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Facebookのスライドショー機能と、ビュースルーコンバージョンの設定方法」 からご覧ください。
米Facebookの第3四半期の業績が11月4日に発表されました。Facebookでの動画視聴者数が、前年の10億人から80億人に急増するなど、着々と動画プラットフォームとしての進化を図っていることが再確認されました。
10月末には新たな機能として、複数の静止画を組み合わせて軽量な動画広告を制作することができる「スライドショー機能」をリリース。これにより、動画制作の工数削減や、ファイルサイズの縮小が可能になりました。
今回は、Facebookの「スライドショー機能」について解説します。
企業におけるFacebook活用の高まり
NTTコムリサーチ「第7回 企業におけるソーシャルメディア活用に関する調査」の結果によると、企業のソーシャルメディア活用率は、全体的に横ばいに推移。そんな中、最も採用率の高い「Facebook」は、さらに上昇し、8割に達したということです。
また、「Facebook」の活用施策として、「自社サイト・自社ブログへのリンク付のつぶやき」が上昇する傾向が続き、前回までの調査で最も高かった「Twitter」の結果を上回りました。
【図1】自社で公式カウントを所有しているソーシャルメディア_時系列別(複数回答
【表1】ソーシャルメディアの活用目的(一部抜粋)_時系列別(複数回答)
(引用:NTTコム リサーチ「第7回 企業におけるソーシャルメディア活用」に関する調査結果)
Facebookが「スライドショー機能」を発表した背景は?
モバイルでの動画視聴が増えている昨今。広告を含む動画コンテンツを、モバイルでもっと楽しみたいという声は世界中で高まる一方です。主に、新興国における動画配信を支援すべく開発された機能が、Facebookの「スライドショー機能」なのです。また、中小企業などが動画広告を手軽に活用することも視野に入れられています。
「スライドショー機能」とは、7枚までの静止画を最長15秒間で次々に表示させる形式の動画広告。ネット接続環境が悪い地域でも効果的な広告表示が可能です。
(画像参照元:Facebook)
必要なファイルサイズは、従来の動画広告の約5分の1。「スライドショー動画広告」は、音声が出ません。その代わりに、Facebookの広告作成ツールで、画像にテキストを書き込むことや、キャプションを付けたりすることが可能。動画広告と同様にニュースフィード上で自動再生されます。
Facebook動画広告のコンバージョンの計測
Facebookやソーシャルメディアの特徴は、ファンとの双方向コミュニケーションによって、ブランド好意度や購入意向を高めていくことです。
従って、そこでの重要な指標は、動画広告を見たことで、潜在的にブランドを認知したユーザーが、後からWebサイトに来てコンバージョンした数。つまり、「ビュースルーコンバージョン(VTC)」です。
ネット広告では、クリック履歴という膨大なデーターを基にユーザーの行動パターンを知ることが出来ます。一方、「ビュースルーコンバージョン」の強みは、クリックからはつかみきれ無かった間接効果を計測できることです。
また、「ビュースルーコンバージョン」では、動画広告による投資収益率(ROI)をより正確に測定することが出来ます。
コンバージョンの指標としてクリックを使用するというこれまでの測定手法の問題点は、実際の購入行動の大部分が、実店舗で行われている状況には対応しきれていなかったことです。しかし、ビュースルーによるコンバージョンを測定することで、より正確な測定が可能になるのです。
コンバージョンの指標として用いられる「ビュースルーコンバージョン」と「クリックスルーコンバージョン(CTC)」の違いについて簡単に説明しましょう。
▶ビュースルーコンバージョン
ディスプレイ広告等の広告を見たもののクリックしなかったユーザーが、後からサイトでコンバージョンを達成したといった、別ルートでWebサイトに来てコンバージョンした数。
▶クリックスルーコンバージョン
ディスプレイ広告等の広告をクリックしたユーザーが、Webサイトに来てコンバージョンした数。
まとめると、広告を目にしたけれど、その場でクリックしなかったユーザーが、同じ広告を何回も見たことで頭に残り、別ルート(自然検索など)でサイトを訪問し、結果としてコンバージョンが発生。このようなケースを計測し、露出の効果を数値化したのが、「ビュースルーコンバージョン」です。
それでは、実際にFacebookで「ビュースルーコンバージョン」を計測するための設定方法を見ていきましょう。
広告マネージャの「カスタム」をクリックし、プルダウンされたメニューの中から、「列をカスタマイズ」をクリックします。
次に、「アトリビューションウィンドウを変更」をクリックします。クリックすると、現在のコンバージョン計測条件が表示されます。
ビュースルーコンバージョンを計測するには、広告の表示後の1日間、7日間、28日間の項目を選択します。
(参照:ANAGRAMS Fecebook広告のコンバージョン計測の仕組みについて。)
次に、Facebookでのコンバージョンアトリビューションの計算方法について、ヘルプページに記載されているものを見てみましょう。
コンバージョントラッキングでは、どの広告がウェブサイトコンバージョンにつながったかを確認できます。広告のレポートでは、1日、7日、28日のアトリビューションウィンドウに分けて表示されます。
アトリビューションは、さらにクリックスルーコンバージョン(顧客が広告をクリックし、コンバージョンが発生した場合)と、ビュースルーコンバージョン(顧客が広告を見ただけでクリックせず、コンバージョンが発生した場合)とに分けられます。
以下の点に注意してください。
•顧客が広告をクリックした場合、コンバージョンはそのクリックにのみ帰属します。顧客がクリックしなかった場合、コンバージョンは表示のみに帰属します。両方にコンバージョンが帰属することはありません。
•クリック後に表示された場合でも、クリックの方が優先されます。
•コンバージョンは、誰かが最後にクリックした広告に帰属します。クリックがなかった場合は、最後に表示された広告に帰属します。
•1日間のコンバージョンは、7日間の合計に含まれます。1日間と7日間のコンバージョンは、すべて28日間の合計に含まれます。これは、クリックと表示に当てはまります。そのため、ビュースルーコンバージョンとクリックスルーコンバージョンの総計を計算するときは、同じアトリビューションウィンドウの数字を使ってください。
ある広告のコンバージョンを総計する方法の例を次の表にまとめます。
1日後のコンバージョンの合計は310、7日後のコンバージョンの合計は405、28日後のコンバージョンの合計は500です。(引用:Facebookヘルプ)
例では、クリックスルーコンバージョンと、ビュースルーコンバージョンの総計する方法が紹介されていますが、ビュースルーコンバージョンを計測したい時は、表示後のコンバージョンの数字を確認して下さい。
まとめ
米Coca-Colaがケニアとナイジェリアでスライドショー動画広告を配信した結果、2500万人にリーチし、ケニアでの広告認知度が10ポイント向上したという結果が出ています。
新興国を対象とした機能ですが、日本でもコストと手間を抑えたい中小企業が、動画広告を使用することでブランドストーリーを伝えたいといった場合の活用には、価値があると思われます。
今後も、Facebookの動画機能に関しては増えていくものと思われることから、今後の動向にも注目です。
(文=朝比奈 直樹)