIがビジネス活用されていく際の法規制の必要性を聞いたところ、「必要だと思う」(50.2%)と「やや必要だと思う」(44.8%)を合わせて、95.0%が「必要だと思う」と回答した。

MMD研究所 調査データ ビジネスにおける生成AI活用 今後日本で生成AIがビジネス活用されていく際の法規制の必要性
今後日本で生成AIがビジネス活用されていく際の法規制の必要性(n=402、出典:MMD研究所)
調査実施概要
藤田遥

ヤマダHD、家電流通業界特化の接客AIサービスを創出。ANAホールディングス発のスタートアップと提携

2 years 2ヶ月 ago

ヤマダホールディングスとANAホールディングス発のスタートアップ企業でロボットやその関連製品を開発するavatarinは5月21日、家電流通業界に特化した接客AIサービスの創出に向けた業務提携の締結で合意したと発表した。

avatarin独自のAIロボティクス技術を活用。国内外で1万超の拠点を持つヤマダHDグループの持つ接客スキルを反映したAIサービスの創出をめざす。

ヤマダホールディングスとANAホールディングス発のスタートアップ企業でロボットやその関連製品を開発するavatarinは5月21日、家電流通業界に特化した接客AIサービスの創出に向けた業務提携の締結で合意したと発表
業務提携の概要と目的イメージ

avatarinが独自開発しているAIロボット「newme(ニューミー)」を遠隔操作して接客することで、ヤマダHDグループが持つ接客スキルをデータ化する。そのデータから生成AIを活用して学習し、家電流通業界に特化した接客AIサービスを作成。店舗開発や人材育成・開発、店舗における接客の接点増加などに活用する。

また、家電流通業界に特化した接客AIサービスの小売業界への展開を図る。ヤマダHDの5つの事業セグメントのうち、「住建」「金融」「環境」「その他」への接客AIサービスを展開。開発した接客AIサービスをベースに、接客以外の在庫や宅配などに対してもAIサービスを開発する。

人手不足への対策として、ヤマダHDグループの働き方改革や全国リソースの有効活用(店舗間の人材シェアを想定)などを計画している。

avatarinは、ANAHD発の初のスタートアップとして、アバターを中心とした「遠隔からAI化」という独自の技術を用いて、コミュニケーションに特化したAIサービスの開発をめざしている。

松原 沙甫

通販・ECでの商品購入に直結した広告は「ECモール広告」が6割。SNSは「YouTube」がトップ、2位「LINE」、3位「X」

2 years 2ヶ月 ago

EC物流代行サービス「ウルロジ」などを展開するディーエムソリューションズが実施した「ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査」によると、通販・ECでの買い物に直接影響のあったオンライン上でのプロモーションで最も回答が多かったのは「Amazonや楽天市場といったモール内での広告」で54.4%に達した。

2位は「メルマガなどのEメールによるプロモーション」で28.0%。「Googleなどの検索エンジンで出てきた広告」が25.2%で続いた。

EC物流代行サービス「ウルロジ」などを展開するディーエムソリューションズが実施した「ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査」 直接影響のあったオンライン上でのプロモーション
直接影響のあったオンライン上でのプロモーション

EC企業やモール、小売店からのメールで開封する可能性の高い内容は、「出荷・発送といった確認のメール」が69.6%でトップ。2位は「現在実施中のキャンペーン・割引の案内メール」が45.6%だった。「今後のセールに関するキャンペーンのお知らせメール」は40.4%。

EC物流代行サービス「ウルロジ」などを展開するディーエムソリューションズが実施した「ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査」 開封する可能性の高いメールの内容
開封する可能性の高いメールの内容

通販・ECでの買い物に最も影響があったSNSは、「YouTube」がトップで27.0%、2位が「LINE」で21.4%、3位は「X」の21.2%。「Instagram」は15.2%で4位だった。

EC物流代行サービス「ウルロジ」などを展開するディーエムソリューションズが実施した「ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査」 最も影響があったSNS
最も影響があったSNS

SNSでインフルエンサーが紹介した商品・サービスについては、「インフルエンサーの影響で購入したことがない」は63.8%を占めた。「インフルエンサーの誘導リンクから購入したことがある」は14.4%、「他で情報収集をし、比較検討した後に購入したことがある」は21.8%だった。

調査概要

  • 調査対象:20~60代の男女500人
  • 調査条件:EC・通販で月に1回以上買い物をする人
  • 調査対象エリア:全国
  • 調査期間:2024年4月27~30日
  • 調査方法:インターネット調査
松原 沙甫

セミナー受講後、学びをすぐに実践する派? 吟味する派? 聴いて満足しちゃう派? 成果をあげる「セミナー」「勉強会」の参加法 | EC責任者になるための仕事術

2 years 2ヶ月 ago
やっと3回目の寄稿です。今回は、中小企業の時間のないEC責任者がどのように情報を得て、社内などに共有し、実践してきたのかをお伝えします。今回もお手柔らかにお願いします!

ECのノウハウ、トレンドなどを把握する場の「セミナー」「勉強会」。読者の皆さんは、自分事として聴講していますか? ただ会社へ報告するためのメモ取りに終始していませんか? 聴講した後、得たことをすぐに実践へと移していますか? 聴講したことに満足してそれで終えていませんか? 「セミナー」「勉強会」は心構えや態度次第で“有益な場”になるのか、それともただ“場に参加しただけ”で終わってしまうのか、大きな差がでます。“時間も余裕も”なかったEC責任者時代に意識していたこと、部下にも伝えていたことをまとめてみました。

セミナー受講後、学びをすぐに実践する派? 吟味する派? 聴いて満足しちゃう派? 成果をあげる「セミナー」「勉強会」の参加法

EC責任者として「セミナー」「勉強会」への参加に関して意識していたこと

結論からお伝えすると、

  1. 情報は全部持って帰らない。“明日できること”という意識を持って、必要な分だけを整理する
  2. 聴講後・参加後には、今日もしくは明日やることが決まっている状態にする
  3. インプットしている情報は、会場内ですぐ共有、もしくは実行に移す

実はこれ、「当たり前のことでしょ」と思われるかもしれません。でも、なかなか実践できていない方が圧倒的に多いと感じています。

僕は独立した現在も「セミナー」「勉強会」に参加することがありますし、登壇することもあります。多くの参加者に共通するのが、「メモ取り」に終始し、それで満足してしまっているということ。

「私、僕は該当する!」と思った方は、まず意識から変えてみましょう。僕は講演1セッションを聴いて、持ち帰れるモノ(自社で実践できること)は1~2つで十分だと思っています。まずはそこからスタートしてみませんか?

メモの取り方と重要視したこと

僕ももちろんメモを取ります。ただ、最初から最後まで、板書のように内容を随時メモ取りはしません。重要なところ、キーセンテンス、知らないワード、面白い考え方などは必ずメモを取るようにしています

理由はただ1つ。「セミナー」「勉強会」終了後、板書のようなメモを見返して復習する時間がないから。後日、きちんと板書のようなメモをを見返して復習、自分事に落とし込む時間の余裕があれば、全内容のメモ取りも良いでしょう。

「セミナー」「勉強会」に参加した証明として、会社にレポートを提出しなければならない読者の方もいるでしょう。そのような会社のルールであれば、全内容をメモ取りする必要はありますが。

ちなみに、僕がEC責任者だった会社では、出席者へレポートの提出は必須でしたが、全内容をメモ取りしたようなレポートは求めませんでした。板書のようなレポートの内容は確認もしませんし、興味もありません。なので、そのようなレポートを求めなかったのです。

求めたのはただ1つ。「何が自社で活用できそうか」というポイントだけです。

スピーカーのどんな話しにピンときて、今後のビジネスに役立てることができるのか? どんなことをすれば施策の成功率が高まるのか? など、講演を聴いて、出席者が「何を考えて」「何を学んだのか」しかチェックしていませんでした

ちなみに、なぜそのようなことを出席者に求めたのか? それは、僕自身が「セミナー」「勉強会」に参加していないため、板書のようなレポートを見ても、講演者の熱量、伝えたいことがわからないからです。

なので、参加者が講演を聴きながら何を考えて、所属している会社、組織を通じて聴いたポイントをどう進化、昇華させるのか? ということを出席者に求めました

「レポートを提出してね」と指示を出すと、ほぼセミナー全体をまとめたような内容になるのがほとんどではないでしょうか? いろいろとな考えがあると思いますが、僕はそのようなアウトプットは意味がないと考えています。とにかく、その場で何を考え、それをどのように進化・変化させて自社にアウトプットするのか――それが一番重要だと感じています

セミナー受講後、学びをすぐに実践する派? 吟味する派? 聴いて満足しちゃう派? 成果をあげる「セミナー」「勉強会」の参加法

鉄は熱いうちに打て! どのように実行へと移すのか

「セミナー」「勉強会」で得た内容を、どんなタイミングで、どのように社内共有していますか? もしくは実行へと移しますか? 僕がしていたことは単純明快です。「セミナー」「勉強会」が終わったら、

  • 5分以内に要点をまとめる
  • すぐに事項できる形(=指示書)にする
  • チャットで社内共有をする

鉄は熱いうちに打て! ではないですが、講演を聴いた熱量も伝えるために、このように社内チャットへ投げていました。

勤務時間内であれば、社内から「どんな意味ですか?」などと質問がが飛んできますし、理解した者はそれをすぐに実行へと移したスタッフもいました。

ちなみに僕は、「セミナー」「勉強会」でピンときたキーワードや内容があれば、講演に目もくれず(すみません!)、会場内の席でひたすら集中して施策を練ったこともあります。もちろん、講演を聴きながらなので、ピンときたキーワードがあればそれも同時にメモをしてました。

この行動には賛否両論があるかもしれません。しかし、僕は「セミナー」「勉強会」の聴講方法はこのような感じでいいと思っています。

「全体の話を聴いて、その後にゆっくりと回想して、クリエイティブなことを考えていきたい」といった読者の方もいるでしょう。みんながみんな、僕の実践方法が適していると思いません。ゆっくり考えて新しいアイデアや発想が生まれる、それも「セミナー」「勉強会」の1つの聴き方だと思っています。

僕が読者の皆さんにお伝えしたいのは、「実行へと移す意識」ですね。そもそも「セミナー」「勉強会」に参加し、セッション内で「いますぐ、明日以降で使えるアイデア」っていくつ得ることができますか?

