再配達率が49%から8%に減少、パナソニックの宅配ボックス実証実験 | ネットショップ担当者フォーラム

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パナソニックの宅配ボックスによる通販の再配達削減の実証実験

パナソニックは福井県あわら市で進めていた宅配ボックス設置による再配達削減効果調査

宅配ボックスによる通販の再配達削減効果を調査していたパナソニックは6月8日、宅配ボックスの設置によって再配達率が49%から8%に低下したと発表した。

再配達率の減少にともない、配送業者の労働時間が約223時間減ったほか、約465.9キログラムのCO2削減効果も生まれたという。

パナソニックは2016年11月、福井県あわら市が進める「働く世帯応援プロジェクト」に参画し、市内在住の共働き世帯を対象とした「宅配ボックス実証実験」を開始した。

パナソニックが開発した戸建住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)」を106世帯に設置。2016年12月1日~2017年3月31日の4か月間、宅配便の配達状況について調査した。

その結果、再配達率は宅配ボックス設置前の49%から、4か月平均で8%に下がった。

パナソニックの宅配ボックス実証実験、再配達率が49%から4か月間平均で8%に減少(画像は編集部が特設サイトからキャプチャ)

再配達率が49%から4か月間平均で8%に減少(画像は編集部が特設サイトからキャプチャ)

実証実験は日本郵便、ヤマト運輸と共同で行った。

【再配達率】
  • 2016年10月:49%(開始前)
  • 2016年12月:8%
  • 2017年1月:9%
  • 2017年2月:6%
  • 2017年3月:10%
  • 累計:平均8%
【再配達削減回数/総配達数】
  • 2016年10月:0回/583回(開始前)
  • 2016年12月:300回/779回
  • 2017年1月:235回/519回
  • 2017年2月:209回/418回
  • 2017年3月:269回/542回
  • 累計:1,013回/2,258回
【再配達削減による宅配業者の労働削減時間想定値】
  • 2016年10月:0時間(開始前)
  • 2016年12月:66.0時間
  • 2017年1月:51.7時間
  • 2017年2月:46.0時間
  • 2017年3月:59.2時間
  • 累計:222.9時間
宅配ボックスを使わない理由

「宅配ボックスを使用しなかった理由」についてモニター世帯にアンケート調査を実施したところ、「複数個受取りできない」「(荷物が)大きすぎて入らない」「冷蔵が入らない」などの理由があがったという。

パナソニックは、さらなる再配達削減のために必要なこととして、宅配ボックス設置有無の表示検討、冷蔵・冷凍やサイズの大きな郵便物などに対する宅配ボックスの幅広い対応――をあげている。

実証実験を行ったパナソニックや、あわら市のコメントは次の通り。

あわら市

・総評

「社会問題化しつつある課題の解決に、全国の自治体に先駆けて関わることができたことは大変有意義であったと思います」

・今後について

「全国に先駆けて宅配ボックスの設置費用の一部を助成する補助制度を創設することといたしました。全国で宅配ボックスが普及することの一助となり、再配達の解消とともに、CO2削減といった環境負荷の低減や、配達に従事する方々の負担軽減に寄与できるものと考えています」

パナソニック

・総評

「繁忙期のみならず、約半年間にわたっての定点観測においても再配達率8%という劇的な結果が出たことにおいて、再配達解消の一つの商材であることが実証できたと考えています」

・今後について

「当社が住宅用宅配ボックスを始めて今年で約25年経ちます。我々の最終的な目標である人が住まうすべての建物にこの宅配ボックスを設置することを目指し、CO2削減、労働力削減に努めていきます」

○あわら市暮らしやすいまち推進協議会顧問、流通経済大学・矢野教授

・総評

「戸建用の宅配ボックスは、社会経済的損失を小さくし、宅配便事業者における効率的なサービスの提供を実現するとともに、受け取り側の利用者にとって利便性を高める優しい仕組みであり、宅配サービスを持続していくための重要なインフラになると考えています。戸建用の宅配ボックスが、普及していくことが必要であり、そのための仕組みづくりが課題といえます」

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オリジナル記事:再配達率が49%から8%に減少、パナソニックの宅配ボックス実証実験
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渡部 和章
ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

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