【インタビュー】さまざまな切り口やストーリーを考えながら~Stores.jpなどを運営するブラケットのコミュニケーション活動~

<事例>Stores.jpなどを運営するブラケットのコミュニケーション活動
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「Stores.jp」をはじめ、さまざまなインターネットサービスを運営する株式会社ブラケット。今回は同社のコミュニケーション活動について、代表取締役兼CEOの光本勇介氏にお話を伺いました。

【インタビュー企画・実施】
「広報スタートアップのススメ」編集部: http://www.pr-startup.com
(運営会社:合同会社VentunicatioN http://www.ventunication.com

全ては新しい市場を創造するために

まずは貴社の事業概要を教えてください。

当社は、個人間のカーシェアリングマッチング「CaFoRe(カフォレ)」をはじめ、オリジナルの靴をつくることが出来るオーダーメイドサービス「Shoes of Prey(シューズ・オブ・プレイ)」、簡単にECサイトを立ち上げることが出来るサービス「Stores.jp(ストアーズ・ドット・ジェーピー)」など、現在5種類のインターネットサービスの企画・開発・運営を行っています。

幅広いジャンルで展開されているのですね。

全てに共通するのは「新しい市場を創造するサービスを創りたい」という想いです。例えば「CaFoRe」を例にお話ししますと、従来車を借りるときはレンタカーしか手段がありませんでした。一方で国内の自家用自動車は約6,000万台に達しますが、1台当たりの稼働率はわずか2.3%、つまり約97%の時間は駐車場に置かれている状態なのです。そこで個人間で車を貸し借りが出来るプラットフォームをつくることで、個人間のカーシェアリング市場というものを創ることが出来るのではないかと考えました。

また「Stores.jp」に関しても、ECサイトを開設するサービス自体はそれほど目新しくないですが、開設するにあたってはいろいろと専門的な知識や技術が必要であるため、これまでは外注に頼まざるを得ない状況でした。そこでブログ感覚で誰もが簡単にECサイトをつくることが出来るサービスを提供することで、究極的には一人ひとつECサイトを持つのが当たり前の社会を創りたいと考えて「Stores.jp」を立ち上げました。

そもそも起業しようと思ったきっかけは何だったのですか?

前職では広告代理店に勤務していました。色々な企業のさまざまなビジネスに触れることが出来、非常にやりがいがある仕事でしたが、一方であくまで代理店は“ソト”の人であり、いくらクライアントのためと思って提案しても、最終的に判断するのはクライアントであり、ジレンマを感じていました。そうしたなかで次第に自分自身でビジネスをやりたいと考えるようになり、最終的に起業を決意しました。

起業するにあたってまず立ち上げたのが「CaFoRe」でした。というのも退職前に携わっていたクライアントが自動車関連だったのですが、そのときに先ほど申し上げたように、国内には多くの自家用車がある一方でそのほとんどが眠っている状況であることを知り、この状況を変革したいと考えたからです。

さまざまな切り口やストーリーを考えながら

起業当時から色々なメディアで取り上げられてきましたね。

当社が展開しているサービスは個人向けサービスですので、広く多くの人に対して訴求を図るためにはやはりマスコミュニケーションが有効だと考えています。そしてそのためにはメディアに対して働きかける必要がありますので、起業当時から積極的にメディアに対してアプローチしてきました。

私たちが展開しているサービスは「新しい市場を創る」ことが目的ですので、今までに世の中になかったことをやろうとしているわけです。そういった点からメディアにも関心を持ってもらい、色々と取り上げていただくことができました。但しいきなりメディアとの関係が出来るわけではありませんので、起業して5年間、地道にメディアとの関係をつくりながら今に至っています。

メディアへアプローチする際に意識されていることはどんなことですか?

新サービス開始時は比較的取り上げてもらいやすいですが、その後は“改良”“機能追加”程度のネタではそうそう取り上げてもらえません。したがって素の情報をそのまま発信するのではなく、さまざまな切り口やストーリーを考えながらアプローチをするようにしています。そうすることでストレートニュースだけでなく、深堀して取り上げてもらうことが出来、その結果また別のメディアに関心を示してもらえることもよくあります。先日も新聞で企画記事として取り上げてもらったところ、それをご覧になったテレビ局の方から取材依頼を頂戴しました。

前回のウェルセルフ(ココナラ)のインタビューでも同じようなお話が出ていましたが、深堀された内容で取り上げられることで、また次の取材につながることもよくありますからね。一方で貴社ではパブリシティに加えて、SNSなどオンラインコミュニケーションも積極的に展開されていますが、その中でも“動画”を上手く活用されていますね。
(ウェルセルフインタビュー記事: http://www.pr-startup.com/?p=2136

直感的にそして立体的に伝えるには映像がやはり有効ですので、積極的に“動画”を活用しています。企業サイトでの会社案内PVをはじめ、Facebookページでは実際の利用者の声を動画で紹介しています。なお動画を制作するにあたっては、あまりだらだらと流しても観てもらえませんので、端的に60秒程度でまとめるようにしています。

“動画”以外にオンラインコミュニケーションを展開するうえで取り組まれていることは何かありますか?

オンラインコミュニケーションについても、さまざまな切り口やストーリーを考えるように努めています。その際オンラインにおいては拡散されることが重要ですので、特に“意外性”を意識しながら企画を検討するようにしています。

例えば、掲載する画像の良し悪しがECサイトの売上に影響することは誰もが分かっていることですが、なかなかプロのカメラマンに依頼するのは費用がかかるため、結局ご自身で撮影される方が大半です。そこで通常は高額なプロカメラマンによる撮影サービスを“無料”で提供することで話題にしてもらえるのではないかと考えて実施したところ、多くの人に拡散いただくとともに、ご好評をいただくことが出来ました。

単に“意外性”だけでなくきちんと“ユーザーメリット”に結び付けているわけですね。さて今回お伺いしたような取り組みを通じて、最終的に訴求していきたいと考えていることはどのようなことですか?

最終的には“私たちの提供価値”を訴求していきたいと考えています。そのためにメディアに対しては「私たちが実現したいと考えていること」、そしてその先の読者・視聴者や、SNSユーザーなど一般生活者に対しては「私たちのサービスによって実現できること」をきちんと訴求できるように、情報発信する際には常に意識しています。

「知ってもらわなければ何も始まらない」

では最後に今後の抱負をお願いいたします。

「市場を創る」ためには、多くの人に利用してもらえるマスサービスにしていかなくてはなりません。今まではサービスのラインナップを増やすことに取り組んできましたが、したがって今後は現在展開しているサービスをより強化・拡大させていくことに注力していきたいと考えています。

そしてそのためにはまずは多くの人に知ってもらわなければ何も始まりませんし、また「市場を創る」ということは新しい概念を普及させることでもあるので、新しい概念そのものを啓蒙していく必要もあります。したがって認知向上と啓蒙を軸にしたコミュニケーション活動を今後も展開していきたいと考えています。

インターネットはあくまで手段であり、インターネットの利活用そのものが目的になっては意味がありません。しかし貴社のようにインターネットを“手段”として上手く活用すれば、今までになかった新しいサービス、そして新しいライフスタイルを生むことも可能ですよね。今後の取り組みに期待しています。本日はありがとうございました。

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