毎回4~5個も身になるアイデアを得て実行へと移しています! という方は「ブラボー!」です。

ただ、講演者と扱っている商材や事業規模、ポジションなどが違えば、戦略も戦術も施策も異なります。そのような聴講者のお話から自社に適した“何か”をいくつも得ることはなかなか難しい、はず。

逆に、いくつものアイデアを得ているという方は講演がトリガーとなるようなタイミングや状態だったこと、聴講者自身が日々いろいろな思考を巡らせていると言えますね。

まとめ

僕がイベントや勉強会に登壇した際、聴講者からよくあがる質問が「どうやったら売り上げが伸びますか?」というのはよく聞きますが、学び方を教えてくれ! なんて質問されません。

今回、「セミナー」「勉強会」での学び方といたテーマの記事を寄稿したのは、ECビジネスについて知らないことを学ぶとき、受験のような勉強方法、「セミナー」「勉強会」に参加しただけで理解したつもりになり満足してしまっているEC関係者が少なくないと感じたからです。

学生時代って、ノートやパソコンに先生の板書をメモし、それを見返して理解するのが当たり前でしたよね。でも、その多くが理解したつもりになっているかもしれません。ビジネスにおいては、インプットしてそれを実践に移して、成功につながるのか、失敗するのか(最終的に成功につながれば失敗したと言えませんが)、経験が重要だと思っています

ということで、僕が寄稿している『ネットショップ担当者フォーラム』では5月28日(火)+29日(水)にセミナーイベントを実施するようです。ぜひこのお話を実践する場として、参加してみては?

赤ちゃん本舗、UA&シップス&オンワード、アンファー、土屋鞄登壇。ネッ担2024春 5/28,29開催

【EC事業者限定・渋谷開催】顧客体験、OMO、D2C、メーカーEC、アパレルECの未来を語る2日間
4/17 10:3126090
中林慎太郎

ニトリの自宅で家具の試し置きができるAR+シミュレーションサービスの「スマホで簡単!3Dで試し置き」とは

2 years 2ヶ月 ago

ニトリはAR(拡張現実)を活用し、自宅で家具設置シミュレーションができるサービス「スマホで簡単!3Dで試し置き」を5月21日に開始した。アプリ不要で利用できる。

ニトリはAR(拡張現実)を活用し、自宅で家具設置シミュレーションができるサービス「スマホで簡単!3Dで試し置き」を開始
アプリ不要で利用できるARを使った家具の設置シミュレーション

「スマホで簡単!3Dで試し置き」は自宅や店頭でも、気になる家具商品をARを通じて実寸大で確認することができる。ECサイト「ニトリネット」からアプリ不要で利用可能。商品は360度閲覧できる。

現在は約300アイテムに対応し、8月までには1000アイテムまで増やしていく予定。顧客からの「見たい商品が店頭になかった」「商品の大きさのイメージがわかりにくい」「家のコーディネートに合うかわからない」といった声に応える。

6月1日からは、間取り作成から家具設置までをバーチャルでシミュレーションできる「3Dインテリアシミュレーター」も始める。ARの試し置きサービスで作成した商品3Dモデルを活用し、バーチャルで部屋をコーディネートする。

「3Dインテリアシミュレーター」は、インテリア相談サービスにてニトリのインテリア専門スタッフが間取りから3Dで作成し、商品を配置してユーザーごとの理想の家具コーディネートプランの提案に活用する。

コーディネート提案は、ニトリの「インテリア相談サービス」から申し込める。「3Dインテリアシミュレーター」は今後、ユーザー自身が操作できる形式も開発を進めていくとしている。

ニトリは、間取り作成から家具設置までをバーチャルでシミュレーションできる「3Dインテリアシミュレーター」も始める
間取りからシミュレーションするインテリアコーディネートも

「スマホで簡単!3Dで試し置き」と「3Dインテリアシミュレーター」は、家具・小売業界など向けにVR・ARアプリケーション開発のForgersが展開するソリューションを導入し実現。EC・カタログ向けAR・3D導入サービス「RITTAI」と、VR空間シミュレーションサービス「RITTAI ROOM」を導入した。

鳥栖 剛

「Amazon ネットスーパー」が九州に初進出。地場スーパー「マルキョウ」と協業し2024年にスタート

2 years 2ヶ月 ago

アマゾンジャパンは5月21日、2024年中に福岡市と周辺一部地域向けの生鮮食品を最短2時間で届けるサービスを開始すると発表した。北部九州を中心に展開するスーパーマーケット「マルキョウ」と組み実現する。アマゾンジャパンが九州地方で生鮮食品のオンライン販売・配送サービス「Amazon ネットスーパー」を展開するのは今回が初。

「Amazon ネットスーパー」の九州進出は、「マルキョウ」を運営するマルキョウをグループ会社に持つリテールパートナーズとの協業で実現する。

北部九州を中心に80店舗以上を展開する「マルキョウ」が出店し、「Amazon.co.jp」のWebサイトとショッピングアプリ上に「マルキョウネットスーパー」を2024年中にオープンする予定。

スタート時点の対象エリアは福岡市とその周辺の一部エリア。具体的な時期や配送エリアなど詳細は後日発表する。配送エリアは順次拡大する予定。

注文商品は、マルキョウ店内の専門スタッフがピックアップし、Amazonの配送ネットワークで最短2時間で配達する。マルキョウの店頭で販売する生鮮食品、冷蔵・冷凍食品、飲料、酒、日用品などを取り扱う。

「Amazonネットスーパー」は現在、北海道・関東・関西・中部地方の一部エリアで生鮮食品のオンライン販売・配送サービスを展開。九州エリアの進出は今回が初となる。アマゾンジャパンのAmazonフレッシュ事業本部 荒川みず恵事業本部長は「九州地方のお客様に生鮮食品の最短2時間配送サービスを提供できるようになることを嬉しく思う」とコメントしている。

「Amazon ネットスーパー」は関東・関西・東海・北海道の一部で展開中
「Amazon ネットスーパー」は関東・関西・東海・北海道の一部で展開中

リテールパートナーズはマルキョウのほか、中国地方西部を地盤とする丸久、大分地盤のマルミヤストアの計3社を傘下に持ち、スーパーやディスカウントストアを274店舗展開している。丸久では「丸久らくらく便」「アルクネットスーパー」の2つのネットスーパー事業も手がけている。

リテールパートナーズの田中康男社長は「マルキョウのオンライン販売の強化を通じてAmazonのお客さまにも、いつもと変わらないマルキョウでのお買い物を気軽に便利に楽しんでいただけるよう準備を進める」としている。

リテールパートナーズグループは計3社で西日本に274店舗を展開
リテールパートナーズグループは計3社で西日本に274店舗を展開

 

鳥栖 剛

Googleのアルゴリズムが高く評価するECサイトの要件、老舗企業マドラスのオムニチャネル戦略【ECイベント5/28+29開催】

2 years 2ヶ月 ago
大手企業のEC担当者やECに知見の深い有識者が事業成功のノウハウを語るイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2024 春」を5月28日(火)+29日(水)にオフライン(東京・渋谷)で開催。25講演すべて無料で聴講できます

5月28日(火)+29日(水)に開催する「ネットショップ担当者フォーラム 2024 春」(東京・渋谷でオフライン開催)には、ユナイテッドアローズ、シップス、オンワード、マドラス、ボーディー、赤ちゃん本舗、グーグル、ジュピターショップチャンネルといった企業が登壇。「ECサイトのSEOノウハウ」「オムニチャネル成功のポイント」「アフターコロナのアパレルECの未来」などのテーマについて、企業の責任者などが講演します。25講演すべて無料で聴講できます。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

ランチセッションでは日替わりのお弁当をご用意! Wi-Fi、電源もあり、講演ごとにコーヒーやお菓子などのブラ行くアイテムもご用意しています。

まだお申し込みをしていない方のために、編集部おすすめの講演の見どころをご紹介します。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

見どころ⑧ ECサイトのSEO総ざらい~上位表示するECサイトの要件とは~

13:25~14:10 A2-4 ゼネラルセッション

社内でECサイトのSEOに取り組んでいる事業者さん必聴です! 現在、「買いたい」意図の検索結果は、同様の意図を持った多くのユーザーに支持されている人気ショップ順に並びます。しかし、一般的に流通しているSEOのノウハウは「知りたい」意図に答えるコンテンツに関するものばかり。セッションでは「買いたい」意図の検索に特化し、Googleのアルゴリズムが高く評価するECサイトの要件をGoogleの公式資料をもとに詳しく解説します。

Googleが高く評価するECサイトの要件がわかるので、検索トラフィックを増やすために中長期で取り組むべき課題が明確になります。社内でSEOに取り組んでいる中小規模の通販企業で、中長期の方針を策定する立場にある方にとって参考になるセッションです。

ボーディー有限会社 代表取締役 住太陽氏
ボーディー有限会社 代表取締役 住太陽氏
SEOコンサルタント。ボーディー有限会社 代表取締役。1999年からSEOに従事、2002年には日本初のSEO解説書を執筆したほか、執筆・講演など多数。千葉県出身。1971年生まれ。

見どころ⑨ 創業100年超の老舗企業が挑むオムニチャネル戦略~マドラスの責任者が語る「ゼロから始めるオムニ」成功のコツ~

13:25~14:10 B2-4 ゼネラルセッション

創業100年を超える革靴メーカーのマドラスは、メインの販売チャネルである実店舗だけでなく、ECとのオムニチャネル化を進めています。講演では、失敗を糧に実現したブランド公式サイト、コーポレートサイト、ECサイトの統合、組織作り、実店舗連携など、オムニチャネル推進の裏側を取締役 本部長の岩田敏臣氏が解説します。

老舗革靴メーカーがオムニチャネル化に成功したコツと、これまでの道のりから、オムニチャネル化に向けたヒントをお伝えします。

マドラス株式会社 DX・OMO事業推進 / PRコミュニケーション 取締役 本部長 岩田敏臣氏
マドラス株式会社 DX・OMO事業推進 / PRコミュニケーション 取締役 本部長 岩田敏臣氏
1985年生、愛知県出身。大学卒業後、広告会社でテレビCM、雑誌広告、ラグジュアリーブランド担当を経験。大手シューズチェーンストアでの勤務を経て、2013年マドラス株式会社入社。2019年よりEC事業を軸としながら、OMO事業の推進、物流WMS刷新プロジェクト、デジタルを活用し、全社最適化に取り組む。
スマイルエックス合同会社 代表 大西理氏
スマイルエックス合同会社 代表 大西理氏
カタログ総合通販にてEC事業立ち上げ後、EC事業全般、デジタルマーケティングに従事。その後、デザイン文具メーカー、スキンケア通販、ファッション雑貨小売、アパレルなど複数の業界にてECを中心にデジタルマーケティング/コミュニケーション/ブランディング/CRM領域のマネジメントなど幅広い領域を担当。2021年9月から現職にて企業のビジネス支援をしている。
ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

来場者プレゼント、ランチ、軽食、抽選会など各種特典をご用意!

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

当日は来場者全員にイベントオリジナルウェットティッシュをプレゼント! さらに、該当の講演を聴講すると参加できる抽選会も行います。

ランチセッションでは日替わりでお弁当、講演ごとにコーヒーやお菓子などのブレイクアイテムをご用意しています。

「ネッ担 Meetup vol.5」(懇親会)を開催!

