ネットショップ担当者フォーラム

流通総額2ケタ成長が続くECモール「Qoo10」、Z世代を取り込む次の一手は韓国食品の強化 | 通販新聞ダイジェスト

2 years 3ヶ月 ago
イーベイジャパンが運営する仮想モール「Qoo10」は、韓国食品の取り扱いを拡充し、さまざまな施策を実施。販売促進につながっている。ターゲット層のZ世代の心をつかむ手法とは?

仮想モールの「Qoo10」を運営するイーベイジャパンでは食品カテゴリーの強化を図っており、なかでも若年女性層との相性が高いとされる韓国グルメ商品の取り扱いを拡充することで、Z世代などの取り込みを図っている。

現状、同モール全体の流通総額は年間20~40%程度のペースで増加が続いており、とりわけ、食品カテゴリーだけでの流通規模の成長率を見ると、昨年は対前年比49%増、2023年については同31%増を見込んでいる。

韓国食品の取り扱い拡大 

もともと、同モールはコスメやファッションを軸に成長を続けてきたことから、顧客の8割近くが女性となっており、年齢層も10代~30代が約7割を占めている。

Z世代の取り込みを加速

直近では年齢層の低いZ世代の顧客層をさらに取り込むために、親和性の高いとされる韓国の食品やスイーツのカテゴリー拡大に着手してきた。これまで韓国食品の定番とされていたインスタントラーメンや総菜だけでなく、韓国ブランドの健康食品や果物などの取り扱いも強化して、売り上げを伸ばしていったという。

「Qoo10」の「韓国食品」カテゴリー(画像は「Qoo10」から編集部がキャプチャ)
「Qoo10」の「韓国食品」カテゴリー(画像は「Qoo10」から編集部がキャプチャ)

韓国食品の取り扱い拡大に向けては昨年9月に、日本の農林水産省に該当する韓国農林畜産食品部傘下の政府機関である韓国農水産食品流通公社(aT)と、日本での韓国食品販売などに関する業務協力約定を締結

韓国食品の供給ルートを拡充するだけでなく、日本での需要や具体的なニーズなどについて、情報共有を進めていった。実際に韓国で先行販売していて日本ではまだ売られていない商品について、同モールを経由して越境ECで他の売り場に先駆けて紹介したこともあったという。

限定ノベルティや希少性を訴求のフックに

特典付与で販売力強化

また、これらの施策と並行して、Z世代を意識したのが、トレンドを踏まえたノベルティ特典の展開だ。同モールの大型セールでもある年4回開催の「メガ割」に合わせて、限定の韓国食品のセット組みを販売するように該当する出店者に提案したという。

「どの年齢層にも当てはまるかもしれないが、Z世代は特にトレンドを追いかける傾向にあるため、流行の商品や俳優さんのノベルティをつけていた」(同社)と説明。

一例として、韓国の総合食品メーカーであるCJグループのCJ FOODS JAPANの公式店舗では、イメージキャラクターでもある俳優のパク・ソジュンさんの同モール限定グッズを特典として付与し、販売を伸ばしたという。「Z世代は購買意欲の高い顧客が多い。商品ページにアクセスした内、実際の購入にまで至る割合が(他の年代と比べて)高いイメージがある」(同社)とした。

売り上げが前年2倍の韓国産果物も

そのほかにも、近年の新しい韓国食品のトレンドも公開。現地ではポピュラーなウリ科のフルーツである「チャメ」の売り上げが、今年は昨年の2倍になったという。10キログラムで9900円~1万4000円と比較的高価な値段で、メイン顧客である若年女性層にとってはハードルがあると見られたが、他の売り場にはない希少性に加えて、シェア購入などで個人の負担を抑えるなど工夫しながら購入するケースが見られたとしている。

また、同社によると、食品カテゴリーにおいて他の仮想モールとは売れ筋が異なるケースもあるようで、贈答用のギフトなどよりも自家需要の用途として購入される食品が強くなると見ている。

◇◇◇

なお、7月18日に都内で開催した韓国食品の説明会では、料理家のゼン・ヒャンミさんが調理のデモンストレーションを披露(画像)。

料理家のゼン・ヒャンミさんが韓国食品の説明会に登場、調理のデモンストレーションを行った
料理家のゼン・ヒャンミさんが韓国食品の説明会に登場、調理のデモンストレーションを行った

ビビンバやコチュジャンチゲなどの定番料理をアレンジしたメニューに加え、チャメを使ったスムージーなども提供した。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

普段の支払い方法「現金」は約4割。利用しているQRコード決済の上位は「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」

2 years 3ヶ月 ago

MMDLaboが運営するMMD研究所が実施した「2023年7月決済・金融サービスの利用動向調査」によると、普段の支払い方法は「現金」が最多で約4割だった。予備調査は18歳~69歳の男女2万5000人、期間は2023年7月21日~7月25日。

普段の支払い方法「現金」が約4割

調査対象者に普段利用している支払い方法について、直近1か月の支払い方法の割合を聞いたところ、最多は「現金」(39.7%)で、次いで「クレジットカード」(26.5%)「QR・バーコード決済」(17.6%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 普段利用している支払い方法の割合
普段利用している支払い方法の割合(利用している支払い方法の決済手段を合計が100%になるように回答し、集計/n=25000、出典:MMD研究所)

利用しているクレジットカード上位は「楽天」「イオン」「PayPay」

クレジットカードの利用について聞いたところ、80.3%が「利用している」と回答した。クレジットカード利用ユーザーに現在利用しているクレジットカードを聞いたところ、「楽天カード」(54.2%)が最も多く、次いで「イオンカード」(22.6%)「PayPayカード」(19.0%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているクレジットカード
現在利用しているクレジットカード(複数回答可、上位10位抜粋/n=20075、出典:MMD研究所)

QR・バーコード決済上位は「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」

調査対象者のうち、スマートフォンを所持しているユーザーにQR・バーコード決済の利用について聞いたところ、70.3%が「利用している」と回答した。QR・バーコード決済利用ユーザーに現在利用しているQR・バーコード決済について聞いたところ、「PayPay」が64.9%で最も多く、次いで「楽天ペイ」が33.1%、「d払い」が28.6%だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているQR・バーコード決済
現在利用しているQR・バーコード決済(複数回答可、上位10位抜粋/n=16143、出典:MMD研究所)

スマホの非接触決済、「Suica」「iD」「nanaco」が上位に

スマートフォン所有者にスマートフォンの非接触決済について聞いたところ、33.6%が「利用している」と回答した。スマートフォンの非接触決済利用ユーザーに現在利用している非接触決済を聞いたところ、「Suica」(32.5%)が最多で、次いで「iD」(21.6%)「nanaco」(16.3%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているスマートフォンの非接触決済
現在利用しているスマートフォンの非接触決済(複数回答可、上位10位抜粋/n=7722、出典:MMD研究所)

カード型の非接触決済は「WAON」がトップ

カード型の非接触決済の利用について聞いたところ、56.6%が「利用している」と回答した。カード型の非接触決済利用ユーザーに現在利用している非接触決済について聞いたところ、トップは「WAON」(35.2%)で、「Visaのタッチ決済」(26.9%)「Suica」(25.1%)と続いた。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているカード型の非接触決済
現在利用しているカード型の非接触決済(複数回答可、上位10位抜粋/n=14143、出典:MMD研究所)

利用している銀行口座上位は「ゆうちょ」「楽天」「三菱UFJ」

銀行口座の利用について聞いたところ、90.1%が「利用している」と回答した。銀行口座利用ユーザーに現在利用している銀行口座を聞いたところ、トップは「ゆうちょ銀行」(58.7%)で、次いで「楽天銀行」(28.5%)「三菱UFJ銀行」(25.9%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているカード型の非接触決済
現在利用している銀行口座(複数回答可、上位10位抜粋/n=22514、出典:MMD研究所)
調査実施概要
藤田遥

EC運営に必要なSEO施策を基礎から解説。今日からできる集客力アップの打ち手とは? | 「ECタイムズ」ダイジェスト

2 years 3ヶ月 ago
EC運営の初心者必見。SEOの定義、集客力強化のためにやるべきSEO施策、注意点、自社EC・「楽天市場」・AmazonのSEO対策の違いまで解説する

「ECサイトのSEOとは?」「SEOに強いECサイトにするにはどうすればいいの?」

こんな悩みはありませんか? この記事では、ECサイトのSEO対策をわかりやすく解説します。最後まで読めば、検索に強いECサイトの具体的な作り方がわかります。

ECタイムズ SEO 楽天市場 Amazon EC

そもそもSEOとは?

SEOは「Seach Engine Optimization」の頭文字で、「検索エンジンの最適化」と訳します。現在日本国内の検索エンジンの利用率は、90%以上がGoogleとYahoo!で、Yahoo! はGoogleの検索エンジンを採用しているため、SEOはGoogleの検索結果で上位表示するための施策といえます。

GoogleやYahoo! の検索結果で上位表示されると、検索ユーザーがサイトを訪れる確率が高まるため、WebサービスによってSEOはとても重要です。

なぜEC運営でSEOが重要なのか

ECサイトでSEOが必要なのは、費用をかけずに流入数を増やせるうえ、効果に持続性があるからです。ECサイトへの流入数を増やすには以下の4つの方法があります(編注:下記の表を参照)。

ECサイトへの流入数を増やす4つの方法
ECサイトへの流入数を増やす4つの方法
  • SNS:Twitter・Instagram・YouTube・Facebookといったソーシャルネットワークサービス
  • SNS(プロモーション):フォロワーの多いインフルエンサーやユーチューバーに宣伝を依頼する方法

‍上記の表からわかるように、広告やSNS(プロモーション)は即効性がありますが、費用がかかり、施策をやめると効果がなくなりますSNSは費用がかかりませんが、施策をやめると流入は途絶えてしまいます

もちろんSEOも定期的にリライトをするなどの施策は必要ですが、流入比率は全体の50%を占めるため、SEO対策はECサイト運営においては必須です。

さらにSNSや広告と組み合わせることで、相乗効果も期待できます。

効果的なSEO対策の3つの手法

ECサイトで効果的なSEO対策として以下の3つの方法があげられます。

  1. ECサイトの内部対策を行う
  2. コンテンツマーケティングを行う
  3. ユーザビリティを向上させる施策を行う

それぞれ解説します。

①ECサイトの内部対策を行う

ECサイトの内部対策には、具体的に以下の6つのポイントがあります。

  •  クローラーがサイト内で適切に巡回できるように対策する
  •  サイトが適切にインデックスされるような対策が必要
  •  画像情報はクローラーがわかりやすいようにする
  •  ディレクトリ構造を最適化する
  •  サイトマップを登録する
  •  構造化データのマークアップを行う

