ネットショップ担当者フォーラム

オムニチャネル、買い物しやすい導線作り、LINEを活用した会員登録――「マンゴハウス」に学ぶECサイトリニューアル成功ポイント | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

2 years 3ヶ月 ago
「かりゆしウェア」専門店を運営するマンゴハウスは、自社ECサイトリニューアルで会員数を大きく伸ばした。オムニチャネル開始や買いやすい導線の工夫など具体的な改善策を聞いた

沖縄県などで着用されるシャツ「かりゆしウェア」の専門店を運営しているマンゴハウス(本社沖縄県)。2023年4月に自社ECサイト「MANGO HOUSE(マンゴハウス)」をリニューアルするとともに、同年5月からオムニチャネルを開始した同社は、実店舗とECサイトの相互送客によってEC会員が毎月1000人以上増えるなど、大きな成果を上げています。

同社は自社ECサイトのリニューアルにおいて、どのようなことを重視したのでしょうか。リニューアルを担当した金城圭佑さんに、EC担当者としての心構えや、実際に取り組んだことをうかがいました。(聞き手:E-Commerce Magazine編集部)

金城さんがお話ししてくれた内容は、ECの現場担当者ならではの具体的かつ実践的なもので、ファッションカテゴリーにとどまらず多くのEC事業者にとって示唆に富むものでした。自社ECサイトのリニューアルを検討している企業は、ぜひ参考にしてください。

【リニューアルが成功した要因】 

  1. リニューアルの目的が明確で、リニューアル後に取り組みたい施策も具体的にイメージできていた
  2. ECサイトの設計や制作を、信頼できる制作会社に依頼した
  3. 勉強会やセミナーなどに積極的に参加し、ECの最新情報やノウハウを学んでからリニューアルに臨んだ

マンゴハウスとは?

マンゴハウスは「かりゆしウェア」の企画・製造・販売を手がけているアパレル企業です。2001年に創業し、現在は直営店「MANGO HOUSE」を沖縄県内で7店舗展開しています。

社内のデザイナーが企画した約500種類のオリジナル商品を販売。デザイナーが店頭に立って接客し、コーディネートを提案したり、顧客の声をデザインに活かしたりしています。

実店舗には国内外からの観光客が訪れるほか、普段使いの服を購入する地元のリピーターも多いそうです。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例
かりゆしウェア専門店「MANGO HOUSE」を沖縄県内で7店舗展開している

自社ECサイト「MANGO HOUSE」の運営を開始したのは2007年のこと。沖縄発のアパレルブランドとして全国に販路を拡大しました。

2015年に「futureshop」を導入し、2023年4月には「commerce creator(コマースクリエイター)」にリニューアルしました。2023年5月に「futureshop omni-channel」を使い、実店舗と自社ECサイトのポイントを共通化したほか、会員情報も一元化しています。

自社ECサイトの年商は約2000万円。現在は実店舗とECの相互送客に取り組んでおり、EC会員が月間1000人以上増えているほか、LINE経由やメルマガ経由の売り上げも伸びるなど、リニューアルとオムニチャネルの成果を上げています。

なお、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」といったECモールにも出店していますが、EC売上高の大半を自社ECサイトが占めています

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例
自社ECサイト「MANGO HOUSE」は2023年4月にリニューアルした

自社ECサイトをリニューアルした理由とは?

E-Commerce Magazine編集部(以下、編集部):本日は、自社ECサイト「MANGO HOUSE」をリニューアルした経緯や、その後の成果についてお話をうかがいます。特に、金城さんがEC担当者として心がけたことや、リニューアルオープンに向けて意識したことをお聞かせください。

マンゴハウス 金城圭佑さん(以下、金城さん):わかりました。よろしくお願いします。

編集部:早速ですが、今回のリニューアルで自社ECサイトをどのように変更したのでしょうか?

金城さん:自社ECサイトのプラットフォームを従来の「futureshop」から「commerce creator」にリニューアルし、今まで以上に買い物しやすいネットショップに作り変えました。

特に意識したのは、商品を探しやすい導線や、買い物の途中で離脱しにくいUIを作ることです。お客さまから寄せられていたご意見を参考にしたほか、顧客目線でECサイトを使ったときに私が感じた「使いにくい」「商品を見つけにくい」「わかりにくい」といったポイントを解消しました。

編集部:改善したい課題が明確だったと。

金城さん:はい。EC担当者として日々仕事をするなかで課題を抽出し、それらをリニューアルによって解決しました。

ECサイトを運営していると、やりたいことや、できなくて困ったことなどが次々と出てきます。それらを運用でカバーしたり、ECサイトのマイナーチェンジで対応したりしてきましたが、抜本的に改善するにはリニューアルが必要だと常々感じていたんです。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 運営担当者の金城さん
ECサイト「MANGO HOUSE」の運営を担当している金城さん

メニューバーを改善して商品を探しやすい導線に

編集部:買い物をしやすいネットショップを作るために、どのような機能やUIを取り入れたのでしょうか。

金城さん:改善点は多岐にわたりますが、たとえば、商品を探しやすい動線を作るためにメインメニューに「デザイナーで探す」という項目を追加しました。

弊社の強みの1つは、オリジナル商品を販売していることです。7人のデザイナーそれぞれに個性があり、商品のデザインに特徴があります。リピーターのお客さまのなかには、特定のデザイナーの商品を気に入ってくださっている方もいます。そういった弊社の強みを踏まえて、デザイナーを起点に商品を絞り込めるようにました。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 メニューバーに絞り込み条件を追加
メニューバーの「デザイナーで探す」をマウスオーバーすると、デザイナーの顔写真などが表示され、ワンクリックで商品を絞り込むことができる

金城さん:また、メニューバーには「柄で探す」という項目も追加しました。「シーサー柄」「デイゴ柄」「ドラゴン柄」「ハイビスカス柄」といった絵柄で商品を絞り込むことができるので、かりゆしウェアを着たことがないお客さまでも、好みの柄を直感的に選ぶことができると思います。

柄で商品を検索する機能は、リニューアル前にメンズカテゴリーで試験的に実装したことがありました。その結果、利用者が多く、お客さまから「探しやすい」というご意見もいただきましたので、そういったお客さまの声もリニューアルに活かしました。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 メニューバーに絞り込み条件を追加
「柄で探す」という項目も追加し、好みの柄を直感的に選べるようにした

カート投入画面に全SKUと再入荷通知ボタンを表示

編集部:買い物の途中で離脱しにくいUIを作ることも意識したとおっしゃっていましたね。どのようなUIにしたのでしょうか。

金城さん:たとえば、商品ページで「商品を選んでカートに入れる」というボタンを押すと、すべての色とサイズが一覧で表示されるようにしました。すべてのSKUを1つの画面に表示することで画面の遷移を減らし、お客さまの離脱を防いでいます

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 SKU 入荷通知ボタン設置
色違いやサイズ違いの商品が一覧で表示される。在庫切れの商品は「入荷お知らせ」のボタンに切り替わる

金城さん:また、SKUごとに在庫の有無も一目で分かるようにしました。在庫切れの商品は「入荷お知らせ」というボタンが表示されますので、それを押していただけば、再入荷した際にメールが届きます。

再入荷したことを通知する機能は、リニューアル前から実装していましたが、予約ボタンの場所がわかりにくく、利用率が低いことが課題でした。

リニューアル後は「入荷お知らせ」のボタンが購入導線のわかりやすい場所に表示されるようになりました。その結果、再入荷通知の利用者数はリニューアル前の5倍ほどに増えています。

再入荷通知機能の利用者が増えたことで、機会損失を防ぐことができています

マンゴハウスのEC事業では、小禄バイパス店の店頭在庫をEC在庫としても使用しています。そのため、小禄バイパス店の在庫がなくなるとECサイトも在庫切れになります。ただ、商品が他の店舗に残っていることもあり、そういったケースではお客さまが「入荷お知らせ」機能を使ってくだされば、売り逃しを防ぐことができるんです。

編集部:再入荷通知機能を活用して、在庫の偏在による機会損失を防いでいるのですね。

金城さん:おっしゃる通りです。

オムニチャネルを開始した理由と成果

編集部:オムニチャネルの取り組みについてもうかがいます。オムニチャネルを開始した背景には、どのような意図があるのでしょうか。

金城さん:会社全体の売り上げをさらに伸ばしていくには、実店舗とECの相乗効果を創出することが重要だと判断しました。

弊社は沖縄県内に7店舗を展開しており、多くのお客さまにお越しいただいています。しかし、以前は実店舗とECの顧客情報が一元化されていなかったため、実店舗とECで相互送客するような施策を打つことができませんでした。

また、ECサイトで買い物をしたお客さまが、過去に実店舗で買い物をしたことがあるか否かを判断することもできていませんでした。ECサイトで新規会員登録したお客さまが、実店舗のリピーターさんだったというケースもあったと思いますが、購入履歴がわからないために適切なマーケティング施策を打つことができなかったんです。そういった課題を解決することも、オムニチャネルを開始した理由の1つです。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 オムニチャネル
実店舗とECの相乗効果を創出するためにオムニチャネルを開始した

編集部:オムニチャネルを開始したことで、どのような成果が出ていますか?

金城さん:たとえば、店頭で会員登録を促すことで、「MANGO HOUSE」の会員さんが月間1000人以上増えています。会員証は実店舗とECで共通ですから、必然的にEC会員さんも同じ数ずつ増加しています。

自社ECサイトでは広告による集客をほとんど行っていないため、EC会員さんの獲得において実店舗はとても重要な動線になっています。

しかも、実店舗で商品を購入しているお客さまですので、試着ができないというECサイトの弱点もクリアできます。

編集部:店舗スタッフさんが会員登録を案内しているのでしょうか?

金城さん:はい。店頭でスタッフがご案内しています。

会員登録の流れは、まず、弊社のLINE公式アカウントに友だち登録していただき、送られてきたLINEメッセージのバナーから会員登録画面に遷移していただいています。店頭にLINEのQRコードを設置し、操作方法などは店舗スタッフがご説明しています。

編集部:会員登録にLINEを活用しているのはなぜでしょうか?

金城さん:理由は主に2つあります。

1つ目は、実店舗を訪れたお客さまが会員証を表示しやすくするためです。Webブラウザで「MANGO HOUSE」にアクセスして会員証を開くよりも、普段から使い慣れたLINE経由で会員証の画面に遷移する方が、お客さまにとって便利だと判断しました。

2つ目の理由は、LINEを通じて「MANGO HOUSE」の新着ニュースやコンテンツなどをお届けするためです。LINEでのコミュニケーションが可能になったことで、LINE経由の売り上げも増えてきました。

編集部:そういった会員獲得の動線は、リニューアル前から想定していたのでしょうか。

金城さん:はい。オムニチャネルに取り組みたいと社長に進言したとき、すでに構想を持っていました。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 オムニチャネル LINE会員登録
「MANGOHOUSE」LINE公式アカウント

信頼できる制作パートナーにECサイトの設計を依頼

編集部:自社ECサイトをリニューアルする際に、サイト構築やデザイン制作を「futureshop」の制作パートナーでもあるデザインファミリーさんとソレプロさんにお任せしたとうかがいました。

金城さん:はい。ECサイトの要件定義や設計などは、デザインファミリーさんと一緒に行いました。ECサイトのデザイン制作は、ソレプロさんにお任せしました。

編集部:制作パートナーさんとの役割分担を教えていただけますか?

金城さん:まず、リニューアルの目的やゴールをデザインファミリーさんに伝えました。仕様書や指示書を作成したわけではなく、私がやりたいことを箇条書きのようなかたちでまとめて、それをお渡ししました。

弊社からの要望を受けて、デザインファミリーさんがそれを実現する方法を考えて、提案してくださいました。

ECサイトのサイトマップや機能などの仕様が決まったら、デザインやコーディングなどをソレプロさんが行うという役割分担でした。

編集部:リニューアルはスムーズに進みましたか?

金城さん:はい。デザインファミリーさんとソレプロさんのお力添えのおかげで、リニューアルはスムーズに進みました。

私はEC担当者としてのキャリアが約3年と浅く、リニューアルは初めての経験でしたが、大きなトラブルもなく終えることができたのは、デザインファミリーさんとソレプロさんがサポートしてくださったからです。

私は、リニューアルのゴールをイメージできていたものの、それを実現するために何から手をつければよいかわかりませんでした。デザインファミリーさんとソレプロさんは、弊社の要望を的確に理解し、「一を聞いて十を知る」といったようすで動いてくださったので、とても頼もしかったです。

編集部:良い制作パートナーさんに出会えたことが、リニューアルが成功した一因だったのかもしれませんね。

金城さん:はい。その通りだと思います。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例
デザインファミリー(写真左)とソレプロ(写真右)が制作パートナーとして「MANGOHOUSE」のリニューアルをサポートした

制作パートナと出会ったきかっけはECの勉強会

編集部:デザインファミリーさんやソレプロさんに依頼したきっかけを教えていただけますか?

