わずか半年でネットショップを軌道に乗せた「香水屋ドットコム」の集客術とは?
個人消費が低迷する中、2009年4月に香水専門店「香水屋ドットコム」をオープン、半年あまりで軌道に乗せたのが、アスタリスク株式会社の村西美由紀さんだ。ショップ立ち上げを成功させた要因とは? 村西さんに語っていただいた。
価格ではなくきめ細かなサービスで
大手ネットショップに対抗
不況の影響で個人消費が大きく落ち込んだ2009年。この数年間で最も厳しい経営環境に直面したネットショップも多かったのではないだろうか。
そうした中、09年4月にネットショップを新規オープン。嗜好品に位置づけられる「香水」の販売に特化しながら、右肩上がりの成長を実現した通販サイトがある。アスタリスク株式会社が運営する「香水屋ドットコム」だ。同社代表取締役の村西美由紀さんは、開業の経緯について次のように説明する。
「前職でカー用品のネット販売を担当していた関係で、多少はネットショップ運営のノウハウがあり、自分でもお店をやってみたかったので開業しました。商材として香水を選んだのは、在庫がかさばらず、仕入れも可能だと思ったからです」
とはいうものの村西さんには香水を販売した経験はない。そこでネットで仕入れ先の連絡先を調べ、片っ端から電話で交渉。同時に他の香水販売サイトに実際に商品を注文するなどして、競合他社の販売方法も研究した。その結果、「価格では薄利多売の大手サイトにかなわない」と感じたという。「ですからラッピングを丁寧に行ったり、ちょっとしたカードをつけたりするなど、きめ細かなサービスで対抗していこうと思いました」と村西さんは振り返る。
商品を販売するWebサイトは、GMOメイクショップ社のネットショップ構築・運営ASPサービス「MakeShop」を利用して、村西さん自身で構築。まずはYahoo! カテゴリへの登録などを行った。
自分では思いつかないキーワードを
自動生成し、集客に貢献
とはいえ、オープンからしばらくは、思ったようには客足が伸びなかったという。そこで集客のてこ入れのために、09年7月から利用したのが、Yahoo! JAPAN リスティング広告の「スポンサードサーチ」だ。
GMOメイクショップでは、前出の「MakeShop」を利用しているネットショップ向けに、スポンサードサーチの運用支援ツール「かんたん! スポンサードサーチ」を提供している。「かんたん! スポンサードサーチ」とは、ショップの取扱商品に該当するカテゴリを選択するだけで、キーワードや広告文を自動生成し、各キーワードの入札単価の目安まで表示してくれるツール。広告予算を月々5000円、1万円、3万円の三つの料金プランから選ぶだけでスピーディーな広告出稿・運用ができ、リスティング広告に関する知識がないネットショップ運営者でも、手軽に使いこなせるのが特色だ。
村西さんは、この「かんたん! スポンサードサーチ」を利用し、集客を成功させた。
「ビジネス立ち上げの際、時間もなかったので、まずは『かんたん! スポンサードサーチ』を利用して広告出稿を開始しました。その後、立ち上げが少し落ち着いてから、もともと運用の経験があったことから、自分でもスポンサードサーチを運用し始めたのです。現在は両方のメリットを感じて、併用しています。」と、村西さんは利用の経緯を話す。
「『かんたん! スポンサードサーチ』で自動生成されるキーワード・広告文は、例えば『香水 激安』といったようなターゲットをあまり絞り込まないものが中心です。自分では思いつかないキーワードにも入札してくれますし、香水に何らかの興味を持っている方を、幅広く集客するのに役立っています」
また「かんたん! スポンサードサーチ」は、広告の管理も基本的には入札単価の操作だけで済むシンプルなシステムとなっている。
「日々の管理もレポート画面でキーワード別クリック数、表示回数、成約件数などを見ながら、入札単価だけをコントロールするだけ。1日あたり5分程度で済みますから、私のように一人でショップを運営している人にとっては、便利なツールだと思いました」
広告掲載時間の絞り込みなどで
CPAが600円から300円に改善
一方で、村西さんは前職の経験も生かし、通常のスポンサードサーチも駆使している。