それぞれ解説します。

クローラーがサイト内で適切に巡回できるように対策

Googleはクローラーと呼ばれる大規模なコンピュータ群によって、日々膨大な数のサイトを確認しています。

サイトの情報が適切であれば、SEOの評価は高まりますが、サイト情報が間違っていたり、階層構造が複雑すぎたりすると、クローラーが適切に巡回できません

サイトが適切にインデックスされるような対策

クローラーが巡回してサイト情報を確認すると、データベースに登録(インデックス)されます。サイトがインデックスされないと、検索結果に表示されません。

まずはGoogleの Search Console (サーチコンソール)を使って、自社サイトがインデックスされているか確認しましょう。

Googleのサーチコンソールの検索欄に、サイトURLを入力すると確認できます。

画像情報はクローラーがわかりやすいようにする

クローラーが画像情報を認識しやすくするために、画像には必ずalt属性の設定をしましょう。alt属性は画像の内容を説明をする代替テキストです。

alt属性が正しく設定されているとクローラーに認識されやすいうえ、エラーで画像が表示されない場合でもテキスト情報が表示されるので、ユーザビリティの観点からも有効です。

ディレクトリ構造の最適化

サイトのディレクトリとは、種類別にファイルを整理する箱のことです。ディレクトリ構造は大きな分類から小さな分類まで階層を最適化すると、SEOの効果が高まります

  • パンくずリストを整理する

パンくずリストとはサイトの上部に表示される、サイト構造のテキストです。クローラーがサイトのディレクトリ構造を理解しやすくなるうえ、ユーザーがサイト内のどの位置を閲覧しているのか、把握するのに役立ちます

パンくずリストは、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」で主人公たちが、帰り道がわかるようにパンをちぎって置いていったシーンに由来しています。

サイトマップを登録する

Googleの Search Console にサイトマップを登録しましょう。サイトを更新しても、クローラーがいつ巡回するかわかりません。サイトマップを登録しなくてもクローラーは巡回しますが、登録することで正確なサイト情報を早くインデックスされる可能性が高まります

構造化データのマークアップを行う

構造化データのマークアップを行うと、検索結果の表示画面でより多くの情報を表示できます。

たとえばQ&Aの構造化データマークアップを行うと、検索結果の下に質問を表示、クリックすると答えを表示させることが可能です。

ほかにも画像や商品価格、在庫状況、レビューなど、検索ユーザーの興味を持つ内容を表示でき、他のサイトとの差別化を図れるので、SEO効果が高まります。

 

②コンテンツマーケティングを行う

内部対策以外に重要な施策として、コンテンツマーケティングがあります。コンテンツマーケティングは、商品に関するブログやレビューなどの有益な情報(コンテンツ)を発信するマーケティング戦略で、広告とは異なります。

ECサイトでコンテンツマーケティングを行うには、以下のような3つのポイントがあります。

  • ECサイトと同じドメインの配下で行う
  • SEOを意識した記事の作り方
  • オウンドメディアを持つECサイトの集客に有効な方法

それぞれ解説します。

ECサイトと同じドメインの配下で行う

コンテンツマーケティングを始めるなら、新規ドメインよりコンテンツECサイトと同じドメインの配下にコンテンツ用ディレクトリを作成しましょう。新規ドメインから検索での表示順位を上げるには、かなりの時間と労力を要します。

また既存ドメインはGoogleからの評価がそれなりにあるので、その配下で始めるほうがドメインパワーの恩恵を受けやすいのです。

SEOを意識した記事の作り方

SEOを意識した記事を作るには以下のような3つのポイントがあります。

  1. キーワード選び
  2. 記事作成
  3. 記事に製品販売ページへのリンクを張る

それぞれ解説します。

(1)キーワード選び

SEOにおいて、キーワード選定は大変重要です。サイトの質が良くても、サイトを訪れるためのキーワードが的確でなければ、検索結果で上位表示できないからです。

キーワードの選び方については以下の章で詳しく解説します。

  • 最適なキーワードを選ぶ(内部リンクを貼る)
  • ロングテールキーワードを狙う(内部リンクを貼る)
  • 競合の少ないキーワードを狙う(内部リンクを貼る)
  • アクションが見込めるキーワードを狙う(内部リンクを貼る)

(2)記事作成

検索キーワードに合致した、質の高い記事を執筆することはとても重要です。検索ユーザーは、何かを解決したいと思って検索しています。検索結果に表示されたサイトを訪れると、答えがすぐに見つけられなかったり、求めていることと違うと感じると、すぐに離脱してしまいます。

求めている答えが見つかり満足できれば、記事は最後まで読まれ、再検索されることもありません。離脱されず、滞在時間が長く、再検索されないサイトを、Googleは高く評価します。

(3)記事に製品販売ページへのリンクを貼る

良質な記事の仕上げは、製品販売ページへのリンクを貼ることです。検索ユーザーは、記事の内容に満足すると、自然な流れで製品販売ページへのリンクをクリックしてくれるでしょう。やたらとリンクを貼るのではなく、テキストリンクや画像リンク、ボタンなどを、スムーズにクリックされやすい位置に設置しましょう。

オウンドメディアを持つECサイトの集客に有効な方法10選

オウンドメディアを持つECサイトの集客には、以下の10個の方法が有効です。

  • 最適なキーワードを選ぶ
  • ロングテールキーワードを狙う
  • 競合の少ないキーワードを狙う
  • アクションが見込めるキーワードを狙う
  • 共起語を狙う
  • ディスクリプションの見直し
  • タイトルにキーワードを含める
  • URLは英語で短いものにする
  • シェアボタンをつける
  • 商品へのわかりやすい導線設計を考える

それぞれ解説します。

◆最適なキーワードを選ぶ

検索ユーザーが1ワードだけで検索することはまれで、複合ワードで検索するパターンが多いです。たとえばGoogleで検索窓に「ecサイト」と入力すると、その下に「ecサイト とは」「ecサイト 作り方」「ecサイト ランキング」など、検索されることの多い検索候補が並んで表示されます。

これらはサジェストキーワードといい、ユーザーがよく検索しているキーワードです。Googleが提供している「キーワードプランナー」を使うと、キーワードの選定に役立ちます

キーワードプランナーはサジェストキーワードを一覧で表示してくれたり、月間検索数や予測データを表示してくれたりするサイトです。

◆ロングテールキーワードを狙う

ecサイトのSEO対策では、ロングテールキーワードを狙うのは有効な手段です。ロングテールキーワードとは、3単語以上の組み合わせによるキーワードです。検索ボリュームが少なくニッチな分、検索意図をより具体的に把握しやすくなります。

◆競合の少ないキーワードを狙う

競合が少ないキーワードを狙うのも有効です。検索ボリュームが少なく、自社商品と相性の良いキーワードを狙うと、ニッチな検索ユーザーにとって有益なサイトと評価され、上位表示されやすくなります

◆アクションが見込めるキーワードを狙う

アクションが見込めるキーワードを狙うと、製品購入の可能性が高まります。「エアコン 冷えない」と「エアコン 価格」なら、後者のほうが購入意欲が高いユーザーだと言えるでしょう。すぐにでも買いたいと思っている人が使う「近距離ワード」や、買おうか悩んでいる人が使う「中距離ワード」を狙うと、製品購入という目的達成の可能性(コンバージョン)が上がります

◆共起語を狙う

サイト内に共起語を多く使うことで、SEO対策になります。共起語とは、メインのキーワードを狙って書いた記事のなかに、多く出現するワードのことです。クローラーはサイト内の内容を判断する手がかりとして、共起語を分析します。

たとえば「エアコン」の共起語は、機能・搭載・メーカー・換気・価格などです。このような共起語を多く含んだサイトは情報量が多く、ユーザーにとって有益なサイトと評価される可能性が高まります。

◆ディスクリプションの見直し

ディスクリプションは、検索結果のタイトルの下に表示される解説文です。ディスクリプションを作成するときは、検索キーワードをなるべく前のほうに入れて、完結に作成しましょう。なぜならディスクリプションはパソコンで120文字前後、スマホで50文字前後が表示されるからです。さらに検索ワードは太字になるので、間接的なSEO対策になります。

◆タイトルにキーワードを含める

なるべくタイトルの前のほうに検索キーワードを入れると、SEO対策として効果的です。なぜなら人間の視線が左から右に移動することから、タイトルの前のほうにある言葉のほうが認識されやすいからです。

またGoogleではタイトルの前のほうにキーワードが入っているほうが、評価されやすい傾向があります。タイトルが検索結果に表示されるのは30文字程度です。キーワードの位置が後ろのほうだと、表示されない可能性も出るので注意しましょう。

◆URLは英語で短いものにする

各商品ページのURLは、英語で短いものにしましょう。短いURLは長いURLより、2.5倍もクリック率が上がったというデータもあります。日本語のままだと無駄に長いURLになり、SEO的には好ましくありません。

◆シェアボタンをつける

TwitterやInstagramでサイトをシェアできる「ソーシャルメディアボタン」の設置をおすすめします。シェアボタンがあれば、ユーザーが商品を自発的に紹介してくれる機会が増えるからです。気になる商品ページに「シェアすると15%割引!」というようなシェアボタンがあれば、ユーザーにとっても魅力的なオファーとなります。

◆商品へのわかりやすい導線設計を考える

ECサイトでの導線設計とは、ユーザーがサイトを訪問してから商品を購入するまでの流れのことです。シンプルでわかりやすい導線設計として、わかりやすい購入ボタン(CTAボタン)の配置であったり、スクロールしても常にカートが表示される仕様であったりすると、ユーザーの評価は上がり、売り上げにつながるでしょう。

③ユーザビリティを向上させる施策を行う

ユーザビリティとはユーザーにとっての操作性です。

ユーザビリティを向上させる施策として、以下の2つのポイントがあります。

  • モバイルフレンドリーな設計にする
  • 表示速度(ページスピード)の改善

それぞれ解説します。

モバイルフレンドリーな設計にする

Googleではモバイルフレンドリー、つまりモバイルで検索するユーザーが快適に操作できるかどうかが重要だとしています。2021年の日本国内における調査では、パソコン検索とモバイル検索の比率は、パソコン検索が25%、モバイル検索が75%でした。