金城さん:2022年4月に私が参加したセミナーに、デザインファミリーの大伴社長も参加していらっしゃったことがきっかけです。

当時、私はすでに自社ECサイトのリニューアルを検討していましたので、セミナーが終わった後に大伴さんに相談しました。私がやりたいことをその場でお伝えしたところ、大伴さんは親身に耳を傾けてくださり、リニューアルの進め方についても具体的にアドバイスしてくださいました。

そのときに、デザインファミリーさんなら安心してお任せできそうだと感じました。その後、デザインファミリーさんの制作事例なども調べた上で、正式に依頼しました。

ソレプロさんはデザインファミリーさん経由で知り合いました。

編集部:セミナーに参加したことが、制作パートナーさんと出会ったきっかけだったのですね。EC業界の勉強会やセミナーに参加することは、知識やスキルを習得できるだけでなく、制作会社さんなどとのつながりを作ることができるのもメリットかもしれませんね。

金城さん:はい、そう思います。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例
EC業界の勉強会やセミナーにも積極的に参加し、学んだ知識やスキルをEC運営に活かしている

自社ECで年商5000万円をめざし「MANGO HOUSE」ならではの取り組みを加速

編集部:最後に、自社ECサイト「MANGO HOUSE」の今後の展望をお聞かせください。

金城さん自社ECサイトで年商5000万円を超えることが当面の目標です。そのためには、ECのリピーターさんをさらに増やしていくことが重要だと考えています。

リピーターさんを増やす具体的な取り組みの1つは、「futureshop」の機能を活用した「レビュー施策」です。購入日の7~10日後に、レビューの投稿方法を記載したメールをお客さまに送信し、レビューを投稿してくださったらポイントを差し上げています。

レビューが増えればECサイト全体のコンバージョン率アップにつながりますし、ポイントを受け取ったお客さまがリピーターとして再度購入してくださることも期待しています。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 レビュー
自社ECサイトにはたくさんのレビューが投稿されている

編集部:リピーターさんを増やしていくことが、「MANGO HOUSE」のさらなる成長につながるとお考えなのですね。

金城さん:はい。そして、「MANGO HOUSE」のファンを増やすために、「MANGO HOUSE」らしい取り組みを続けていきたいと考えています。

たとえば、弊社のスタッフが自発的に投稿しているブログは、弊社らしさが伝わるコンテンツだと思います。ブログを読んだお客さまが、弊社のブランドやスタッフに親近感を持ってくださったら嬉しいです。

また、弊社の商品を着用して「かりゆしウェディング」を挙げたお客さまの写真を掲載している特集ページも、弊社ならではのコンテンツだと自負しています。これからも、お客さまとの距離が近いお店であり続けたいです。

そして、弊社はECサイトの撮影・採寸・原稿や、商品ページへのアップロードなどの業務をデザイナーが行っています。商品のことをもっともよく知っていて、思い入れもあるデザイナーがECサイトのコンテンツを作ることで、リアルで熱量の高い商品ページになると考えています。

こうした「MANGO HOUSE」ならではの取り組みを今後も強化していくことで、お客さまから選ばれるネットショップを作っていきたいです。

フューチャーショップ futureshop かりゆしウェア専門店 MANGO HAOUSE マンゴハウス 自社ECリニューアル事例 オリジナルコンテンツ
かりゆしウェディング(写真左)やスタッフブログ(写真右)など、オリジナルのコンテンツページも自社ECサイトのドメインで運営している

取材を終えて

今回のインタビューを通じて、明確な目的意識を持ってリニューアルに臨むことの大切さを、あらためて強く感じました。そして、EC担当者としての日々の仕事のなかで、EC運営の課題を抽出し、セミナーや勉強会にも参加してECの知見を深めるなど、金城さんの日々の努力の積み重ねがリニューアルの成功につながったのでしょう。また、信頼できる制作パートナーにリニューアルを依頼したことも、とても重要なポイントだったと思います。

ECサイトのリニューアルを検討している企業は、今回ご紹介した「MANGO HOUSE」の取り組みを参考にしてみてはいかがでしょうか。

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

E-Commerce Magazine

イオンリテールがECのマーケットプレイスを立ち上げへ。シニアケアのプラットフォーム事業内で展開

2 years 3ヶ月 ago

イオンリテールは介護用品に関するECマーケットプレイスを2024年度中に立ち上げる。介護関連商材を扱う企業が出品・出店し、手数料などで収益を立てる。

その一環として9月7日、シニアケアや介護に必要な情報・商品・サービスを提供するプラットフォーム「My SCUE(マイスキュー)」の運営を始めた。

シニアケアや介護に必要な情報・商品・サービスを提供する「My SCUE(マイスキュー)」
シニアケアや介護に必要な情報・商品・サービスを提供する「My SCUE(マイスキュー)」

「My SCUE」は、シニアや介護に携わるユーザーに向けたプラットフォームで、情報サイトの運営、会員向けサービスの提供、イベントの企画などを展開。2024年度からはECマーケットプレイスの立ち上げ、店舗相談窓口の運営も始める。

介護に関する情報や記事、ブログ、コミュニティのほか、専門家やパートナー企業に相談・質問できるようにする。

イオンリテールは総合スーパーを展開するさまざまな商品やサービス提供のほか、健康増進に関わるグループ各社や取引先のネットワークを活用。シニアケアの負担と不安を軽くすることを目的としたサイト運営をめざす。

瀧川 正実

ZETA、「ZETA CXシリーズ」対象製品の新規導入でポイントバック施策の費用を一部負担するキャンペーンを実施

2 years 3ヶ月 ago

ZETAは、「ZETA CXシリーズ」の対象製品を新規導入した企業を対象に、企業のポイント還元施策の費用を一部負担するキャンペーンを実施する。

ZETAが提供する4製品が対象

キャンペーンは、ZETAが提供するマーケティングソリューション「ZETA CXシリーズ」のなかから対象製品を新規導入すると、初期12か月分におけるユーザーポイント還元の費用の一部をZETAが負担するというもの。

ZETA ZETA CXシリーズ 対象製品の新規導入で、自社サイトのポイント還元施策の費用を一部負担
対象製品の新規導入で、ポイント還元施策の費用の一部をZETAが負担する

対象製品、ZETAの費用負担額、セット導入のパターンは次の通り。

対象製品および費用負担額(いずれも税抜き)

  • レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」:月額2万円×12か月、合計24万円
  • ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」:月額3万円×12か月、合計36万円
  • OMO・DXソリューション「ZETA CLICK」:月額3万円から×12か月、合計36万円から
  • ECキュレーションエンジン「ZETA BASKET」:月額2万円×12か月、合計24万円

新規導入のセットパターンおよび費用負担額(いずれも税抜き)

  • 「ZETA VOICE」+「ZETA HASHTAG」+「ZETA BASKET」:合計84万円
  • 「ZETA VOICE」+「ZETA HASHTAG」+「ZETA CLICK」:合計96万円から
  • 「ZETA VOICE」+「ZETA HASHTAG」:合計60万円
  • 「ZETA VOICE」+「ZETA BASKET」:合計48万円
  • 「ZETA VOICE」+「ZETA CLICK」:合計60万円から
  • 「ZETA BASKET」+「ZETA HASHTAG」:合計60万円
  • 「ZETA BASKET」+「ZETA CLICK」:合計60万円から

「ZETA CXシリーズ」とは

「ZETA CXシリーズ」は、パーソナライズと消費者への価値提供による良質な購買体験の実現、透明性の高いマーケティングの実践をサポートするソリューション。

EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」、ECキュレーションエンジン「ZETA BASKET」、OMO・DXソリューション「ZETA CLICK」をはじめとする8つのラインアップを展開している。

ZETA ZETA CXシリーズ 製品ラインアップ
「ZETA CXシリーズ」の製品ラインアップ(画像はZETAサイトからキャプチャ)
藤田遥

【今日(9/8)15時~】中小企業の課題解決&イノベーション創出会社になるヒントを学べるAmazon主催セミナー

2 years 3ヶ月 ago

アマゾンジャパンは9月8日(金)15時から、中小企業のビジネスに役立つオンラインセミナーを配信する。

Amazon Academy「多様性が加速させる中小企業のイノベーション」~日本社会や企業が直面する課題を、産学官の視点で課題の解決策、方向性を考えるイベント~
※ 主催者のAmazonさんが用意したページにジャンプします

9月8日(金)15:00-16:15の時間帯に、オンライン(Amazon Japan公式YouTubeチャンネル)でLive配信する。

セミナー情報(amazon academyのサイトからキャプチャ)

「パーパス経営: 30年先の視点から現在を捉える」の著者、経産省、イノベーションを創出している中小企業が登壇し、

  • 中小企業のイノベーション
  • 多様性やパーパス経営
  • 社会に新たな価値を生み出す経営
  • ECビジネス

などについて講演、パネルディスカッションを行う。産学官の視点から、中小企業が抱える課題の解決策やめざすべき方向性を学ぶことができる。

対象者は、企業の経営層、経営企画やマーケティング、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)担当、多様性とイノベーションの関係に関心がある人、パーパス経営に関心がある人など。

開催概要

  • 名称:Amazon Academy「多様性が加速させる中小企業のイノベーション」~日本社会や企業が直面する課題を、産学官の視点で課題の解決策、方向性を考えるイベント~
  • 日時:9月8日(金)15:00-16:15
  • 視聴方法:オンライン(Amazon Japan公式YouTubeチャンネル)でLive配信
  • 詳細と申し込みhttps://amazon-academy.jp/
     
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ユニクロが拡大を進める「リペア」「リサイクル」のカスタマーサービス「RE.UNIQLO STUDIO」、 新たに6店舗で展開

2 years 3ヶ月 ago

ユニクロは服の「リペア」「リメイク」「リサイクル」などを実店舗で提供する「RE.UNIQLO STUDIO(リ・ユニクロ スタジオ)」を拡充する。

グローバル旗艦店である銀座店とUNIQLO TOKYOに新設するほか、浅草店、御徒町店、札幌の「東急百貨店さっぽろ店」、大阪の「あべのキューズモール店」にも設置、新たに6店舗を開設する。すでに設置済みの店舗を含め、全9店舗でサービスを提供する。

ユニクロが進める「RE.UNIQLO」は、ユニクロ商品を対象にリサイクル、リユースなどを実店舗で提供する取り組み。リメイクサービスでは、コラボレーション商品は対象外。

リサイクルでは、顧客が不要になった服を回収し、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じて難民キャンプなどに寄贈、あるいは新しい服の原料やエネルギー資源、資材として活用している。

この取り組みを実現するため、「RE.UNIQLO STUDIO」では実店舗でのリペア、リメイクのサービスに加え、服のリサイクルボックスも設置・回収を呼び掛けている。

「RE.UNIQLO STUDIO」は、ドイツの店舗で顧客とスタッフが服のアップサイクルのワークショップを行ったことから誕生。その後、リペアやカスタマイズサービスを加え、米国のSohoニューヨーク店、シンガポールのアン・モキ・オ店、台湾の台北店などでもスタートしてる。

現在、英国・ロンドンのリージェントストリート店や、フランス・パリのリヴォリ店、デンマーク・コペンハーゲンのストロイエ通り店などにも拡大し、13の国と地域・25店舗で「RE.UNIQLO STUDIO」を設置している(8月30日現在の店舗数)。

「RE.UNIQLO STUDIO」は、ユニクロの服作りのコンセプトである「LifeWear」を進化させ、服を大切に着続けてもらうためのサポートを行う場として発展させていくとしている。

瀧川 正実

ヨドバシカメラが「Makuake」発の人気商品の売り場拡大/吉野家がECサイトの「送料無料」表示を「送料込み」に変更【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years 3ヶ月 ago
2023年9月1日~2023年9月7日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ヨドバシカメラ、「Makuake」発の人気商品の売り場を拡大

    ヨドバシカメラはマクアケとの協業を加速し、旗艦店の「ヨドバシカメラ 新宿西口本店」、吉祥寺、仙台、横浜、京都、名古屋、博多の各店で順次、「Makuake SHOP」をオープンする

    2023/9/5
  2. 吉野家がECサイトの「送料無料」表示を「送料込み」に変更、「2024年物流問題に積極的に取り組む」

    吉野家は「『送料無料』の表現を順次、『送料込み』の表現に変更する」とし、「2024年物流問題」に関して積極的に取り組むとしている

    2023/9/4
  3. 中国・米国向け越境EC市場は約3.5兆円で6%増。中国向けは約2.2兆円、米国向けが約1.3兆円【2022年の海外向けEC規模】

    2022年の中国・米国向け越境EC市場は前年比6.0%増の3兆5625億円。2021年の伸び率は14.8%だった

    2023/9/1
  4. 約14兆円の物販系EC市場、カテゴリー別規模とEC化率、市場動向【2022年の電子商取引調査まとめ】

    経済産業省が8月31日に発表した「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」。物販系分野のBtoC-EC市場規模は、同5.4%増の13兆9997億円で、EC化率は同0.4ポイント増の9.1%

    2023/9/4
     
  5. KDDIの「au経済圏」を攻略するには? ECモール「auPAYマーケット」の特徴+最新動向を解説

    出店すれば、1億人以上の利用者を持つau経済圏にアプローチできる「auPAYマーケット」。初回購入者のリピーター化や若年層の新規獲得に成功している秘訣とは?