「『かんたん!スポンサードサーチ』は集客(クリック)、通常のスポンサードサーチはコンバージョンを得ることが目的です。ですから後者のキーワードや広告文は、香水のブランド名を入れるなどして、顧客ターゲットを絞り込んだうえで出稿しています。今のところ集客とコンバージョンのバランスがうまく取れており、広告効果には満足しています」
広告掲載時間を18時から深夜1時までに絞り込むなど日々運用を改善していった結果、運用当初は600円くらいかかったCPA(獲得単価)が、現在は300円を切るまでに低下したという。
「お店を運営していると、売れ筋商品やレア商品を、急に入荷できることがあります。そんなときでもスポンサードサーチなら、すぐに広告に反映し、販売できます。季節によってキーワード・広告文を変えることもできますし、フレキシブルな対応ができるのがスポンサードサーチの最大のメリットだと思います。またYahoo! JAPANのトップページに香水に関する記事や話題が載ったりすると、急にコンバージョンが伸びたりします。Yahoo! JAPANに広告が掲載されるという点も、スポンサードサーチの利点だと感じています。今では売上の7割程度をスポンサードサーチ経由で得ており、スポンサードサーチ抜きでの集客は考えられない状況ですね」
オープンから半年あまりでお店を軌道に載せることに成功した村西さん。リピーターも徐々に増え始めている。「これからも市場をしっかり見極め、スポンサードサーチをうまく使って売上を伸ばしていきたい」と村西さん。2年目以降はさらなる飛躍が見込めそうだ。
※ なお、スポンサードサーチでは、複数アカウントによる同じキーワードに対する重複掲載はできない。
香水屋ドットコム
アスタリスク株式会社の運営する香水専門のネットショップ。
ブルガリ、クロエなどの人気ブランド香水や入手困難な香水約2000点を取り揃え、格安で販売している。
「男性の方でも、女性へのプレゼントだけでなく、自分でお使いになる方も増えてます」とのこと。
コメント
『かんたん!スポン
『かんたん!スポンサードサーチ』
凄いサービスですね。
とっつきにくいCPC広告に初心者を持ち込むのには
最適なサービスといえるでしょうね。
しかし香水屋さんの場合は成功したケースで、
失敗している方も多くいると思います。
私もCPC広告ではあまりいい思い出がないほうです。
これからCPC広告を考えているという方は、
是非とも自分で色々と調べてから、
慎重に出稿されることをオススメします。
キーワード広告は難しい=○×
高村俊隆さん
こんにちは。Web担の安田です。コメントありがとうございます。
ちょうど、この週末に用語集の検索連動型広告の内容を更新して、
> だれでも広告を出稿できるが、
> 費用対効果の高い広告にするためには、
> 自社の顧客を正しく理解して、
> 顧客ニーズに合った広告内容やリンク先ページの作成が必要なため、
> 使いこなすのは意外と難しい。
といったことを書いていたので、びっくりしました。
実際のところ、お客さまを相手に広告を出して商売をするということは、キーワード広告に限らず、何でも難しいものですよね。キーワード広告はキーワード広告ならではの技術的な難しさもあるのが実際のところですが、逆に、顧客のニーズを理解していれば、技術的な部分をある程度理解したらスムーズに行くのじゃないかな、と思います。
インターネット広告を出してはじめて自分の顧客理解が甘かったと認識する広告主さんも多いのではないかと思います。そういった意味では、お客さまの反応がダイレクトにわかり、少しずつ自分で変更を加えながら調整していけるキーワード広告は、顧客を理解するにも良いツールだと私は思っています。
カンタンに始められるけど、突き詰めれば難しい、
でも一番難しいのは顧客理解。
キーワード広告の難しさのポイントは、これだと思いますが、いかがでしょうか?
なにを基準に軌道に
なにを基準に軌道にのせたのかがよくわからない。
損益分岐で1円でも黒字になれば軌道にのったともいえる。
PVや売り上げなど一歩踏み込んだ情報が欲しい
参考になんない
だって、百貨店で知られた香水を安いところで買うのは常識。単なる安売りでしょ。