5月28日(火)18:30~20:00に、先着100人限定で、登壇者や参加者と情報交換ができる懇親会を実施します。

セミナーにご参画いただいた講師・外部招聘ゲスト、視聴者、スポンサー企業が集い、Eコマースに関するさまざまな情報交換ができる場です。「半年後どうなる? どうする?」の共通テーマのもとにEC事業者のコミュニティを作り、悩みや課題、アイディアを共有し絆を深めていただきます。

プレゼント抽選会もご用意しています。皆さまのご参加をお待ちしています!

◇◇◇

次回はまた別のオススメ講演をお伝えします!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

菓子のシャトレーゼ、公式ECで新サービス「eギフト」を開始。URLだけで贈れる利便性でギフト利用を促進

2 years 2ヶ月 ago

菓子専門店を実店舗とECで展開するシャトレーゼは、自社ECサイト「シャトレーゼオンラインショップ」で、住所がわからなくてもメールやSNSで手軽にギフトを贈れる「シャトレーゼeギフト」を始めた。

URLを送信するだけでギフトを贈れる「シャトレーゼeギフト」(画像はシャトレーゼのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
URLを送信するだけでギフトを贈れる「シャトレーゼeギフト」(画像はシャトレーゼのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

ライフスタイルが多様化するなかで、場所や時間にとらわれず贈り物ができるソーシャルギフトのニーズ増に対応した。

券種を6種類展開する「シャトレーゼeギフト」の一例
券種を6種類展開する「シャトレーゼeギフト」の一例

「シャトレーゼeギフト」は、シャトレーゼの公式オンラインショップ限定で購入、利用できるデジタルチケット。ユーザーは会計の際、金券として利用できる。券種は6種類を展開。券面のデザインは、通年タイプのほか、イベントや季節に合わせたタイプも用意している。特徴は次の通り。

  • LINEやメールなどで手軽に贈れる
  • 受け取り手が、好きなタイミングで好きな商品を選べる
  • ギフトシーンや予算に合わせて、贈り手がさまざまな価格から選べる
デザインは通常タイプのほか、イベントや季節に合わせたタイプも展開(画像は「シャトレーゼオンラインショップ」から編集部がキャプチャ)
デザインは通常タイプのほか、イベントや季節に合わせたタイプも展開(画像は「シャトレーゼオンラインショップ」から編集部がキャプチャ)

eギフトプラットフォーム事業を手がけるギフティの法人向けギフト販売システム「eGift System」を導入して実現した。シャトレーゼは「eGift System」とのシステム連携により、既存の公式オンラインショップでeギフトを販売している。

ギフティは従来、ブランドが自社チャネルでeギフトを販売する場合、eギフト専用の販売ページを設けていた。ギフティによると、公式オンラインショップに直接、eギフトシステムをつなぎ込むのは今回が初めて。eギフトの販売ページにブランドのファンがたどり着きやすいといった利点がある。

「シャトレーゼeギフト」概要

  • 券面・価格:1000円、3000円、5000円、1万円、1万5000円、2万円
  • 販売ページ:シャトレーゼオンラインショップ
  • 有効期限:購入日から3か月後の月末まで
高野 真維

ゲームメーカー大手セガフェイブのECサイト改善事例。使いやすさを求めて離脱率最大20%改善のアプローチとは?

2 years 2ヶ月 ago
ゲームメーカー大手のセガフェイブは、オンラインくじ、オンラインクレーンゲーム、フィギュア販売の3つのECサイトで「Amazon Pay」を導入し、離脱率の改善や売り上げ拡大につなげている。施策や効果、今後の展望などを2人の担当者が解説する
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セガサミーホールディングス傘下で、玩具の開発・製造・販売や、アミューズメントゲーム機器の開発・販売などを手がけるセガフェイブ。EC事業では、オンラインくじ、オンラインクレーンゲーム、フィギュア販売の3つのECサイトを運営しており、デジタル商材とフィジカル商材の双方で、アニメ・マンガ・ゲーム作品のファンから人気を集めている。新規ユーザーの購入のしやすさ、さらには離脱率の改善、売上アップにも寄与した施策とは――。ECサイトの改善を推進したMD国内ビジネス部 副部長の土屋政喜氏と、同部オンラインビジネス課 課長の笹谷崇氏に取り組みを取材した。

※セガのアミューズメント機器事業は吸収分割でセガトイズに承継。セガトイズは4月1日付で「セガフェイブ」に商号を変更した。

ゲームメーカー大手セガフェイブのECサイト改善事例。使いやすさを求めて離脱率最大20%改善のアプローチとは?

新規登録のハードルを下げ、顧客の裾野拡大を強化

オンラインくじ、オンラインUFOキャッチャー、フィギュア販売でAmazon Payを導入

セガフェイブのEC事業では、次の3つのサイトを運営、それぞれのページで「Amazon Pay」を導入している。

  1. 「セガ ラッキーくじオンライン」:インターネット上でキャラクターくじを引き、当選商品をユーザーに届ける。2017年にサービスを開始。ハズレなしで必ずアイテムが当たる仕組みのため、ユーザーはあまりハードルを感じずに参加しやすくなっているのが特徴だ。
  2. 「S-FIRE(エスファイア)」:人気アニメやマンガのフィギュアの販売。取り扱うグッズの作品タイトルごとにファンが集まる傾向にあるため、ユーザーの年齢層や性別は流動的に変わる。
  3. 「セガUFOキャッチャーオンライン」:オンラインクレーンゲーム。獲得した商品をユーザーに届ける。「いつでも、どこでも、誰でも遊べる」というオンラインの強みを生かして、幅広い層にアプローチする施策を展開している。

※「Amazon Pay」のサービス規定では、くじを含む賭博・ギャンブル行為への利用は原則として禁止(ギャンブル性・賭博性の低いもののみ例外的に許容)されています。

「セガ ラッキーくじオンライン」トップページ(左)、「S-FIRE」トップページ(中央)、「セガUFOキャッチャーオンライン」(右)
「セガ ラッキーくじオンライン」トップページ(左)、「S-FIRE」トップページ(中央)、「セガUFOキャッチャーオンライン」(右)

「新規登録の簡単さ」「顧客の安心感」を両方かなえる施策

「セガ ラッキーくじオンライン」の提供を始めた2017年、利用には専用ID「SEGA ID」の登録が必須だった。

「SEGA ID」はセガがラインアップするオンラインゲームなどで使われているため、ゲームユーザーには浸透しているが、そのほかのユーザーには認知が低かった。そのため、初めて利用するユーザーにとって、オンラインくじを利用できるようになるまでの手順が煩雑で、途中離脱してしまう懸念があった。

以前の手順は、ID登録ページに遷移し、メール送信などの過程を経て登録が完了した上で、ようやくくじが利用できる――というもの。この登録過程での離脱を解消するため、「セガ ラッキーくじオンライン」のサイト刷新に合わせて、2021年1月にAmazonのID決済サービス「Amazon Pay」を導入した。

「セガ ラッキーくじオンライン」でくじをひく際、「Amazon Pay」ログイン画面に遷移
「セガ ラッキーくじオンライン」でくじをひく際、「Amazon Pay」ログイン画面に遷移

2021年、サイトの全体的なリニューアル作業と同時に「Amazon Pay」の実装を進めた。導入後、決済方法の選択画面で「Amazon Pay」を選んだユーザーは、Amazonアカウントを使ってログインが可能なため、簡単なステップで新規登録から購入までできるようになっている。

「Amazon Pay」を選んだ理由は、「お客さまの裾野を広げたいと考えたときに、国内外でAmazonの利用者が圧倒的に多いことがまず思い浮かびました」(笹谷氏)。また、顧客にとって簡潔で使いやすい導線を構築できることも、大きなポイントになったようだ。

従来のサイトは導線が煩雑でした。より使いやすいサービスにするため、サイトをリニューアルしました。その際、さまざまな業界のUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)に優れたサイトを見たところ、「Amazon Pay」を導入しているサイトが多かったことも、導入の後押しになりました。(土屋氏)

セガフェイブ MD国内ビジネス部 副部長 土屋政喜氏
セガフェイブ MD国内ビジネス部 副部長 土屋政喜氏

「セガ ラッキーくじオンライン」の刷新と同時期の2021年にサービスを開始した「S-FIRE」も、同様に「Amazon Pay」を導入。「ソーシャルログイン機能によって購入までの導線が短くなったため、売上アップに貢献しています」(土屋氏)

「S-FIRE」の「Amazon Pay」ログイン画面
「S-FIRE」の「Amazon Pay」ログイン画面

プロモーション効果アップにも寄与する「Amazon Pay」の導入メリットとは

「Amazon Pay」の導入メリットについて、セガフェイブは決済完了までのフロー簡略化によるCVRや離脱改善効果をあげている。Amazonアカウントに登録された配送先などの情報が最新の状態で自社ECに自動的に連携されるので顧客は入力の手間を省くことができ、新規登録もしやすくなるため、CVRの改善効果が見込まれる。「セガ ラッキーくじオンライン」でも、サイトリニューアル前に課題としていた会員登録時の離脱の懸念が解消できた。

このほか、予約商品の予約・購入ができることや、「Amazonギフトカード」のプレゼントキャンペーンへの参加を呼びかけることで集客・販促につなげられることも、大きなメリットだという。

決済方法の拡充を検討していた「セガUFOキャッチャーオンライン」も、こうしたさまざまなメリットを期待し、2023年夏に「Amazon Pay」を導入。20~30代がメインのユーザー層になっている「セガUFOキャッチャーオンライン」では、決済会社が主催するキャンペーンにユーザーが積極的に参加する傾向にあるため、「Amazon Pay」と実施したキャンペーン企画への反響は大きいという。

デジタル商材とフィジカル商材の双方で効果を発揮する「Amazon Pay」

セガフェイブにとって、デジタル商材でも「Amazon Pay」を導入していることはポジティブな効果が現れている。「セガ ラッキーくじオンライン」「セガUFOキャッチャーオンライン」のサービスそのものはデジタルだが、最終的に「ユーザーが獲得したモノ」を届ける必要がある。そのため、確かな住所情報は必要不可欠。「Amazon Pay」は「Amazonアカウント」に登録されている情報を使用するため、「Amazon Pay」経由の決済は正確な住所情報が設定されていることが期待できる。そのため、ユーザーは手間なく安心してサービスを利用することができるのだ。

ユーザーにとっても、オンラインのくじやクレーンゲームを遊ぶときに「Amazon Pay」のボタンを見ると「Amazonの決済サービスが利用できるサービスであれば安心だ」と感じていると考えられます。また、ゲームを始める際のハードルを下げる1つの要因にもなっているでしょう。日頃からAmazonのサービスをよく使っている人ほど、セガフェイブのオンラインサービスも安心して使っていると考えられます。(笹谷氏)

セガフェイブ MD国内ビジネス部 オンラインビジネス課 課長 笹谷崇氏
セガフェイブ MD国内ビジネス部 オンラインビジネス課 課長 笹谷崇氏

離脱率20%の改善、売り上げのベースアップに貢献

現在、「セガ ラッキーくじオンライン」では「Amazon Pay」の決済比率が4~5割を占め、「S-FIRE」も「Amazon Pay」が同じく半数ほどを占めている。「セガUFOキャッチャーオンライン」はアプリとブラウザでサービスを展開しており、ブラウザ版では「Amazon Pay」による決済が15~20%ほどを占める(アプリ利用者にはアプリ専用の決済方法を提供)。「Amazon Pay」の利用率の高さは、いずれも想定を上回るという。