今やモバイル検索がパソコン検索の3倍となっている以上、サイトのモバイル対応は必須です。Googleの「モバイルフレンドリーテストツール」というサイトに、自社サイトのURLを入力するだけで、自社サイトがモバイルフレンドリーかどうか判断できます。

表示速度(ページスピード)の改善

表示速度(ページスピード)とは、ユーザーが検索画面からサイトへ遷移した際、サイトが表示されるまでの時間のことです。

表示に時間がかかるとユーザーは待てずに離脱してしまうので、SEO対策としては早急に改善しなければなりません。Googleが提供する「PageSpeed Insights」のサイトでは、表示速度を計測したり、改善点を確認したりできます。

SEO対策で気を付けたい2つのポイント

ECサイトのSEO対策で注意する点は以下の2点です。

  •  重複コンテンツに注意
  •  スパム行為を行わない

それぞれ解説します。

重複コンテンツに注意

重複コンテンツを作成しないように注意しましょう。ECサイトでは同じ商品のサイズや色の違いで、それぞれ別のページを作成したり、複数のECサイトで同じ商品を販売しているため、うっかり同じページを作成したりしてしまうことがあります。

重複コンテンツが見つかった場合、クローラーは正規版として選択したURLをクロールし、重複版としたURLの巡回頻度を減らします。

同じ商品のサイズや色違いの場合は同じページで販売したり、複数のECサイトで販売している場合は、それぞれのサイトごとに特色をつけたりしましょう。

スパム行為を行わない

スパム行為を行うと、当該コンテンツは大幅に順位が下がったり、まったく表示されなくなります。スパム行為とは、不正に検索ランキングを操作することです。

代表的なスパム行為には以下の2つがあります。

  •  意図的に質の低い被リンクをたくさん設置すること
  •  サイトに無関係のキーワードを大量に詰め込むこと

それぞれ解説します。

◆意図的に質の低い被リンクをたくさん設置すること

同じIPアドレスのサイトから大量に被リンクされていたり、リンクを集めることだけを目的としたサイトに登録して、相互にリンクを貼りあったりすると、スパム行為とみなされます。リンク集などの低品質サイトから勝手にリンクを貼られて、スパム判定されたケースもあります。

実際についてしまった悪質な被リンクは、サイト管理者にリンク削除を依頼したり、リンク否認ツールでリンクを否認したりするなどの対応が必要です。

◆サイトに無関係のキーワードを大量に詰め込むこと

検索ランキングを操作するために、サイトにキーワードを大量に詰め込むこともスパム行為にあたります。悪意はないとしても、関連キーワードを不自然に詰め込んでしまう場合がありまが、SEOでマイナス評価になるので注意しましょう。

販売終了ページの対策をしっかり押さえよう

ECサイトでは商品の在庫切れや製造中止などで、販売終了になることが頻繁にあります。販売終了ページの対処をこまめに行うことが、SEO対策として有効です。

再販予定があれば、一時的な在庫切れであることをページ内でお知らせします。販売終了の場合、小規模なサイトであればページを削除せず類似商品を紹介する案内を掲載、大規模サイトであればページの削除がおすすめです。

情報保護のためSSL化をする

情報保護のため、常時SSLを利用する必要があります。SSLとは「Secure Sockets Layer」の頭文字で、データ通信の信号を暗号化するセキュリティ対策のシステムです。SSLが適用されているサイトはURLの先頭が「https」で、保護されていなければ「http」となっています。SSL化していないサイトは大幅に検索順位が下がるか、表示されなくなります

楽天・Amazon と自社ECサイトのSEOはどう違う?

楽天市場・Amazon・自社ECサイトとの違いは以下のような点にあります(編注:下記の表を参照)。

自社ECサイト、楽天市場、AmazonのSEOの違い
自社ECサイト、楽天市場、AmazonのSEOの違い

楽天SEOとの違い

自社サイトがぽつんと一軒家で店を構えているのに対し、楽天市場は巨大なデパートのなかに出店しているようなイメージです。宣伝に費用を投入できれば、定期的にサイト上部に掲載可能です。販売手数料や宣伝広告費などを考えると、自社サイトほどの利益率にはなりません。

AmazonのSEOとの違い

Amazonは日本国内で最大のシェアを誇るショッピングモールです。ネームバリューがあるため、ユーザーから認知されやすく安心感を持たれます。

Amazonはスーパーマーケットのなかに出店するようなイメージで、商品サイトは細かく規制されています。自社サイトは集客力が課題ですが、自由度に関しては1番高いといえます。

◇◇◇

この記事では以下のような点について解説してきました。

  • SEOとは「検索エンジン最適化」のこと
  • ECサイトでSEOが必要なのは、費用をかけずに流入数を増やせて、効果に持続性があるから
  • ECサイトで効果的なSEO対策をするには以下の3つの方法がある
    ・ECサイトの内部対策を行う
    ・コンテンツマーケティングを行う
    ・ユーザビリティを向上させる施策を行う
  • ECサイトのSEO対策で注意する点は以下の4つ
    ・重複コンテンツに注意
    ・スパム行為を行わない
    ・販売終了ページの対策を怠らない
    ・情報保護のためSSL化をする
  • 楽天やAmazonと自社ECサイトのSEOの違いは以下のような点がある
    ・楽天やAmazonはショッピングモールに出店しているようなイメージ
    ・楽天やAmazonは知名度と安心感がある
    ・楽天やAmazonはショッピングモールのルールでページに制約がある
    ・自社ECサイトは集客の課題はあるものの自由度が高い

自社ECサイトでSEOの効果をあげるためには、それなりの時間と労力が必要です。しかし、的確なSEO対策をタイムリーに行っていくことで、確実にSEOの効果が表れ、広告費をかけずに持続的な売り上げにつなげられます

社内でSEO対策の人員を確保するのが難しい場合は、外部のプロにSEO対策を任せるのも一つの手段でしょう。

ECタイムズ

「無印良品」の良品計画が「ZOZOTOWN」に出店、ECモールでの販売を進める理由は?

2 years 3ヶ月 ago

「無印良品」を展開する良品計画はZOZOと販売委託契約を締結し、9月1日にファッションECモールに出店する。

販売委託契約に基づき、ZOZOが「無印良品」販売、物流、顧客対応を担う。

「ZOZOTOWN」ではレディースやメンズ、キッズウェア、靴・バッグなどの衣料品約500品目、コスメや収納用品、キッチン用品など生活雑貨900品目を取り扱う予定。

良品計画は2020年5月、「Amazon」での商品販売をスタート。同年6月には「楽天市場」に出店した。「無印良品 楽天市場店」で扱う商品の物流は、楽天の物流総合サービス「楽天スーパーロジスティクス」を活用し、日本郵便で配送している。

良品計画は2020年当時、新型コロナウイルス感染拡大で店舗の短縮営業などを実施していた。ECモールへの出店を進めることで、店舗に足を運べないユーザーへの販売機会の提供のほか、顧客の利便性向上、新たな顧客を獲得するという狙いがあった。

今回、若年層が多い「ZOZOTOWN」に出店することで、認知されていなかった「無印良品」の商品・サービス・活動の認知、購入につなげる。

瀧川 正実

ZETA、複数商品を組み合わせ提案できるECキュレーションエンジン「ZETA BASKET」を開発。「回遊率向上とSEO改善が期待できる」

2 years 3ヶ月 ago

ZETAは、ECサイト内の商品を組み合わせて“目的ごとの製品群”を提案できるECキュレーションエンジン「ZETA BASKET」の提供を開始した。

サイト内回遊性向上&SEO改善を支援

ECキュレーションエンジン「ZETA BASKET」は、ECサイト内の複数の商品を組み合わせて“目的ごとの製品群”を作成し、さまざまなキュレーション、コーディネート、スタイリングとして提案することができる。

ZETA BASKET ECキュレーションエンジン ZETA CXシリーズ サイト内回遊性向上 SEO改善

製品群として、次のような例がある。

例①:まとめ買いを想定した製品群

  • アウトドアキャンプセット
  • 家具でコーディネート
  • 全身1万円以内、高見えコーデ
  • 旅行の必需品! 最新おすすめアイテム
  • ペットのお迎え準備セット など

例②:目的別に一覧化した製品群

  • ゴルフのコンペ向きコース集
  • 日本酒入門セット
  • 推しの応援グッズセット
  • 家族で見たい映画
  • 夏の夜の快眠グッズ など

こうした商品の組み合わせ提案は、まとめ買いを促進するだけでなく、目的別の商品一覧としても活用可能。従来とは異なる切り口でユーザーの購入意欲を喚起できるため、商品訴求力の向上、顧客ロイヤリティの向上といった効果が期待できるという。

また、こうした取り組みはユーザーがスムーズに情報収集できる環境を整えることにもつながるため、サイト内回遊率や滞在時間の向上、ARPUアップ、SEO改善なども見込めるという。

藤田遥

寄付が集まる理由はなに? 寄付額上位自治体の「ふるさと納税」戦略事例【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

2 years 3ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年8月21日~8月27日のニュース

「ふるさと納税」の成功は自治体の戦略次第です。都城市は市長のリーダーシップ、白糠町は高品質返礼品と多面的コミュニケーションでリピート率アップ、紋別市はポータルサイトの特性を最大限活用しています。

自治体の特徴を活かした運営を

【「ふるさと納税」特集】寄付額上位に聞く成功の秘訣!自治体アンケートでは8割が「5割ルール厳しい」 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/9544/1/1/1

寄付額上位の自治体や、寄付額が増加している自治体の取り組みを聞いた。ふるさと納税の支援実績が豊富な支援事業者のサービスの魅力も取材している。

紹介する記事ではアンケート結果も掲載されていますが、各自治体の取り組みにヒントが多いので、今回はここを中心に記事を見ていきます。

◇宮崎県都城市
「ふるさと納税は寄付を集めるのが目的ではなく、都城市を知ってもらうのが狙い。そのため、ふるさと納税を始めるに当たり『肉と焼酎がつかみだ』と伝えると、まず役所で抵抗があった。他の商品の生産者から何を言われるか分からないと考えたのだと思う。そこは市長が言っているからという形で進めてもらった」(池田市長)

都城市では市長が方針を決めて責任を負うことで、人気の肉などを扱うようにしたようです。自治体の取り組みとなると平等にしないといけないので、それが難しいときにトップが動いてくれるのは助かりますね。