    2023/9/5
     
  6. 「送料無料」表示を見直す場合は「送料弊社(社名)負担」などコスト負担の明示を。「小売業全体で取り組むことを希望」

    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した

    2023/9/6
     
  7. 法人向けのBtoB-EC市場規模は420兆2354億円。最新トピック+業種別の市場規模、EC化率は?【2022年の電子商取引調査】

    経産省の電子商取引調査では、「建設・不動産業」「製造業」「情報通信業」「運輸業」「卸売業」、「小売業」「金融業」「広告・物品賃貸業」「旅行・宿泊業、飲食業」「娯楽業」の全20業種を推計対象業種としている

    2023/9/5
     
  8. 覚えやすく愛されるネーミングとは? 売れる商品名の付け方をプロのコピーライターに聞いた

    ショップ名、ブランド名、商品名など売り上げを左右する”愛され”ネーミングのコツを、コピーライターの小藥元さんに伺いました

    2023/9/4
     
  9. 中国小売・EC市場でニーズ拡大のペット産業。「エンプティネスト」が市場拡大を後押ししている背景とは

    中国では今後、政府、企業、協会が一体となり、ペット産業の大規模化を進めていくでしょう。少子化と「エンプティネスト経済」の進展が、ペット産業の拡大を後押しすると予想されます。

    2023/9/4
     
  10. 「京セラ」「日産」などによるメタバース活用術+メタコマースの可能性と成功ポイントを解説

    メタバース事業を推進しているアダストリアの広告宣伝部 メタバースプロジェクトマネージャーの島田淳史が、メタバース市場の最前線と成功事例を解説。本稿では各社の成功事例や市場の動向を語る【第2回】

    2023/9/6
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

カゴ落ちの理由の 1位は「送料への不満」で28%、「商品の価格に不満」が26%、「詳細を見たらイメージと違った」が23%

2 years 3ヶ月 ago

システムインテグレータが公表した「EC消費者意識調査レポート」(対象はEC利用者800人)によると、ECサイトで商品購入をやめた理由のトップは「送料に不満があった」(約3割)だった。

買い物カゴに商品を入れたものの途中で離脱してしまったカゴ落ちについて、「送料に不満があった」は28.8%。「商品の価格に不満があった」が26.6%、「商品の詳細を見たらイメージと違った」が23.6%で続いた。「購入をやめたことはない」は34.3%。

システムインテグレータが公表した「EC消費者意識調査レポート」 カゴ落ちの理由
カゴ落ちの理由について

商品を購入するチャネル聞いたところ、78.9%が「Amazon」「楽天市場」といったショッピングモール型ECサイトが多いと回答。事業者独自のECサイトで購入することが多いと回答した割合は23.3%。実店舗は31.4%。ショッピングモール型のECアプリの利用割合は33.6%だった。

システムインテグレータが公表した「EC消費者意識調査レポート」 商品を購入するチャネルについて
商品を購入するチャネルについて

ECサイトで欲しい商品の在庫状況を見て店舗へ足を運んだと回答した割合は39.0%。一方、ECサイトで店頭在庫状況を見たことがないは41.6%に達している。ECサイトで店頭在庫状況を見たもののその情報を店舗へ確認しに行かなかったと回答したのは19.4%だった。

システムインテグレータが公表した「EC消費者意識調査レポート」 店頭在庫の確認について
店頭在庫の確認について

商品購入のきっかけとなる媒体は「Web」で64.8%と最多。「店頭」が47.9%、「メール」が23.0%、「SNS」が22.0%で続いた。

システムインテグレータが公表した「EC消費者意識調査レポート」 購入のきっかけとなる媒体について
購入のきっかけとなる媒体について

調査概要

  • 調査主体:システムインテグレータ
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査対象:直近3か月以内にECサイトを利用、かつ年1回以上の頻度でECサイトを利用する全国の男女800人
  • 調査時期:2023年6月
ネットショップ担当者フォーラム編集部

楽天、フリマアプリで偽造品の撲滅図る「ラクマ鑑定サービス」を試験提供。コメ兵との提携で実現

2 years 3ヶ月 ago

楽天は9月下旬から、フリマアプリ「楽天ラクマ」で、商品を購入したユーザーが商品の検品を依頼できる「ラクマ鑑定サービス」をコメ兵と共同で試験提供する。

9月7日に試験提供に合意したと発表した。個人間取引の安心感を高め、二次流通のさらなる活性化を図る。

楽天 楽天ラクマ コメ兵 リユース 検品 二次流通 フリマ

「ラクマ鑑定サービス」は、コメ兵が自社の基準に沿ってブランド品を検品するサービス「KOMEHYOカンテイ」と連携し、「楽天ラクマ」のユーザー向けに提供するサービス。コメ兵を通じてプロが目利きし、直接検品する。

「楽天ラクマ」で商品を購入したユーザーが、商品に不安を感じた場合などに「楽天ラクマ」の取引画面から申請し、指定された住所にユーザーが梱包した商品を発送することで、鑑定のプロが商品の検品をする。

コメ兵との提携で試験的に提供を始める「ラクマ鑑定サービス」
コメ兵との提携で試験的に提供を始める「ラクマ鑑定サービス」

従来、「楽天ラクマ」に出品されている商品の一部には、オンライン上で得た情報のみでブランドの真偽を判定するには不確実なものがあり、課題となっていたという。

今後はユーザーの反応を見ながら、ユーザビリティを高めるための改善を進める予定としている。

楽天は今回の提携を踏まえて、一般社団法人日本流通自主管理協会(以下「AACD」)の賛助会員に登録。「楽天ラクマ」のさらなる健全なプラットフォーム構築をめざす。「KOMEHYOカンテイ」を外部に初提供するコメ兵も、AACDの「検品事業者」登録を行った。

「ラクマ鑑定サービス」の概要

  • 開始日程: 試験運用を2023年9月下旬から開始予定
  • 対象カテゴリ: ブランドバッグ、衣料、時計など
高野 真維

イオンリテールがEC本部を新設。「ネットスーパー」「イオンショップ」「イオンスタイルオンライン」を1つの本部に統合

2 years 3ヶ月 ago

イオンリテールは9月6日付で、ネットスーパー本部とイオンスタイルオンライン本部を統合し、EC本部を新設した。

EC本部は、イオンリテールが展開している「ネットスーパー」「イオンショップ」「イオンスタイルオンライン」の3チャネルを1つの本部で管轄するための組織。チャネルごとのプラットフォーム、システム、オペレーションなどを最適化し、相乗効果を高めるとしている。

EC本部には、ネットスーパー推進部、イオンショップ推進部、イオンスタイルオンライン推進部を配置。新たにEC戦略部を設置した。ECシステム部はイオンスタイルオンライン推進部に改称した。

EC本部長には、ネットスーパー本部長兼イオンショップ推進部長だった藤岡慶太氏が就いた。

瀧川 正実

エアークローゼット、3.3万か所の郵便局とローソンを返却拠点に追加。日本郵便との連携でサブスク服の利便性アップ

2 years 3ヶ月 ago

月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」を運営するエアークローゼットは、レンタル商品の返却拠点に全国約3万3600か所の郵便局とローソンを追加した。

日本郵便の「e発送サービス 宛先ご指定便」の導入で返品拠点を拡大した。商品の配送先、利用者による返却方法の拡充で「airCloset」の利便性向上を図る。

エアークローゼット アパレル ファッション サブスクリプション レンタル EC 日本郵便 連携

複数配送事業者との連携でサービスの利便性アップ

「airCloset」は日本郵便以外に、

  • ヤマト運輸
  • 佐川急便
  • 三菱商事の発送サービス「SMARI」
  • CBcloudの100%子会社MagicalMoveの宅配サービス「Scatch!」

とのサービス連携をすでに実施している。今回はこれに日本郵便を加えた。

エアークローゼットは各社や郵便局と連携しサービスの利便性向上を図っている
エアークローゼットは各社や郵便局と連携しサービスの利便性向上を図っている

「airCloset」では発送に加えて返送が発生するため、商品を個品単位で管理し還流・再生して何度も回転させる「循環型物流」の仕組みを構築してきた。物流領域では、ヤマト運輸のEC事業者向けAPIの国内初導入、自社開発したWMS(倉庫管理システム)の運用などを実施している。

今後は、こうしたエアークローゼット独自の循環型プラットフォームの外部提供を通じて、サブスク/シェアリングサービスの拡大をめざしている。

エアークローゼットが持つ循環型プラットフォームの活用イメージ
エアークローゼットが持つ循環型プラットフォームの活用イメージ

トラックドライバーの時間外労働を規制する物流業界の「2024年問題」。諸問題の1つとして商品の配送遅延などが予想されている。エアークローゼットによると、複数の配送会社と連携することがリスクの分散に有効という。

「airCloset」は早朝深夜帯の時間指定や自宅に加えてコンビニ受け取りにも対応。これにより不在配送の減少に貢献し、社会的な再配達問題の解決にも寄与したい考え。

2024年6月期は売上高39億円を計画

エアークローゼットは創業以来、9期連続で売上高の成長を維持している。2024年6月期の売上高は39億2600万円を見込む。

エアークローゼットの売上高推移と2024年6月期の計画(画像はエアークローゼットのIR資料から編集部がキャプチャ)
エアークローゼットの売上高推移と2024年6月期の計画(画像はエアークローゼットのIR資料から編集部がキャプチャ)

将来的には事業を100億円規模に拡大する計画。これに向けて、顧客基盤の拡大などを掲げている。

エアークローゼットが成長方針として打ち出している方向性(画像はエアークローゼットのIR資料から編集部がキャプチャ)
エアークローゼットが成長方針として打ち出している方向性(画像はエアークローゼットのIR資料から編集部がキャプチャ)
高野 真維

4割が配送料を抑えるために「長めの配送オプションを選択する」。消費者1000人に聞いた満足度の高い配送方法【2023年調査】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2 years 3ヶ月 ago
オンライン通販利用者は各社の配送サービスについて内容を吟味し、選んでいます。調査結果から見る消費者の本音とは?