また、「セガ ラッキーくじオンライン」は「Amazon Pay」導入後、ショッピングカート以降のユーザー行動における離脱率が少なくとも10~20%ほど改善。売り上げについては、取り扱うタイトルによって異なる上、サイト全体をリニューアルしたことから、導入前後の単純な比較はできないが、それでも購入人数が増えた感触はあるという。「20%ほどは売り上げがベースアップしたと実感しています」(土屋氏)

笹谷氏(左)も土屋氏も「Amazon Pay」導入による売り上げのベースアップを実感している
笹谷氏(左)も土屋氏も「Amazon Pay」導入による売り上げのベースアップを実感している

「セガUFOキャッチャーオンライン」も、「Amazon Pay」の導入後から新規登録率や会員の割合が順調に増加しており、CVRにも良い効果が表れている

「Amazon Pay」とのキャンペーンも盛況。集客効果を実感

「Amazon Pay」とのキャンペーン企画では、以下の2つを実施した。

  • Amazonが実施している購入者還元施策の「Amazonギフトカード大還元祭」
  • セガフェイブオリジナルの「Amazon Pay」キャンペーン企画として「龍が如く Amazonギフトカードプレゼントキャンペーン」

後者は人気ゲームシリーズ「龍が如(ごと)く」の新作発売のタイミングに合わせて、2023年12月21日から2か月間開催。ゲームのプロモーション効果も狙って、「セガラッキーくじオンライン」と「セガUFOキャッチャーオンライン」で展開した。「龍が如く」のキャラクターグッズなどの景品が獲得でき、さらに抽選で「龍が如く」のオリジナルデザインの「Amazonギフトカード」が当たる企画とした。

「Amazonギフトカード大還元祭」(左)、セガフェイブオリジナルの「Amazon Pay」キャンペーン企画(「龍が如く」の「Amazonギフトカード」プレゼント)
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「Amazonギフトカード大還元祭」(左)、セガフェイブオリジナルの「Amazon Pay」キャンペーン企画(「龍が如く」の「Amazonギフトカード」プレゼント)

「龍が如く」のキャンペーンは、景品やギフトカードを獲得したファンによるSNSのリアクションが相当数あり、話題が拡散した。狙っていたゲームのプロモーション効果や、サイトへの集客効果も大きかった

「Amazon Pay」の加盟店事業者のなかでも、オンラインクレーンゲームでオリジナルデザインの「Amazonギフトカード」が当たる企画は初めての取り組み。ニュースサイトやXでも反響があったという。「オリジナルデザインの『Amazonギフトカード』が実際に手元に届いた方から、Xなどで『かわいい』といった投稿が見られ、好評でした」(土屋氏)

キャンペーンの売り上げは想定を2~3割ほど上回った。「セガUFOキャッチャーオンライン」ではオンラインクレーンゲームを初めて利用したと思われる人も多く訪れ、新規ユーザー数は通常時に比べて50%ほど増加した。セガフェイブは、今後も「Amazon Pay」とのキャンペーンを積極的に展開していく考えだ。

「Amazon Pay」の導入理由に顧客の裾野を広げることをあげましたが、さまざまなお客さまを呼び込む上で、「Amazon Pay」と一緒に取り組むキャンペーンが効果を発揮することがわかりました。また、「Amazon Pay」で決済することで、お客さまにとって決済の手間が少なく、セガフェイブのサービス自体を楽しんでいただく時間を長くできます。(笹谷氏)

ゲームメーカー大手セガフェイブのECサイト改善事例。使いやすさを求めて離脱率最大20%改善のアプローチとは?

サービス間の相互送客を強化

セガフェイブは今後、サービス間の相互送客を強化していきたい考え。「セガ ラッキーくじオンライン」「S-FIRE」「セガUFOキャッチャーオンライン」を見ても、取り扱っている商材やユーザー層がそれぞれ異なっているほか、セガフェイブではゲームセンター向けにUFOキャッチャーやプリクラ機を販売するアーケードゲーム事業や、玩具の企画開発・販売を行うTOY事業も展開している。

こうした幅広い商材やチャネルを組み合わせて、新しいユーザー体験を提供していく計画だ。

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朝比美帆
吉田 浩章

赤ちゃん本舗のECと実店舗の融合施策、ジュピターショップチャンネル+グーグルのクッキーレス時代のファーストパーティデータ活用【ECイベント5/28+29開催】

2 years 2ヶ月 ago
大手企業のEC担当者やECに知見の深い有識者が事業成功のノウハウを語るイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2024 春」を5月28日(火)+29日(水)に開催。25講演すべて無料で聴講できます

5月28日(火)+29日(水)に開催する「ネットショップ担当者フォーラム 2024 春」(東京・渋谷でオフライン開催)には、赤ちゃん本舗、ジュピターショップチャンネル、グーグル、ユナイテッドアローズ、シップスといった企業が登壇。「リアルとECの融合施策」「データ活用」「アパレルECの戦略と展望」などのテーマについて、企業の責任者などが講演します。25講演すべて無料で聴講できます。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

ランチセッションでは日替わりのお弁当をご用意! Wi-Fi、電源もあり、講演ごとにコーヒーやお菓子などのブレイクアイテムもご用意しています。

まだお申し込みをしていない方のために、編集部おすすめの講演の見どころをご紹介します。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

見どころ⑥ 赤ちゃん本舗のリアルとECの融合施策

10:30~11:20 A2-1 オープニング基調講演

全国に126のリアル店舗を持ち、さらにECサイト、無人店舗を展開する赤ちゃん本舗。下げ止まらない少子化に対抗して、顧客との接点をどうやって維持し続けるか――。赤ちゃん本舗が取り組むリアルとECの融合施策を解説します。

株式会社赤ちゃん本舗オムニチャネル統括部 統括部長 光本 圭一 氏
株式会社赤ちゃん本舗オムニチャネル統括部 統括部長 光本 圭一 氏
カタログ通販企業、B2B通販企業を経て、2022年より赤ちゃん本舗入社。シューズバイヤー、販促企画、カタログ制作、ECコンテンツ制作、SEO、経営企画部を経験。SQL(データベースを操作するための言語)を書いて、数値を可視化するのが趣味。

見どころ⑦ クッキーレス時代のファーストパーティデータ活用:ショップチャンネルの顧客獲得戦略

10:30~11:20 B2-1 オープニング基調講演

近年、デジタル広告環境は大きく変化しており、サードパーティクッキーの廃止が進むなか、従来のような広告配信や効果測定が難しくなっています。そこで、ジュピターショップチャンネルはファーストパーティデータの活用に取り組み、Google広告と顧客データを連係させることで、新規顧客獲得数を45%増加、CPAを24%改善することに成功しました。ジュピターショップチャンネルが実践するマーケティング施策を解説します。

ジュピターショップチャンネル株式会社 EC本部 Eコマース部 高島 強志 氏
ジュピターショップチャンネル株式会社 EC本部 Eコマース部 高島 強志 氏
2002年4月、東京通信ネットワーク(現KDDI)に入社。固定回線や携帯電話などのコンシューマー向け商材の代理店営業を経て、2016年4月に物販EC事業に参画し、ECサービスの推進・運営にかかるマネジメントを担当。2022年4月からジュピターショップチャンネルに参画し、EC事業全般、主にデジタル広告やeCRMなどのマーケティング領域のマネジメントに従事。
グーグル合同会社 Head of Measurement & Data - Japan 小澤 昇歩 氏
グーグル合同会社 Head of Measurement & Data - Japan 小澤 昇歩 氏
2007年4月にVOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS)に入社。同年6月にfluctの設立参画。2010年同社取締役に就任。製品開発、事業戦略、新規事業開発、マーケティング・PR、海外事業などを担当。2016年4月にグーグル入社。プログラマティック広告事業(旧 DoubleClick Ad Exchange)の日本統括などを経て、2022年より現職。
グーグル合同会社 広告営業本部 テクノロジー業界担当 波田 幸宏 氏
グーグル合同会社 広告営業本部 テクノロジー業界担当 波田 幸宏 氏
2010年4月、帝国データバンクに入社。ビッグデータを活用した産業調査、および、企業の倒産を予測する統計モデルの構築に従事。2014年2月、サイバーエージェントに入社し、DSP・DMPなどのアドテク領域のスペシャリストを経て、SEMの営業、コンサルを担当。ECをはじめ、通信、金融、人材、不動産、B2Bなど幅広い業界で常時10社以上の大企業を担当。2022年8月より現職。
ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

来場者プレゼント、ランチ、軽食、抽選会など各種特典をご用意!

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

当日は来場者全員にイベントオリジナルウェットティッシュをプレゼント! さらに、該当の講演を聴講すると参加できる抽選会も行います。

ランチセッションでは日替わりでお弁当、講演ごとにコーヒーやお菓子などのブレイクアイテムをご用意しています。

「ネッ担 Meetup vol.5」(懇親会)を開催!

5月28日(火)18:30~20:00に、先着100人限定で、登壇者や参加者と情報交換ができる懇親会を実施します。

セミナーにご参画いただいた講師・外部招聘ゲスト、視聴者、スポンサー企業が集い、Eコマースに関するさまざまな情報交換ができる場です。「半年後どうなる? どうする?」の共通テーマのもとにEC事業者のコミュニティを作り、悩みや課題、アイディアを共有し絆を深めていただきます。

プレゼント抽選会もご用意しています。皆さまのご参加をお待ちしています!

