エイチームが自転車専門のECサイト「cyma-サイマ-」の事業を再び成長軌道に乗せるため、在庫管理の効率化やWebシステムの刷新、組織体制の見直しを進めている。
EC参入から5年で年商25億円を超えるなど急成長を続けてきたが、在庫回転率の低下やオペレーションの非効率といった課題が顕在化。2022年7月期のセグメント利益黒字化に向け、事業基盤の再構築を急ぐ。
「cyma-サイマ-」のサービスが始まったのは2013年12月。EC事業の売上高は初年度の2014年7月期が3200万円、2015年7月期が3億5600万円、2016年7月期が12億1400万円、2017年7月期が20億100万円、2018年7月期が25億5000万円と拡大した。ただ、セグメント損益は赤字が続いている。
年々売り上げを伸ばしてきた「cyma-サイマ-」だが、2019年7月期の売上高は前期比17.7%減の20億4800万円。事業開始以来初めて減収だった。セグメント損益は2億1000万円の赤字。
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エイチームの中長期的な成長に向けた取り組み(画像はエイチームの決算説明会資料からキャプチャ)
物流倉庫のレイアウトの見直しや、組織体制を再整備
EC事業の再成長に向け、2019年7月期中に新たな施策を打ち出した。Webシステムの刷新や物流倉庫のレイアウトの見直し、事業責任者の交代など組織体制の再整備を掲げている。
2019年7月期に優先的に取り組んだ施策の1つが在庫適正化。在庫管理の体制変更により、各種指標は改善したという。2019年5月末と8月末を比較すると、総在庫数は44.9%減、3か月以上の滞留在庫数は41.5%減、在庫回転率は20.0%向上したとしている。
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商品の仕入れ・保管・出荷効率を上げるために在庫課題から着手(画像はエイチームの決算説明会資料からキャプチャ)
システム投資やサプライチェーンの改善へ
2022年度まで、従来から取り組んできた小売りのオペレーションの改善を継続する。
さらに、2021年度以降は業務効率化などを目的にシステム投資を行う。並行して仕入れや物流、販売のサプライチェーン全般の改善にも取り組む。
2020年7月期以降のEC事業の売上高計画は、20億円、31億円、38億円に設定した。2022年7月期に通期でセグメント利益の黒字化を計画している。
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中長期的な成長イメージ(画像はエイチームの決算説明会資料からキャプチャ)
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オリジナル記事:エイチームの自転車EC「サイマ」事業が再成長に向けて取り組む改善策とは
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