ECビジネスにおいて、質の高い配送・配達サービスは、顧客に満足度の高い購入体験を提供するために不可欠です。小売事業者はこの観点で満足度を高めるため、懸命に努力しています。消費者は昨今、配送・配達サービスにどのような所感を持っているのでしょうか。また、小売事業者はどのような点を改善、強化すれば顧客満足度の向上に直結するのでしょうか。調査結果からこれらを解説します。

記事のポイント
  • 消費者がオンライン通販事業者を選択する場合、送料無料が店舗選定の最大要素
  • オンライン通販利用者の77%が、過去6か月間の配送状況について10点中8点以上と評価
  • オンライン通販利用者の39%が、注文商品の在庫切れで注文を断念。23%が同様の事情で注文をキャンセル

配送は商品の質、価格に次ぐ重要トピックス

事業者が販売する商品とその値付けは顧客満足のスタートラインですが、同時に、配送と配達が担う役割も大きくなっています。商品がどんなに良くても、配送や配達に不備があった場合、消費者はそのことを忘れないからです。

米国のEC専門誌『Digital Commerce360』と調査会社のBizrate Insigtsは2023年、オンライン通販利用者1017人を対象に、配送体験、期待値、配送対応、環境への配慮が、消費者の選択にどのように関わっているのかについて調査しました。

調査実施年 オンライン通販利用者調査の調査人数
2023 1017人
2022 1116人
2021 1032人
2020 1000人

オンライン通販利用者は配送サービスに“おおむね満足”

オンライン通販を利用した消費者の77%が、過去6か月間の配達に対して10点満点中8点以上と評価しています。平均を上回る6点から7点だったのは15%で、5点以下は8%にとどまりました。オンライン配送に対する消費者の満足度はほぼピークに達しています。8点以上の評価を4年間で見ると、2023年の数値は過去の高水準と同等となっています。

調査実施年 過去6か月間の配達に対して8点以上のスコアが占める割合
2023 77%
2022 67%
2021 77%
2020 79%

多くの小売事業者が2023年の業績を維持、もしくはそれを上回ろうと、自社のサービス面の欠点を理解して配送を強化しています。それは、オンライン通販利用者から信頼を得て、今後も利用者から支持を集めることに直結するからです。

過去6か月間のオンライン注文の配送の満足度(10段階評価。出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
過去6か月間のオンライン注文の配送の満足度(10段階評価。出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

大多数の消費者が「送料無料」に引かれる

買い物をする小売事業者を選ぶとき、オンライン通販利用者の多くが重要視するのは、支払い料金の節約につながる要素です。その最たるものが、アンケート回答者の82%が1位に選んだ、送料を事業者が負担する「送料無料」です。

このほか、「返品送料無料」も小売事業者を選ぶトップ5に入っており、リスクの少ない買い物ができる点から消費者の間で人気となっています。

小売事業者が送料無料を提供できない、あるいは提供しない場合でも、「リーズナブルな配送料金の設定が購入の決め手になる」と38%が回答しています。

オンライン通販事業者を配送・配達の観点から選ぶ場合に最も重要な要素(上位5位まで選択。出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
オンライン通販事業者を配送・配達の観点から選ぶ場合に最も重要な要素(上位5位まで選択。出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

配送の重要な要素、2位は「スピード」

オンライン通販利用者は、Amazonの利用経験によって注文商品を早く受け取ることに慣れています。そのため、配送サービスで重要視する要素の第2位には配送スピードがランクしました。各小売事業者は、消費者の期待が高まるなか、最も望ましいロジスティクスソリューションと関連コストを精査する必要があります。アンケートで評価されているのは、「翌日配送」が23%、「当日配送」は17%とわずかな差でした。

一方、「サステナブルな配送方法」はまだ8%にとどまっており、消費者の注目を集め始めたばかりです。商品の「ロッカーでの受け取り」は興味深いサービスですが、調査対象者の7%しか評価していませんでした。

59%が商品在庫の有無を意識

商品在庫の確保は3番目に重要な要素で、アンケート調査では59%が商品の在庫と出荷準備が整っていることが重要だと回答しています。商品在庫は不可欠なため、小売事業者は常に在庫が十分かどうかを気を付ける必要があります。

質の高いカスターサービス」もオンライン通販利用者が重要視する要素のトップ5に入り、回答者のうち52%が評価しています。また、30%の回答者が、配送経験に関するカスタマーレビューを評価。このほか、27%が、小売事業者の返品ポリシーが柔軟で、買い物をする際に選択肢があることを高く評価していると回答しました。

回答者のうち17%が「店舗での返品対応」をあげており、これはオムニチャネル集荷機能(8%)を支持する人の約2倍でした。実店舗でのカーブサイド返品(車中からの商品返品)は8%と低い結果となりました。

12%が配送のスピードアップの料金を追加

ほとんどの消費者が送料無料サービスを享受していますが、状況に応じて送料を支払う場合もあります。送料無料は消費者からの人気が高いですが、多くの消費者は日常的に送料を支払っています。オンライン通販利用者の4人に3人が送料無料を利用しているものの、半数の利用者は送料を支払うことがあり、12%は通常の配送よりも早く商品を受け取ることができる「スピード配送」の料金を支払っています

当日配送サービスは、Amazonが広く提供していることを考えると、オンライン通販利用者にとってより重要な要素になりつつあります。オンライン通販利用者の経験では、39%がAmazonの当日配送で購入。さらに、25%が実店舗を持つECサイトから購入し、15%がAmazon以外のEC専業サイトから購入しています。

過去6か月間のオンライン注文のなかで利用したサービス(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
過去6か月間のオンライン注文のなかで利用したサービス(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

多くのユーザーが支払いを抑えられる配送オプションを支持

消費者の多くは支払いを抑えるために、「長めの配送オプションを選択する」(46%)、「送料が高すぎるため商品の注文を断念する」(36%)という行動を選択。また、「消費税が高すぎるため注文を断念する」(7%)という回答もありました。

過去6か月間のオンライン注文で経験したこと(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
過去6か月間のオンライン注文で経験したこと(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

商品在庫の欠品による、注文した商品の到着の遅れは依然として懸念事項であり、小売事業者と消費者の双方にとって在庫切れと配送の両方が頭痛の種となっています。調査によると、39%が在庫切れで注文を断念し、31%が在庫や配送の問題で注文が遅れ、23%が同様の事情で注文をキャンセルしています。

到着のタイミングも重要

配送のタイミングも重要となります。オンライン通販利用者の29%が注文を断念した理由として、「時間内に届かない、配達に時間がかかりすぎる」(20%)、「納期(=配達日)が不明確」(12%)と回答。一方、「当日配送が不可能な場合に注文を断念した」と答えたのはわずかに7%でした。さらに8%は、置き配で配達された商品を泥棒されたり、荷物の盗難の被害に遭ったと答えています。

店舗での配送対応はアピールポイント

オムニチャネルは今や定着したサービスで、調査回答者の38%が注文を受け取るためにBOPIS(オンラインで購入した商品の店頭受け取り)を利用し、31%がカーブサイド(商品の車中受け取り)オプションを利用していることから、BOPISやカーブサイドオプションは店舗型の小売事業者が整えておくべきサービスといえます。

過去6か月間に、オンラインショッピングで利用した配送や返品(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
過去6か月間に、オンラインショッピングで利用した配送や返品(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

従来のタッチポイント以外で荷物を受け取ることができる場所については、14%が指定した受け取り場所を利用したと回答し、同数がAmazonが運営する店舗、またはAmazon以外の場所にあるAmazonのロッカーで注文を受け取ったと回答しました。受け取りロッカーで注文を受け取った人は7%でした。

23%がAmazonの商品を実店舗に返品

最も注目すべき傾向としては、オンライン通販利用者の23%がAmazonの商品を実店舗に返品していることです。これは、「オンラインで注文した商品を小売店の店舗で返品した」と回答した20%を上回る結果です。興味深いのは、21%の商品は返品せず消費者の手元にとどめておくように言われ、返金処理のみが行われたことです。

その他の返品方法は、実店舗に返品(5%)、商品などの物を預けるドロップオフポイントに返品(5%)、カーブサイド返品(5%)となっています。

環境には「関心あるが、お金を余分に支払うほどではない」

消費者は環境保全への関心を示すようになってきていますが、2023年の調査データによると、必ずしもそのためにお金を払うことを望んでいるわけではなく、「関心がある」(53%)、「関心がない」(27%)、「意見がない」(20%)という結果になっています。

環境に配慮した取り組みを支持するにはコストがかかるため、消費者は自分の選択とそれが環境に与える影響について理解する必要があるでしょう。年々、より多くのオンライン通販利用者が、配送方法に関して意見を述べ、環境保護の立場を採るようになっています。環境に関する意見の変化は以下の通りです。

  2023 2022 2021
関心がある 53% 50% 44%
関心がない 27% 21% 23%
意見なし 20% 29% 33%
小売事業者の方針や出荷方法に関する環境問題への関心について、消費者の考え(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
小売事業者の方針や出荷方法に関する環境問題への関心について、消費者の考え(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

最も快適な配送は自宅前の荷物受け

従来の配達方法とは異なる配達に対する消費者からの評価は分かれますが、自宅の前での荷物受け取りが最も快適であることに変わりはありません。

オンライン通販の利用者が便利に感じる配送サービス(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
オンライン通販の利用者が便利に感じる配送サービス(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)

2023年から2021年までの3年間における、自宅での配達と、商品を注文した消費者の在宅/留守にかかわらず、指定されたガレージや冷蔵庫まで生鮮品を届ける配送サービス「インホーム・デリバリー」の快適性を表す数値は以下の通りとなっています。

  2023年 2022年 2021年
家の前にある荷物の受け取り場所 71% 80% 76%
インホーム・デリバリー 52% 60% 54%
ガレージ内配達/荷物受け 40% 57% 44%
自動運転車による配達  34% 53% 36%
ドローンによる配達 31% 52% 39%

オンライン通販利用者の多くは、配送で問題が発生した場合の保証を求めています。回答者の54%が小売事業者からの保証を望んでおり、配送業者からの保証も53%と僅差で続いています。また、以下のような情報は消費者にさらなる安心感を与えます。

  • 他のオンライン通販利用者からのフィードバック(33%)
  • 評判の良い情報源の情報(28%)
  • 配送会社からの情報(27%)
  • 小売店からの情報(24%)

消費者がオンライン通販の利便性をより感じるためには、ロケーションとセキュリティの設定が重要となります。自宅のセキュリティシステムとガレージセキュリティシステム(信頼できる情報源からの代替デリバリーオプションに関する情報)は、オンライン通販利用者の28%が最も信頼しています。さらに26%のオンライン通販利用者が、「ロケーションによってはより安全だと感じる」という回答をしています。

代替的なデリバリーオプションを利用する際に、あるとより快適になると思う要素 (出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
代替的なデリバリーオプションを利用する際に、あるとより快適になると思う要素 (出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2023年に実施したオンライン通販利用者1017人への調査)
◇◇◇

注文した商品の配送と配達に関する消費者の満足度は、年々高くなっています。小売事業者によって、送料無料サービス、迅速な配送、商品の在庫が十分に用意されていることは、これまでに続き、消費者が小売事業者を選ぶ際の決め手になり得ます。

小売事業者は、送料無料が消費者にどのように利用されているかを再評価し、定期的に検証する必要があります。また、注文された商品の即日配送がどれくらい選択されているかをチェックすることは、市場における競争の状況や、日々変化し続ける消費者のニーズを理解することにつながります。

支払い料金の節約につながるサービスと、注文した商品が早く配達されることは、消費者から常に需要があります。このほか、小売事業者と消費者の双方が環境保護のための選択肢を視野に入れることで、地球環境に配慮したソリューションがこれまで以上に提供されることを期待したいものです。同じ地球に生きる私たちは皆、運命共同体なのですから。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

そごう・西武が千葉店に開設する食のOMOストア開設とは? ECと実店舗の垣根を超えたファン作りを実現

2 years 3ヶ月 ago

そごう・西武は、そごう千葉店に店頭とECで顧客・商品・在庫情報を統一したOMOストア「food edit Chiba(フード エディット チバ)」を9月28日に開設する。

実店舗とECの垣根を越えた購買体験を提供するほか、試食などのイベントも実施できるため、出店者が顧客と直接つながる場にもできる。

そごう・西武 food edit Chiba OMO オムニチャネル EC 千葉 食品

「CHOOSEBASE SHIBUYA」のノウハウを活用

OMOストアは、2021年9月に開業した「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」に続く2店舗目。百貨店の強みである「編集力」「リアルの場」、これまでに「CHOOSEBASE SHIBUYA」で培ったOMOの仕組みを活用し、生産者と顧客、地域をつなぐ場をオンライン・オフラインの双方で提供する。

消費者による「food edit Chiba」の利用イメージ
消費者による「food edit Chiba」の利用イメージ

「food edit Chiba」で取り扱うのは、千葉県内の食に関連する商材・ブランドで、千葉の産業活性化を見込む。出店フローは販売商品の登録と納品のみ。商品展示作業、販売員の手配、在庫管理、売上管理、販売促進などの付帯業務はそごう・西武が行う。今まで百貨店への出店が難しかったブランドや生産者の出店ハードルを下げる。