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明日はまた別のオススメ講演をお伝えします!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

国交省が共同輸配送の実証事業に最大3000万円を補助する「物流標準化促進事業費補助金」とは

2 years 2ヶ月 ago
国交省は「物流情報標準ガイドライン」に準拠した物流データのオープンプラットフォーム構築に向け、共同輸配送などの実証事業に最大3000万円を補助する。5月24日にはオンライン説明会も実施する。

国土交通省は5月17日から、共同輸配送などに取り組む実証事業に関する補助金事業の申請受付を開始した。

事業名は「物流標準化促進事業費補助金(物流データの標準化促進に向けたオープンプラットフォーム構築支援事業)」。補助率は補助対象経費の50%以内、最大3000万円程度の交付としている。申請受付は6月21日15時まで、事業の実施は2025年2月7日まで。執行団体は公益社団法人流通経済研究所。

「物流標準化促進事業費補助金」は、「物流情報標準ガイドライン」を活用したデータ連携を行い共同輸配送などに取り組む実証事業の経費の一部を補助するもの。共同輸配送などに向けガイドライン準拠の「物流・商流情報のオープンプラットフォーム」の構築や運営を行う取り組みを支援し、輸配送の効率化と積載率向上の物流効率化を図ることが目的。

「物流情報標準ガイドライン」とは、政府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマート物流サービス」プロジェクトにおいて策定・公表された、運送計画情報や出荷情報などの物流情報に関する標準的な形式を定めたもの。「物流業務プロセス標準」「物流メッセージ標準」「物流共有マスタ標準」「コード標準化に対する方針」などがまとめられている。荷主ごとによって形式が違う物流情報を標準化することで、広範囲でのデータ連携などによる物流の効率化・生産性向上を目的に策定された。

今回の事業の補助要件として「物流情報標準ガイドライン」に準拠した事業であることが求められる。

国土交通省 物流標準化促進事業費補助金(物流データの標準化促進に向けたオープンプラットフォーム構築支援事業)
物流情報標準ガイドラインに準拠したデータ連携例

補助対象となるのは、複数の荷主企業などから構成される協議会体。協議会の構成組織としては、「2社以上の荷主企業」「物流事業者(貨物運送事業者、倉庫事業者など)」「物流システム事業者などそのほか関係者」を想定している。

補助対象となる経費は、

  • 物流情報標準ガイドラインへ準拠するための費用
  • 物流情報標準ガイドラインに準拠したシステムの導入、改修費用
  • 物流・商流データ基盤の利用料
  • 共同物流の実施に際して擁する費用のうち、流通経済研究所が認めた経費

の4項目。補助率は補助対象経費の50%以内とし、1協議会あたり最大3000万円程度の交付としている。申請受付は6月21日15時まで、交付決定は7月中旬ごろを予定しており、事業の実施期間は交付決定日から2025年2月7日までとしている。

国土交通省 物流標準化促進事業費補助金(物流データの標準化促進に向けたオープンプラットフォーム構築支援事業)
流通経済研究所が示す取組例の概念図

5月24日午前10時から申請者向けのオンライン説明会を実施する。説明会の申込期限は5月22日の午後5時。なお、説明会の録画動画を後日Web公開する予定としている。

補助金事業の問い合わせ先

  • 公益財団法人流通経済研究所 物流標準化推進事務局
  • 電話番号: 03-5213-4534
  • Eメール: logistics_support@dei.or.jp
鳥栖 剛

ミニストップのECを絡めたOMO推進店「Newコンボストア」とは? フラッグシップ店が東京・神田にオープン

2 years 2ヶ月 ago

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている。東京・神田に5月20日、同モデルのフラッグシップ店をオープン。EC連携も強化し、EC注文商品の店舗受け取り・EC専売品の店頭販売・店頭からのEC誘導などにも対応する。

ミニストップは2023年度(2024年2月期)から、市場環境変化や生活者ニーズの多様化に対応するため「Newコンボストアモデル」として競争力向上と戦略的成長の推進に取り組んできた。

「コンボストア」とは、コンビニエンスストア(CVS)とファストフード(FF)店を融合させた業態を表すミニストップの造語。2023年度を第1フェーズとしてCVS・FFのサービス競争力強化を進めた。2024年度(2025年2月期)からは第2フェーズとしてミニストップアプリを軸としたOMO推進を図る。

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている
OMOはアプリを軸に推進していく(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

「Newコンボストアモデル」のフラッグシップとしてオープンしたのは「ミニストップ神田錦町1丁目店」。既存のミニストップ店舗を全面改装した。新たな店舗コンセプトとして、ミニストップアプリを軸としたOMOも実現させた。

ミニストップECの注文商品の店頭受け取りや宅配ロッカー留め置き、デリバリーやモバイルオーダーの注文などが利用できる。EC専売商品の店頭販売、店頭からECへの誘導も行う。今後もイオングループ内外の企業との相互送客を実現し、これまでにない商品・サービスを提供するとしている。

OMOの軸となるミニストップアプリはダウンロード数160万件を超えており、顧客情報・購買行動分析に基づく最適なクーポン配信やキャンペーンの告知といった「1to1マーケティング」を展開。新たなロイヤリティプログラム「プレミアム会員」も試験展開し、一定条件を満たすユーザーは毎日コーヒー1杯が無料になるなどのインセンティブも用意する。

店舗としても進化している。FF領域では新たな価値として健康にもこだわり、ミニストップの専門店事業である「MINI SOF(ミニソフ)」、職域事業の「cisca(シスカ)」の人気商品も展開する。CVS領域は生鮮食品や日用品の品ぞろえを拡大。イオングループのPB「トップバリュ」商品を1000アイテム以上に拡充する。

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている
店舗のパースイメージ

OMOの一環であるモバイルオーダーのほか、キャッシュレス対応拡充やセルフレジ完備に加えて店内を買い回りしやすいレイアウトとし「ショートタイム・ワンストップショッピング」を実現していく。

そのほか、フラッグシップ店を通じBtoBビジネス実証も試みる。ECと連携したオフィスの業務需要に応える新たなビジネスモデル構築に向け、フラッグシップ店の近隣オフィス向けに取り組むとしている。

ミニストップは成長戦略として「新事業の推進」にECインフラの構築を掲げ、取り組んでいた。2023年中には「Yahoo!!ショッピング」「楽天市場」「Amazon」に出店。10月には自社EC「ミニストップオンライン」をリニューアルし、アプリとの連携も行った。2023年度のEC売上高は前年比で811%と成長している。

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている
販路拡大や自社EC等刷新し売上高は前年比811%に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

コープさっぽろが宅配EC「トドック」にレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入

2 years 2ヶ月 ago

コープさっぽろは、宅配EC「トドック」にレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入した。

パーソナライズした商品、人気商品ランキングなどを表示

コープさっぽろの宅配システム「トドック」は、食品、日用品、化粧品、生活雑貨など2万5000点以上の商品を取り扱っており、インターネット上から注文できる。

トップページに「購入履歴に基づいたおすすめ」「人気アイテムランキング」を表示。ユーザーの嗜好に合う商品やサイト内で人気の商品を表示することで比較検討を促し、CVR向上につなげる。

コープさっぽろ トドック ZETA RECOMMEND 購入履歴に基づいたおすすめ、人気アイテムランキングを表示
購入履歴に基づいたおすすめ、人気アイテムランキングを表示

検索結果ページに「このカテゴリを買っている人がよく買っているカテゴリの商品」、商品詳細ページには「その商品と類似している商品」をおすすめとして表示する。関連性の高い商品を提案することでクロスセルの機会を創出し、サイト回遊率向上、商品閲覧数増加などの効果が期待できるという。

コープさっぽろ トドック ZETA RECOMMEND 関連性の高い商品のおすすめ表示でクロスセルを促進
関連性の高い商品のおすすめ表示でクロスセルを促進

「ZETA RECOMMEND」とは

パーソナライズされたレコメンドで潜在ニーズを発掘し、収益とユーザーの満足度向上を支援するマーケティングソリューション。

購買履歴、閲覧履歴、検索履歴などの行動履歴を基にした各ユーザーの特徴づけを行い、リアルタイムにレコメンドを提示する。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA RECOMMEND」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

ファンケルに学ぶ、これからの「化粧品」「健康食品」のターゲット+商品+販売チャネル戦略

2 years 2ヶ月 ago
ファンケルは新たな中期経営計画として、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓や主要KPIを約15項目に再整理したエンゲージメント強化によるCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組んでいく。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む。

化粧品事業

化粧品事業では、「基礎スキンケアユーザーの拡大」「クレンジング・洗顔のシェア拡大」「基礎スキンケアユーザーへのクロスセル」「新領域へのチャレンジ」――4方針で展開、強いブランド進化に取り組んでいく。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
ファンケルは4つの方針で化粧品事業を強化していく

「基礎スキンケアユーザーの拡大」は、2027年3月期に基礎スキンケア売り上げを現在比で20%増やす。年代別の製品ラインアップを拡充し実現につなげる。

シニア向けには独立ブランドの既存製品である「ビューティブーケ」を、ファンケルのシニア向け主力シリーズとして再編する。2024年4月には医薬部外品である30歳前後の肌不調に着目した新無添加スキンケアシリーズ「トイロ」をリリース。2026年3月期中には40~50代向けの新基礎化粧品を用意する。来期から新商品郡を中心としたマーケ投資を実施していく。

「クレンジング・洗顔のシェア拡大」は新製品投入とリニューアルを実施。2027年3月期に現在比で10%増をめざす。洗顔についてはチャネル特性に合わせた製品の発売を通し、現在比で20%増につなげる。

「基礎スキンケアユーザーへのクロスセル」では、積極的な新製品発売やリニューアルでクロスセルを強化。具体的には今期中にスペシャルケア分野では主力製品のリニューアルと新製品投入を行う。メイク部門ではCCクリークの定番品化などを手がけていく。

「新領域へのチャレンジ」では、30代男性ターゲットの製品を今期中に投入する予定。キッズ向けも手がける。今期中に神奈川県の小学生と共同開発したスキンケアを発売する。

健康食品事業

「プレシニア層」(55~64歳)を開拓する。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
健康食品事業の戦略(IR資料から編集部がキャプチャ)

製品戦略として主要製品を「マイナスをゼロに(個別の悩みの解消)」「ゼロをキープ(日常の健康対策)」「プラスオン(より美しく、若々しく)」にポートフォリオを整理し、それぞれの領域ごとに顧客とのつながりを強化、新製品の投入も行い売上拡大を図る。

 

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
健康食品分野絵は製品ポートフォリオを整理し拡充を行っていく(IR資料から編集部がキャプチャ)

顧客との関係性強化

CRMを変革し、LTVの向上につなげる。

従来のKPIは新規顧客・既存顧客の売り上げだったが、「売り上げの中身は分解できるが、アクションにつながりにくい」「多様な顧客が存在するものの、具体的な姿をつかめない、想像できない」といった課題があった。

今後は、過去の顧客購買データに加え、顧客ごとの行動や特徴を多面的にデータで捉えてエンゲージメント向上を図る。分析指標として、新たにエンゲージメント向上につながる主要KPIを約15項目に再整理した。

通販・店舗の併用率、つながり率、内外併買率、店舗での接客内容など、オンラインとオフラインの両チャネルの行動を総合的に把握・分析。顧客の解像動をあげて最適なアプローチを探る。

つながり強化として、SNS やアプリ、メルマガに加え、イベントによる体験価値の最大化も測っていく。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
KPIを再整理しCRMの変革に取り組んでいく(IR資料から編集部がキャプチャ)

モール展開など外部通販強化

外部通販の売り上げ構成は通販売り上げの2割を占めるまでに成長。購入者数としては直営店舗に匹敵しているという。主要なモール内でのマーケティング強化とクロスセルで、新規顧客との接点拡大および売上拡大を図る。

モール分野ではモールごとの特性に合わせてアプローチし、外部通販専用製品の開発も検討する。クロスセル強化については、製品ページの情報拡充やセット製品の展開、クーポン販促の強化も行い購入単価アップをめざす。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
売り場ごとの特性に合わせた戦略を強化する(IR資料から編集部がキャプチャ)