「協議会を作るのにも若干の抵抗があった。この協議会に市はお金を入れていない。すべて返礼品事業者の売り上げから資金を拠出している。それは当事者意識を持ってもらいたいから。行政と民間が同じ方向を向き、チームとして取り組むことで結果が出る」

こちらは民間企業と同じ動きにしているということです。お金をもらって運営するのではなく、事業収入でやりくりするようにしているので、危機感が出ますね。寄付が集まらないと継続できませんから。

◇北海道白糠町
「返礼品の質が非常に高いことが、多くの寄付を集める要因となっている。リピート率が高いことも、その質の高さを裏付けていると思う」(企画総務部企画財政課 ふるさと納税推進係 神田貴史係長)

使い道の報告なども折々、メールだけではなく郵便も使ってお伝えしている。デジタルだけではなくアナログな関係性も築いている

「返礼品が良い」という前提でCRM的な活動もしています。「ふるさと納税」に限らず通販事業ではリピートが重要なので、接点を維持することが大切です。特に年末に偏りがちですから、その間に何をするのかがポイント。「自分が何をしてもらえたら、もう1回寄付してみようと思うのか?」ここを考えましょう。

◇北海道紋別市
「楽天」は、大型のセールイベントの時期に申し込みが多くなる傾向があります。ユーザーの買い回りを意識した戦略を立てています。

「さとふる」は、通年で安定して寄付の申し込みがありますから、年末以外の旬の返礼品の魅力をうまく伝えられています。その結果、リピート率も高まり、「さとふる」のランキングの常連になり、さらに寄付が増える結果につながっています。

ポータルサイトの特性を活かした販売戦略を立てているのが北海道紋別市。普通の通販と同じく「楽天市場」はスーパーセールなどお得なイベントの時に「ふるさと納税」も伸びます。実際に「ふるさと納税」をするとわかると思いますが、金額がそこそこかかるのでポイント還元も多いですから、ユーザーも狙います。

「さとふる」では継続的にランキング上位に出ることで、ユーザーの目につくことが増えてリピートも増えるとのこと。なんとなくポータルサイトを使っていても寄付額は増えませんので、しっかり研究したいですね。

今週の要チェック記事

「配送品質向上制度」「AI活用の検索」「クーポンシステム無料提供終了」など楽天が2023年下期に取り組むこと【戦略まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ | ネットショップ担当者フォーラム
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「店舗ページ編集機能拡大」。じわっと機能が変わっていきます。作り込んでいると大変ですが対応しましょう。

Shopify構築日記 #156 Editions Simmer'23 IMAGINE | 北山浩|Shopify構築日記書いている人
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カスタマイズできるのがメリットの「Shopify」。どんどん進化するのでカスタマイズは最小限に。

80社超の食品・飲料品ECが使う「試食屋」とは? リアル店舗で購入+2回目以降はECや小売店に誘導するビジネスモデル | ネットショップ担当者フォーラム
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「食べてもらえれば伝わる」と思っているところはチャレンジしてみては?

越境EC年間流通総額 No.1のBEENOSに訊く、海外販売成功の秘訣 | コマースピック
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越境ECは「自社商品の強み弱み」「現地含む競合商品の把握」「お客さま」を理解することから。

越境EC支援のジグザグ、2023年上半期の海外ユーザーデータを公開。カルチャー関連の人気は継続、日本限定アイテムやストア特典に注目 | コマースピック
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アニメや漫画・アート作品とのコラボ商品、日本限定発売の商品や特典付録が売れているようです。

アマゾンの検索結果で上位表示を狙うには? 「Amazon SEO」の基礎から実践ノウハウを解説 | ネットショップ担当者フォーラム
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Amazonは売れるものが上位に出ます。テクニックよりも売ることを考えましょう。

ECサイトのリニューアルで“失敗しない条件”とは?沖縄ファッション「マンゴハウス」の成功例に学ぶ3つのポイント | E-Commerce Magazine by futureshop
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明確な課題があってから検討するとうまくいきますよね。

EC立ち上げ時にやっとけリスト。 | 「ひとりEC」著者:三浦卓也
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「注文完了メールを整える」。これをやっていないショップは多いです。

今週の名言

マンガ家・藤田和日郎が“つらい”作品づくりを続ける理由 | ミーツキャリア
https://meetscareer.tenshoku.mynavi.jp/entry/20230818-fujita

「仕事を楽しむな」と言いたいわけじゃなくて、目標もないまま聞こえの良い言葉に身を任せても、どこにもたどり着けないよという話です。

耳あたりの良いことだけを実行してもうまくいきません。しんどくても続けられるものがあればうまくいくはず。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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日本通販CRM協会が台湾政府の「デジタル発展部」と協力し、台湾の無店舗小売業協会と覚書締結

2 years 3ヶ月 ago

一般社団法人日本通販CRM協会は、台湾の中華民国無店舗小売業協会(CNRA)と、日台電子商取引の協力分野におけるMOU(了解覚書)を締結した。日本と台湾の電子商取引団体間では初の国際協力関係になるという。

締結日は2023年7月31日。日本と台湾、2国間の産業交流、協力、ビジネスチャンスの発展につなげる。

MOUの調印式に登壇した中華民国無店舗小売業協会秘書長の許生忠氏(中央左)と日本通販CRM協会の向代表理事(中央右)
MOUの調印式に登壇した中華民国無店舗小売業協会秘書長の許生忠氏(中央左)と日本通販CRM協会の向代表理事(中央右)

台湾政府でデジタル担当大臣を務めるオードリー・タン氏が担当する「デジタル発展部」がこのほど、「台日産業交流プラットフォーム(TJDIP、Taiwan-Japan Digital Industry Platform)」を開設。日本と台湾双方のデジタル関連産業の連携を推進する目的で、日本通販CRM協会とMOUを締結した。

来日した、台湾政府「デジタル発展部」のメンバー(左から2番目は日本通販CRM協会の向理事)
来日してMOU締結に立ち会った台湾政府「デジタル発展部」のメンバー(左から2番目は日本通販CRM協会の向理事)

8月1日から3日、東京都・品川区で台湾と日本企業のビジネス交流会を実施。日本のEC支援会社、日本の小売、卸売り企業、台湾政府に帯同して来日した台湾EC事業者、台湾から来日した商社・メーカー・小売業者が参加し、商談などを行った。台湾政府高官も交流会会場に訪れ、台湾と日本のビジネス協力を呼びかけた。

日本・台湾両国の企業が交流した
日本・台湾両国の企業が交流した
高野 真維

売上1300億円超のQVCジャパン伊藤CEOに聞く増収増益の秘訣+成長戦略 | 通販新聞ダイジェスト

2 years 3ヶ月 ago
業績堅調なQVCジャパン。同社に復帰し、CEOに就任した伊藤淳史氏に、復帰の理由、好調な業績推移の理由、将来のビジョンまで多岐にわたって質問した

通販専門放送を行うQVCジャパンの業績が好調だ。コロナ禍による巣ごもり消費増による反動減などで通販各社が苦戦するなか、前期(2022年12月)業績は増収増益となり、成長を続けている。3月末に同社の代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任した伊藤淳史氏にQVCジャパンの現状や今後の方向性について聞いた。(聞き手は「通販新聞」編集局長・鹿野利幸氏)

QVCジャパン 代表取締役CEO(最高経営責任者) 伊藤淳史氏
QVCジャパン 代表取締役CEO(最高経営責任者) 伊藤淳史氏

復帰理由は“番組を通じて感動を与えられること”

――3月31日付でCEOに就任した。かつて在籍(※16~20年まで最高財務責任者を担当)していたQVCジャパンにCEOとして復帰した理由は。

私がQVCから離れたのは20年5月で、ちょうどコロナ禍が始まったタイミングだった。行動が制限され、皆が家にいることを余儀なくされるなかで、人が人らしく生きていくには生活の中で感じる喜びやうれしさといった感動が欠かせないのではないかと考えた。

QVCを離れた後も番組を視聴していたが、QVCの番組にはうれしさや喜びがあった。番組を通じてそうした感動を届けられるQVCのビジネスモデル、社会的意義は素晴らしいと改めて認識していた。

そのようななかで昨夏ころに私が在籍していた当時のファイナンスの観点だけでなく、ビジネスをしっかり理解した上で業務を進めてきた経験・知識やその印象などを踏まえてだと思うが、(QVCジャパンのCEOの選考について)話があり、これはしっかりお受けしてQVCのビジネスひいては社会的意義を確かなものにしていかなければという一心で復帰を決めた。

商品だけでなく「物語」まで伝えられる点が強み

――QVCジャパンの強みとは。

商品は世にごまんとあるが、その中で当社のバイヤーがしっかりと独自の目線でよいものを選び、1つ1つの商品にある作り手あるいは機能面などの伝えるべきストーリーをしっかり伝えることができるという商材と商材にまつわる物語を伝えることができる力に尽きると思う。

実践を繰り返して生産性アップ

直近の業績は堅調に推移

――直近の決算(22年12月)は増収増益(売上高は前年比3.8%増の1329億3400万円、営業利益は同6.5%増の269億4700万円、経常利益は同5.6%増の270億8400万円、当期純利益は同6.0%増の189億1800万円)だった。業績が好調な理由は。

コロナ禍のなかでは巣ごもり需要もあり、当社も業績を伸ばしたが(コロナ収束後もコロナ禍の際の特需に)慢心することなく、愚直に商品を選りすぐんでその商品の良さをしっかりとお伝えしていくということをやり続けてきた。

併せてお客さまの声をお伺いしながら、イベント(特番やキャンペーン)を行うタイミングや内容を決め、その戦略・方針を社員皆がしっかりと理解した上で、実践することで時間あたりの生産性を高めてきたことが大きい。

当社のなかではよく「エクスキューション、エクスキューション」と言っているがよい戦略を立ててもエクスキューション(実践)できないとそれは絵に描いた餅だ。これがしっかりと継続してできている。当たり前のことだが、当たり前のことを実直に重ねていくが毎年の成長を支えている。

伸びしろはヘルス関連素材

――売れ筋の傾向は。

この2~3年で継続して成長しているジャンルはたとえば健康食品、サプリ、美容関連品などのヘルス関連商材だ。足元も順調でまだまだ伸びしろがある。当社としてもお客さまが求められているカテゴリに対し、集中して展開を強化しているおり、こうした点も当社が成長し続けることができている1つの理由だろう。