そごう千葉店のOMO施策としては、デパ地下食品の配送「e.デパチカ」、「リモートショッピング」に続く新たな展開となる。

出店ブランドの一例は下記の通り。

つけ麵を展開する「中華蕎麦とみ田」
つけ麵を展開する「中華蕎麦とみ田」
地産品を使用し、成田空港ならではの視点で開発した商品を扱う「NARITA AIRPORT to TABLE」
地産品を使用し、成田空港ならではの視点で開発した商品を扱う「NARITA AIRPORT to TABLE」
千葉県・館山市の蒸留所で製造したオリジナルジン「TATEYAMA GIN」
千葉県・館山市の蒸留所で製造したオリジナルジン「TATEYAMA GIN」

「food edit Chiba」の概要

  • オープン日:2023年9月28日(木)
  • 場所:そごう千葉店 地下1階   
  • 売場面積:約45平方メートル
  • 出品企業:約30社   
  • 扱い品目:主に千葉県内で生産・加工された食料品
高野 真維

【ジャンル別売上高ランキング2023】「家電」はジャパネットが2487億円で1位、ヨドバシカメラが2094億円で2位など | 通販新聞ダイジェスト

2 years 3ヶ月 ago
足元では、アフターコロナの市況や、原材料の高騰などが事業者の業績に大きく影響している。市場における総合通販、家電通販各社の動向をランキングから紹介する

通販新聞社は8月、「第80回通販・通教売上高ランキング調査」を実施し、売上上位300社の通販売上高を調査し、ランキングを発表した。当該ランキングのなかから、「総合通販」「家電」「家具」「メーカー通販」を展開する上位の通販実施企業の直近の売上高を記載したランキング表を掲載しつつ、各分野の主要プレイヤーの状況と各市場の動向などを見ていく。

「総合通販」の売上高ランキング
「総合通販」の売上高ランキング

<総合通販>原材料の高騰など影響

テレビや紙媒体での総合通販(ネット専業除く)を展開する通販事業者のうち、売上高上位10社を抜粋した。そのなKから注目すべき各社の前期の状況を見ていく。

1位:ジュピターショップチャンネル/ファッション関連が好調

1位のジュピターショップチャンネルは撮影スタジオ内にファッションに特化したスタジオを常設するなどし、番組内での演出などを工夫・強化したり、新商品を積極的に投入するなどしたファッション関連商品の売れ行きが好調だったほか、食品の売れ行きなども伸びたが広告宣伝削減のために昨年まで特別編成のセール時などにあわせて投下していた新聞広告やインフォマーシャルの出稿を効率のよい媒体に絞った影響で若干の減収となった。

2位:ベルーナ/主力のアパレル・雑貨は鈍化も、グルメ好調

2位のベルーナのベルーナは、主力のアパレル・雑貨事業において、新型コロナウイルス感染拡大の影響が一巡し、既存顧客のレスポンスが鈍化傾向となった。また、急激な円安進行や原材料価格の高騰、資材価格の高騰を受け第3四半期より商品価格の見直しや紙媒体における発行量の抑制を行い、収益性確保を優先した事業運営を行ったことなどで、同事業は減収となった。

また、化粧品健康食品事業は、化粧品通販のオージオでは台湾における新型コロナウイルス感染拡大の影響と、国内の新規顧客獲得数の減少により減収となったほか、健康食品通販のリフレでは、新規顧客獲得を強化した一方で既存顧客の売り上げが減少し、減収となった。

グルメ事業は、コロナ禍の影響が一巡し、既存顧客のレスポンスが鈍化傾向となったものの、おせち料理の販売拡大やネット広告等による新規顧客獲得の拡大により増収に。ナース関連事業では、コロナ禍の影響が一巡し、前年同時期に特需のあったマスクやパルスオキシメーターなどの需要が縮小。レスポンスの鈍化を受け、第4四半期より紙媒体における発行量の抑制を行ったこともあり、減収となった。

4位:スクロール/コスト削減・効率化に注力。eコマース事業は苦境

4位のスクロールの主力の生協を中心とした通販事業において、春夏商材の売り上げが前年同期比で減少したものの、その後は回復し、堅調に推移した。

原材料価格が高騰するなかで、販売価格の見直しや商品調達方法の最適化に加え、在庫適正化により、原価率の低減に努めたほか、効率的なカタログ配布や固定費の削減など、事業効率の最大化に向けた取り組みを推進した。

eコマース事業は、価格競争の激化や仕入れ価格の上昇により収益性が悪化。特に、アウトドア・キャンプ商材の在庫回転率が悪化したことで、売り上げも減少している。

5位:DINOS CORPORATION/テレビ通販など伸び悩み

5位となったDINOS CORPORATION(ディノス)はファッションが復調傾向となったほか、食品や寝具などの売り上げも好調に推移したものの、テレビ通販やリビング・美容健康系のカタログ通販が伸び悩んだほか、これまで同社内で展開してきた独自化粧品ブランド「imini(イミニ)」の事業部を昨年10月にイミニ免疫薬粧として分社独立させたことに伴う減収分はカバーしきれず、全体の売上高は前期を下回った。

7位:千趣会/システムトラブルの打撃大きく

7位の千趣会は、システムトラブルによる購入者の減少が響いて大幅な減収、営業赤字となった。昨年1月に複雑化したシステムと業務の刷新などを目的に基幹システムのリプレイスを実施したが、新システム稼働後に注文を正しく受け付けできなかったり、予定通りに商品を届けられなかったりといった事象が発生したため、顧客対応を優先して1~2月の販促施策の実施を見合わせ、1~3月期の売上高が大きく減少した。

4~6月期にはシステムが安定稼働し、販促を再開させたことで業績は徐々に回復。12月単月では前年水準まで戻したものの、期初に販促施策を縮小した影響が大きく、通期の購入会員数は前年比47万9000人減の200万4000人、新規購入会員数は同7万6000人減の52万人、継続購入会員数は同28万6000人減の99万3000人と振るわなかった。

<家電>“巣ごもり”の反動も

主に家電を販売する小売り企業(メーカー直販やパソコン専門は除く)を売上高順に10位まで抜粋した。

1位・2位のジャパネットHD、ヨドバシカメラは前年割れ

1位のジャパネットホールディングスは家電ではエアコンなどを中心に、家電以外では布団や食品頒布会などは堅調に売り上げを伸ばしたが、コロナ禍による巣ごもり消費増などにより想定以上に売上高を伸ばした2021年に対する反動減などにより、一部商品の売れ行きが伸び悩んだ

また、新型コロナウイルス感染症拡大などを理由に受注済みのクルーズ旅行の催行がその後に中止となった影響などもあり、前年実績を下回っての着地となった。

2位のヨドバシカメラは2年連続の減収となった。コロナ禍で通販売上高を大きく伸ばしたが、反動があったようだ。

「家電」ジャンルの売上高ランキング
「家電」ジャンルの売上高ランキング

3位:ヤマダHD/自社EC刷新が成功

3位のヤマダホールディングスは自社サイト刷新などが奏功し、通販売上高は1500億円を超えた。2月には、群馬県高崎市に「ヤマダウェブコム高崎問屋町店」を開設。通販サイトで購入した商品の受け取りを可能とするWebとリアルの融合型店舗となっており、実店舗での販売に加え、通販サイト販売分の商品出荷及び宅配を担う拠点となることから、取り扱う家電は同社都市型店舗並みとなっている。

4位~7位:各社は減収~微増で推移。半導体不足の影響も

4位のビックカメラは前期から「収益認識に関する会計基準」を適用しており、旧基準の売上高は前期比3.6%減の1507億円となる。巣ごもり需要やテレワーク需要の反動減もあり、減収となった。なお23年8月期は、アイテム数を前期末の241万点から大幅に拡充する予定。サイト内検索を刷新し、商品を探しやすいサイトとする。また、在庫保有(量・質・場所)の見直しによる配送リードタイム適正化や、在庫回転率に応じた在庫スペースの見直しにより、購入商品の適切な配送納期を探るという。

5位の上新電機も減収に。期初予想の売上高800億円は未達となった。

6位のエクスプライスは昨年3月、ホームセンター大手・DCMホールディングスの子会社となった。そのため、「第80回通販・通教売上高ランキング」には、DCMホールディングスの通販売上高(23年2月期)を掲載したが、今回のジャンル別売上高にはエクスプライスの売上高(22年6月期)を掲載した。半導体不足や中国におけるロックダウンの影響を受けて、売上高は微増にとどまっている。

7位のノジマは子会社であるセシールの売上高も含んだ通販売上高となっている。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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「送料無料」表示を見直す場合は「送料弊社(社名)負担」などコスト負担の明示を。「小売業全体で取り組むことを希望」

2 years 3ヶ月 ago

消費者庁が実施している「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」で、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した。

法規制化する場合はコスト負担を表示するよう求めるとし、店舗型小売業も規制対象に含め、公正な競争環境を整備するよう希望。「小売業全体での取り組みを希望する」と説明し、大手ECプラットフォーマーを含め、通販市場に影響のある事業者・関係者の協力が不可欠だと指摘した。

消費者庁が実施している「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」で、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した
通販・EC業界団体であるJADMAの意見・提言

一方、「送料無料」表示を見直すかどうかは事業者の選択に委ねつつ、適切な物流コスト負担を表示する事業者に対してインセンティブを与える奨励策も提案した。

通販・EC事業者の物流コスト上昇を抑えるために、下請け配送業者への待遇改善に向けた抜本的改善も要求した。さらなる配送運賃の上昇は、商材によってビジネスが成り立たなくなる通販事業者が生じる可能性があるためとしている。

消費者庁が実施している「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」で、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した
JADMAの調査によると2017年以降、配送料の値上げ要請があったJADMA会員のうち、値上げ要請に応じた会員は98%に達したという

JADMAが会員を対象に実施したアンケートでは、「(法規制案も奨励案も)いずれも不要」とする回答が最多。「送料無料」表示の代替案では「送料弊社(社名)負担」への賛成が多数を占めた。送料を事業者が負担していることが把握でき、送料金額を明らかにしない表示を希望する声が多かった。事業者が負担する送料金額を表示することを求めると、「送料1円」など送料の低価格化競争を招く恐れがあるといった意見もある。

消費者庁が実施している「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」で、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した
JADMA会員への規制手段に関する調査結果

JADMAは会員である通販事業者のコメントでは、

  • Web通販は「送料無料」にしないと検索上位に表示されないなどの事情があり、やむなく送料無料対応している。大手オンラインモールも含めて抜け道を作らず全事業者が従うことが必要
  • 送料を誰かが負担していることを消費者に認識させる趣旨からすれば、「○○円以上の注文は送料無料」の表示であれば本来は送料がかかると認識できる。規制する場合、「送料無料」を一律に不可とするのではなく、趣旨に反しないのであれば柔軟に工夫できる内容の表示規制を望む

といった意見が寄せられている。

消費者庁が実施している「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」で、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した
JADMA会員の意見
瀧川 正実

「京セラ」「日産」などによるメタバース活用術+メタコマースの可能性と成功ポイントを解説 | メタバース事業に挑戦中の大手EC企業担当者に聞く! 新たな形のファンマーケティングで成功する秘訣

2 years 3ヶ月 ago
メタバース事業を推進しているアダストリアの広告宣伝部 メタバースプロジェクトマネージャーの島田淳史が、メタバース市場の最前線と成功事例を解説。本稿では各社の成功事例や市場の動向を語る【第2回】

最近は生成AIが大きなトレンドとなり、入れ替わるように各所が向けていたメタバースへの熱視線は、少し落ち着き始めている。ちまたではにわかに「メタバース衰退論」もささやかれており、耳にした読者も多いはずだ。そのメタバースの世界がどうなっているかと言えば、明るいニュースが多くある。大きなインパクトはAppleが発表した「Vision Pro」があげられる。既存のVRデバイスとは趣向が異なるが、「あのAppleがHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に手を伸ばした」という報を機に、バーチャルの世界へ関心を持つユーザーや企業は少なくないだろう。かつて、iPhoneが多くの人の生活を変えたように。メタバースの世界で起きているホットなトピックをいくつかお伝えしていこう。

さまざまな企業の参入が続く「VRChat」

国内から熱視線が注がれているのがソーシャルVR「VRChat」(米国のVRChat Inc.が運営)。メタバースのなかでも高い表現力と自由度から、ユーザーだけでなく企業も注目している。

京セラは「VRChat」に製品展示ブースを設置した(動画は京セラのYouTubeアカウントより)

【京セラ】テーマパーク並みのコンテンツを作り込み

直近で話題を呼んでいる企業進出の事例は京セラだろう。2022年10月に京セラの工具部の製品を、2023年6月にレーザー技術製品を展示するパビリオンを「VRChat」に立ち上げ、現在も一般向けに公開を続けている。