海外展開強化

「中国」「ASEAN」を重点エリアに設定。中国市場は、ファンケルサプリメントとアテニア、高機能プレステージブランド「BRANCHIC(ブランシック)」を中心に強化する。ASEAN市場は、現地パートナー(代理店)と協業し、ベトナムから段階的に進出していく。

海外展開の化粧品分野ではアテニアで中国越境ECに加え、一般貿易販売を開始。ASEANはベトナムからタイ、マレーシアに広げていく。

「BRANCHIC」は中国を重点市場と位置付け、越境ECを強化。自社によるライブコマースの強化や、プラット フォームの自営店舗、美容エステサロンに展開し、売上拡大と事業の安定化につなげる。

健康食品の海外展開は、中国向けは中長期的な視点で「ブランディング」や「商品育成」に取り組む。30~40代の女性とプレシニア層を主要ターゲットに展開。一般貿易販売は、保健食品の届出を進め、将来的に高級スーパーや薬局などへの展開をめざす。ASEANはベトナムを皮切りに、新ブランドを立ち上げを検討する。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
海外事業に関する健康食品マーケットについて(IR資料から編集部がキャプチャ)

業績

ファンケルの2024年3月期の売上高は前期比7.0%増の1108億8100万円。営業利益は同60.3%増の125億7000万円、経常利益は同51.2%増の129億4000万円、当期純利益は同77.7%増の88億3300万円となった。売り上げの内訳としては、化粧品は同6.5%増の612億600万円。栄養補助食品は同9.7%増の437億22300万円だった。

2025年3月期は、売上高は前期比6.9%増の1185億円、営業利益は同15.3%増の145億円、経常利益は同12.0%増の145億円、当期純利益は同13.2%増の100億円を計画している。売り上げの内訳としては、化粧品が同5.6%増の646億6000万円、栄養補助食品は同8.6%増の474億8000万円とした。なお、直営店舗のインバウンド売り上げについては41億円(前期は24億3000万円)の計画としている。

ファンケルが策定した第4期中期経営計画(2024~2026年度)は「再興2026」と銘打ち、化粧品・健康食品それぞれ新たな層の開拓やCRM変革、中国・ASEANなど海外展開の強化などに取り組む
2024年3月期業績と今後の目標(IR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

レビューを企業に伝えたい理由は? 1位は「商品やサービスの改善、商品開発に役立ててほしいが」で5割超

2 years 2ヶ月 ago

レビューマーケティングプラットフォームを開発・販売するReviCoが実施した、実店舗における商品購入時のレビューに関する意識調査によると、商品・サービスのレビュー(感想・意見)を直接企業に伝えたいと思う理由は、「商品やサービスの改善、商品開発に役立ててほしいと思った」が最多で52.5%だった。

それに続いたのが、「購入した商品やサービスで良い体験ができたから」が46.1%、「スタッフの対応が良かったから/スタッフに感謝を伝えたいから」が43.9%。

レビューを直接企業に伝えたいと思う理由

なお、商品・サービスのレビューを直接企業に伝えたいと思ったことがあるユーザーの割合は、「非常によくある」で48.2%、「ややよくある」が36.7%だった。

コスメ・アパレル商品を実店舗で購入した後、電話や問い合わせフォーム、スタッフに直接レビューを伝えたことがあるか聞いたところ、「ある」が68.8%、「ない」が30.6%、「わからない/答えられない」が0.6%。

直接レビューを伝えたことが「ある」と回答したユーザーに、レビューを伝えてよかったかを確認した結果、「非常にそう思っている」が42.3%、「ややそう思っている」が54.2%だった。

一方、「ない」と回答したユーザーにその理由を聞いたところ、「伝える手間がかかるから」が49.5%、「書くメリットがないから」が25.7%、「伝える方法がわからなかったから」と「企業が意見や感想をどの程度参考にしてくれるかわからないから」が19.8%。

レビューを企業に直接伝えない理由
レビューを企業に直接伝えない理由

電話や問い合わせ方法以外にレビューを伝えられる方法があった場合、伝えたい意思があるか聞いたところ、「非常にそう思う」が34.9%、「ややそう思う」が52.7%で大半を占めた。

企業にレビューを伝えやすいと思う方法については、「購入直後にアンケートを渡される」が50.0%で最多。「一定期間後にレビュー依頼メールが送られてくる」が35.2%、「問い合わせ先の電話番号や問い合わせフォームのQRコードを案内される」が34.8%で続いた。

企業にレビューを伝えやすい思う方法
企業にレビューを伝えやすいと思う方法

過去に書いたレビューが商品やサービスの改善に役立ったと感じたか聞いたところ、「非常によくある」が37.1%、「ややよくある」が51.1%、「あまりない」が10.1%だった。

調査概要

  • 調査名称:「実店舗購入時のレビューに関する意識調査」
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2024年4月18~19日
  • 有効回答:会員登録をしているブランドの実店舗で、月に1回以上アパレル・コスメ商品を購入している20~40代の女性330人
松原 沙甫

EC業界に15年以上携わる有識者3人で「ネッ担 ニュースまとめ」の連載再開! 意気込みやEC業界をアレコレ語り合う

2 years 2ヶ月 ago
2024年4月まで続いていた連載「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」。運営堂の森野さんから3人の後任メンバーにバトンタッチして再開します!【ネッ担ニュースまとめ 連載再開座談会】

運営堂の森野誠之さんが10年間続けていた連載「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ(ネッ担まとめ)」。2024年4月に惜しくも最終回を迎え連載も終了――と思われましたが、3人の後任メンバーを迎えて復活します! 前任の森野さんからバトンタッチを受けたのは、ECマーケティング人財育成(ECMJ)の石田麻琴さん、ユウキノインの酒匂雄二さん、Designequationの中林慎太郎さんのEC業界に15年以上も携わるベテラン3人。それぞれの担当領域や長年携わっているEC業界について語り合いました。

「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ(ネッ担まとめ)」 前任の森野さんからバトンタッチを受けたのは、ECマーケティング人財育成(ECMJ)の石田麻琴さん、ユウキノインの酒匂雄二さん、Designequationの中林慎太郎さんのEC業界に15年以上も携わるベテラン3人

15年以上EC業界に携わる、後任メンバーとは?

運営堂 森野誠之氏運営堂 森野誠之氏(以下、森野)

私が続けていた「ネッ担まとめ」の連載が2024年4月に終了しました。その後どうなるかと思っていたら、編集長から「復活します」と連絡を受けまして。それが3人で復活するということで、驚いています。

さて、連載復活にあたり、3人にはこれまでの経歴と担当する領域について伺います。石田さんからお願いします。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏(以下、石田)

大学時代にスポーツ新聞の記者をめざして文学部で勉強していましたが全部不採用となり、卒業後は1年半ほどフリーターをしていました。

そんな25歳の僕でも入社できる求人を探していたところ、条件に合致していたのが倉庫系かEコマースの企業。そこで、ECのベンチャー企業の採用面接を受けたんです。

ITやウェブにまったく興味はなかったのですが合格。EC専業のドリームフィールズ(現在は土屋鞄製造所などを抱えるハリズリーの傘下)に就職し、2005年から2011年まで在籍していました。

現在はECマーケティング人財育成(ECMJ)というEC支援企業を経営しています。「Eコマースのマーケティングができる人材を社内にきちんと作ろう」というコンセプトを掲げ、伴走・実践を通して社内にノウハウを蓄積しマーケティングチームを作るというコンサルティングを手がけています。

ずっとEコマース業界にいて、2024年で19年目になります。

運営堂 森野誠之氏森野

石田さんは以前、毎日ブログを書いていましたよね。何年くらい続けていましたか。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

2013年から7年くらい毎日書いていました。「何か1つ突き抜けないと生き残れない」という話を元某雑誌編集長の大物経営者に指導されまして。昔から書くことが好きだったので、毎日ブログを書き続ける道を選びましたね。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏
ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏
運営堂 森野誠之氏森野

続いては酒匂さん、お願いします。

ユウキノイン 酒匂雄二氏ユウキノイン 酒匂雄二氏(以下、酒匂)

ゲームクリエイターの学校に通っていましたが、当時はゲーム業界が急激に傾いていた時期だったため、ゲーム会社ではまったく採用されず。一時期、ゲーム会社の下請けで働いていましたが、壮絶な現場でした……。

そのような状況下、「ネットショップは事業の伸びしろがある」と感じ、20数年前に「楽天市場」に触れ始めました。

前職では、紳士礼服の製造・販売を手がけるNFLのEC店長をしていましたが、当時「楽天市場」で紳士の礼服が売れるはずもなく。他の事業者が右肩上がりで伸びるなか、なかなか成果が出ない時にX(旧Twitter)やブログなどをこまめに更新していたところ、少しずつ問い合わせなどが増えてきました。後になって振り返ると、それがSEO施策につながっていたんだなと感じています。

転機になったのは2017年の「全国ネットショップグランプリ」(運営は一般社団法人イーコマース事業協会)で準グランプリを受賞したことですね。

「第9回 全国ネットショップグランプリ2017」受賞式のようす
「第9回 全国ネットショップグランプリ2017」受賞式のようす
(画像は一般社団法人イーコマース事業協会のサイトからキャプチャ)
ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

受賞を機にさまざまな団体や企業に声をかけてもらえるようになり、世界が広がりました。セミナーなどで自分が伝えたことで人に喜んでもらえることが嬉しくて、2020年にユウキノインを設立しました。メインはSEO・コンテンツマーケティングですが、Eコマースにとどまらず、クラウドファンディングやプレスリリースなどWebサイトに関連した幅広いコンテンツ作成を支援しています。

ユウキノイン 酒匂雄二氏
ユウキノイン 酒匂雄二氏
運営堂 森野誠之氏森野

最後に中林さんお願いします。

Designequation 中林慎太郎氏Designequation 中林慎太郎氏(以下、中林)

専門学校でCiscoやOracleといったネットワークエンジニアの勉強をしていましたが、途中でWebのデザインに興味を持ったためWebデザインを学習。その後、Flasher(フラッシャー、Flashを用いてコンテンツを制作する仕事)になるために独学で学習し、2003年頃に東京で就職しました。

その後、フリーランスになり20代後半で神戸に戻りましたが、東京では成り立っていたフリーランスの仕事も、関西は内製型が多いためほとんど仕事がなかったんです。受注金額が安かったため、フリーランスで生計を立てるのは難しいなと判断。紆余曲折を経て神戸フランツに入社して12年在籍しました。

2022年に退職し、現在は中小企業のECの支援、事業の立ち上げ、化粧水、クラフトビールのタップルームの支援などを行っています。

Designequation 中林慎太郎氏
Designequation 中林慎太郎氏

EC全般、SEO・コンテンツマーケティング、CS&自社EC――経験を生かした領域を担当

運営堂 森野誠之氏森野

皆さんが連載で担当する領域、どのような観点で情報を伝えていくのか教えて下さい。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

