ADWEEK ASIA デジタルインテリジェンス セミナーレポート その1 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2017年6月2日(金) 07:14
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完全な状態のオリジナル記事は 「ADWEEK ASIA デジタルインテリジェンス セミナーレポート その1」 からご覧ください。

5/31にミッドタウンで行われているAWASIA  今年はデジタルインテリジェンスも協賛してセミナー枠をもちました。


さて、このブログではこのセミナー内容をレポートします。

デジタルインテリジェンスのHPでもレポートしていますのでこちらも是非ご覧ください。

http://www.di-d.jp/?p=3413

レポートその①は、デジタルインテリジェンスNYの榮枝からのアップフロント情報からです。


テレビ局は「ブランド・セーフティー」なのは当然。目的はブランド価値を作る事

2年目となるアドバタイジング・ウィーク・アジアが六本木ミッドタウンで開催され、「動画広告からテレビCMへの予算の揺り戻し 〜米国プログラマティックTVと広告主の新策トレンド〜」のタイトルでベム+音部大輔氏(資生堂チーフマーケティングオフィサー)とニューヨークの榮枝でセッションを開催した。

http://asia.advertisingweek.com/replay/-digital-intelligence-seminar-2017-05-31-1735?lang=ja

そのセッションの一部を紹介しよう。
米国では毎年5月頃に「TVアップフロント」の呼称で、各テレビ局が(視聴者に向けてではなく)広告主とエージェンシーに向けて各チャンネルの強みや価値をプレゼンテーションを行う。昨年あたりから、YouTubeやFacebookなどでの(ビデオ)広告がブランドが意図しないコンテンツと並列で掲載されてブランド毀損を避けるため、一時キャンセル、ボイコットが起こった。これに比例するかのように昨年はアップフロントの業績が突如回復し、テレビCMへの揺り戻しが起こっている。

しかし大局を見てみれば、優良な「プレミアム」テレビコンテンツを狙って、巨大な資本が虎視眈々と狙っているのは明らかで、その規模の違いに驚かされる。図は5月20日時点での各TVコンテツに関係する企業の時価総額をビジュアル化したものだ。

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テレビへの揺り戻しの好調さを維持したい各テレビ局は、アップフロントにて「自社のオーディエンスの価値」について、「ニールセン以外」の指標を使い、各広告主・エージェンシーに視聴の質をアピールしている。

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図:アップフロント、に参加するパブリッシャー/テレビ局の一覧。

「視聴率」というメディアの購買通貨であり、広告枠の評価基準をニールセンの視聴データ。年々下がり続けるこのデータを、人びとが「テレビを見なくなった」では片付けられない。データそのものが「漏れ」があり、「不備」であることに主原因があるとするTV広告の取引を行う業界関係者が41%もいる(下図)。

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ニールセンの年齢・性別デモグラデータ(女性18―34歳等)はセグメントが大雑把すぎる上に、デジタル分散露出される視聴を取りこぼしている。

米国での広告取引は2007年頃から導入が始まったニールセンのC3/C7(生+録画3日、7日の「見逃し視聴」の総計)視聴率を頼りに、性別&年齢のデモグラをベースにしたGRPを積み上げるモデルを採用し、丸10年が経過した状態だ。現在では「イッキ見」に対応するため、C35(35日分)の数字も出す程だ。

チャンネル局はこれまでの手作業による、エクセル上でのニールセンのオーディエンス・ベースでの買付けプラニングを、自社開発のプラットフォーム上で顧客に解放し、そこで組み立てた数字を基に「ギャランティード」売りを始めた。これは今年のTVアップフロントの特徴と言える。

具体的にはチャンネル局が提供するプラニングツールにログ・インして、局が契約するサードパーティ・データによるオーディエンスのセグメントを選び、広告主が自社のファーストパーティ・データと組み合わせて「プログラマティックに」プラニングができるメニューが用意された。「年収1,000万円以上で、車購入から3年以上経過の家庭」を基に何GRPを獲得したいか、という目線でテレビCM枠のアップフロントでのコミットが出来るのだ。

中でもNBCUは広告主に対し近年話題の「ブランド・セーフティー」に関しては「基本中の基本で、当然の事」とし、「そんな低い次元よりも、広告主が本来目指すべき商品が売れてブランド価値が引き上がる事を支援するのがNBCUの役目だ」と訴える。ブランド毀損を防ぐためにYouTubeやFacebookへの出稿ボイコットした広告主への大きなメッセージだ。下の写真は「ラジオシティ・ホール」で開催された2時間にわたるNBCUのプレゼンテーションの模様。

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図はNBCUがアクセンチュアと共に調査をした自社(NBCU)のオーディエンス調査。YouTubeやFacebookでの動画広告よりも、視聴の「質」が違う事を訴えている。ブランド認知のファネル上部で対YouTubeで11.6倍、対Facebookで4.1倍。ファネル下部の購買意向に繋がる部分でも対YouTubeで2.5倍、対Facebookで1.8倍のオーディエンス・メッセージがあるとしている。

これらのデータを自前で完備し、NBCUは過去二年、アップフロントでの広告セールスの手法として「ニールセン・ギャランティード(年齢性別のみのセグメント)」の販売方法とは別に、自社開発のATP(Audience Targeting Program)を使った「オーディエンス・セグメント・ギャランティード」の方法を一部のクライアントに「お試し」提供していた。

広告主企業は自社のファーストパーティ・データと、Axiom、Experianらのサードパーティ・データを合わせて、NBCUプレミアム番組を「吟味」できる。広告主の選択は自由であるが、ニールセン計測式を使っても、ATP計測式でも「ギャランティード」売りなので、NBCUと合意した契約数値に達しない場合は、NBCU側が追加スポット等何らかの方法で補償(メイクアップ)を行う。Viewable計測はMoat(Oracleが買収)を使う。

すでに過去2年でATPを利用した広告主からの反応も良く、試した広告主の7割が利用をリピートしており、2〜3倍の上積み予算を出す企業もあるので、NBCUは6,600億円規模(60億ドル)と言われるTVアップフロントでの販売目標の約6分の1の1100億円(10億ドル)分のプレミアム枠をATP用に優先確保し、今年は「全ての」広告主に提供できる。(裏返せば、それ以外のアップフロント枠は、引き続きニールセンのC3/C7データを使う<併用する、と考えられる)

テレビ局は熱心に、自社メディアの視聴の質データを完備し、デモグラ視聴率に頼らない販売方法を開発してきた。ブランド広告主目線では、これらのデータは「プラニング」のためのデータであり、最終的には自社ブランドに対しての視聴者(消費者)行動や感情の変化に関するデータと揃えて蓄積(レビュー)が必要になる。「効く枠」、「安い枠」等の価値判断は個々の広告主(+エージェンシー)によって違うはずだ。米国のテレビ局は、そんなブランド広告主の意向に沿い、二人三脚でのデータパートナーとしての行動結果として評価できる。次はクロス・プラットフォームを含めた「新しいテレビ(ビデオ)」の独自知見の蓄積が今年の広告主の大きな課題となる。

第二弾はまた・・・。

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