パビリオン内には製品の3Dモデル、サステナビリティへの取り組みを紹介する立体映像、レーザー通信技術が普及した未来を体験できるライドアトラクションといった体感型のコンテンツを用意。特にライドアトラクションの作り込みは、現実のテーマパークにも匹敵するレベルで、来場者からの評判も良いと聞く。

扱うものはほぼtoB領域であり、実際にこのコンテンツは業界向け展示会でも出展し、来場者が体験できるようになっていた。同時に、業界のマニアックな技術を知らない一般層にもこのワールドは解放され、京セラ社員によるツアー企画も実施された。

社会科見学のような展開は、京セラという大企業のプロダクトや取り組みを広く認知してもらために実施したという。

【ホビージャパン】採算度外視の挑戦。触れるコンテンツも

京セラのような“お堅い”企業も挑戦しているのだから、エンタメ企業はさらに進出しやすい。その一例がホビージャパンだ。4月にオープンした特設ワールド「ホビージャパン駅前商店街」は、ノスタルジックな商店街に、ホビージャパンのコンテンツを詰め込んでいる。

「ホビージャパン駅前商店街」のオープン記念イベントで配信された動画(動画はホビージャパンのYouTubeアカウントより)

プラモデルやボードゲーム、さまざまなIPコンテンツなど、ワールド内にあるものはさまざま。ホビー企業ということもあり、「組み立ててデカール(編注:裏にのりのついた紙やプラスチックフィルム)も貼れるプラモデルの店舗」「塗装体験ができる塗装ブース」など、ユーザー自身の手で触って楽しめるコンテンツも豊富だ。ワールド内のボードゲームショップには、実在のボードゲームをVRで遊べるようにしたものも配置し、店舗内で定期的にボードゲームイベントも開催している。

このメタバース事業は社員の発案でスタートし、採算はいったん無視してチャレンジするという形で取り組んでいるそうだ。

こうした「楽しさ」を基軸に置いているかどうかに、ユーザーは意外と鋭い。少しコンテンツに触れただけで、企業側が「本気で、楽しみながら」取り組んでいるか、あっさり見抜くものである。

このほかにも、JT(日本たばこ産業)や東映アニメーションも「VRChat」に進出している。埼玉県も、「ミズベリング」という事業の一環で、VTuberが出演するイベント「VIRTUALミズベリング」を2年連続で展開。「VRChat」はいまなお、活況なメタバースとして盛り上がりを見せている。

市場規模は20億円超、メタバースに芽吹くファッション文化

ユーザー個人の消費動向にも目を向けてみよう。メタバースの世界で、ユーザーにとって最も身近なものが「アバター」だ。バーチャル世界における自らの分身である。

その扱いは、プラットフォームによって異なる。「Roblox」「ZEPETO」のように、プラットフォーム内のストアでアバター本体やスキンを売買できるところもある。一方で、決まりきったアバターが数種類だけあり、変更できないプラットフォームも。このほか、「VRChat」や「cluster」のように、購入したものや、自分で作ったものを自由に持ち込めるプラットフォームもある。

ピクシブが運営するイラストコミュニケーションサービス「pixiv」と連携した創作物の総合マーケット「BOOTH(ブース)」の、3Dモデルカテゴリの取扱高推移(画像はpixivが運営するメディア「pixiv inside」の「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」からキャプチャ)
ピクシブが運営するイラストコミュニケーションサービス「pixiv」と連携した創作物の総合マーケット「BOOTH(ブース)」の、3Dモデルカテゴリの取扱高推移(画像はpixivが運営するメディア「pixiv inside」の「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」からキャプチャ)
「BOOTH」3Dモデルカテゴリの注文件数推移(画像はピクシブが運営するメディア「pixiv inside」の「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」からキャプチャ)
「BOOTH」3Dモデルカテゴリの注文件数推移(画像はピクシブが運営するメディア「pixiv inside」の「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」からキャプチャ)

ECサイト「BOOTH」を運営するピクシブは2023年1月、「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」にて3Dモデル商品の取引状況を公開した。それによると、2022年には3Dモデルカテゴリの取扱高は24億円、注文件数は148万件に達し、右肩上がりで成長している。

2022年における3Dモデルへの支出額とユーザー数(画像はピクシブ運営するメディア「pixiv inside」の「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」からキャプチャ)
2022年における3Dモデルへの支出額とユーザー数(画像はピクシブが運営するメディア「pixiv inside」の「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」からキャプチャ)

支出ごとのユーザー数の推移を見ると、1万円以上の高額支出ユーザーが一定数存在。さらに、「ユーザーの支出額が増えても人が減らない」という傾向も読み取れる。

「BOOTH」で流通する3Dモデル商品の多くは、「VRChat」向けアバターや、アバター向けスキン――すなわち、衣服やアクセサリー類である。つまり、メタバースに出向くための「自分の身なり」へ、多額の出費をもいとわない人が増えているということだ。

アダストリアが展開するメタバースでのオリジナルアバター販売状況
アダストリアが展開するメタバースでのオリジナルアバター販売状況

この領域に、2022年から取り組んでいるのがアダストリアだ。アダストリアでは、「VRChat」向けのオリジナルアバター「枡花 蒼(ますはな あお)」「一色 晴(いっしき ひより)」、現実で販売しているアパレル商品をアバター向け洋服として制作し、「BOOTH」で展開している。

アダストリアのメタバースアイテム第6弾。新ブランド「Anui」のアイテムを アバター向け衣装として展開した
アダストリアのメタバースアイテム第6弾。新ブランド「Anui」のアイテムをアバター向け衣装として展開した

メタバース上で、アバターよりも洋服が売れる時代

オリジナルアバター、アバター向け洋服も売り上げは好調だ。ただし、予想外だったことがある。それは、アバターよりも洋服の販売数の方が多いことだ。アバターという身体そのものよりも、身体に着せる洋服の方が、ユーザーの手に多く渡っているのである。すでにメタバースの世界には、ファッションというカルチャーが根付いていると言える。

ちなみに、アダストリアのアバター向け洋服を購入・着用したユーザーのなかには、まったく同じ「リアルの洋服」も購入した人、実店舗へ訪れる人も少なくない3Dアイテムからブランド認知、購買意欲の促進が成功していると見て良いだろう。こうした動きを受けて、直近のアダストリアでは、アバター向けアイテムを着こなしてもらうファッションモデルやアンバサダーを、ユーザーから起用している。

メタバース参入企業は国内でも増加傾向

日本国内でも、本格的にメタバース事業に乗り出そうという企業が増えている。電通グループは「Roblox」とパートナー契約を締結、博報堂DYホールディングスは「cluster」と資本業務提携を結んでいる。「Roblox」は国内企業の進出や、国内スタジオのプレスリリースも増えている印象だ。

アダストリアが注力する「VRChat」も「公式パートナー企業」が急増している。日産やモスバーガー、京セラなどの「VRChat」進出を手がけた往来、映像制作のイアリンジャパン、不動産業のAny Gold Trust、弁護士事務所の前田拓郎法律事務所、クリエイタープロダクションのメタバースクリエイターズ……など、2023年に入ってVRChat社の公式パートナー企業はコンスタントに増え続けている

「VRChat」を商用利用の場に定めた企業が、2023年から動き始めているということだろう。ほかにも、ユーザー活動が事業化する動きもいくつか見られる。「VRChat」は今後、スマートフォン対応も控えていることもあり、まだまだ参入者は増えるだろう。

メタバースをめぐる明るいトピックの多くは、「ユーザー目線」の施策から生じていることが多い。

メタバースは「金のなる木」ではなく、「なんでもできる広大な島」である。そこにはすでに日常生活を送る“住人”たちが存在。企業が自分たちの利益やビジョンを押し付けるだけでは、ユーザーは真に心を向けてはくれない

ユーザーがほしいもの、やってほしいことを直に聞き取り、愚直に実施する。そして、収益を上げることよりも、事業を通してファンとコミュニティを作り上げることに心血を注げば、自然とブランド認知の拡大、サービス、ブランド、商品を好きになってもらうことにつながるのだ。2023年現在のメタバースとは、そんな「アナログなファンマーケティングの場」の最前線である。

「バーチャル」という言葉には「仮想」という訳がよくあてがわれる。しかし、本来“virtual”という言葉には「実体・事実ではないが『本質』を示すもの」という意味がある。「虚構の世界」ではなく「もう一つの世界」である以上、理解するには自分の足で歩き、現地の様子を知ることがなにより大切だ。又聞きの「衰退論」をうのみにすることなく、日々アップデートが続くメタバースの世界を、自らの足で旅してみてはいかがだろうか。

島田 淳史

クラダシと出光興産が業務提携。公式アプリ「Drive On」会員にフードロスECを展開

2 years 3ヶ月 ago

フードロスの削減をめざす食品ECサイト「Kuradashi」を運営するクラダシは出光興産と業務提携し、出光の公式アプリ「Drive On」会員を対象とした社会貢献型ショッピングサイト「Kuradashi × Drive On」を開設した。

まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品などを「Drive On」の会員向けに販売する。

Kuradashi クラダシ 出光興産 業務提携 出光 アプリ Drive On  EC 開設 フードロス

出光のアプリ会員にフードロス削減の機会を提供

「Drive On」は、出光興産が運営するガソリンスタンドで給油のオンライン決済などができるアプリ。クラダシと出光興産は「Drive On」の会員にフードロス削減や社会貢献につながる機会を提供する。

カーボンニュートラル社会の実現に向けての連携で、フードロスを中心としたさまざまな社会課題の解決に取り組む。

「Kuradashi × Drive On」の活用による社会貢献のイメージ(画像は「Kuradashi × Drive On」から編集部がキャプチャ)
「Kuradashi × Drive On」の活用による社会貢献のイメージ(画像は「Kuradashi × Drive On」から編集部がキャプチャ)

出光興産は、2025年度を最終年度とした「中期経営計画」において、既存のインフラを有効活用しながら「人びとの暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を掲げた。

そのなかの事業転換の1つとして、地域の暮らしを支えるエネルギー&モビリティ拠点となる「スマートよろずや」を提唱。クラダシとの業務提携および「Kuradashi × Drive On」の運営は、「スマートよろずや」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けている。

出光興産がめざす事業ポートフォリオの転換(画像は編集部が出光興産の2025年度を最終年度とした中期経営計画から抜粋)
出光興産がめざす事業ポートフォリオの転換(画像は編集部が出光興産の2025年度を最終年度とした中期経営計画からキャプチャ)
高野 真維

Shopifyで構築したECサイトが“売れる”ためのテクニックとは? ポイントは集客」「リピーター育成」「商品の質」 | 「ECタイムズ」ダイジェスト

2 years 3ヶ月 ago
Shopifyを使ってECサイトを運営している事業者は数多いものの、自社ECの売り上げが思うように伸びず悩んでいる担当者も少なくないのでは。有効な改善策をまとめて紹介する

Shopifyを使ってECサイトを運営しているけれども、なかなか売り上げが上がらず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、そのような悩みを持つ方向けに、Shopifyで売り上げを上げる改善策を4つ紹介します。

以下で紹介する売り上げが上がらない原因を一つ一つ検証し、ご自身のECサイトの改善に役立ててください。

ECタイムズ Shopify 集客 売り上げ SEO アプリ

Shopifyで商品が売れない4つの原因

まず最初に行うべきは、Shopifyで商品が売れない原因を明確にすることです。たとえば、購入率が悪いのに集客のことばかりを気にしてばかりいれば、永遠に成果が上がらないのは明白でしょう。ここでは、Shopifyで売り上げが上がらない代表的な原因を4つ紹介します。それぞれの項目を読み、ECサイトのどの部分に原因があるのかを明らかにしましょう。

原因① 集客ができていない

Shopifyで売り上げが上がらない原因の一つ目は、集客ができていないことです。そもそもお客さまが商品の存在を知らなければ、購入することはまずありません。そのため、まずはお客さまに商品を知ってもらうことが最重要となります。

特に、ShopifyでECサイトを立ち上げて間もない場合、お客さまの認知度が低いので、安定的に売り上げを見込むことは難しいでしょう。なぜなら、立ち上げたばかりのECサイトは、どの検索キーワードにも引っかからず、お客さまのアクセスを集めることが難しいからです。売り上げの数字ももちろん大事ですが、自身のECサイトにお客さまのアクセスがどれほどあるのかを把握しておきましょう。