2週間に1回、領域はEC全般ですね。

まとめということで、トレンドは追いつつ、記事やニュースが出てから何年・何十年後に振り返っても「そういうことがあったな」「これってすごく良いこと言っていたんじゃないか」と感じてもらえる、学びになるような本質的な観点で情報やメッセージを伝えていきたいです。

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

現在「ネッ担」でSEOやGoogleコアアップデートに関連した連載を持っていることもあり、月1回、SEOやGoogleアップデートなどのトレンドトピックを拾いながら、“now”な情報を発信したいです。

何年経ってもECの本質は変わらないと思うので、アーカイブとしても使えるようなSEOコンテンツ周りの情報を発信していきたいですね。

運営堂 森野誠之氏森野

SEO関連では「Web担当者Forum」で鈴木謙一さんの連載がありますが、そことの差別化は考えていますか。

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

鈴木さんはWeb全般について扱っているので、差別化ポイントとしては、EC責任者としての経験、自分が関わっているEC関連ということを踏まえ、ECに軸足を置いた内容にしていくことですね。YMYL(「Your Money or Your Life」の略で、お金など重要な話題に関する分野)領域も携わっているのでそういった点も交えつつ、EC事業者、スモールビジネスを実施している企業に向けて、「誰でもできる」「再現性の高い」という視点で情報を発信していきたいと考えています。

Designequation 中林慎太郎氏中林

月1回、モールや自社ECサイト、CS、物流、バックヤード関連を担当します。あまりバックヤードにフォーカスするコンテンツが世の中には少ないので、バックヤード担当者がやっていることにフィーチャーしていきます。マーケティングもウェットな部分、感情の部分に触れていき、EC事業者に役立つ情報を発信していきたいですね。現場の人が日々実施していることで、「そういう切り口もあるのか」など、記事を読んだときに気づきを得られるようなものを発信したいと考えています。

運営堂 森野誠之氏森野

ECの現場の人は業界のトレンドとかではなく、「日々どうするか」を考えることが多いように感じます。

Designequation 中林慎太郎氏中林

古い話にはなりますが、たとえば「ガラケーの製造終了」というニュースが出たときに、周りのECの人たちの反応が薄かったんですよね。僕はそれは違うだろう、と当時感じていて。「ガラケーがなくなるということは、お客さまの端末がスマホになるので、ページの対応を今からでもしっかり実施していかないとね」「スマホのサイト作りも考えないといけないね」など、世の情報をどう捉えて考えていくのか……「忙しいから」「日々のことで精一杯」などと終わってしまってはいけません。世の中の状況に合わせて各事業者が対応策を考えていかなければいけない、といったことも伝えていきたいです。

運営堂 森野誠之氏
運営堂 森野誠之氏

これからのECはどうなる? 展望を聞いてみた

運営堂 森野誠之氏森野

皆さんEC業界に長く携わっているので、今のEC業界についてどのように感じているか伺いたいです。

最近「JRE MALL」「ANA Mall」などインフラ系企業がECモール運営に乗り出していますが、中林さんはどう捉えていますか?

Designequation 中林慎太郎氏中林

どのような戦略を取るかによって規模が拡大するかしないかが変わるかなと感じています。NTTドコモの「dショッピング」は他のECモールと比べて規模は小さいですし、リクルートの「ポンパレモール」は2024年6月で運営を終了しますしね。

「ポンパレモール」運営終了のお知らせ
「ポンパレモール」運営終了のお知らせ(画像は「ポンパレモール」のサイトからキャプチャ)

大企業の場合、ECモールを縦割りでの組織体制ではなく、横串で各部署・部門のシナジーをうまく出し、それぞれの強みをきちんと発揮できれば事業を拡大できる可能性が広がると思います。

ただ、楽天グループやLINEヤフーのようにトップダウンで勢いよく施策を推進できない企業は、個人的には消費者に浸透するのは難しいと思っています。旧来の日本的な大組織では難しいかもしれません

集客のポイントは? コンテンツはどこに出すのが良い?

運営堂 森野誠之氏森野

酒匂さんにお聞きします。集客面で、コンテンツだとGoogleにインデックスされないし記事は飽和状態と、SEO自体が難しい状況になっていると感じています。そうするとSNSか、となりますがSNSも種類が多くて飽和な印象です。そうしたなか、コンテンツはどこにどう発信すれば良いのでしょうか。

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

ベースは自社コンテンツ、ブログコンテンツが前提だと考えています。Googleのコアアップデートで、「誰が言うか」より「何を言うか」――「E-E-A-T」の部分がとても可視化されてきていると感じます。そのため「SNSはユーザーとの接点として必ず運用して下さい」とお伝えしています。

SNSならXがとっつきやすいと思いますが、注目しているのはnote。noteのリンクはnofollowになっているのですが、Googleは「nofollowでもUGCでもスポンサードでも、検索しているユーザーの手がかりになる」と明言しています。

私自身も実験してみて、自社やクライアントのサイトなど関わっている範囲、見ることのできる範囲では、noteにコンテンツがあるとしっかり評価されてサイト全体が上がるような体感はありました。書き物・読み物が崩されることはないですし、2023年のGoogleカンファレンスでも「人が知りたい・買いたいという探究心がある限り、我々の検索エンジンはなくならない。サーチという行動はなくならない。形は変わるかもしれないが、コンテンツ自体は変わらない」と繰り返し指摘されていました。

よく「Instagramで販売したい」と言われることがありますが、自分がInstagramで商品を購入した経験のない人も多い。「自分が購入した体験をお客さんにも届けたい」というなら話は別ですが、単純に「お金をかけて手っ取り早くやる」というなら違うと思います。自社ECのCMSのなかでブログをきちんと書くことを実施した方が良いです。

生成AIの普及で平均点が上がってきて、誰しもがコンテンツを作れる世の中になってきているなか、オリジナリティ、品質の良さ――まさに「E-E-A-T」という概念がとても大切になってくるのではないでしょうか。

「General Guidelines(Google検索結果評価ガイドライン)」に追加された「E-E-A-T」の概念図
「General Guidelines(Google検索結果評価ガイドライン)」に追加された「E-E-A-T」の概念図(画像は「General Guidelines」からキャプチャ)

EC運営は長いスパンで見て「どう取り組むのか」を考えることが必要に

運営堂 森野誠之氏森野

ECの全体のトレンド、どこの分野が伸びているかなどを、石田さん、ざっくりとお話しいただけますか。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

特定の業界やジャンルが伸びているイメージはあまりなく、お店単位で伸びている印象です。全ジャンルを押さえているわけではありませんが、僕が支援している企業では、ペット系が伸びている印象。ペット系はSNSとの相性も良いのですごく伸びていますね。

運営堂 森野誠之氏森野

「楽天市場」のSKUや「最強配送」などはどうでしょうか。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

「どこまで追うか」を店舗がある程度考えないといけない時期ですよね。販売手法、サービス、商品など自社に適した売り方を長期的に貫いていく方がECを長く続けられるのではないでしょうか。これまでもモールの施策に関するニュースは多々出てきていますが、それに振り回されるのは良くない。店舗がそれをどう考えるか、それに対してどう取り組んでいくのかということを会社組織として考える時代になってきましたね。

運営堂 森野誠之氏森野

モールに合わせながら運営するのか、店舗が独自の軸を持って取り組むのかということですね。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

事業継続を前提にした場合、自社としてのECへの期待値、お客さんに対してどういう役割を果たすのかをそれぞれの会社が明確にしなければいけないのではないでしょうか。

運営堂 森野誠之氏森野

ECは大企業がやれば大きく伸びるかもしれませんが、中小では競合ばかりで厳しい点もあると思います。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

元々実店舗を持っている企業やメーカーの方が、伸長はゆっくりですが長く続いています。EC専業事業者は大きく伸びるが落ちるときも大幅に減ることが多い。15年以上EC業界にいるので専業が大きく伸びたところを何回も見てきていますが、消えたり大きく落ち込んだりしているところも少なくありません。10年単位など長いスパンで市場を見て、戦略を立てることが重要なのではないかと強く感じます。

ECの人材問題。キャリアはどうやって積めば良いの?

運営堂 森野誠之氏森野

EC業界にいた人が離職後に「もうECには戻りたくない」と言う人も多いと感じています。中林さんは、どうしたら新しい人がEC業界でキャリアを積めるようにしていけると思いますか?

Designequation 中林慎太郎氏中林

これはEC業界に限った話ではありませんが、“EC黎明期”と言われている人たちの意識の変え方、仕事に対する考え方を変える必要があるんじゃないかなと感じます。今は昭和ではなく令和です。若い人たちは「出荷件数が多いから万歳」とは思いません。“EC楽天黎明期”は、連日深夜まで受注やカスタマーサポートをして、また朝から通常業務……という過酷な労働が当たり前だった時代。まぁ、メールを出せば売れる、商品を出せば売れる時代でしたので、目に見えて売り上げも利益も伸びていました。今は、ECというビジネスモデルが当たり前になり、働き方に関する世間の目も厳しくなりましたから。今でもそんな働き方をさせていたら、利益が出ても、人は定着しにくいと思っています。

テクノロジーを活用して効率的に業務をこなして、帰宅後はプライベートを充実、また翌日仕事をこなすという業務フローにいかにできるか。本来、テクノロジーとはそのためにあるものだと思っています。もちろん仕事で楽しみを見出せれば、それはそれで良いわけです。

今はその仕組みを考えている人、仕事ができる人に業務が集中してしまい、その人が疲弊する傾向があるんじゃないかと感じます。それを解決するためには、テクノロジーが必要なわけですよね。

運営堂 森野誠之氏森野

昔は「急激に売り上げや出荷数が伸びて万歳」という話でしたが、今は配送会社の集荷時間などもあり、「無理して出荷するの?」となる。「持続可能でほどよく伸びる」という傾向がありますが、昔は出荷したらちょっと寝てまた受注処理をして、という流れでしたね。

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

終電を逃してしまったら作業場で寝て、また出荷して――。お正月やクリスマスはそんな状態でしたね。

運営堂 森野誠之氏森野

今ではそれは難しいですね。

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

難しいですし、求められていないのかなと。頑張ったら頑張った分だけ報われることに夢を見ている人は少ないでしょうし、より健やかに働きたい人が多い気がします

Designequation 中林慎太郎氏中林

そもそも、この表現が正しいかはわかりませんが人種も違うと思っています。昔は「ECで一旗揚げてやろう」と考える人、表現は悪いですがどこかクレイジーだったり社会にうまく馴染めなかった人がこの業界の発展に寄与してきました。そういう人が注目されてそれが正義とされてきた。けれど今はECが当たり前になって、誰でもEC業界に入ってきているような状態ですよね。

これは、まだネット通販がスタートして30年も満たないECビジネス特有かもしれませんが、経営者と労働者、長く業界に携わっている人とない人との間で、すれ違い・差が生まれていると感じます。「皆がライオンや怪獣じゃないんだよね」と考えて、どうやって組織として運営していくかが大事ですよね。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

最初の自己紹介でもそうでしたけど、この3人はどこか駄目な人たちが多いですしね(笑)

