“AbemaTV” - Google アナリティクス 360 を用いたインターネット TV の計測とその実用事例について -2- | Google Analytics 日本版 公式ブログ

Google Analytics 日本版 公式ブログ - 2017年3月10日(金) 19:51
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今回は前回に引き続き、「Abema TV」での Google アナリティクス 360 スイートの活用を紹介します。前回の記事はこちらをご参照ください。
Google アナリティクス 360 導入の各事業部での成果
今回 AbemaTV にとって各チャンネル、番組レベルのユーザー属性データが短時間でレポーティング、分析可能になったことは大きな成果でした。

特にデータ取得の観点において、AbemaTV ではユーザーのログイン情報を取得しないため、ユーザーの属性情報の把握が難しい状況でした。しかし、アナリティクス 360 のユーザー属性機能を使い Google のユーザー属性とインタレスト カテゴリを取得することで、デモグラフィック データを番組編成の重要な指標として利用できるようになりました。
分析業務においても改善が見られました。今までも、自社ツールでは SQL を書くか、解析担当に依頼することで決められてたテンプレートのデータを得ることはできました。しかし、アナリティクス 360 の利用により、データ サイエンティストではない、現場の番組制作担当や開発担当も簡単なセグメントに基づく分析が可能になりました。

また、アプリケーション用のインターフェースもあるので、スマートフォン端末でいつでもレポートを確認できます。こうしたデータ閲覧の容易さが意思決定の素早さを支えている点もデータの民主化の観点から大きな進歩だと考えています。

上記のようなデータの収集、分析、閲覧の各フェーズでの改善の結果、今では代表取締役以下、担当取締役から各番組の担当者までアナリティクスのアカウントを持ち、各事業部の担当に応じたレポートを参照し意思決定に利用しています。現在 「AbemaTV」のアナリティクスアカウントには 200 名以上の社員が登録しており、日々の業務で利用しています。

これらの現場での取り組みに対する成果について、各部門での詳細な活用について各部門の KPI とともに紹介いたします。
<各事業部での担当するビジネス課題とそのトラッキング指標一覧>

主に担当するビジネス課題
改善すべき指標
取っている Action
経営層
継続、ユーザー数、広告収益
ユーザー数、継続率、5 分以上の視聴ユーザー数など
各部門毎のリソース配分や事業戦略に関わる意思決定
マーケティング部門 (事業戦略)
継続、ユーザー数
属性別ユーザー数、継続率、5 分以上の視聴ユーザー数など
属性情報と流入情報を元にしたマーケティング施策
プロモーション、宣伝本部
新規ユーザー数
新規ダウンロード数、流入経路元のユーザー数
TV、ソーシャルの運用、属性情報と流入情報、獲得経路分析
編成、制作部
編成戦略
視聴数、5 分以上の視聴ユーザー数など
コンテンツ編成、タイムテーブルの設定、コンテンツの出し分け
プロダクト開発部
初回体験、継続、新機能
翌週継続率、予約率など
番組表などの機能改善、プッシュ通知の改善


1. 経営層でのサービス間のリソース配分での活用AbemaTV の経営層は新規、既存ユーザーの再来訪率、5 分以上の視聴率を重要な指標とし、これらの指標を改善するためリソース配分や事業戦略の意思決定をアナリティクス 360 のデータを元に行っております。

日々の運用においては、編成制作局長、宣伝本部長、開発局長など経営層から現場のプロデューサーまで同時接続数をチェックしユーザーの反応を確認しています。特にリアルタイムでユーザー数を見ることができるので、目玉のライブ放送などを Google アナリティクス アプリなどで常にチェックし、サービス向上の指針の 1 つとしています。
例えば、チャンネルごとの同時接続数をリアルタイム レポートで確認し、ユーザー数が伸びていれば(コメントの盛り上がりなど定性的なデータなども考慮し)コーナーを延長したり番組編成をフレキシブルに変更するなどの工夫を行っています。
株式会社サイバーエージェント執行役員
株式会社 AbemaTV 取締役
卜部宏樹様直近では女性層を増やす施策として、データに基づき新しいチャンネル ( 韓流 ・華流チャンネル ) を増設し、リソースを投入しました。このようなコンテンツ、編成戦略の結果として、サービス全体の女性比率を開局時の 20% から 35% ( 2016 年 12 月時 ) に上昇させることができました。


2. マーケティング、宣伝部門での流入経路分析での活用
マーケティング、宣伝部門では新規ユーザーを重要な指標として、属性情報と流入情報のかけ合わせを判断材料として利用しています。例えば、目玉となるような大きな生放送の番組の場合、プロモーションの結果、ターゲットしていた属性のユーザーが訪れているかを確認しています。その施策後のユーザーの伸びについてもトラッキングし、継続利用につながっているかを分析しています。