QVCジャパンが展開するヘルス関連商材の一例(画像はQVCジャパンの公式通販サイトから編集部がキャプチャ)
QVCジャパンが展開するヘルス関連商材の一例(画像はQVCジャパンの公式通販サイトから編集部がキャプチャ)

テレビ“以外”にも訴求力アップめざす

――今後の方針は。

映像を通じて選りすぐった商品とその商品にまつわる物語をお伝えしていくという当社のビジネスモデルであり強みは今後も変わらない。

ただし、当社が主戦場としているテレビが果たす役割は変化していく。若い世代ではテレビを持ってない人も少なくない。テレビのメディア価値が急になくなることはないにせよ、弱まっていくだろう。

テレビ以外でもマルチチャネルで番組や商品をお届けすべく、たとえばライブコマースやユーチューブライブ、また、「QVCテレビアプリ」(※21年4月から開始したQVCの番組をテレビ画面上で通信回線を通じて配信するサービス)などインターネットを介したさまざまな取り組みは行っているが、まだテレビのサポートという位置づけだ。

顧客に対してテレビ以外の配信方法にも取り組んでいる(画像はQVCジャパンの公式ユーチューブアカウントから編集部がキャプチャ)
顧客に対してテレビ以外の配信方法にも取り組んでいる(画像はQVCジャパンの公式ユーチューブアカウントから編集部がキャプチャ)

Eコマース単独で1つのビジネスとして収益を生んでいくには色々なチャレンジがもっと必要だ。今のテレビのお客さまをしっかり大事にしつつも、テレビ以外のお客さまに対しても我々のビジネスをしっかりと展開して、現状の中心お客さま層よりも若い年齢ゾーンの皆さまにも喜んで頂くための商品の提案やEコマースにおけるサービスを強化して新しい層がQVCのファンになって頂けるようにしていきたい。

川上の物づくりを支える企業に

併せてこれまでもそうだったが、より社会の公器としても役割をしっかりと果たしていきたい。

当社は千葉県に本拠地を置いて全国に通販番組を放送して事業を通じて、消費者にさまざまな商品を届けている。商品の流通にはさまざまな過程があるわけだが、一番の川下である当社が販売を軸としたさまざまな活動をがんばることで川上である物づくりを行う日本各地のさまざまな産業、製造事業者を盛り上げ、支えるための一助となり得ると考えている。

小売業を通じた社会の公器としての役割を果たしていくために日本の目立ってはいないが優れた商品を見つけてしっかりと光を当てていくということはもちろん、SDGsの観点から地球環境や生活にやさしい日本の商品なども積極的に販売していきたい。社会に貢献していくなかで成長していくということを事業の柱に据えていきたい

売上アップに満足せず、コンスタントな成長めざす

――売上高は1300億円を超えたが、どこまでスケールすると考えているか。

先ほど話したようにお客さまに商品をお届けするためのチャネルはテレビだけではなく、Eコマースはもちろん、OTT(編注:インターネットを介して視聴者に直接提供されるメディアサービス)で番組を配信するような仕組みも今後、どんどん創出されていくはず。

テレビショッピングだけの市場で展開していくわけでないため、ここまでいけば満足というではなく、コンスタントに成長し続けたい

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

しまむらのネット通販、店舗受取は約9割。店頭で他の商品購入する比率は44%で客単価は1.5倍

2 years 3ヶ月 ago

しまむらのネット通販では、ECサイトで注文した商品を店頭で受け取る比率が約9割、店頭受取する顧客が他の商品を合わせて購入する比率は44%、その消費者の客単価は通常販売と比較して約1.5倍で推移している。

しまむらは、「オンラインストアから実店舗への送客が、引き続き既存店売上の向上に寄与している」と言う。

店頭受取の比率などは2023年2月期の数値で、EC事業の売上高は前期比46.4%増の41億円だった。金額ベースでは同13億円の増加。

2023年2月期はオンラインストア限定商品が好調だったほか、「しまむら」「アベイル」「バーステイ」「シャンブル」の4事業でECを展開。グループ内の相互送客が進んだことも増収に寄与したという。

2022年8月からはECセンター(EC専用の物流倉庫)を介さず、商品供給事業者が直接、商品センターへ商品を納品する「ECサプライヤー納品」を開始。ECセンターのキャパシティーにかかわらず注文を受けることができるようになった。

しまむらのネット通販では、ECサイトで注文した商品を店頭で受け取る比率が約9割、店頭受取する顧客が他の商品を合わせて購入する比率は44%、その消費者の客単価は通常販売と比較して約1.5倍で推移している
EC事業について(画像はIR資料からキャプチャ)

しまむらは、実店舗の物流・配送網を使いコストを抑制、「ローコストEC」を事業構造の根幹としている。サプライヤーが埼玉県の東松山商品センターに商品を納品後、隣接するECセンターで検収し、在庫として保管する。店舗受け取りはしまむらの物流網で配送し、個人宅配送の場合は宅配業者に配送を委託している。

しまむらは2020年10月、自社ECサイト「しまむらオンラインストア」をオープン。2021年9月にベビー・子供用品ブランド「バースデイ」のECサイトを開設している。

瀧川 正実

ファンマーケティング最前線。ライブコマースが叶える顧客との双方向コミュニケーション

2 years 3ヶ月 ago
エイジングケアブランド「fracora」を展開する協和は、ライブコマースを自社で運営し、約週2回のライブショッピングなどによって顧客と交流している。立ち上げから1年経って見えてきた、「フラコラ」流ファンマーケティングの秘訣とは?

原液美容液を中心とする化粧品・健康食品ブランド「fracora(フラコラ)」を展開する協和は、2019年からWebを主軸としたデジタルマーケティング戦略に大きくかじを切った。リピーター育成・LTV 向上を重視する同社が「Only for you」の実現に向け立ち上げたのが、自社運営のライブコマース「fracora LIVEショッピング」である。ライブコマースの立ち上げに当たり直面した問題や、運営のメリット、顧客との関係作りのコツについて、Corporate Officerの竹腰泰子氏に聞いた。

なぜ、ライブコマースに着目したのか?

協和の挑戦 マス広告からデジタル広告へ

協和は、1960年創業の化粧品・健康食品販売会社である。イソフラボンの「フラ」とコラーゲンの「コラ」から名付けられた「fracora(フラコラ)」は2004年からスタートしたブランド。発売当初より「高実感」に重きを置き、濃度の高い「プラセンタつぶ」やコラーゲンドリンク「フラコラ500」を販売してきた。

また、協和は大学との共同研究に力を入れ、常に最先端の生命科学とテクノロジーを取り入れている。2021年からは、人の細胞、土台から整える「先端美容シリーズ」を販売している。

従来、協和のマーケティングはテレビ、新聞、雑誌などのマス媒体によるものがほとんどだった。しかし、テレビショッピングなどのマス広告を利用すると、瞬発的には売り上げが大きく上がる一方で、その後の顧客のケアが不十分になってしまう。これはリピーター育成を重視し、「Only for you」を掲げる協和にとって、大きな課題であった。

そこで、2019年、協和はこれらマス広告への出稿を一切やめ、デジタル広告にシフト。マーケティングの主軸をWebへ移した

高まるミドル層・シニア層のインターネット利用率

協和の変革の背景には、「フラコラ」のターゲットであるミドル層・シニア層に対するインターネットの普及・浸透がある。

直近10年でミドル層のインターネット利用率が拡大
直近10年でミドル層のインターネット利用率が拡大

2011年には20代~40代の若年層のインターネット利用率はほぼ100%と、すでに飽和状態にあった。一方で、50代以上はまだ利用率が低く、特に、デジタル広告やSNS広告では獲得しづらいとされていた。しかし、この10年間でミドル層・シニア層のインターネット利用率は大きく向上。SNSの利用も進んだ。この変化が、デジタル広告への移行を後押しした。

ライブコマースで「Only for you」の実現へ

協和が、新しいマーケティング戦略に基づき、「Only for you」の実現に向けた試行錯誤のなかでたどり着いたのがライブコマースの運営だ。「商品の魅力をより多くの人に伝え、売り上げを立てながらも、顧客1人ひとりと向きあって会話できるようなものを探していた。そこで、ライブコマースにチャレンジすることにした」と竹腰氏は語る。

ゼロベースからのライブコマース立ち上げ

自社ライブコマースは、2021年の夏に企画段階に入った。当時、日本におけるライブコマースの事例はほとんどなかったため、システムの開発、撮影、台本作り、配信頻度などについて、セオリーがまったくない所からのスタートであった。

配信システムは、外部のシステム会社に開発を委託。「当初は内製する案もあったが、システム構築は専門家に任せた方が早い。結果的に、外注したのは正解だった」と竹腰氏は振り返る。

「顧客がこのシステムを快適に使えるのか」というのは常に考えていた。また、商品と切り離して、どのようにコーポレートメッセージを伝えていくのかという課題もあった。これら全てをゼロベースから検討していった。(竹腰氏) 

協和 Corporate Officer 竹腰泰子氏
協和 Corporate Officer 竹腰泰子氏

2021年11月、協和は自社ライブコマース「fracora LIVE ショッピング」をリリース。現在は、週に約2回、ライブ配信と販売を連動させたライブショッピングを行っている。また、エクササイズの配信や開発の裏側紹介など、商品の宣伝・販売と切り離した動画なども含めると、月に30~40本のコンテンツを配信している。

協和が配信している動画の一例。配信動画はライブコマースだけにとどまらない(動画は協和の「fracora(フラコラ)公式チャンネル」より)

「フラコラ」流ファンマーケティングの秘訣

ライブコマースの運営開始から1年が経過した今、竹腰氏が感じている運営のメリットや、ライブ配信時に意識すべきポイントを紹介する。

ライブコマース運営のメリット

顧客情報の獲得

ライブコマース運営のメリットの1つは、テレビショッピングなどのマス広告に比べ、顧客データをより詳細に取得できることである。併せて、視聴数や商品ごとの売り上げ、クロスセル率なども把握することで、さまざまな角度からのケーススタディが可能となり、サービス向上に生かすことができる。