お客さまのアクセス数と売り上げは、商品に問題がなければ正比例します。どの程度のアクセスがあれば、売上がいくらになるのか積算できるようになるので、集客に関する数字を押さえておくことは非常に重要です。

アクセス数の確認方法

Shopifyで作ったECサイトのアクセス数を確認するには、どうすればよいのでしょうか。Shopifyでは、デフォルトで集客を分析する機能がついているので、それを使って分析するとよいでしょう。具体的には、ストア分析機能と呼ばれるものです。

まずはストア分析機能を使って、作ったECサイトに毎日何人の人が訪れているのかを確認しましょう。他にも、グーグルアナリティクス(GA4)を使ってサイトの訪問数を確認することも可能です。

原因② サイトの接客力が弱い

Shopifyで作ったECサイトの売り上げが上がらない原因の二つ目は、「サイトの接客力が弱い」点です。サイトの接客力が弱いことの具体例をあげると、以下のようになります。

  • サイトの導線が複雑でお客さまが途中で離脱する
  • 商品の説明が少なく、ベネフィットがわかりにくい
  • 商品の写真が少なく、商品を使うイメージが湧きにくい
  • レビューがなく、信頼性に欠ける
  • 購入画面が複数回遷移したりと複雑で離脱する

このような特徴があるECサイトは、接客力が弱いといえるでしょう。

購入率の確認方法

サイトの接客率が悪いという課題は、購入率に直結する項目です。ECサイトでの売り上げは以下のような数式でも表されます。

売り上げ=購入件数÷アクセス数×100

つまり、訪問数がどれだけ多くとも、サイトで肝心の商品が説明できていなかったり、購入までの導線が複雑だと、サイトを離脱されてしまい、購入率が下がってしまうのです。結果として、売り上げが上がらないという事態に陥ってしまいます。

ECサイトの売り上げを構成する要素
ECサイトの売り上げを構成する要素

原因③ リピート対策ができていない

リピート対策ができていない」ということも、Shopifyで作ったECサイトの売り上げが上がらない原因の一つです。売り上げを安定的に確保するには、新規の売り上げも重要ですが、それ以上に既存顧客のリピート率が重要です。

既存のお客さまのリピート率が高いことで、売り上げが安定し、さらに利益も生まれるので広告や新商品開発の予算を確保することができるようになります。‍

リピーターの確認方法

Shopifyでお客さまがリピーターになってくれているかどうかを確認するには、「ストア分析」を使うとよいでしょう。ストア分析のダッシュボードを見れば、簡単にリピーターを確認することができるので、ECサイトの運営にぜひ役立ててください。

商品の質の見直しも必須

商品の質が悪い」ということも、売り上げが上がらない原因の一つとして考えられます。特に、ECサイトで集客もできており、なおかつ導線もわかりやすく設計できているのにも関わらず、売り上げが上がらない場合は、商品の質が悪い可能性が高いといえるでしょう。競合他社と比較して、価格や品質面の改善点を洗い出しましょう

商品が売れないときに実践したい4つの施策

では、Shopifyで商品が売れない場合、何を実践すればよいのでしょうか。ここでは、Shopifyで売り上げを上げるために実践するべきことを4つ紹介します。

具体的な実践内容は、以下の4点です。

  • ECサイトへの集客を行う
  • ECサイトを見直す
  • リピーター獲得のための施策を行う
  • 商品の質を見直す

それぞれ詳しく解説します。

ECサイトの集客を改善する3つの打ち手

Shopifyで作成したECサイトへの集客を改善しましょう。ECサイトへの集客を増やすには、広告利用やSNSの活用、SEO対策を行うなどの施策で改善可能です。

①広告を利用する

Web広告を使えば、ECサイトの露出が増やせるので、新規顧客の集客数を上げることができます。たとえば、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告、アフィリエイト広告などがあげられます。

Web広告の市場は伸び続けており、Web広告を使った集客は一般的な集客方法となっています。一方で、どの広告を使うかどうかは、ターゲットにより異なるため、商品の特性にマッチするものを選ぶようにしましょう。

②SNSと連携させる

InstagramやX(旧Twitter)、Facebookのアカウントを作成し、自身で運用することも集客を改善する施策の一つです。ここでは、アパレルショップでSNSを運用するケースを紹介します。

アパレルのネットショップをSNSで宣伝する場合、代表的な媒体はInstagramです。販売している洋服のコーディネートを日々投稿したり、動画撮影をして服の着こなしや着心地を紹介したりして、ファン作りにつなげます。ハッシュタグなどを付ければ、ユーザーが検索しやすくなるので、投稿の際は、必ずハッシュタグを付けるようにしましょう。‍

また、自社でSNSを運用する以外に、インフルエンサーの力を借りる方法もあります。インフルエンサーに商品を紹介してもらえれば、インフルエンサーのファンが商品を購入する確率が高まり、大きな広告塔になってもらえる可能性があります。

インフルエンサーに交渉するには、DMでの直接交渉、インフルエンサーのマッチングプラットフォームを利用する、インフルエンサーの所属事務所に交渉するなどの方法があるので、予算に合わせて依頼しましょう。

アパレルEC事業者によるSNS運用の一例
アパレルEC事業者によるSNS運用の一例

③SEO対策を行い検索順位を上げる

SEO対策を行い、Googleなどの検索エンジンで検索順位を上げることも重要です。具体的には、自社のブログサイトを立ち上げ、そこで記事を更新し、特定のキーワードで検索された際、Googleの検索順位で1~3位の表示を狙います。自社の商品名をタイトルや見出し、本文に入れて記事を執筆することで、商品名で検索するお客さまのサイト訪問を増やせるので高い広告効果が見込めるメリットがあります。

ECサイトを見直す3つのポイント

Shopifyで作成したECサイトの設計を見直すことも重要です。SNSや広告、SEO対策が十分にできていたとしても、ECサイト自体の使い勝手が悪ければ、購入ページで離脱されてしまい、売り上げが上がらなくなってしまうからです。ECサイトの改善方法を以下で解説しますので、該当する課題があれば、改善することをおすすめします。

①商品購入までの導線を見直す

はじめに、商品購入までの導線を見直しましょう。たとえば、洋服のネットショップの場合、商品のカテゴリーだけではなく、価格やカラー、サイズ、用途別、ブランド別など細かく分類してお客さまが欲しい商品を見つけやすくする改善方法があります。

また、ECサイト内にフリーテキストの検索欄を設け、お客さまがさまざまなキーワードで検索し、商品を見つけやすくする方法もおすすめです。こだわりがある商品や、宣伝したい商品があれば、動画撮影をしてより目立たせることもできます。

②商品ページ自体を見直す

商品ページを見直し、より商品の魅力が伝わりやすく、内容もわかりやすくなるように改善しましょう。たとえば、洋服やジュエリーであれば商品だけの写真を掲載するのではなく、実際のコーディネートや着ている状態の写真を掲載することでより、着用のイメージが湧きやすくなるメリットがあります。

商品を着用している画像の掲載例(画像出典:imac)
商品を着用している画像の掲載例(画像出典:imac

上記の写真のように、スカーフの写真と実際に着用している写真を掲載することで、より商品の魅力が伝わりやすくなります。

③購入ページを見直す

次に対策するべきなのは、購入ページです。購入ページの遷移数が多かったり、入力項目が多かったりすると、それだけでお客さまは煩わしさを感じ、離脱してしまいます。氏名や配送先の住所など、入力項目は必要最低限にして手続きを簡単に済ませられるように工夫しましょう

また、住所は、郵便番号が入力されれば、自動で住所を入力するように改善することも可能です。また、入力エラーがあれば、赤色のハイライトで修正項目と修正内容が一目でわかるようにすることも、離脱を防ぐ重要なテクニックですので覚えておきましょう。

④ユーザーに合った決済手段を用意する

クレジットカードやコンビニ決済、電子マネー、銀行振り込みなど、決済手段はさまざまな種類があるので、お客さまの要望に応じて柔軟に対応できるよう、代表的な決済手段は複数そろえておくようにしましょう。

たとえば、決済手段が銀行振り込みのみの場合、クレジットカードを使っているお客さまは不便に感じます。商品が魅力的でも、決済手段が不足していると離脱されてしまうので気を付けましょう。

⑤FAQページやチャットボットを導入する

FAQページやチャットボットの導入を検討するのもよいでしょう。お客さまから頻繁に受ける質問をFAQページに掲載すれば、お客さまの大半の疑問を解決できる上に、不要な問い合わせを避ける効果もあります。また、チャットボットも同様の効果があるため、積極的に活用すべきです。

⑥カゴ落ち防止機能を利用する

カゴ落ちとは、ECサイトでショッピングカートに商品を入れたものの、購入せずにお客さまが離脱してしまうことを意味します。お客さまがカゴ落ちしてしまった場合、フォローメールを送信するカゴ落ち防止機能を活用することで、離脱を防ぐことも可能なので検討しましょう。

⑦良質な口コミやレビューを掲載する

良質な口コミやレビューは、お客さまの購買意欲を高めることに直結します。実際のお客さまの声やレビューが掲載されていれば、同じ悩みを抱えるお客さまが購入する確率が上がるので、ぜひ既存のお客さまにコメントをいただき、掲載許可をもらってECサイトに掲載しましょう。

⑧Shopifyのセキュリティ性能をアピールする

小規模なECサイトの場合、サイトそのもののセキュリティが信頼されていない場合もあります。氏名やクレジットカードの情報を入力するので、情報流出の危険性を疑問視されるとどれだけ商品が良くても購入してもらえません。Shopifyでは、クレジットカードを扱うために必要なセキュリティの標準規格「PCI DSSレベル1」を取得しているので、その点をアピールし、安全であることを理解してもらいましょう。

⑨ショップの情報を掲載する

ECサイトを運営していても、ショップの情報が不足しているとお客さまから信頼されません。ネットショップは、販売元の顔が見えない分、どこの誰が作って販売しているのかが分からないと、お客さまは不審に感じてしまうからです。運営元の会社概要、ECサイトを立ち上げるに至った背景や経営理念を掲載し、お客さまから信頼されるようにしましょう

リピーター獲得のために押さえておきたい施策5点

続いて、リピーターを獲得する施策を紹介します。具体的には、以下5点の施策です。

  • メルマガ配信を行う
  • ポイント付与やクーポン配布を行う
  • 商品の同梱物に工夫をする
  • LINE公式アカウントを活用する
  • アナログ対策を怠らない

それぞれ詳しく解説します。

①メルマガ配信を行う

ネットショップなどで新商品を発売するときなどにおすすめなのがメルマガ配信です。定期的にメルマガ配信を行うことで、お客さまに自社のECサイトを覚えてもらいやすくなります。タイトルやメール本文の長さ、アイキャッチ画像などに気を付け、魅力的なコンテンツを配信しましょう。

②ポイント付与やクーポン配布を行う

ポイント付与やクーポン配布を行うと、お客さまが次の買い物をする際の購買意欲を引き上げることができるので、リピーターの確保におすすめです。また、単純にポイント付与を行うのではなく、失効するタイミングでリマインドを流し、リピート購入を促進しましょう。

③商品の同梱物に工夫をする

商品を梱包する際、感謝カードや商品チラシ、LINE公式アカウント登録などの同梱物を用意するのも良いでしょう。特に、感謝カードには、商品開発のストーリーや他のお客さまの声も記載しておくことで、より商品の印象を良くすることができます。

④LINE公式アカウントの活用

LINE公式アカウントを活用してリピート率を高めることも可能です。メールよりも開封率が高く、お客さまに効果的に商品の発送に関する情報や、新商品の宣伝が効率よく伝わります。メールなどの長文よりも、画像やリンク付きで短文のメッセージが好まれる傾向にあるので、LINEを活用するとよりリピート率が高まるでしょう。

⑤アナログ対策を怠らない

30代以上のお客さまがターゲットの場合には、アナログ対策も重要です。DMやカタログなどの紙媒体を用意しておくことで、紙媒体で情報収集をするタイプのお客さまの目に触れる機会(タッチポイント)が増え、リピート率が上がります。

商品の質をアップする3つの方法

最後は、商品の質を見直す改善方法について紹介します。機能、安全性、価格、デザインの4点が高水準で満たされていなければ、お客さまに購入してもらえない可能性が高いので注意しましょう。