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

楽天グループは創業27年目のため、当時入社した人はまだ定年退職を迎えていない。当時は「一旗揚げたい」と思って親御さんの事業で製作していた商品、海外で見付けた良いモノを輸入・販売して財を成した人達が多かったと感じています。ただ、四半世紀経ってECを1つの業種として見ると「根性論では働きたくない」となってきていますよね。EC業界が成熟してきたからこそ、きちんと考えていく必要がある。「寝食を忘れて売り上げを伸ばす」というところからは変わってきているのは致し方がないことです。

運営堂 森野誠之氏森野

「どうにかして売ろう」という人が減ってきた気はしますね。そうすると、仕組みやコンテンツで頑張っていくことになります。

それぞれの観点で届ける情報を楽しんで役立てて欲しい

運営堂 森野誠之氏森野

最後に読者の皆さんに一言お願いします。

ECマーケティング人財育成(ECMJ) 石田麻琴氏石田

今まで森野さん1人で行っていたことを3人でやるので、それぞれの観点の違いを楽しんでもらえたらうれしいです。

ユウキノイン 酒匂雄二氏酒匂

得意分野が違うので、1か月通してお互いの記事をフィーチャーしながら、より深掘りしていきたいと思います。いつか「ネッ担」のイベントで森野さんをファシリテーターに迎えて登壇できるような名物コンテンツにしていきたいですね。

Designequation 中林慎太郎氏中林

3人それぞれ違う観点でお伝えしていきますが、3人が正解というわけではありません。記事を通じて、読者の皆さまが「そういう切り口・考え方もあるなら、自社はこういう考え方をしたらどうだろう」と、何かを考えるきっかけになれば良いなと思います。

運営堂 森野誠之氏森野

ありがとうございました! 新しい風を吹かせて「ネッ担」の読者の人たちに役立つ情報を提供していただければと思います。

後任として「同じ船に乗り込むクルー」ということで、3人は同じ背景に統一していました
後任として「同じ船に乗り込むクルー」ということで、3人は同じ背景に統一していました
藤田遥

SGホールディングス、デリバリー事業の2025年3月期の平均単価は662円(前年比14円増)を計画。「適正な運賃収受を継続」

2 years 2ヶ月 ago

佐川急便の持ち株会社であるSGホールディングスは、今期(2025年3月期)の宅配便による平均単価を前期比2.2%増の662円(金額で同14円増)を計画している。

「飛脚宅配便」を中心としたデリバリー事業の価格戦略について、これまで通り「顧客ごとに適正運賃を収受していくのが基本的な考え方」(SGHD)と説明。取扱個数は今期、前期比0.7%増(個数ベースで1000万個増)の13億8300万個を計画している。

SGホールディングスの2024年3月期は、デリバリー事業の取扱高が前期比2.7%減の13億7300万個。平均単価は同0.9%増の648円だった。

取扱個数は家計消費支出による影響を受け、BtoB、BtoCともに減少。平均単価の上昇は、2023年4月からの運賃改定の届け出、取引先ごとの価格交渉により上昇したとしている。

2025年3月期は3年間の中期経営計画の最終年度。重点戦略である「総合物流ソリューションの高度化」、成長領域への進出、新規事業拡大など成長基盤の構築に取り組む。

佐川急便の持ち株会社であるSGホールディングスは、今期(2025年3月期)の宅配便による平均単価を前期比2.2%増の662円(金額で同14円増)を計画している
重点戦略の進捗について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

具体的には越境ECを含めたEC関連や半導体、メディカルといった成長性の高い分野をターゲットとして捉えて重点的に取り組む。顧客の物流効率化・共同化では、小売・流通・食品、館内物流などを想定している。

松原 沙甫

「シニア通販の雄」ハルメクに学ぶマーケットの今とこれから。アナログ+アクティブシニア向けは「安定成長・安定収益ビジネス」

2 years 2ヶ月 ago
ハルメクホールディングスは今後の戦略として、基盤となる65歳以上のアクティブシニアビジネスの安定成長を図る。一方、長期的には基盤層は減少が見込まれるとし、50歳代のプレシニア開拓を図るほか、中国市場へチャレンジしていく

「シニア通販の雄」ハルメクホールディングス(HD)は、①65歳以上のアクティブシニアビジネスの安定成長②50歳代のプレシニア開拓③中国での物販ビジネス準備――といった戦略を掲げ、規模拡大めざす基本方針を示した。

「シニア通販の雄」ハルメクホールディングス(HD)は、①65歳以上のアクティブシニアビジネスの安定成長②50歳代のプレシニア開拓③中国での物販ビジネス準備――といった戦略を掲げている
現事業を拡張しながら顧客ベースの拡張と海外展開を図る(IR資料を編集部がキャプチャ)

ハルメクHDのメイン事業は「ハルメク事業」と「全国通販事業」で、メインターゲットは、65歳以上の「アクティブシニア」。このユーザー層への事業はアクティブシニア基盤事業と呼んでおり、ハルメクHD傘下のハルメクが月刊誌「ハルメク」の発行や通販事業、全国通販が総合通販事業の「全国通販事業」を手がけている。

「ハルメク事業」は、シニア向け雑誌「ハルメク」の出版で顧客を獲得、雑誌に共感した顧客に対して、特集連動のオリジナル商品などを、同封して送付するカタログ通信販売で提案・販売する。また、イベント部門が講座や旅行などを提供し、顧客の満足度を高めるとともに収益を伸ばしている。書店では購入できない雑誌「ハルメク」は自宅へ送付する定期購読のみで展開。2024年3月時点での購読者数は48万人を超える読者を抱える。

「全国通販事業」は、新聞広告などで集客した顧客に通販カタログ「ことせ」を送付し、商品などを販売。「ハルメク事業」と同様、シニア女性をターゲットにしているが、商品の価格が低価格であるため、「ハルメク事業」の顧客属性とは異なる。

ハルメクHDの推計では「アナログ×アクティブ」シニアは830万人いるとし、ハルメクの推計シェア率は約7%。「基本的に安定成長・安定収益ビジネス」(ハルメクHD)で、拡大の余地はまだあるとし、基盤事業として中期的な安定成長をめざしている。

「シニア通販の雄」ハルメクホールディングス(HD)は、①65歳以上のアクティブシニアビジネスの安定成長②50歳代のプレシニア開拓③中国での物販ビジネス準備――といった戦略を掲げている
ハルメクのアナログ×アクティブシニアの推計シェア率は約7%(IR資料を編集部がキャプチャ)

雑誌「ハルメク」の情報コンテンツを中核に、通販や実店舗運営などの物販事業、イベントや講座などといったコミュニティ事業を連動。ロイヤリティを高め、商品・サービスの利用率を高めていく。

「シニア通販の雄」ハルメクホールディングス(HD)は、①65歳以上のアクティブシニアビジネスの安定成長②50歳代のプレシニア開拓③中国での物販ビジネス準備――といった戦略を掲げている
ハルメクは情報コンテンツ・コミュニティ・物販の連携させている(IR資料を編集部がキャプチャ)

新規獲得は、広告や実店舗展開を通して獲得していく方針。情報コンテンツと物販分野では、TV広告などを活用したクロスマーケティングによる獲得手法確立に取り組む。そのほか、商品分野では靴やインナー、コスメといったハルメクオリジナル商品の展開も強化し、M&Aも推進していく。

長期的な課題としてシニアがアナログからデジタルへ徐々に移行していることもあり、基盤となっているアナログ×アクティブシニアは減少していく領域であるとハルメクでは見込んでいる。そのなかで、ハルメクは50歳代の「プレシニア」を主たる顧客としてデジタル事業に先行投資し、事業基盤を整える。

プレシニアはすでにデジタル中心の世代であるとし、プレシニアをメインターゲットにデジタルを中心としたビジネスモデルの開発を推進する。具体的にはデジタル情報コンテンツ「ハルメク365」を基軸に、50代向け物販、コミュニティ事業を進める。「ハルメク365」では50代向けコンテンツ企画・開発、サイト構造改革、UI/UX改善、SNS活用などを進める。

「シニア通販の雄」ハルメクホールディングス(HD)は、①65歳以上のアクティブシニアビジネスの安定成長②50歳代のプレシニア開拓③中国での物販ビジネス準備――といった戦略を掲げている
シニア顧客のEC化率は右肩上がり(IR資料を編集部がキャプチャ)

海外展開に向けた準備も進めていく。中国でデジタルマーケティング中心の物販ビジネスに取りかかる。

ハルメクHDの2024年3月期連結業績における売上収益は前年同期比9.3%増の314億1500万円となり、過去最高を更新。営業利益は同57.7%減の8億5700万円だった。前々期にあったTV出演などによる大型露出による新規読者獲得効果が一巡したこと、コロナ禍による追い風が落ち着いたことから広告効率やカタログ効率が落ち込み営業利益は4億1000万円減った。税引前利益は同63.4%減の6億8100万円。当期利益は同61.9%減の4億7600万円。システムの除却損失を5.7億円を計上したこともあり前年比で大幅減となったと説明している。

2025年3月期連結業績は、売上収益は同8.2%増の340億円を計画。営業利益は同16.6%増の10億円とした。税引前利益は同39.4%増の9億5000万円、当期利益は同26.0%の6億円としている。売上収益は、顧客数と雑誌「ハルメク」読者数の増加を背景に安定成長で過去最高の更新を見込む。一時的なシステム除去損の影響がなくなり増益を確保できる見込み。

鳥栖 剛

全国漁業協同組合連合会のECサイトに不正アクセス、セキュリティコード含むカード情報などが漏えいの可能性

2 years 2ヶ月 ago

全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は5月17日、ECサイトが第三者による不正アクセスを受け、顧客のクレジットクレジットカード情報など個人情報が漏えいした恐れがあると発表した。

漏えいした可能性がある個人情報は、氏名・性別・生年月日・メールアドレス・郵便番号・住所・電話番号・カード名義人名・クレジットカード番号・有効期限・セキュリティコード。

全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は5月17日、ECサイトが第三者による不正アクセスを受け、顧客のクレジットクレジットカード情報など個人情報が漏えいした恐れがあると発表した
個人情報漏えいの可能性に関するお知らせ(画像は全漁連のECサイトからキャプチャ)

警視庁から5月14日、JF全漁連のECサイト「JFおさかなマルシェ ギョギョいち」のプログラムの一部改ざん、会員登録およびサイト利用者の個人情報漏えいの懸念があるとの連絡を受け、同日にECサイトを停止した。不正サクセスによるプログラムの一部改ざんによって、顧客の入力情報を不正に入手できるようにした疑いが原因だという。

JF全漁連はECサイトの登録顧客に対し、クレジットカード利用明細書の確認を呼びかけている。さらに今後の再発防止策については調査結果を踏まえ、システムのセキュリティ対策と監視体制の強化を図っていく。サイト再開日については決定次第、Webサイトで告知する。

松原 沙甫
確認済み
12 分 21 秒 ago
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