ライブコマースは顧客情報の獲得やコミュニケーションのしやすさに強みをもつ
ライブコマースは顧客情報の獲得やコミュニケーションのしやすさに強みをもつ

顧客とのコミュニケーション/顧客への、より詳細な情報提供

ライブ配信では、コメントによって顧客と直接やり取りができるのも魅力だ。「パッケージが開けづらい」「こんなセット商品があったらうれしい」といった意見を吸い上げ、即座に反映させることができる。また、1人ひとりの悩みや知りたいこと(たとえば、アレルギーへの対応や飲み合わせ)について、こちらから語りかけ、必要な情報を届けることもできる。

顧客の疑問や関心に寄り添った対応ができることもライブコマースの魅力
顧客の疑問や関心に寄り添った対応ができることもライブコマースの魅力

SNS連動

「フラコラ」では、Instagramや公式LINEなどのSNSを用いて、過去に獲得したファンや休眠顧客をライブコマースに誘導している。実際に「昔使っていました」「リニューアルを機に戻ってきました」というように一度離れた顧客が戻ってくることもある。竹腰氏は、ライブコマースは顧客の呼び戻しに有効であると感じている。

顧客同士のコミュニケーション

配信中、コメント欄で顧客同士の会話が発生することも多い。出演者が話せる状態にないときに、顧客からフォローが入ったり、商品をおすすめしてくれたりなど、顧客同士がやり取りし、配信を盛り上げてくれるのも、ライブコマースならではの魅力である。

ライブコマースではリピーターが非常に多い。ライバー(出演者)のキャラクターを立たせるよう工夫したこともあり、徐々にファンがついてきた。会話を楽しみたい顧客が「買わないけど遊びに来た」ということもあり、楽しい場を提供できている実感がある。顧客の動きが「見える化」するという点で、ライブコマースは本当におすすめ。(竹腰氏)

ライブ運営(配信)のポイント

顧客とのコミュニケーションを重視

「フラコラ」のライブ運営を始めた当初は、事前に話す内容、役割分担などを細かく決め、きっちりとした台本を作成していた。しかし、現在は台本をあまり作り込まず、ライブ感や視聴者とのコミュニケーションをより重視している。

特に、視聴者のコメントに対してリアクションすることは最優先事項だという。「フラコラ」では、出演者が話に夢中になるうちにコメントが流れてしまうことを防ぐため、運営側から出演者に合図を送り、コメントに応じるよう促している

出演者のほかに「天の声」を出すこともある。「天の声」は、出演者が画面から外れてしまうなど、ライブ配信で起こるさまざまなハプニングを画面外から声でフォローする。その掛け合いもまた、ライブコマースを盛り上げる。

企業側の一方的な「講演会」にしないことが大切。ライブ配信では、視聴者とコミュニケーションをとり、観に来てくれたことへの感謝を伝える方が好印象で、場も盛り上がる。

「初参加です」とコメントが来たら、話を止めてでも「ようこそ」と言う。購入者には必ずお礼を言う。細かいことだが、視聴者にとっては、話を止めて自分に話しかけてくれたということがうれしいはず。

こうしたやり取りを重ねることでファンになってくれる人が多い。ファンが増えれば、結果的に売り上げにもつながる。(竹腰氏)

盛り上がりが見える仕掛け作り

視覚的なわかりやすさも重要だという。たとえば、紙でポップを作ったり、手書きのメッセージを写したりと、大きくわかりやすいものを散りばめると、視聴者の求心力が高まる。また、時折、視聴者に「ハートを押してください」などと呼びかけることで、スマホの小さな画面上でも場の盛り上がりを共有できる。

スタッフによる商品紹介。ポップや手書きのメッセージを活用している
スタッフによる商品紹介。ポップや手書きのメッセージを活用している

来場者特典

「フラコラ」のライブ配信は、平日の14時からなど、スタッフにとっても持続可能な時間設定で行っている。夜間や休日しか視聴できない人のために、アーカイブ期間は長めにとる

ライブ配信の時間に合わせて観に来てくれた人へは特典を用意し、その時来てくれた人だけがちょっとうれしい仕組みにしている。(竹腰氏)

これも、ライブ視聴者への感謝を伝える仕掛けだ。

出演者の育成

視聴者を飽きさせない工夫の1つとして「フラコラ」では出演者を育成し、その数を増やした。これは、同じ商品スタッフによる商品の紹介でも話し手によってその印象が変わるからである。

現在、配信に出演している社員は7人ほど。それぞれ、専業ではなくライブ配信以外にも業務を持つ社員だ。商品について話すためには、成分や効能など、化粧品特有の専門用語を覚えなければならず難しさもあった。しかし、共に学んだことで出演者同士のつながりが強まった上、互いのフォローもできるようになったという。

走り出しはKPIを売り上げで見ない

「ライブコマース運営はファン作り。初めのうちは売り上げよりも視聴者数などの指標を意識した方が良い」と竹腰氏は指摘する。

当初はどれだけ売り上げにつながるかが未知数だったため、出演者がプレッシャーを感じないよう「売り上げは気にしなくて良い」と伝えた。初めのうちは売り上げにこだわらず、来場者とコミュニケーションを取ること、楽しむことを意識すると良い。(竹腰氏)

元五輪選手による運動レクチャー。顧客の運動習慣をサポートし、「フラコラ」の考え方を伝える
元五輪選手による運動レクチャー。顧客の運動習慣をサポートし、「フラコラ」の考え方を伝える

ライブコマースから派生した企画

「フラコラ」では、2022年春から、商品を使ってくれているインフルエンサーを集めて組織化し、勉強会などを通して「フラコラ」の考え方を伝えている。1人のファンでもある「フラコラアンバサダー」を通じて、より多くの人に商品の魅力やコーポレートメッセージを届け、新規顧客の獲得につなげようという試みだ。

「フラコラアンバサダー」を招いた配信。美意識の高いインフルエンサーには説得力がある
「フラコラアンバサダー」を招いた配信。美意識の高いインフルエンサーには説得力がある

竹腰氏は、現在の課題感および意識しているポイントとして①新規顧客の獲得 ②既存顧客の満足度とLTV向上 ③飽きないコンテンツ作りの3つをあげる。「ショート動画なども活用しながら、楽しいコンテンツをより多くのお客さまに届けたい」と竹腰氏は話す。「フラコラ」の挑戦はこれからも続く。

ファン作りの秘訣と日本のライブコマース市場のこれから

協和は、ライブコマースの活用により自社商品・ブランドのファンを増やし、リピーターの増加とLTV向上に成功している。ライブ配信の際、竹腰氏は「スマホの外側でも皆が笑顔で、同じ雰囲気でいること」を心がけているという。

一方的な商品紹介による売上追求ではなく、顧客とのコミュニケーションに徹し、顧客と運営側が一緒に場を盛り上げ、楽しむ姿勢が、根強いファンを作っていると言えるだろう。

日本のライブコマース市場はいまだに発展途上で、一社の努力で盛り上げることは難しい。業種を問わずさまざまな会社がライブコマースに関わることで、市場を共に盛り上げていけたらと考えている。(竹腰氏)

自社商品のファンを作り、リピーターを育てるために、ライブコマース運営という新たなマーケティング領域に踏み出してみてはいかがだろうか。

藤井亜子

ヤマト運輸と日本郵便の協業、「ネコポス」は2025年3月+「クロネコDM便」は2024年2月までにJPへ全配送業務を委託

2 years 3ヶ月 ago

ヤマトホールディングスは日本郵政グループとの協業に関して、今後の事業計画を明らかにした。

ヤマトホールディングスは日本郵政グループとの協業
業務委託スケジュール(画像はIR資料からキャプチャ)

小さな荷物を宅急便レベルの翌日配達で届け先ポストに投函している「ネコポス」は、10月から日本郵便(JP)への業務委託を開始。2025年3月末をめどに全量業務をJPに委託する。

10月以降、ヤマト運輸は新サービス「クロネコゆうパケット(仮称)」として取り扱いをスタート。顧客から荷物を預かり、配送業務の委託先であるJPの配送網で荷物を届ける。

カタログやパンフレット、チラシを全国へ発送する投函サービス「クロネコDM便」は、2024年2月から全量業務をJPへ委託する予定。ヤマト運輸が提供する「ネコポス」は2023年10月以後、順次終了する。

ヤマト運輸は新サービス「クロネコゆうメール(仮称」として取り扱いを開始。JPの配送網で荷物を届ける。

ヤマト運輸は、自社リソースと外部リソースの適正化に向けて柔軟に業務を推進、委託冊数・個数に応じて発生するJPへの委託費をコントロールしいていく。

ヤマトホールディングスは日本郵政グループとの協業
両グループの強みと協業内容(画像はIR資料からキャプチャ)

ヤマトHDと日本郵政グループは2023年6月、持続可能な物流サービスの推進を目的として協業に関する基本合意に向け提携。ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸は、「ネコポス」「クロネコDM便」を順次終了。それぞれ新サービスへと刷新し、メール便・小型薄物荷物領域の配送を日本郵便へ委託することを決めた。

ヤマトグループが持つ集配トラックの全国ネットワークや、日本郵政グループの集配バイク・軽4輪の全国ネットワークといった、両社が保有する経営資源(ネットワーク・リソース)を有効活用。持続可能な物流サービスの推進によって、顧客の利便性向上とネットワーク・オペレーションの生産性向上を通じた事業成長をめざす。

トラックドライバーの時間外労働時間規制によって輸送能力の不足が懸念される「2024年問題」、温室効果ガスの排出削減をめざす「カーボンニュートラル」といった課題解決への取り組みに貢献していく。

瀧川 正実

【おせち商戦スタート】シニア向け通販「ハルメク」のおせち戦略、差別化は「顧客と作る」 | 通販新聞ダイジェスト

2 years 3ヶ月 ago
素材や内容数など読者の声を十分に反映させたハルメクのおせち。2024年用は予約販売時期を例年よりも早め、前年増の販売数をめざす

ハルメクの2024年用おせちは、「新しい和食(新和食)の会席おせち」をコンセプトに展開する。昨年よりも予約開始時期を早めて9月から受け付けるほか、早期限定おせちの販売強化にも取り組むことなどで、販売目標は昨年実績の3万5900台に対して今年は4万台をめざす。

おせち開発は読者との“共創”

ハルメクの通販は“顧客理解”を重視しているが、おせちの開発も同様に読者と一緒に作り続けていることが強みだ。

たとえば今年は、1月におせちの購入者アンケートを一つひとつ目を通し、不満点、改善点をチェック。3月にはアンケートの意見をもとにメーカーと協議を重ね、4月に試作品を開発チームで試食、検討し、5月にオンラインとリアルで試食会を実施した。