また、両部門では新規ユーザーをどのように 5 分視聴ユーザーに育てていくのか、一度休眠してしまったユーザーをどうやって効率よく呼び起こすかが課題として持っていました。しかし、アナリティクスのアプリの SDK のみでは参照元のトラッキングが難しいという課題がありました。この問題を解決するため、ブラウザの流入元情報アプリの起動データと連携することで解決しました。


下記図に示した通り、Growth Link を介して経路情報の受け渡しをすることでウェブからの流入元を可視化をし、流入経路ごとにどのステップに課題 があるのか、また改善施策の効果があったのか明らかになりました。

今後はアナリティクスのリマーケティングリスト機能を用いることによる、休眠ユーザーの獲得を検討しています。

3. 編成、制作部門でのコンテンツ戦略への活用編成制作部門では、各番組のプロデューサーはアナリティクスレポートやAPIから作成したレポートにて日々自分の担当番組の数字を確認しております。

今回リアルタイム レポート API を活用し各滞在時間のユーザー数を逐一レポーティングすることに成功しました。特に速報ニュースに関して、どの程度情報を追加し、いつ番組を終了するかの判断の 1 つの指針としてこの分単位のデータを参考にしています。また、AbemaTV のようなザッピングが可能なインターフェースでは、その時流れている絵の強さが重要になります。今回、それを視聴転換率と定義し番組編成に利用しています。

<リアルタイムレポート API を用いたサンプル例>


リアルタイムレポートに加え、番組毎で各 [デモグラフィック データ] ✕ [ 5 分以上の視聴数]や[地域] ✕ [ 5 分以上の視聴数]の掛け合わせグラフを作成しています。これらのデータを元に 5 分以上視聴数が優位に多いコンテンツの再放送を増やしたり、よりリソースを投入して新番組をつくる指針にしています。

それからニュース チャンネルでは災害情報など地域性の高いニュース コンテンツを放映した際に都道府県別の視聴データを見ることで、情報インフラとして信頼できるコンテンツを提供できているかを地域と属性データから確認し役立てています。

4. プロダクト開発部門での機能改善への活用 開発部門ではプッシュ通知やシェア機能などのコンテンツによらないインターフェース上の施策のトラッキングにも専用のカスタム レポートを使い、効果測定に使用しています。例えばプッシュ通知に関して、プッシュしたコメントで反応したユーザーのその後の行動を分析することが可能になりました。この実装で打つ数を厳選しているプッシュ通知の最適化につなげることができています。

また、番組を SNS にシェアする機能を改善し、効果測定をしながら調整をすすめたところ、シェア率を 135% 改善することができました。その結果、シェア流入からの新規ユーザー獲得が 3 倍ほど増加しました。

初回体験のフロー改善にも活用しています。ユーザーの初回輝度から再来訪までのカスタマージャーニーを可視化し、それぞれのインターフェースで A/B テストを繰り返すことで、再来訪率を開局時より 115% 改善することができました。


この他にもチュートリアル閲覧機能の改善、番組表での閲覧から予約までのフローのインターフェースの改善にアナリティクスのデータを活用頂いております。

組織を横断したマーケティング プラットフォーム上記取り組みのように、経営層と現場が同一のマーケティングプラットフォームを共有することで、同じ KPI、同じデータ文脈でコミュニケーションができるようになりました。

アナリティクス 360 では、アセット機能の拡張により、カスタムレポート、セグメントの共有が簡単に行うことが可能です。解析チームにて必要なセグメントを予め用意しておけば、該当のセグメントをすべてのメンバーが見ることができるので、タイムリーかつスムーズな分析や建設的な議論が可能になりました。

今後の展望とアナリティクス 360 に求めるもの
AbemaTV はマルチデバイス対応のサービスですので、「データの民主化」をする上でウェブサイトとモバイルアプリの両方を一元管理ができる解析プラットフォームが必要でした。GA360はまさにそのニーズを満たしている一方で、GA360のウェブサイト版とモバイルアプリ版の機能を比較すると後者はひとつふたつ遅れている印象があります。
モバイルアプリは事業上とても大きな役割を担っているので、Firebaseとのシームレスな連携などさらなる機能改善に大きな期待を寄せています。 株式会社サイバーエージェント執行役員
株式会社AbemaTV 開発局局長
長瀬慶重様



Posted by  Analytics 360 suite アカウントマネージャー 清水千年







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