具体的な改善方法は、以下の3点です。

  • 需要のある商品を販売する
  • ユーザーの属性にあった商品を販売する
  • 商品の価値を正しく伝える

それぞれ詳しく解説します。

①需要のある商品を販売する

需要の少ない商品を販売していると、お客さまに購入してもらえません。一時期は売れていたとしても、時代や環境の変化に応じてお客さまのニーズも変わります。わかりやすい例をあげれば、新型コロナウイルスのマスク需要です。コロナ禍が落ち着けば、マスクの需要も薄れていくので、その後の時代に合ったニーズを常に探り続け、需要のある商品を販売しましょう。‍

②ユーザーの属性に合った商品を販売する

ユーザーの属性に合った商品を販売することも重要です。たとえば、ダイエットをしたい20代の女性に、ホームジム用のトレーニング器具を販売するなどがあります。お客さまが健康的に美しく痩せられるダイエット食品を探しているようであれば、トレーニング器具は的外れな商品になってしまうでしょう。ユーザーが何を求めているかを知り、ニーズを満たす商品を販売しましょう。

③商品の価値を正しく伝える

商品の価値を正しく伝えるようにしましょう。商品の何が最も優れているのか、他社との差別化ポイントは何かをわかりやすく説明し、お客さまに商品の価値が正しく伝わるようにしましょう。

商品の質をアップするための3つの方法
商品の質をアップするための3つの方法

shopifyの売上アップに役立つアプリ

Shopifyのアプリストアには、2023年4月時点で約10,000件以上のアプリが存在し、無料で利用できるものも豊富に存在します。今回は、そのなかから特に売上アップに役立つと評価されているアプリをご紹介します。今回ご紹介するのは「集客」「購入率アップ」「リピーター獲得」に関連しています。

集客に役立つアプリ

ビジネスにおける集客は重要な要素であり、特にECサイトでは訪問者数が売上に直結します。そのため、集客を効率的に行うためのアプリは必須と言えるでしょう。ここでは、Shopifyで利用できる集客に役立つアプリを3つご紹介します。

1. Googleチャネル

Googleチャネルは、Shopify内の商品データとGoogle Merchant Centerを同期し、Googleショッピング広告に掲載できるアプリです。また、2023年3月からはGoogleチャネルアプリを利用してShopifyストアにGoogleアナリティクス(GA4)を設定できるようになりました。料金は無料で、Googleの広告力をフルに活用したい方におすすめです。

2. Shopifyメール

Shopifyメールは、Shopifyから簡単にメール配信ができるアプリです。毎月10,000通まで無料で利用でき、レビュー評価も3.8と高評価です。メールマーケティングは、顧客とのコミュニケーションを深め、リピーターを増やすための有効な手段です。

3. Privy

Privyは、eコマースのためのオールインワンプラットフォームです。料金プランは無料のFREE PLANから、月額$70のCONVERSION ONLYまであり、自社のニーズに合わせて選べます。特に、メールやSMSの連絡先を広げ、自動化されたメールマーケティングや収益を生むテキストメッセージを送信し、Webサイトのコンバージョン率を向上させることができます。

購入率アップに役立つアプリ

購入率を向上させるためのアプリを3つ紹介します。

1.チャネルトーク

チャネルトークは、接客チャットと顧客管理ツール(CRM)を一体化したアプリです。お客さま1人ひとりの情報が保存され、名前や連絡先だけではなく、どの商品を見ているのか、会員登録はされているのかなどの情報を見ることができます。この詳細な顧客情報があることで、お客さまに合わせた接客を実現し、売上アップにつなげることができます。

2.Bold Upsell

Bold Upsellは、購入した商品と関連性の高い商品をおすすめすることで、購入率を向上させることができます。特に、決済時や商品をカートに追加したときにアップセルを行うと効果的です。

‍3.Loyalty, Rewards and Referrals

Loyalty, Rewards and Referralsは、ポイント機能を導入することで、顧客離れを防ぎ、顧客生涯価値(=LTV)を高めることが可能です。ポイント機能はリピーター獲得や顧客単価向上のメリットがあります。

リピーター獲得に役立つアプリ

リピーター獲得は、一度購入した顧客を再度購入に誘導することで、長期的な売上アップにつながります。リピーター獲得に役立つアプリを3つご紹介します。

1.CRM PLUS on LINE

「CRM PLUS on LINE」は、顧客や購買データに基づいて効果的なLINEメッセージを配信できるアプリです。LINE公式アカウントを活用し、設定画面で簡単なチェックを入れるだけで、閲覧商品のリマインド、カートリマインド、チェックアウトリマインド、再入荷通知などのメッセージを自動的にLINE上で配信することが可能です。

‍2.Appstle℠ Subscriptions

Appstle℠ Subscriptionsは、商品の定期購入を直感的なユーザーインターフェースで設定・管理できるアプリです。ユーザーは1クリックでログインして、定期購入の商品の配達週や個数などを設定できます。ショップオーナーは、AppstleのポータルサイトとShopifyの管理画面の両方から定期購入を設定し、ダッシュボードで状況を簡単に把握できます。

3.Recharge Subscriptions

Recharge Subscriptionsは、柔軟に調整できる定期購入の仕組みで解約を防ぐアプリです。カスタマイズ性に優れており、ユーザーはSMS経由で定期購入の設定を管理できます。関連商品を組み合わせて割引するクロスセル対策もあり、購買率アップに効果的です。

◇◇◇

今回は集客の改善方法やリピート率向上の施策をご紹介しました。Shopifyにはさまざまな便利アプリがありますので、上記施策と併せて効果的に活用していきましょう。

ECタイムズ

ヨドバシカメラ、「Makuake」発の人気商品の売り場を拡大

2 years 3ヶ月 ago

ヨドバシカメラはマクアケと協業を加速、クラウドファンディングサービス「Makuake」発の人気商品を販売する売り場を拡大する。

ヨドバシカメラは5月、「Makuake」発の人気商品をECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」での商品販売に加え、「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」の実店舗に特設エリア「Makuake SHOP」を開設した。

既存店舗での評価が好評だったことから、売り場を拡大する。既存2店舗の売り場面積を広げるほか、旗艦店の「ヨドバシカメラ 新宿西口本店」、吉祥寺、仙台、横浜、京都、名古屋、博多の各店で順次、「Makuake SHOP」をオープンする。

「Makuake」から生まれたユニークなアイデア溢れる人気商品を定期的に追加しながらの展示販売が可能となり、一層幅広い商品と多くの生活者が出会う機会を創出できると考えている。(ヨドバシカメラ)

「Makuake」を展開するマクアケは、オンラインに加え、販路拡大を狙いオフラインでの販路拡大を模索。オフラインでは、そごう横浜店や蔦屋書店熊本三年坂店など全国約10店舗で商品を展示・販売するスペース「Makuake SHOP」を設けている。

これまでヨドバシカメラで扱っていなかった商品を販売する「Makuake SHOP」は、「Makuake」発のユニークな家電やガジェットアイテムを実際に手に取って体験でき、開発の背景などのストーリーにも触れられることができるため、「来店者から人気の特設コーナーとなっている」(ヨドバシカメラ)。商品ラインナップのさらなる拡充、より広い地域での開設を希望する声が寄せられていたという。

瀧川 正実

ビーディーエスがバイク&パーツ検索サイト「BDSバイクセンサー」に「ZETA SEARCH」を導入

2 years 3ヶ月 ago

ビーディーエスは、バイク&パーツ検索サイト「BDSバイクセンサー」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

商品特性を反映した絞り込み検索を可能に

ビーディーエスが運営する「BDSバイクセンサー」では、「探しているオートバイがなかなか見付からない」「新車を注文しても納車まで数か月待ち」「サイトを見ても在庫車と注文車が混在している」といったユーザーの悩みに応えるため、即購入可能なバイク情報を一般ユーザー向けに掲載している。

ビーディーエス BDSバイクセンサー ZETA ZETA SEARCH サイト内検索
バイク&パーツ検索サイト「BDSバイクセンサー」(画像はサイトからキャプチャ)

「車種」「走行距離」「年式」など複数項目を組み合わせた絞り込み検索によって、ユーザーニーズに合う商品一覧ページを表示できるようになった。これにより、目的の商品に辿り着きやすくなり検索のUX向上につながるため、販売機会の創出、サイトからの離脱防止が期待できるという。

ビーディーエス BDSバイクセンサー ZETA ZETA SEARCH 商品特性を反映した絞り込み検索
商品特性を反映した絞り込み検索が可能になった

また、サジェスト機能を実装。検索窓にテキストの一部を入力すると、予測されるキーワード候補を自動的に表示する。これにより文字入力の手間を減らせるほか、調べたいワードがうろ覚えでも検索することができるため、ユーザーのアクション数を削減でき、サイトからの離脱防止にもつながるという。

ビーディーエス BDSバイクセンサー ZETA ZETA SEARCH サジェスト機能の実装 サイトからの離脱防止
サジェスト機能を実装し、サイトからの離脱防止につなげる

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

法人向けのBtoB-EC市場規模は420兆2354億円。最新トピック+業種別の市場規模、EC化率は?【2022年の電子商取引調査】

2 years 3ヶ月 ago

経済産業省の調べによると、2022年におけるBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は420兆2354億円で前年比12.8%増。EC化率は37.5%で同1.9ポイント増だった。

BtoB-EC市場規模の推移
BtoB-EC市場規模の推移

BtoB-EC市場の業種別内訳を見ると、市場規模が最も大きいのは「卸売」で112兆8794億円。「輸送用機械」が58兆8775億円、「電気・情報関連機器」が45兆282億円で続いた。

「その他」を除いた前年比の伸び率では、「運輸」が前年比20.3%増。「繊維・日用品・化学」が同18.8%増、「電気・情報関連機器」が同15.1%増で続いている。

EC化率で見ると、最も大きいのは「輸送用機械」の76.7%。「食品」が70.7%、「電気・情報関連機器」が66.3%だった。

BtoB-EC市場規模の業種別内訳
BtoB-EC市場規模の業種別内訳

食品

市場規模は前年比9.4%増の29兆6443億円。消費者の外出機会が増え、外食やホテル需要が増加し、業務用食品市場規模等が拡大した。「食品」の商取引市場規模が増加したと見られる。EC化の動きも加速し、EC化率は前年比3.5ポイント増加の70.7%となった。

産業関連機器・精密機器

市場規模は同14.6%増の20兆7734億円、EC化率は42.0%。EC化率は前年から1.3ポイント拡大した。

情報通信

市場規模は同9.4%増の18兆2616億、EC化率は22.3%。全体の市場規模が増加したことに加え、ECによる取引が拡大したとしている。

鉄・非鉄金属業

市場規模は同13.5%増の28兆6620億円、EC化率は44.1%。2022年の法人企業統計データによると、鉄・非鉄金属業全体の総売上高は2020年に50兆408億円、2021年に59兆1045億円、2022年は64兆9856億円と推移、全体の市場規模拡大がEC市場の拡大につながった。

卸売

市場規模は同12.2%増の112兆8794億円、EC化率は34.9%。大手GMS、大手スーパーマーケットを中心に、流通BMSのEDI標準化が進んだことがEC化率の増加要因としている。

国内BtoB-ECのトピックスは「IP網化に伴うINSネットの廃止」「インボイス対応」

IP網化に伴うINSネットの廃止

2024年1月にISDN回線「INSネット(デジタル通信モード)」サービスの終了が予定されており、BtoB-ECで同サービスをインフラとしているEDIの仕組みは更新を迫られている。

ビジネスシーンにおいては、EDI(電子データ交換)においても通信回線としてISDNが広く利用されてきた。BtoB分野ではEDIを用いた商品や部品の受発注で活用されているため、多くの企業に影響が及ぶ可能性がある。EDIをカバーする方法として、インターネットEDIへの移行のほか、BtoB-ECへの切り替えに注目が集まっている。

インボイス対応

2023年10月1日からインボイス制度が導入される。制度の導入で、請求書の発行・受領フローが複雑化し、現場の業務量が増えるだけでなく、場合によっては支払う税金が増えてしまう可能性がある。

インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」。事業者が納める消費税に適用される仕入税額控除に関わる制度のこと。

売り手側・買い手側の双方に関わるのが保存要件で、請求書を発行する側も受け取る側も、請求書を7年間保存しなければならない。税計算もこれまでと形式が変わり、納品単位か請求単位かを選ぶ必要がある。請求書を提出する側は、適格請求事業者として税務署へ事前登録をしなければならない。

瀧川 正実
確認済み
23 分 44 秒 ago
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