6月に読者試食モニター200人の協力を得てアンケートを実施。7月に読者試食会の意見を反映させてハルメクおせちを完成させた。

おせちは編集部が全品素材を厳選し、人前ごとにきちんと食べられる数を入れているほか、ダシの旨みで薄味仕立てに仕上げている。また、主原料に中国産のものは省き、合成の着色料・保存料は使用していないという。

ハルメクの2024年用おせちのイメージ
ハルメクの2024年用おせちのイメージ

2024年用のおせちについては、伝統的な縁起・ぜいたく食材を3世代が楽しめる“新和食”に仕立て、前菜から甘味までの会席フルコースが楽しめる。

高級素材をふんだんに使用。価格は最大5万円超

主力はプレミアムとスタンダードの2商品で、プレミアムおせち「福寿」(1~6人前、税込1万700円~5万3400円)は、職人の技と工夫を凝らし、高級食材を使用したワンランク上のおせちで、伊勢エビや栗きんとん、昆布巻など伝統の基本メニューに、寒サワラ西京焼き、アワビ旨煮など厳選の上質素材メニューを加えた。

スタンダードおせち「彩」(2~6人前、同1万2000円~3万3600円)は基本のメニューと彩り料理のバラエティおせちとなる。ブリ焼きや黒豆、伊達巻きなどの伝統基本メニューに、真ダイの塩こうじ漬け焼きトマトソース、イチジク入りクリームチーズなどの彩り料理を添えた。

加えて、早期限定おせちとして、2商品を展開。「七福神」(3人前、同3万5400円)は希少な国産素材の厳選おせちで、黒豆、昆布巻、田作りなどの伝統基本メニューに、北海道産数の子、九州産車エビなどの国産高級素材を合わせた。

「さくら」(2人前、同2万3600円)は高級食材が少量ずつの最多品目で、和のお重にはカニ爪の甘酢漬、ブリのアオサ焼きなどを、洋のお重にはアワビのエスカルゴバター焼、ホタテ貝柱ボッタルガ焼などが入る。

サイドメニューも充実

また、ハルメクおせちのサイドメニューとして、「HATAKEAOYAMA監修 野菜を味わう洋風オードブル」(税込1万1000円)や、「生ずわい蟹のしゃぶしゃぶ」(同7800円)、「北海旬鮮便6種」(同6500円)なども提案する。

予約販売は9月から。前年よりも早めスタート

今回、予約販売時期を従来よりも早めて9月から受け付ける。「ハルメク」の雑誌読者には9月におせちの冊子を同封。本格展開を始める10月以降は通販カタログでも大々的に取り上げるほか、11月には新聞広告を活用して新規ユーザーを開拓する計画だ。

早期限定おせちの「七福神」と「さくら」については、昨年まではVIP会員だけに提案していたが、今年から全国通販などグループ全体で販売することになり、ハルメクでも広く注文を受ける。

完成披露試食会を都内で初開催

また、今年は初の取り組みとして7月27日におせちの完成披露試食会を都内で開催。ハルメクおせちの購入経験者やモニター参加者、ハルメク365の会員、VIP会員など約25人が参加した。当日は試食だけでなく、「ハルメク」で人気連載を執筆する料理研究家、横山タカ子さんのトークショーなども行った。

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通販新聞

欧米の消費者はメタバースに肯定的、日本では教育現場や高齢化社会への対応に着たい【消費者調査+レポートまとめ】

2 years 3ヶ月 ago

2030年には市場規模が世界で約79兆円に達すると予測されているメタバース。コロナ禍を機にさまざまな企業がメタバース領域に参入し、多くの人に認知が広がっている。

英国の市場調査会社「Mintel(ミンテル)」が発刊したレポート「デジタルトレンド―メタバース―日本―2023年」でMintelリサーチアナリストの柴田恭明氏は、メタバース普及の背景、海外の概況、Mintelの独自調査に基づく消費者意識などについて考察している。

グローバルではメタバースに対して肯定的なイメージを持っている人が多く、日本でもさまざまなシーンで活用の拡大が期待できそうだという。

ミンテル メタバース 調査

調査結果から見るメタバースの消費者イメージ+活用事例

メタバースにポジティブなイメージを持つ消費者が多数

Mintelがこれまでに実施したメタバースに対するグローバルな消費者調査の結果について、柴田氏は「メタバースに対する不信感がある程度根強いと想定していたが、意外にも人々はそこまでメタバースにネガティブな印象を持っていないことが判明した」と言う。

調査によると、米国の消費者の44%、英国の消費者の34%、ドイツの消費者の46%が「メタバースは未来的なイメージ」または「メタバーは社会を変革する」とポジティブな回答をしている。

米国、英国、ドイツの消費者がメタバースに持つイメージ
米国、英国、ドイツの消費者がメタバースに持つイメージ

クリスチャンディオールの事例

フランス本社のクリスチャンディオールは、フランス・シャンゼリゼ通りの店舗を再現したバーチャルショップを運営。バーチャルの店舗内を歩き回ることができ、商品画像をクリックすればECサイトで同じ商品を購入できるようにした。

店舗の内装や商品の陳列も実店舗に近い作りを再現し、従来のECサイトよりも店舗に近い購入体験を提供しているという。

クリスチャンディオールのメタバース店舗
クリスチャンディオールのメタバース店舗

メタバースの活用可能性

今後メタバースが日本で活用され得る領域として、柴田氏は教育現場をあげた。なかでも、不登校の対策になる可能性があると指摘。すでにオンライン不登校支援プログラムを運用している地域もあるという。

このほか、高齢化社会への対応策としてもメタバースの利用拡大に期待が持てるという。仮想空間のサイクリングや、アバターを通じた家族や友人との交流などがあげられる。

「メタバースに対するグローバルな消費者調査」の調査概要

  • 調査対象
    米国:メタバースを聞いたことがあると回答した18歳以上のインターネットユーザー1288人
    英国:メタバースを聞いたことがあると回答した16歳以上のインターネットユーザー1351人
    ドイツ:メタバースを聞いたことがあると回答した16歳以上のインターネットユーザー1123人
高野 真維

Amazon内に「@cosme.SHOPPING」を2024年度中にオープン予定/楽天グループが組織再編【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years 3ヶ月 ago
2023年8月11日~2023年8月24日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. アイスタイル、Amazon内に「@cosme.SHOPPING」を2024年度中にオープン予定。「システム開発はおおむね完了」

    アイスタイルが扱うブランドと現在、Amazonへの出品について交渉を進めている

    2023/8/22
  2. 楽天グループが組織再編、楽天カードに決済ビジネスを集約

    楽天カードは一体化された決済ビジネスの推進主体となる。今後は第三者との戦略的パートナーシップ、必要に応じた独自の資本調達なども柔軟に検討する

    2023/8/18
  3. ヤマト運輸の法人向け送料は順次交渉中、宅配便の平均単価は「段階的に上昇していくと想定」

    第1四半期における宅配便(宅急便・宅急便コンパクト・EAZY)の平均単価は、前年同期比2.3%増の713円(前年同期は697円)に上昇。法人部門は同0.8ポイント増の1.5%にそれぞれ増加した

    2023/8/23
  4. 楽天グループの国内EC流通総額は2.8兆円で11%増【2023年中間期】

    楽天グループは決算説明会資料で、Zホールディングスなどが公表している流通総額をベースにした国内ECのプレゼンスを掲示。楽天グループのECは圧倒的な成長で競合他社を圧倒しているとした

    2023/8/17
     
  5. 楽天の戦略共有会で発表された内容を徹底解説。知っておくべきことはこれ!【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年8月7日~8月20日のニュース

    2023/8/22
     
  6. 最も活用しているポイント上位は「楽天ポイント」「Tポイント」「Pontaポイント」。意識している経済圏1位は「楽天経済圏」

    MMD研究所が行った「2023年7月経済圏のサービス利用に関する調査」によると、最も活用しているポイント上位は「楽天ポイント」「Tポイント」「Pontaポイント」だった

    2023/8/21
     
  7. 「くらしDIY」で多様な暮らし方の実現をめざすカインズが着目。決済サービス「Amazon Pay」で実現した新規会員獲得、EC売上向上の秘密

    カインズのEC売上を押し上げた「Amazon Pay」。ゲスト購入の利便性が向上し新規顧客の増加を導いたという。「Amazon Pay」の導入効果や、会員連携などの今後の施策を解説する

    2023/8/17
     
  8. 「配送品質向上制度」「AI活用の検索」「クーポンシステム無料提供終了」など楽天が2023年下期に取り組むこと【戦略まとめ】

    新店舗トップページの編集機能の改善、最短お届け日自動計算機能、「RPP」の入札単価を会員ランク別に変更、SKU管理の導入推進、「配送品質向上制度」実装など2023年上半期の「楽天市場」の取り組みと今後の戦略をまとめました

    2023/8/21
     
  9. auコマース&ライフ八津川副社長に聞く「2022年度の振り返り」「ライブコマース」「店舗向け施策」「ポイント施策」

    ライブコマースに注力している「auPAYマーケット」は、成果を実感。今後も新ジャンルとのコラボなどよりコアなターゲットに向けた展開を考えている

    2023/8/18
     
  10. ZOZO澤田社長が語る成長戦略。「販売」以上の付加価値追求+顧客の裾野を広げる需要喚起策とは

    取扱高5000億円を突破しているZOZO。澤田宏太郎社長兼CEOが語る、これまでの成長の鍵と、さらなる伸長をめざすための次なる成長戦略とはどのようなものか

    2023/8/21
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

通販・EC市場は約11%増の12.7兆円【2022年度JADMA調査】

2 years 3ヶ月 ago

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した2022年度(2022年4月~2023年3月)の通販・EC市場規模は、前年度比10.9%増の12兆7100万円だったと推計した。金額ベースでは同1兆2500億円の増加だった。

2022年度(2022年4月~2023年3月)の通販・EC市場の売上高調査を行い、このほど速報値をまとめた。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した2022年度(2022年4月~2023年3月)の通販・EC市場規模は、前年度比10.9%増の12兆7100万円
通販・EC市場規模の推移

通販・EC市場の傾向として、BtoBやECモール系、衣料品や化粧品、食料品(健康食品を含む)の好調があげられるという。

新形コロナウイルスの影響による通販・EC需要が徐々に落ち着く一方、対面イベントや店舗販売など通販以外の市場が回復したものの、2022年度の伸び率は前年度を3.1ポイント上回った。直近10年の平均成長率は9.0%で、マイナス成長を記録した1998年度以降、24年連続して増加傾向が続いている。

2022年度の調査は、JADMA会員418社(調査時点)を対象に実施した「第41回通信販売企業実態調査」で得た回答の売上部分を先行集計した結果と、各種調査から推計できる有力非会員355社の売上高を加えて算出した。

調査期間は2023年6月22日~8月14日。推計値は衣料品や雑貨、化粧品、健康食品などの物販を中心に算出した。JADMAでは2023年11月、商品別や媒体別などを分析したレポート「第41回通信販売企業実態調査報告書」を刊行する予定。

瀧川 正実

スクロール360、「物流倉庫見学」の特設サイトを開設。見学会を3拠点で随時開催へ

2 years 3ヶ月 ago

スクロール360は、「物流倉庫見学」特設サイトを開設した。サイト開設を機に、埼玉県、茨城県、大阪府にある物流センターで見学会を随時開催する。

3拠点とも無料&少人数制で見学会を実施

見学会では、スクロール360の物流拠点で在庫管理から梱包、出荷業務など各工程を見学できる。1回につき5社10人までの少人数制で、参加費は無料(事前申込みが必要)。見学できる3拠点と各拠点の主な取扱商材は次の通り。

  • スクロールロジスティクスセンターみらい(SLCみらい):化粧品・健康食品・アパレル・ギフト
  • スクロールロジスティクスセンター春日部(SLC春日部):アパレル・キャラクターグッズ・加工食品・雑誌
  • スクロールロジスティクスセンター関西(SLC関西):アウトドア用品・雑貨(テント・キャンプ、釣り用品)
スクロール360 物流倉庫見学会特設サイト開設 物流代行サービス 対象の物流拠点
見学できる3拠点(画像はスクロール360のサイトからキャプチャ)

また、2023年9月以降の開催スケジュールは次の図の通り(2023年8月24日時点)。

スクロール360 物流倉庫見学会特設サイト開設 物流代行サービス 見学会のスケジュール
(画像はスクロール360のサイトからキャプチャ)
藤田遥

レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」導入サイトのレビュー、Q&Aの投稿数が1000万件を突破

2 years 3ヶ月 ago

ZETAは、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」導入サイトにおけるレビューおよびQ&Aの投稿数が、2023年8月時点で1000万件を突破したと発表した。

自社ECサイトのCX向上につながる

スマートフォンなどが普及したことで、ネットを介して気軽に情報を発信できるようになったことによるSNSの広まりなども影響し、「UGC(User Generated Contents)」が、マーケティングにおいて注目されるようになった。

レビュー・Q&Aなどの「UGC」は、商品やサービスの検討に不可欠なコンテンツであるとともに、顧客接点として考えられ、ECサイトの新しいコミュニケーションツールとして浸透しつつある。

ZETA VOICE レビューとQ&A件数が1000万件を突破

アパレル、化粧品、家具・家電、日用品など幅広い業界の企業が「ZETA VOICE」を導入しており、業界やトレンドに合わせた最適なコンテンツを実装している。

Q&A機能を導入したアダストリアは、実装20日間で質問数1652件、回答数7964件を達成。特にロイヤリティの高いユーザーの期待に応えたことで、自社ECサイトのCX向上につなげている。

レビュー機能を導入したDECENCIAは、ユーザーが投稿したレビューが意図せぬ形で法律に違反してしまうことを懸念し、薬機法を順守した取り組みとして「ZETA VOICE」を活用している。

直近ではベルーナ、シャディといった国内大手ECサイトが「ZETA VOICE」を導入しており、他製品との連携などで、活用場面のさらなる拡大が見込まれるという。

「ZETA VOICE」とは

サイト自体や提供する商品・サービスに対して、複数の評価軸を用いた多面な評価によるレビューコンテンツをサイトに実装できるエンジン。点数による評価やフリーコメント、スタッフレスポンスなどの機能を有するほか、投稿レビューデータの分析、A/Bテストでの活用ができる。

ZETA VOICE 主な機能
「ZETA VOICE」の機能の一部(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

マーケターが身につけたいデータ分析・統計思考/AIのプロに聞く最新トレンドなど 【Web担当者向けイベント8/29+30開催】

2 years 3ヶ月 ago

JAL、井村屋、カルビー、ヤマハなどが登壇する「デジタルマーケターズサミット 2023 Summer」を8月29・30日(火・水)に開催します。

広告主・マーケター限定のオンラインイベントで、36講演をすべて【無料】で視聴できます。その中から「非データサイエンティストこそ聞きたい講演」を3つ紹介します。

イベントの詳細を確認する↓↓

非データサイエンティストこそ押さえておきたい3つの講演!

① AIのプロに聞く最新トレンドと活用方法 ~実際のプロンプト紹介あり~
8月29日(火)16:20~17:05
講師:野口 竜司 氏(株式会社ELYZA)

AIの進化で私たちの仕事はどう変化するのか? AIの最新トレンド、AIの進化をデモで体験。業界へ及ぼすインパクトを考察する。

野口氏のセッションの詳細を確認する↓↓

名久井

AIの最新トレンドや活用方法を学んで、業界への影響や働き方変化への対応方法を考えてみましょう!

② カルビー「リテールサイエンス部」が実践!
ショッパーデータを販売提案に生かす方法
8月30日(水)16:20~17:05
講師:松永 遼 氏(カルビー株式会社)

カルビーでは、商品から顧客へ主語を変えた顧客視点での営業活動を目指し、2021年にリテールサイエンス部を設立した。リテールサイエンス部の役割や目的、取り組み内容について解説する。

松永氏のセッションの詳細を確認する↓↓

名久井

購買データ活用のコツや、リテールDXへ取り組むヒントを得てくださいね!

③マーケターが身につけたいデータ分析・統計思考
8月30日(水)13:30~14:15
講師:三好 大悟 氏(株式会社リベルクラフト)

非データサイエンティストのマーケターが身に付けたい“データ分析・統計思考”を、「広告効果測定」「Webの行動ログ解析」「A/Bテスト」などを例に解説していきます。

三好氏のセッションの詳細を確認する↓↓

名久井

「データをどう分析したら良いのかわからない!」そんなデータ分析初心者は必見の講演です。

2日間で36講演ありますので、気になったらイベントの詳細をチェックしてみてくださいね~!

イベントの詳細を確認する↓↓

オリジナル記事はこちら:マーケターが身につけたいデータ分析・統計思考/AIのプロに聞く最新トレンドなど | デジタルマーケターズサミット@8/29・30(2023/08/24)

名久井 梨香

幸楽苑ホールディングスがECモール店を閉店、通販事業から撤退する理由

2 years 3ヶ月 ago

幸楽苑ホールディングスは通販事業から撤退する。8月23日の取締役会で決議した。

ECモールで展開している通販事業は不採算事業といい、撤退で収益構造を見直す。

通販事業部は11月1日付で廃止する。「幸楽苑 楽天市場店」「幸楽苑 Yahoo!ショッピング店」は8月31日に、「幸楽苑 Amazon店」は9月30日に閉店する。

幸楽苑ホールディングスは、通販事業部は11月1日付で廃止する。「幸楽苑 楽天市場店」「幸楽苑 Yahoo!ショッピング店」は8月31日に、「幸楽苑 Amazon店」は9月30日に閉店する
楽天市場店のお知らせ(画像は「楽天市場」からキャプチャ)

幸楽苑ホールディングスは2018年に「楽天市場」へ、2020年には「PayPayモール」「Amazon」に「幸楽苑公式ショップ」を新規出店。オリジナル食品を販売している。

通販事業の撤退は、本業のラーメン事業を取り巻く経営環境が影響している。昨今の物価上昇や人手不足で店舗運営コストが大幅に上昇。2021年3月期から営業損失が続いており、2023年3月期連結業績は16億8700万円の営業赤字だった。

幸楽苑ホールディングスは2022年3月期から2026年3月期までの5か年を対象とする新中期経営計画「Kourakuen Next 500」で、通販事業を売上20億円まで引き上げる計画を掲げていた。

幸楽苑ホールディングスは2022年3月期から2026年3月期までの5か年を対象とする新中期経営計画「Kourakuen Next 500」を策定、通販事業を売上20億円まで引き上げる計画を掲げた
「Kourakuen Next 500」での売上計画(画像はIR資料からキャプチャ)
瀧川 正実

米Amazon、自社配送の出品事業者へ新たに2%の手数料を徴収へ

2 years 3ヶ月 ago

米Amazonは自社で発送する商品をAmazonプライム対象商品として販売できるプログラム「Seller Fulfilled Prime(SFP)」について、新たに対象商品の販売額から新たに2%の手数料を徴収する。適用日は10月1日から。ブルームバーグなど複数の米国メディアが報じている。

「Seller Fulfilled Prime」は、日本では「マケプレプライム」の名称で展開されているプログラム。一定の基準を満たした配送サービスを提供している「Amazonマーケットプレイス」出品者を対象に、自社配送の商品でも「Amazonプライム」対象商品として販売できる。

各メディアの報道によると、出品管理ツール「seller central(セラーセントラル)」などで、新たに対象商品の合計販売金額から2%の手数料を徴収するとアナウンスしたようだ。

米国では2015年に「Seller Fulfilled Prime」をスタート。Amazonプライムが求める品質を提供できていない自社配送事業者が増えたため、2020年に「Seller Fulfilled Prime」プログラムの登録を一時停止した。

新たに「納期遵守率」93.5%以上、「追跡率」99%以上などの要件を設定。10月1日から「Seller Fulfilled Prime」を再開すると同時に、料金プログラムでは新たに販売手数料を2%徴収するようにした。

米Amazonは自社で発送する商品をAmazonプライム対象商品として販売できるプログラム「Seller Fulfilled Prime(SFP)」について、新たに対象商品の販売額から新たに2%の手数料を徴収する
「SFP」のWebサイトでは、10月1日からの登録再開がアナウンスされている(画像はAmazonのサイトからキャプチャ)

「Seller Fulfilled Prime」にあたる「マケプレプライム」は、2016年にスタート。2021年には「標準サイズ商品の配送を全国対応」「土日出荷対応」「配送時間指標の達成」を新たな要件として追加するなど、Amazonプライム会員の期待に対応できるサービスを自社配送のEC事業者に求めている。

瀧川 正実
確認済み
1 時間 9 分 ago
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